魔力ゼロだからと追放されて死んだら、オレの中の魔王が目覚めて犯りたい放題しやがる(改題) 作:遊野優矢
城を出てから二日目の夜。
まだ次の街に着かないレックス達は、今日も川辺で火をおこしていた。
火をはさんで向かい合って座る2人。
日暮れが近づくにつれ、パナデリアの顔に不安の影が落ちる。
「ハイオルムがこれ以上パナデリアに手を出すことはないはずだ」
「だといいのですが……」
会っていきなり唇を奪われたのだ。
安心するなと言っても気休めにしかならないだろう。
「封印を解かれた夜に、気絶したパナデリアに手を出すこともできた。そうしなかったのは、パナデリアを大切に想うオレの魂に引きずられているからだと、ヤツも言っていただろ?」
これはもうほとんどというか、まるっきり愛の告白なのだが、パナデリアを心配するあまり、口に出したレックス本人も気づいていない。
「はい……ありがとうございます」
パナデリアもまた、自分を気遣ってくれたことへの喜びをかみしめるあまり、その事実に気が付かない。
そして、日が暮れた。
レックスの体がハイオルムのものへと変わる。
パナデリアが思わず大剣に手をかける。
金色の瞳がじっとパナデリアを見る。
昨日はあれほど横柄だった彼の瞳が、パナデリアには一瞬どこか哀しそうに見えた。
気のせいだろう、とパナデリアは首を振る。
油断などできるはずもない。
「見張りは我がしておいてやろう。眠るがよい」
ここにきて、パナデリアは悩むことになった。
ハイオルムを前にして、眠れるはずなどない。
かといって、いくら訓練された彼女であっても徹夜は2日が限度。
日中の集中力を欠くことにもなり、レックスに迷惑をかけてしまう。
「そう警戒するな。手はださん」
「信用できるか。昨日あんなことをしておいて!」
「なんだ、最後までしてほしかったのか?」
くっくっと笑うハイオルム。
「そんなことを言っているのではない!」
「他の女であれば、あの場で好きなだけ犯していたところだ」
「なんてゲスな……」
やはり気を許せるはずなどない。
「やれやれ。しかたあるまい……」
ハイオルムの瞳が一瞬きらりと光ると、パナデリアの意識が遠のいていく。
「き……貴様……」
そのまま、パナデリアは深い眠りについた。
「そのような女、御主人様であればいかようにもできますでしょうに」
聞き覚えのある女の声は、一匹のコウモリから発せられたものだ。
コウモリはぱたぱたとハイオルムの足元にやってくると、黒い霧の塊となり、やがて人の形をとる。
現れたのは、ハイオルムが復活したその時に犯した女魔術師だった。
薄い黒いレースの布を一枚だけ身につけた女は、ハイオルムの前に跪いた。
「余計な口出しをするな」
「はっ! 申し訳ありません!」
女は震えながら、頭を垂れる。
「調べがついたか」
「はい。レックス様暗殺の首謀者は、やはりオキサーダ王でした」
「そうか……。関係者は?」
ハイオルムの目の奥がギラリと光る。
「レックス様の血縁者8名を含む、18名です」
「多いな……。全員王都にいるのか?」
地方に散らばっていると面倒だ。
「全員城の一室に集め、眠らせてあります」
「手際がいいな」
「はい!」
少し褒められただけで、女の顔がぱっと明るくなる。
太ももをもじもじすり合わせる彼女の足元は、股から溢れた体液で濡れ始めている。
「ひと仕事してくる前に褒美をくれてやろう」
ハイオルムが二本の指で、女を招く動作をする。
「御主人様……」
女は舌で自らの唇を淫猥に湿らせた。
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