「ほぉ゛ぐっっ! ……ぅぎっ! ぉぉおお゛お゛~~~~!!!!」
響き続ける嬌声。電子音を機にこの部屋から人の営みは消えた。代わって粘り気のある水音、そして獣が快楽と互いの媚肉や体液を貪り啜り合うのみ。普段の楚々とした振る舞いなど微塵も感じさせない雌の鄙陋な叫び声は、相違なければ動物の雌が、外敵や危険が迫っていることを己の所属する群れに対して伝える甲高いそれだ。
しかし警戒声を発するべきは、この場が気密性の高い防音処理のなされた宿の一室ではない、或いは自らに襲い掛かる雄以外の助けを期待できる者が存在していた場合の話であり、この場においては逆効果と言わざるを得ない。
「ぢょっ、やめっ……! ひっ、ぉお゛!! ふんっっぐっっっ……! んおっ、ほっっっ……! ほぉぉおおお~~~~!!!! イッ……てますイッてます待っ、イクっ……! まじでおまんこつぶれてますほんとだめやめておちんぽ止めてやだぁああ! ああ゛あ゛~~~~!!」
一見すると、ただ男が蹲っているようにしか見えない寝台の上。明かりのない部屋だがよく目を凝らしてみると、男の側腹部から僅かな光を反射し妙な艶を感じさせる人の足が生えているではないか。足背部には骨の筋が隆起し、指先まで力強く反り返ったかと思えば確と丸め、快楽をどうにか逃がそうとしているのが見て取れる。
「んぐえっ!! ……んぅぐっ、……ぉへえ゛ーっ! んへえ゛ーっ! んえ゛っ、ぇえ゛……! えっ、え゛っ、へっ……ぇ゛……んへえぇ……お゛ぉっ……はへっ……へっ……んへっ……」
潤う肌が一際強くぶつかり合うと、次第に人の荒い呼吸へと変わる。
声帯を震わせ、まるで憤懣を吐き出すような低く、威嚇を思わせる声。それと重なるように、且つ終わった後も続く、満足感に浸るような細く長い吐息を放出する男。大きな一息のみで呼吸を整え、用は済んだとでも言うように上体を起こす。
すると露わになる女の痴態。大腿部を掲げるように上げ、両腕は頭の上で我武者羅に敷布を搔きむしる、ひっくり返った蛙もかくや。呼吸も儘ならないのか、身体に籠った熱を排出するかのように必死で激しい喘ぎ声が漏れている。結合部付近の愛液だけではなく口元から肩、大腿にかけて、およそ末端以外の前面全てが互いの体液によって僅かな明かりですら照り返し、女の恥辱を確かなものにしていた。
「ほぉおっ……!! ほおおぉぉぉ~~~~………ふっ……ふ~……んふー……やっ! あっ、だめっ! 今おちんぽ抜くのだめです! まだイッたばっかでおまんこつらぁぁぁあああ抜くのやめ……ふんっっっっ!!!! ……んんぎぎぎぃぃぃいい~~~~……!! だめっ……ちんぽ絶対離しませんからっ……! 今抜いたらほんとおまんこやばいっ……! カリでぞりぞりするのずるいっ……まじっでっ、それやばっ……! あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛あ゛あ゛ーーーー!!!! …………んぎゅっ……へぇえ!! んへぇーっ! へぇーっ……! お゛ぉっあ゛へっ、え゛ぇ゛っ……はへっ、へっんへっ……ん゛えっ、え゛っ……さいてーっ……っんへぇ……はひゅ、ん゛ふー……くずおとこっ……」
女の都合など一切お構いなしに抜き取ろうとするが、勿論無抵抗で難なく叶うとは男も思っていない。しかし何度繰り返そうとも、結局は男が問答無用に引き抜けば片の付く遣り取りでしかない。女もそれは分かった上での対応のはず、そう思えば女への愛しさが湧いてこないこともないが、所詮は雌。雄への反逆も、腰に回った両足を掴み押さえつけてしまえばそれだけで力を失い、あとは陰茎そのものに縋り付く媚肉から力任せに引っこ抜くだけ。
歯を食いしばり口角から涎を垂らし、膣を力の限り引き締めるため背中を逸らす。懸命に堪えている様を晒しておきながら、得意げに「離さない」と宣言する。
しかし男が構わず動きを見せれば、途端余裕を無くし浅ましく泣きわめく。なんと愚かで無様、哀れで品の無い下劣な雌か。
喧しい肉壺は放っておき避妊具を外そうと目をやるも、そこには己の精液に塗れた男根のみ。肝心の避妊具はといえば、今しがたソレを抜いたばかりの蜜壺に引き剝がされ、口の部分以外は内部に放出された精液ごと取り残されている様だった。
「このっ……絶対許さない……! すんっ、すんっすぅーっ……ぅあ、なにこの臭い……すぅっ……くっさ! くさすぎ……すん、すんすんっ……こんなにおい、絶対私以外の女の子に嗅がせたりしたら……すぅーっ……だめですからね……ちゅ……ちゅぱ、ちゅう……んへぁ……えれえれえれえれ、れろ~~……ちゅぶ……ん、頭撫でときゃいいとか思ってるでしょ……ちゅ! まったく……ちゅっ! 女の子はそんなチョロくありませんから……ちゅぷ! れろれろれろれろ……んはぁ、はぁんむ……んっもんっもんっもんっも!! ふんっむ、んっむんっも!! んむふー、んふー……ぢゅるるるるるっぶっ! ぶぶっ、ぶっ……ぽん! ……よく考えたら悪いのは全部この金玉なんだよね……れろ……うわ精液と汗が混ざってベッタベタ……油みたいになってる……ちゅこっぢゅろろ、ぢゅっこ……んんっむっ、ちゅうぅぅ……ちゅ! ちゅ、ぢゅうぅ、ちゅ!」
やはり出来合いのモノとは違う。昨日得た新規の雌とは一転、行為後の充足感に酔いしれる時間がある幸福を噛みしめる。だらしなく足を伸ばし広げ、背後に両手をつき思うまま寛ぐ。
掃除に留まらない快感を与えようとする口腔性交により、絶えず昇り続ける男の性感。忽ち消え去っていく糊のような白濁液。
土下座を思わせる姿勢での奉仕を当然の様に受け入れる従順な雌への褒美として、時折気が向けば頭を撫で褒めてやる。
柔らかな上目遣いで睨みつけ、止まることを知らぬ誹謗。しかしソレによって紡がれる毒のある言の葉とは裏腹に、燃え上がるように苛烈になる奉仕。中核たる舌体の動きは陰茎どころか陰嚢にまで及び、言動のどちらが真か偽なのか、口を大きく開き曝け出すことで婉曲に雄様に伝えていた。
「ふもっ、ふっ、ふむもももむっ! んむふー!! んふー! んぅふー…………ぶぼっ! ぶっ、ぶび! びびっ、ぶ! んふー……んぢゅるるるるるるっっっっ……ぽぉんっっ!!」
女の魔羅を咥え込む動きは、左右の頬粘膜に交互に擦り付けるようにかぶりを振りつつ、頤部から前頭部まで、正しく顔面を男の陰部に押し付けるモノだった。
そして引き抜く動き。口腔を雄の象徴に支配されているため、肉体の動力源たる酸素を取り入れるには鼻呼吸しか許されていない。しかし鼻腔どころか嗅覚野、海馬、扁桃体、視床下部ごと犯し、侵され、奸すかのような、暴力的なまでの雌に対してのみ猛毒となるその臭気。やおら呼吸を整えている余裕がないことを知っている女が荒く息づいてしまうのは必至。
唇を陰茎に密着させ口内から空気を排出、十分と判断すれば自らの痴態も気にせず伸べ広げ、粘膜まで用いる万全の対応にてこびりつく男のあらゆる体液を啜り上げる。
尿道のみならず精嚢から精管、あるいは精巣にまで未だ余りある種汁をも吸い上げるつもりなのか。そう思わせるほど女の顔や仕草は一心不乱で、何より唇が引き延ばされた様と奏でる音色は、あまりにも尾籠でみっともない。
「くちゃ、ぐちゃにっちゃ……ふんぅむ、んえあー……ぁぇ……んぁむ、こくっ、ごく……ごくん……えあぁぁ、ん……あっ、またもうチン毛付きすぎ……もうないですよね? 右? ……んぁあむ、んれぇあ……くちょっ、ぐち……ごっきゅっ……んはぁ~~……うっわ息ザーメンくさい、ほんとさいあく……」
口の周りと中にある残留物を飲み込み終わるまで、口腔奉仕は完了しない。
ひり出し切れていなかった精液をどれだけ吸い出したのか、吸い出した精液を確と飲み込み切れたのか。口腔内を都度見せることで報告とし、自らが優れた雌であることを雄様に示す。
しかし彼女とて雌であり女。どんな時でも身嗜みへの注意集中は怠らない。今度は陰毛が粘着していることに気付くと、すぐさま回収し胃に収める。
互いの何らかの体液によって粘つく毛は、屑入れに入れようとしても指から離れないことがままある。そうして手間取っている隙に後ろから次の行為を始められてしまった経験から、さっさと咥えて嚥下してしまうのが最も手っ取り早く処理できる手段。
これら全てが男によって仕込まれた、女にとっての常識であった。
「なんで残り汁ですらこれだけあって、しかもドロネバなんですか……こんな生卵とかとろろみたいなザーメンを毎回飲んでくれる女の子なんて私くらいなんですからね? もう少し感謝の気持ちとか……なでなでがお礼のつもりなら女の子舐めすぎですから……ちゅう、ちゅ! ぅきゃっ! す、すみません! で、でもちょっとおちんぽにキスしただけじゃないですかっ……! 別にビンタしなくたって……」
彼女の可愛いおねだりも、聞いてやるのが男の器量。
綺麗に飲み込めたご褒美が欲しいらしく、乱雑に頭を撫でてやれば陰茎と陰嚢にそれぞれ接吻。男にとっては不意打ちだったのか、思わずといった様子で魔羅が反応し跳ね上がり、女の頬から眦にかけて痛烈に叩きのめした。
普段であれば雌を咎める時の行為であると知っているため、打ち据えられた方の目を閉じ涙を滲ませつつも謝罪と釈明を急いだ。
「え、えろかったですか……? んぅん……別にちんキスくらいいくらでもしてあげますけど……ちゅう、ちゅぱっ……ちゅ、ちゅうっちゅっ、ちゅっちゅうぅ……」
だが雄様を怒らせてしまった訳ではないらしく、それどころかお褒めの言葉を賜ってしまった。はにかむ顔を隠すべく、そして十分以上に伝わった男の感謝と喜びに応えるべく積極的に口をつける。
「お金玉様も、失礼致します……えれぇ~~~~……れろれろれろ……ちゅこっ、れころ、ちゅう~っ……ぷっ……あっつ、精子つくるの早すぎ……ふー……ふー……、ぅあ゛……ギュルギュルなってる……やばすぎ……ちゅぶっ……がんばれ~……ちゅっ、おせーしぐつぐつかっこいいぞ~……」
勿論礼儀として事前通達は欠かさない。雄様の大事な部分を驚かせてしまうわけにはいかないのだ。
陰嚢のあまりの熱さに吐息にて冷却を試みるも、すぐさま無意味と判断。正面突破を諦め柔よく剛を制すとでもいうのか、言葉による懐柔へと移行した。無論これほどの馬鹿みたいな行いなど愛しの雄様にばれるわけにはいかない。仕えるべき男根様にのみ届くように、女は囁いた。
「ちゅぅ~……ちゅっんぅ……? あっ……ちゅぷっ」
行為を再開しようとしたところ、男が頭を撫で髪を梳かす。言外の意図を違わず理解した女は、最後の挨拶を落とした後会話に戻る。
「き、気持ちは伝わりましたけど……こう、協力というか……一回でたくさんの精子出してくれるのは有難いですけど、もう少し飲みやすく、水分多くしたりとかできないんですか? 確か精液って食生活で味とか変わるんですよね? ……んまぁ、先輩がご希望なら? 時々私がご飯作りに行ってあげなくもないですけど……は? 折角女の子の手作り料理が食べられるチャンスをシスコンでふいにするとかっ! いやっ、まぁ……確かに莉子ちゃんのご飯美味しかったですけど……! わっ、私も……結構自信ありますから! あと莉子ちゃんにはもう手出してないですよね!? だめですよ近親相姦なんて! 私ならいくら孕ませてもいいんですから少しでもムラついたらすぐ呼ぶように! 私以外で金玉軽くしたら、すぐ分かりますからね!」
自分の望む状況にすべく知恵を絞り提案するも、無情にも妹を理由に断られてしまう。
やはりこの男を矯正してあげられるのは自分しかいないのだ、そう改めて確信した女は早速二度目の行為に移るべく、新たな避妊具を取り出す。
すると突如寝台に伝わる震え。性交直前にも鳴っていた電子音が、二人を引き裂くように存在を主張する。
説教を続けたまま、股からぶら下げた避妊具だけを身に着けた状態で端末に向かう女。膣の締め付ける力が強いのか、内容物の粘度が高いのか。口が下を向いている避妊具だが、中身ないしはソレ自体が垂れ落ちる様子は見られない。
「もちろんフェラ抜きもダメですよ? あんな年から先輩のおちんぽ臭覚えさせられちゃった女子中学生なんて、先輩のちんぽケース以外の就職先無くなっちゃいますからね? その点私は既に先輩のおちんぽ無しじゃ生きていけない身体になってるので、被害は私一人で済むんです。どうせこの節操のないクズちんぽなんて誰かを孕ませるまで止まらないでしょうし、赤ちゃんくらい好きなだけ産んであげますから、私だけにしてくださいね! まったく……」
何やら束縛が激しいらしい女の戯言を聞き流す。どれだけ憤っていようと、びしょ濡れの煌く媚肉から小さく薄墨色のモノを覗かせ揺らしていては、迫力も何もあったものではない。
ともあれこの後は暫く暇になる。寛ぐべく身体を横にしていると、またもや女が騒ぎ出したため気怠げに身を起こす。
『どちらに伺えばよろしいでしょうか?』
『すみません。何か失礼をしてしまったでしょうか』
『暫く最寄り駅近辺でお待ちしてます』
それらの連絡を見た途端、女は急速に活発化する血流と手の寒さという矛盾した感覚を、されど確かに感じ取った。
「先輩っ! やばいです忘れてましたっ! 奈緒ちゃんのとこ行ってきます!」
奈緒という名前は特に思い当たらないが、まぁ話の流れからして昨日の雌のことだろう。その程度の思慮であればいくら男でも持ち合わせている。
「いい加減ハメた女の子の名前くらい覚えてくださいっ、ていうか下着返す話覚えてたなら、おちんぽ抜いた時にすぐ言ってくださいよ!」
手早く衣服を身に着けていくも、焦りからかブラウスの内側に入ってしまっている女の髪を梳かしつつ外に出し、落ちているジャケットの皺を伸ばしてやる。
するとソックスを履こうとしたところで、ようやく自らの痴態に気が付いたらしい。
「んなっ! ちょっと先輩! ゴム残ってるじゃないですか! 教えてくださいよ! うぅ……もうバカみたいじゃん私……んぐっ……ちょっ、抜けない……先輩こっち手伝ってくださいぃ~……」
見やると足底部は床につけたまま寝台に上半身のみを預け、側面に下腿外側部を沿わせるように開脚。下半身から手を添えた腰までを外縁直上の更に外側の宙に置き、捲れ上がった暖簾のようなスカートの下、避妊具が顔をのぞかせる蜜壺を掲げ持っていた。
思わず反応しそうになる魔羅を抑え、乱雑な手つきで避妊具を引っこ抜いてやる。
「んにぃやあぁっ……! ちょっ、一声くらいかけてくださいよ! こんなパンパンになったゴムなんてそりゃ引っかかるに……うわ、ほんとたっぷたぷ……せーしおっも……こんな出してたんですね……っ、それどころじゃなかった」
受け取った避妊具をしげしげと眺めていた女も、流石に耽溺している場合ではないと踏みとどまり、男が手ずから着せるジャケットを当然のように享受する。
「じゃあすぐ戻ってきますから! ちょっと待っててくださいね!」
ブラウスに浮き出かねない乳頭を隠すように上着を押さえた女は、部屋を飛び出した。