※この作品はR-18です。

魔力ゼロだからと追放されて死んだら、オレの中の魔王が目覚めて犯りたい放題しやがる(改題)   作:遊野優矢

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第三章(4)

 路地裏からの悲鳴を聞きつけたレックスは剣を抜き、声の方へと向かう。

 

 大剣が邪魔になって身動きの取りにくいパナデリアは、レックスの後を追いながら、路地の入口で後方警戒だ。

 このあたりは、騎士団で何度も連携してきたので、打ち合わせの必要もない。

 

 路地裏では、まさに1人の女が2人の男達に犯されそうになっているところだった。

 

「やめて……この……くっ……」

 

 ボブカットの似合う村娘はもがくも、地面におさえつけられ、身動きがとれない。

 胸ははだけ、ロングスカートの中に手を突っ込まれている。

 

 まっ昼間から二十歳前後の女性を襲う同年代の男二人。

 スラムなんかじゃたまに見る光景ではある。

 

 騎士団員でもなんでもないので、首をつっこむ理由はないのだが、見過ごすのも気分の良いものではない。

 

「やめておけ」

 

 音もなく3人に近づいたレックスは、男の片方の首筋に剣をつきつける。

 

「た、たすけて! たすけてください!」

 

 女は目に涙を浮かべながら懇願する。

 

「安心していい」

 

 ほどよく膨らんだその胸の先端から目をそらしながら、レックスは頷く。

 

「な、なんだよ。混ぜてほしいなら銀貨1枚でいいぜ」

 

 男は震えながらも、下卑た笑みを浮かべる。

 

 レックスは小さくため息をつくと、近くの木箱の上にあった壺を剣で斬った。

 真っ二つになった壺が木箱から落ち、乾いた音を立てて砕けた。

 

「貴様達の頭もこうしてやれるが?」

 

 レックスが冷たい目で男たちを見下ろすと、男たちは女から手を離し、じりじりと下がっていく。

 彼らの眼の前に、銅貨を2枚投げてやる。

 

「へ、へへ……わかったよ。譲ってやるよ。なあ?」

「お、おうよ!」

 

 男たちは足をもつれさせながら逃げていく。

 

「あ、ありがとうございます!」

 

 女は胸が露わなままなのも気にせず、レックスの胸に飛び込んだ。

 

「金など渡す必要はなかったのでは?」

 

 トラブルが終わったとみて合流したパナデリアの声に、レックスがビクンと背筋を伸ばした。

 そっと女を引き剥がし、自分の上着をかけてやる。

 

「あいつらにも『譲ってやった』という建前ができるからな。あれで余計なトラブルが避けられるなら安いもんだ」

 

 銅貨2枚にしたのも、二人で分けられるようにしたためだ。

 

「あの……わたし、エレナです。この服も返したいし、お礼もしたいので、うちに来てもらえませんか?」

 

 断る理由のないレックス達は、エレナの家へと向かった。

 

 

 

 エレナの家は、街の外れにある石造りの平屋3LDKだ。

 この地方としては一般的な作りである。

 

「ご家族は?」

 

 リビングを見るに、一人暮らしではないようだ。

 

「兄がいるのですが、隣町に出稼ぎに行っています。うちは農地を持っていないので……」

 

 エレナは少しさびしそうに目を伏せた。

 豊富な農作物を作れる街とはいえ、現金の確保のためにそういったこともあるだろう。

 

「石窯がありますね。パンを焼きましょうか」

 

 少し気まずくなった空気を壊すように、パナデリアがキッチンの石窯を指さした。

 

「お客さんにそんなことさせられませんよ」

「いいから、いいから。実家だと私の焼くパンはちょっと評判だったんですよ」

 

 エレナはレイプされかけたばかりなのだ。

 パナデリアなりに気を使ったのだろう。

 

 ちなみに、彼女の焼くパンが美味しいというのは本当だ。

 彼女と彼女のパン目当てで、実家の宿と酒場を利用する客は多かった。

 かくいうレックスも、彼女の焼くパンは大好物である。

 

「じゃあ、もし宿が決まっていないなら泊まっていってください。旅人さんなのでしょう?」

 

 レックス達二人はその申し出をありがたく受け入れることにした。

 宿代が節約できるのは正直ありがたい。

 

 

 

 女性二人がキッチンで夕食の準備をする間、レックスは庭で薪割りや、井戸からの水くみなどを手伝った。

 二人は談笑しながら、和やかにキッチンに立っている。

 一見キツそうに見えるパナデリアだが、こういう時はとても頼りになる。

 レックスは騎士団時代に何度も頼ることになったものだ。

 

 しかし、夕食時が来るということは日が暮れるということだ。

 それはハイオルムが表に出るということでもあった。

 

 




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