魔力ゼロだからと追放されて死んだら、オレの中の魔王が目覚めて犯りたい放題しやがる(改題) 作:遊野優矢
ハイオルムはオキサーダ城内を優雅に歩いていた。
見張りの兵士たちはナターシャによって全員気絶させられている。
向かった先は、夜は誰もいないはずの謁見の間だ。
大きな扉を開けると、普段は兵士たちが並んでいるはずの場所に、王をはじめとした貴族達が手足を縛られた上にさるぐつわをかまされ、転がされていた。
報告通り18名が揃っている。
国内複数派閥の有力者が、上は老人から下は若い娘まで勢揃いである。
ハイオルムは気絶した彼らを見下ろしながら悠々と歩き、玉座に座る。
――パチン。
ハイオルムが指を鳴らすと、若い女が1人、目を覚ました。
大きな胸元を強調するドレスを着た美人である。
第3王子の許嫁だったはず。
ハイオルムは封印されている間、たまにレックスの見聞きしたものが意識の中に流れ込んできていた。
その時の記憶によると、「レックス様が亡くなれば、次の国王は貴男よ」とこの女が言っているのを、レックスは見てしまっている。
そこで過剰なショックを受けない心の強さを持つのがレックスだ。
表面上は変わらず誠実に接しながらも、警戒を強めていた。
「んー! んー!」
女はハイオルムを睨みつけ、何やらうめいている。
ハイオルムが指先を小さく回すと、女を拘束していた縄とさるぐつわが切れた。
立ち上がった女はずかずかと玉座に座るハイオルムへと向かう。
「ちょっとあなた! 玉座に座るなど不敬ですわ!」
「不敬というのは、そこに転がっている王に対してか?」
ハイオルムが指差した先には、オキサーダ王が他の貴族たちと同様に転がされている。
「なっ!? オキサーダ王!」
駆け寄ろうとした女の体がぴたりと止まる。
「な、なんですの……? 体が勝手に!」
女は皆が王にそうするようにハイオルムの前で跪き、顔をあげる。
「我の質問に答えてもらおう」
「誰か! 侵入者です! 誰むぐ!?」
声をあげた女の口が自ら閉じられる。
もちろん、ハイオルムの魔術によるものだ。
この女も貴族だけあって魔術の素養はあるようだが、ハイオルムからすればその体を操ることに呪文など不要だった。
ただ魔力により相手の意志を操るのみである。
「我の質問にだけ答えよ。よいな」
女はキッとハイオルムを睨みつけながら頷くと、その表情が驚きに変わった。
「レックス!? いえ……顔立ちは似ているけれど……誰です!」
術を解いてみたハイオルムだったが、騒がしい女に嫌気がさした。
抑えていた魔力を少しだけ解放する。
「な、なんですの? この強大な魔力は……」
魔術を扱える貴族達は魔力に敏感だ。
女は急に訪れた体の異変に必死であらがおうとするも、押し寄せる欲望に意識は飲まれていく。
処女は将来王になる男のためにとってある。
しかし、そんなことなどどうでもよくなるほど、眼前の男に犯されたい欲望が脳を支配していた。
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