脚のマッサージが終わり、「じゃあ次は、さかもつさん、あぐら座りしてください!」とゆうちゃんが促してくる。
ボクがベッドに座ってあぐらをかくと、彼女が背後に回り込んでくる。
「これから肩と背中、やりますね~」と、ゆうちゃんがオイルを手に擦りながら近づいてきて、小柄な身体がボクの背中にピタッと寄り添う。
キャミソール越しのおっぱいが背中にムニュッと押し付けられ、彼女の手が肩に置かれる。
肩全体をほぐすような手つき。
「んっ、気持ちいい」と呟くと、「でしょ? これ、お兄ちゃんにもよくやるんです。得意なんですよ~」と笑いながら、ときおり肩をグイッと揉んでくる。
さっきまでの弱気な感じを吹き飛ばすように明るいゆうちゃんに、ボクは自然と和んでしまう。
この子は快活な感じが似合う。
「ゆうちゃん、すごく気持ちいいよ」と言うと、「えへへ、ありがとう~!」と彼女が少し身体を揺らして、おっぱいをさらに密着してくる。
元気っ子のクセに、なんというけしからん身体してるんだ。
でも、それがいい。
などと思ってると、不意にゆうちゃんの手が止まって、ボクの背中に顔を寄せてくる。
「あのね、高校生のとき、ちょっとしたハプニング、っていうか、お風呂上りに裸をお兄ちゃんに見られちゃって……」
ゆうちゃんは、つぶやくように話す。
「そのとき、お兄ちゃんも男の人なんだ、って気になりだして……。それからも何度かドキッとする瞬間があって。お互い意識してるのかなって思ってて……」
ゆうちゃんの甘酸っぱい感情が凝縮されている言葉に、ボクはむしろ懐かしさすら感じる。
でも、相手が実の兄だったとすれば、それが深刻な悩みで、苦しい思いだった事も分かる。
「それで……、初めて抱き合ったきっかけになったのが、このマッサージだったんです」
ボクはさすがにドキっとする。若さの突進力ってすごいな。
「お兄ちゃんのこと好きで、裸で抱き合ったり触り合ったりしたけど、セックスは躊躇があって出来なくて……」
と寂しそうに続ける。
突然のゆうちゃんの告白に、ボクは思わず興奮してしまう。
すごいぞこれは、「禁忌の恋」ってヤツだ。
でもたしかに、ナイスバディと明るいキャラを兼ね備えたゆうちゃんだったら、実の兄でも変な気を起こすのも納得できる。
「そっか、複雑だね」と言うと、「うん、でもお兄ちゃん大好きなんです」と呟きながら、肩を揉む手が少し震える。
ボクは、はっとする。
ゆうちゃんは、兄への想いと現実のギャップに真剣に悩んでいるんだ。
この想いを蔑ろにしてはいけない。
ボクは、ゆうちゃんの手に自分の手を添えて、ギュッと握る。
「ごめんね、ゆうちゃんにアドバイスできる事はないけど、でも、ゆうちゃんを応援してるから」
ボクはせめてゆうちゃんを安心させたい一心で言うと、ゆうちゃんはボクの手の甲に頬ずりして、「ありがとう」と言った。