年若い男子の体液が発するすえた匂いが充満する部屋の中、優菜はその手に得体の知れないビデオテープを持ち、じっと考え込んでいた。
今自分の手の中にあるもの、おそらくいかがわしい内容を収めていると思われるそれを、部屋の主がいない今なら見る事が出来る。エロ本と同じように、陽一が何に欲情しているのかを把握する事が出来る。
いや、実際の所陽一どうこう関係なく、年頃らしく優菜はそういった物に興味津々だった。
写真のような静止画ではなくより詳細な映像なら、いつも自慰の度に思い描く妄想、自身がセックスをする姿に確かなリアリティが生まれる。オナニーライフが更に充実するのだ。
ごくりと一つ生唾を飲み、テープを持つ手がビデオデッキの差込口にゆっくり近づく。
そしてそれらがかちゃりと音を立てて触れ合った。その時だ。トンッ……と階下からドアを閉める音が聞こえ、優菜の肩がびくりと震えた。
(!!……だめだめ、今はだめだ!)
探求心と欲情で染められていた思考が一気に冷えていく。
今の今まで頭の中から抜け落ちていたが、現在この家にいるのは優菜だけじゃない。陽一の母、
それにめったにある事じゃないが、南美がこの部屋に様子を見に来るかもしれない。可能性で考えれば、陽一が突然帰ってくる事もあるかもしれない。
そんな時、テレビを消しテープを取り出し、引き出しの奥へ取り出す前と同様に戻す一連の動作を完璧に行える自信はない。
未練は残るが、諸々が陽一にバレるよりはいい。ため息一つついて優菜はテープをもとの位置に戻すのだった。
ビデオテープについては残念だったが、しかし宝探しの場所はここだけじゃない。
気持ちを切り替え優菜は次の目標に視線を向ける。陽一にまつわる物品で最大限の遺物?と呼べる物がそこにはあるのだ。ない時もあるが、今日は確実にあるのが解る。
なぜ解るかと言うと、この部屋に充満する臭気がその存在を物語っているからだ。
そしてその臭気の発生源は、部屋の隅にあるゴミ箱なのだ。優菜は期待を込めた眼差しでその円筒形の筒の中を覗き込むのだった。
(……こんなにある!)
それは何かを吸い取った形跡のあるティッシュペーパーの数々だった。
これだと思ったその内の一つをつまみ上げ、自身の鼻先に近付ける。
「……すごい……」
思わず感嘆の呟きが口から漏れてしまう。
息を吸い込む前から鼻孔に侵入してくるそれは強烈な精臭だった。朝立ちのパンツから香るものよりも遥かに濃厚な匂いだ。鼻から息を吸い込む度にその匂いが脳髄に甘い痺れを生じさせ、それが身体全体に伝わっていくのが解る。
最終的にその痺れは股間に蓄積される。そして、性器が湿り気を帯びるのだ。
同時に股間を弄り回したい欲求も湧き上がるが、今はだめだとそれを抑えつけた。
それが精液を拭った物だという事に優菜は気付いている。俗に栗の花の匂いなどと形容される事から察しはついた。朝立ちのパンツにも体臭と共に混じっている匂いだ。
思春期以降、陽一の部屋を掃除する時には結構な頻度でその匂いがするようになった。発生源をゴミ箱の使用済みティッシュだと突き止め、それが自慰の処理に使われた物だと察した。
優菜はティッシュを顔から遠ざけ、もう一度ゴミ箱を確認する。パッと見ただけで同様の物がいくつも捨てられてるのが見て取れた。
こんな事は早々無い。部屋に入った瞬間強い精臭を感じたのも納得の量だった。
(………………全部持って帰っちゃお)
数秒間逡巡したのち、ゴミ袋ごと内容物を取り出し、口を縛って持参の手提げに押し込んだ。
始めの内は匂いを堪能しつつもゴミとして処理していたが、いつの頃からかそれをこっそり持ち帰るようになっていたのだ。
用途は当然オナニーだ。その臭気を吸い込みながら自身の気持ちいい場所を弄り回すと、普段の妄想だけの自慰とは比べ物にならない位の満足感が得られるのだ。
そんな行為に罪悪感と羞恥ももちろん感じていたが、いつしかそれすらも更なる興奮の材料になってしまった。
当然、そんな自分がおかしいとは自覚している。自分はとんでもない変態なんじゃないかと悩みもした。が、流石にこんな事は親友の佳奈子にも相談できやしない。
それでも、いつかはこの秘事を打ち明けて理解される日がくればいいな、と漠然とした未来に優菜は期待しているのだ。
悩みはするが、その悩みを引きずらず割と楽天的なのが一条優菜と言う少女なのだった。
兎にも角にも、今の優菜の顔にはデカいお宝を掘り当てたような満足げな笑みが浮かんでいた。今日は諸々の用事を済ませた後、部屋に篭ってオナニーに明け暮れようと決意する。
その前に、まずはこの部屋の掃除だ。最近は目的がすり替わってるとは言え、陽一の為にも掃除はしっかりとしておきたい。
優菜は腕まくりすると、せっせと手を動かして掃除を始める。
その合間合間に陽一の制服の匂いを嗅いだり、布団の上に寝転がって精臭とは異なる年頃の男子の香りを堪能したりと趣味に走りはしたものの、勝手知ったる幼馴染の部屋はそう時間を掛けずに奇麗に片付ける事が出来た。
そして今、午後の八時過ぎだ。買い物や宿題を済ませ、今日は休みが合った両親と過ごしていたらこんな時間になっていた。自慰をする時間は大事だが、両親と過ごす時間の貴重さはそれと比べるべくも無い。
そうして家族との団欒を楽しんだ後、自室に戻った優菜は勉強机に座っていた。
ただし机の上にあるのは教科書やノートではない。昼間に陽一の部屋から持ち帰った戦利品なのだ。
たっぷりの使用済みティッシュが詰め込まれたビニール袋。その縛られた口を、ごくりと生唾を一つ飲み込んでから優菜は解いていく。
途端、強い臭気が溢れ出た。脳を甘く痺れさせるそれにくらりと意識が遠のきかけるが、頭を振って心を強く持ち、優菜は中身を改め始めた。
「いーち、にー、さーん……」
小さく呟きながら精液付きと思われる物を取り出し、机の上に並べていく。
いつもなら三つもあればいい方だが、今回は文字通り桁が違っていた。驚きとワクワクを噛み締めつつ、漂う臭気に酔いながら数を数えていく。
そして、十の位を少し過ぎた時だ。それを見つけてしまった。
「じゅーいち……じゅー……に!?」
それを目にして、思わず声が裏返る。今見ている物が何かを理解するため、十秒ほど時間を要する事になった。
(…………これって)
ティッシュの山から発掘した物は、それぞれ薄ピンクと薄緑色をした二つのコンドームだった。
何故それがコンドームだと解ったかと言うと、学校の性教育で現物に触れていたからだ。中学に入ってから男女別に分かれたその授業では、女生徒一人一人に実物が配られ、その使用方法を教えられていた。
もっとも目の前にある二つは使用済みの物のようだ。学校で手に取った時とは違い、どちらも端が縛られ、その中には白濁した液体が収められている。
(……これが……)
精液なんだろう。液状の実物を見たのはもちろん初めてだ。二つのゴムを左右の手で持ち、まじまじと観察してみる。
「……」
そうして数秒間か数分か、時間の感覚がおぼろげな中、優菜はじっと二つの物体を眺め続けた。
そしてそれらを真新しいティッシュの上に置くと、スッと椅子から立ち上がり、部屋から出て階下へと降りていく。
一分と経たず戻って来た優菜がその手に持つのは二つの小皿だ。
それらを机の上に並べて置き、椅子に座ると引き出しから鋏を取り出す。
次いでピンクのコンドームと手に取ると、躊躇せず縛ってある口の側をちょきんと切り取った。
(後でちゃんと洗うからいいよね)
と自身に言い訳しつつ、ゴムの内に収められている白濁液を小皿の上に全て零す。
ドロリと音がしそうな粘度の液体が小皿の上に広がっていく。その様に異様な興奮を覚えながら、もう一つのコンドームの中身も同様に別の小皿へと注いだ。
目の前に、生の精液がある。その事実が優菜の頭を興奮でぐちゃぐちゃに掻き混ぜている。
半ば本能に近い形で、皿の一つを手に取り鼻先に近付けた。
はやる気持ちを抑え、最初は小さく、段々と深く息を吸い込む。そして目をつぶり感覚を嗅覚に集中させた。
「…………っ!!」
予想通り、これまでに無い濃度の臭気が鼻孔を通って体内に注がれる。身体がビクビクと震え、股間がカッと熱くなり、何かが溢れてくる感覚を覚える。
今はもう我慢する必要も無い。優菜はすぐさまパンツを脱ぎ去り、右手を股間に宛がう。そしていつもより多少荒っぽく性器を捏ね回すのだ。
「すごいぃ……」
意識せずともそんな声が漏れる。
これまでに無い濃度の精臭は、これまでに無い快感をもたらしてくれた。左手に小皿を持ち、そこに満たされた精液の匂いを嗅ぎながら、右手でいやらしく性器を捏ね回す。
オナニーを覚えて数年、もう十分に馴染んだ指の動きは、股間を通し強い快感を身体全体へと送ってくれた。
「おっぱい、おっぱいも……」
小皿を机に置き、もどかし気に服とその下のブラジャーをたくし上げる。
そして現れたたわわな乳房を空いた左手で揉むと、「はふぅ」と悩まし気な吐息が漏れ出した。
性器はもちろん、胸を触るのも優菜は好きだ。
大きく育ちすぎて割と邪魔な事もある乳房だが、陽一や勝也の視線を釘付けに出来る以外にもこうした気持ちいい用途がある。なんて素敵なんだろう。と、乳首を捏ねて生じた快感に浸りながらしみじみと思うのだった。
「んっ……んっ……んっ……ぁん」
胸と股間を愛撫しつつ小皿の精液に顔を寄せ匂いを嗅ぎ、快感のアクセントとする。
新鮮で強烈なオカズのお陰か、今日はいつもより絶頂が早く訪れそうだ。
そんな予感を感じながら、机上の少し離れた場所にあるもう一つの小皿も手繰り寄せた。
自身を昂ぶらせる強い精臭を期待しつつ、顔を近付け大きく鼻を吸い上げた。立ち昇る臭気が刺激を伴って鼻孔を通過していく。
「!?」
瞬間、違和感を覚えた。
(何か……違う?)
栗の花のような香りはもう一つの小皿の中身と同じ。
だがそこに含まれる、言わば『個性』と言う物が決定的に違うと感じたのだ。
そこに気付いた途端、絶頂に向け昇りつめようとしていた優菜の興奮は一気に引いて行く。
そして今まで興奮と探求心に押しやられ目を向けていなかった事柄へと意識が巡り始めるのだ。
(……そもそも、何でコンドームなんてあるんだろう)
この疑問をまず抱かなかったのがおかしい。よっぽど自分の頭は生の精液を目の当たりにした衝撃で湯だっていたようだ。
(それにこれ、使用済みだよね?)
中身が満たされてるという事は、そういう事だ。
そして、コンドームとは本来どういった場合に使うものだったか。
(昨日、かっちゃんが泊ったんだよね……)
勝也が度々中里家に泊まるのは知っている。昨夜彼の自転車が庭先に停まっていたのを確認していたし、南美も今日二人が連れ立って出かけたと言っていた。
(…………)
導き出される推測。
そういえば、聞いた事があった。男同士でもそういう事をする場合があると。
まさか二人がそういう間柄だとは予想だにしなかったが、目の前の物的証拠が何よりその可能性を物語っている。
たしか、男同士ではお尻の穴を使うのだったか。コンドームが二つあると言う事は、お互いにそういう事をしたのかもしれない。
(………………いいかも)
ふと脳裏に思い浮かんだ情景と感情を、優菜はぶんぶんと頭を振る事で掻き消していく。
それよりも、これは由々しき事態だ。自分や佳奈子に手を出すならまだしも、男同士で処理されるのは見過ごせない。
まさか恋愛感情まであるとは思わないが、性欲はこっちに向けて貰わないと一人の女として困るのだ。
「むぅ~……」
ほっぺたをぷくりと膨らませると、
普段それとなく好意の視線を送ったり、陽一の大好きなおっぱいを強調したりと陰ながら誘惑しているつもりなのだが、それに気付かないどころか男同士で致される事に少なくないショックを受けていた。
(とにかく、佳奈ちゃんに教えてあげきゃ!)
これは要相談案件だ。後で佳奈子に詳細を報告して対策を立てないといけないだろう。
間近に迫った伊多海旅行で四人の関係が決定的に変わる。そんな予感と期待を抱いていただけに、降って湧いた大きな懸念を思い眉間に皺が寄ってしまうのだった。
それはそれとして、だ。優菜は目の前の二つの小皿を見つめる。
(これ、どっちかはかっちゃんのなのかなぁ……)
一見見分けのつかない白濁液、濃さも量もそう変わりはない。
だが、その匂いは確かに違っていた。
試しにそれぞれを手に取り、再度鼻を近づけてみる。立ち昇る臭気を吸い込んだ瞬間、やっぱり僅かな差異を感じ取れた。
と言っても、流石にどっちがどっちの物だとは判らない。しかし二人分あると言う事は、片方は勝也のモノなのだ。
そう認識すると、ゾクリと腹の底を突き上げるような震えが身体を巡った。
それは度々堪能している陽一の臭気だけでなく、自分達の親友であり佳奈子の想い人でもある勝也の精液の匂いを嗅いでいる。その事実に起因する背徳感と罪悪感、それらを混ぜ合わせた興奮だった。
さっきまでの憤りと不安があっという間に払拭され、これまでに無い興奮が押し寄せる。後押しされるように左右の小皿へ交互に鼻を寄せ、その芳香を吸い込んだ。
もちろんそれだけで済まさず、小皿を机の上に置くと両手でもって股間と胸を弄り始める。
コリコリに硬くなった乳首をつねり、ピンと勃起したクリトリスを皮の上から撫で擦る。
そのたび生じる目もくらむような快感に震えながら、合間合間にそれぞれの小皿の白濁液へと鼻を寄せた。
「あっ、んっ……陽ちゃんっ、かっちゃんっ……んんっ……えっちぃっ」
自分は陽一だけじゃなく、勝也にも欲情できる。
これまで水泳の時に見るその裸身にドキドキする事はあったが、はっきり性欲の対象として認識したのはこの時が初めてだった。
そして、そんな勝也と想い人の陽一を同時にオカズにする事で、途轍もない興奮を得られる事にもまた気付いてしまった。
「あっ、あっ、あっ……すごっ……これすごいよぉ」
新たに見出してしまった性癖に、恐れにも似た感情を覚えてしまう。
だがそれは興奮を収め、行為を中断させるようなものではなかった。むしろ更に過激な行いを後押しするものだった。
その狂おしい感情に後押しされるように優菜の口から舌先が這い出し、小皿の上のゼリー状の物体目掛け伸びていく。
その間、脳裏に忌避感は一切湧かなかった。只々溢れるほどの欲情に突き動かされ、陽一と勝也どちらの物とも判らない白濁液へ舌先が近づいていったのだ。
そうして何物にも邪魔されぬまま、真っ赤な舌の先端がどろりとした精液に触れ、その一部を舐め取り口内へと戻っていった。
数秒後、口の粘膜へ広がる味覚を感じ、同時に優菜の身体が震えた。絶頂したのだ。
「……んっ!……っくぅ!」
全身を竦めながら、波打つように押し寄せる快楽を受け止める。
そんな中でも口内の精液の味は鮮明に感じる事が出来た。
苦みと、生臭さと、僅かな塩味。
お世辞にも旨いなんて言えないような味なのだが、嫌悪感は全く湧かない。それどころか、もう一度味わってみたいと思ってしまうのだ。
「はぁ……はぁ……」
痙攣が収まり、絶頂の波も引いた。肩で息をして呼吸を整える。
通常複数回自慰をする時も一回終わったらある程度欲情は収まる。そして少し休憩を挟むのだが、今日は全く欲情の波が引いていかない。そのせいで身体は今も刺激を求め疼いていた。
試しにチロリと両手の指を動かしてみるが、乳首と性器からは快感以外の違和感は送られてこない。それをいい事に優菜は自慰を続ける事にした。
愛液でぐちゃぐちゃになっている膣口周辺を揉みながら、今度はもう片方の小皿に舌を寄せた。
さっきと同様舌先で精液を掬い取り、口に運ぶ。乳首をキュッキュと擦りながら唾液と攪拌し、その味を確かめた。
そうして口に広がったのは、やはり苦みと生臭さとしょっぱさだ。
しかし最初は同じような味に思えたそれも、味わう毎にそれぞれの濃さ、風味に違いがあるのが解ってくる。
「ふぅっ!……あっ!」
その差異を感じた瞬間、またもや優菜の身体は痙攣していた。前程ではないが、強い快感の波が押し寄せてくる。
味の違いを感じた事で、やはり自分は二人分の、陽一と勝也の精液を味わってると実感したのだ。その事実がどうしようもなくいやらしく感じられ、
やがて二度目の絶頂が収まっても優菜は自慰を続けていた。欲情は未だ収まらない。胸と股間を愛撫しながら交互に二つの小皿の匂いを嗅ぎ、舌を這わせ白濁液を舐め取るのだった。
そうして何度目かの往復をした後、ふと思い付いて片方の小皿を手に取った。
それをもう片方の小皿の上で傾けると、重力に従い内容物がどろりと下へ零れていく。
そうして一つの小皿の上で、二人分の精液が交わった。似通った見た目のそれらは、元々一つであったかのように混ざり合っている。
その光景を目の当たりにしただけで、優菜の身体はビクビクと震えてしまった。
どうしようもなく卑猥な物を生み出してしまったと、自身の行為に眩暈がしてくる。
だが指先の動きは止まらない。以前にも増して快感を生み出そうと、より激しく性感を刺激する。
舌先も混ざり合った粘液を更に攪拌するように小皿の中で踊っていた。
「んぁっ……陽ちゃんっ!……あっ、あっ……かっちゃん!」
もうどちらとも判別の付かない精液を味わいながら、優菜は二人から同時に身体を弄られる光景を夢想する。
それは本当にいやらしい、そして幸せな妄想だった。
だが、同時に一抹の寂しさも感じてしまう。
「……佳奈ちゃん……佳奈ちゃんもっ」
今この部屋の中には、佳奈子を感じさせる物だけがない。
それがどうしようもなく寂しく、そして悲しく思えてしまうのだ。なまじ佳奈子の想い人の精液をオカズにしているだけに、罪悪感もまた強く感じてしまう。
これだけいやらしくて幸せな気分を、大切な親友である佳奈子にも感じてもらいたい。
勝也だけじゃなく、陽一の精液も一緒に味わって欲しい。大好きな陽一の性を自分だけが楽しんでいる事が、何だかもったいなく思えてしまうのだ。
不思議と嫉妬や嫌悪は感じない。むしろ四人でそういう事が出来たら凄く幸せだな、とさえ思えてしまう。
今舐めている精液も、佳奈子の分を残しておこうかとさえ思う。
しかしだ、佳奈子は未だ自分ほど性的にはっちゃけてはいないだろう。こんな物をいきなり渡されても今はドン引きされるだけだ。彼女がいわゆるむっつりなのは普段から感じているが、それにしても色々と順序と言う物がある筈なのだ。
その順序を踏む為にも、今度の旅行はいい機会になるだろう。自分と陽一の仲を進め、同時に佳奈子と勝也の仲も進展させる。そしていずれは……。
この所陽一が何やら落ち着かないのは、自分同様そんな予感を感じているせいなのかもしれない。
ならば自分も色々と仕込みをしよう。四人の仲を今よりも幸せな形に変える為の仕込みだ。
「ふふ、楽しみだなぁ……あんっ!」
独り言と共に、甘い吐息が漏れ出ていく。
近い未来の幸せな光景を思い描き、優菜の顔に笑顔が浮かぶ。
幸せな想像をしながらのオナニーは、やっぱり幸せなのだった。
そうしてその日、優菜は二人分の精液を全て舐め取り体内に収め、十数個の精液付きティッシュも全て堪能し、就寝するまでに十六回も絶頂した。
陽一と勝也だけじゃない。彼女もまた絶倫なのだった。