※この作品はR-18です。

魔力ゼロだからと追放されて死んだら、オレの中の魔王が目覚めて犯りたい放題しやがる(改題)   作:遊野優矢

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第三章(12)

 街は荒くれ者達で溢れていた。

 あちこちで強盗や強姦が多発している。

 

「おらおら! 金目のもんを出しゃ命だけは助けてやるよ!」

「おっとそっちの女はダメだ。こっちにこい! たっぷりかわいがってやる!」

 

 女がいかにも野盗といった雰囲気の男に連れて行かれようとしている。

 

「容赦は?」

 

 レックスは念の為、自警団の団長であるカイユンに問う。

 

「いらない!」

 

 怒りに満ちたカイユンの返答に、レックスとパナデリアは弾かれたように飛び出した。

 レックスは女を掴む野盗の腕を切り落とし、返す刀でもう一人の男の首をはねた。

 

「てめえらやりやがったな!?」

 

 路地から出てきた別の男が手にしたロングソードでパナデリアに斬りかかる。

 それをパナデリアは、美しい剣筋の大剣で上から男をロングソードごと真っ二つに叩き斬った。

 

 叩き潰したのではなく「斬った」ことが、彼女の腕前を物語っている。

 

 狭いところはレックスが担当、広いところはパナデリアが担当。

 このコンビを止められる者はいない。

 

「す……すげえ……。ここは任せた!」

「わたし達は別の場所に!」

 

 エレナとカイユンは通りの向こうへと消えていく。

 

 

 

 20人ほどを切り捨てただろうか。

 野盗やら傭兵崩れやら、わかりやすいごろつき達はまだ街のあちこちで暴れている。

 

「妙だ」

 

 レックスはまた一人、老人から金品を奪っていた男を切り捨てた。

 

「どうしました?」

 

 パナデリアが飛んできた投げナイフを素手でつまみ、そのまま投げ返す。ナイフは投げた男の眉間に突き刺さった。

 

「これだけの数が目的もなく同時に暴れ出すなんて、普通は起こらない」

「略奪が目的なのでは?」

「それなら空き巣でいいし、強盗なら夜でいい。軍が街を占拠してからの略奪ならわかるが、そうでもない」

 

 家屋に侵入し、女を犯している男を背中から一突きし、別の悲鳴へと走りながら話す。

 

「そのわりに、潜伏したあとわざわざ暴れ出すタイミングを合わせてる」

「混乱させるためでは?」

「そうかもしれないが、なんだかちぐはぐなんだよな……。バカなのか手慣れてるのかよくわからない。農作物で有名な街なのに、奪うのは金品と女だし」

 

 路地に入ったレックスは、金品を抱えながら裸の女の髪を掴んで引きずる男を切り捨てる。

 

「くそっ! なんだあいつら! 聞いてないぞ!」

 

 それを見た仲間の男たちが、石を投げてくる。

 ただの投石と侮ってはならない。

 

 逃げ場のない路地で、男3人が全力で投げる石はまさに凶器。

 当たりどころが悪ければ死ぬことすらありえる。

 しかしそれらの石は、パナデリアの大剣により、全て防がれた。

 レックスは大剣を足場に飛び上がり、建物の壁を蹴って急降下。

 

 あっという間に3人を切り捨てた。

 

 ピュイーーー!

 

 街中に笛の音が響き始めた。

 衛兵が出てきたようだ。

 その頃にはすでに、街中の悲鳴はあらかたおちついた後だった。

 

 

 

 あれほど暴れていたごろつき達が、衛兵に大人しく捕まっていく。

 中にはニヤニヤと笑みを浮かべている者もいる。

 

「どうなっている……?」

「レックスの言う通り、確かに妙ですね……」

 

 ぞろぞろと連れて行かれるごろつき達を路地裏から眺めていると、衛兵達の動きがにわかに慌ただしくなった。

 ごろつき達の逮捕もそこそこに、衛兵達は去っていく。

 

「何かあったんでしょうか……?」

 

 パナデリアの問への答えをレックスは持たない。

 静かになっていく街の中、レックス達はエレナの家へと向かうのだった。

 

 




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