5/1の朝を迎えた。
買った目覚ましが、けたたましく鳴り響いて目が覚めた。
昨日の審議会では、弁護の余地は無かった。
皇くんの案に生徒会は賛同し学校側も承諾した形になった。
端末を開き、支給されたPtを確認すると、4万Ptが支給されていた。
「そっか、ホントなら6万Ptだろうなきっと」
顔を洗い、朝食のパンをかじり準備をして登校する。すれ違う同じ1年生達がPtの話しで登校していた。
中には「Pt入ってた?」「ジュース買えない」等の声が聞こえた。
「ありえるのか、そんな事が」
そう呟き、校舎に入っても同様の声が耳に入ってくる。
「どのクラスだろう」
教室に入った。
柴田
「なぁ宮野、俺達普通に授業受けたぞ」
宮野
「うん、そうだね」
神崎
「責めるな柴田、宮野の言う通りだった筈だ」
柴田
「そうだけど、飯食ったり色々と掛かるんだよ」
神崎
「それは、みんな一緒だ」
柴田
「そうだけどよ」
宮野
「ごめん、柴田くん・・・僕にはどうする事も出来なかった」
元気が無い一之瀬さんの周りには、気遣う小橋さん、網倉さん達がいた。
チャイムが鳴り星之宮先生が入って来た。
星之宮
「先ずは、昨日の審議会の結果を話すね。白波さんは2週間の停学、そして保有している全てのPtと在学中に支給されるPt全てを被害者である皇くんに譲渡が行われます。そして、みんなにも在学中支給されるPtから毎月2万Ptが引かれ皇くんに譲渡が決まりました。それと、白波さんの停学にペナルティが課されます」
柴田
「なんだよ、それ。俺達も対象なのかよ」
渡辺
「なんで俺達まで」
星之宮
「静かに、今から本来説明するSシステムを話すよ。宮野くんが言ってた通り、支給されるPtは授業中のお喋りや居眠り、端末操作、遅刻などが減少対象だよ」
星之宮は持って来た紙の片方を広げて白板に貼った。
Aクラス 980Cp
Bクラス 650-50Cp
Cクラス 490Cp
Dクラス 0Cp
星之宮
「これに、100掛けたものが君達に支給されるPtとなります。これが、仮にAクラスのCpより上なら君達がAクラスに昇格するし、Cクラスより下なら君達は降格します。そして、卒業時にAクラスになっていなければ100%の恩恵は受けられないよ」
柴田
「マジかよ」
渡辺
「白波のせいかよ、ホントなら6万5千入ってた筈だよな」
一之瀬
「待ってみんな、千尋ちゃんが全て悪い訳じゃ無いから」
「でもなぁ」
渡辺
「それでも、白波がCクラスの皇を突き飛ばさなければこんな事になって無いのは事実だし」
宮野
「その事なんだけど、こんな事言いたく無いし確証は無いけど、皇くんが仕掛けたと僕は思っている」
柴田
「なんだよ、それホントなのか宮野!」
一之瀬
「ホントなの宮野くん」
神崎
「それは、確証は無いんだよな宮野」
星之宮
「はい、静かにして!宮野くん今の発言はダメだよ、憶測で話しをしちゃ」
宮野
「すみません先生、以後気をつけます」
星之宮
「そうしてね。次に行くよ」
もう一枚の紙を広げて白板に貼った。
星之宮
「これは先日の小テストの結果だよ、赤点は無かったけどかなりギリギリだったよ。もし本番の中間テストや期末テストで1教科でも赤点を取ると退学になるからね」
柴田
「えっいきなり退学ですか?」
「補修とか無いんですか?」
星之宮
「これも、学校のルールだからね。でも、今度の中間テストでは退学者が出ないと信じてるから、勉強頑張ってね。何か質問あるかな」
宮野
「先生、Cpを上げる事は可能ですよね」
星之宮
「可能だよ、今度の中間テストでは最大で100Cpが加算されるよ。他にあるかな」
星之宮
「無いみたいね、この後の時間は好きに使ってね、授業は2時限目からだからね」
星之宮が教室から出て行った。
柴田
「なぁ宮野、さっきのはどういう事だよ」
渡辺
「皇が仕組んだってなんだよ」
「えっと自作自演って事」
宮野
「えっと、僕は皇くんが突き落とされた瞬間の彼の顔を見たんだ、その時彼は笑っていたんだ」
小橋
「落とされて笑っていたのですか?」
宮野
「それで、昨日の審議の後に聞いたんだ。Sシステムの事を、彼は入学式当日に全てを知っていたらしく学校と契約してPtで沈黙する事になったって言ってた。きっとペナルティも分かっていたと思う、仮に白波さんが退学になったとしたら、多分今回要求された2万Pt分の200Cpが、減額されていたと思う。そして、彼はCpを下げるより自分に入る様に要求した。Cp減額と同額だから学校も生徒会も承諾したんだと思う。そして憎悪の矛先を白波さんに向けさせるために、停学にした」
神崎
「可能なのか、そんな事が・・・だが、どうやって白波を」
宮野
「僕にも分からない、こうあって欲しいと思う被害妄想かもしれない」
柴田
「そうだ証拠だ、証拠を集めれば」
宮野
「無理だよ、何処に証拠があるって言うんだい。皇くんはあの場にいたし、白波さんはあの時まで普通にしていたんだよ」
渡辺
「・・・なぁ、昔テレビで見た記憶なんだが、催眠暗示って事は無いのか」
宮野
「催眠暗示?初めて聞くけど、それは?」
渡辺
「何でも、一定の条件とKeywordで発動する催眠術だった」
柴田
「それだ、渡辺ナイスだ」
神崎
「その方法だとしても、証拠が無い」
柴田
「じゃあ、白波に聞いてみればいいだろう」
宮野
「仮にその方法であれば、白波さんに聞いても無駄だと思うよ」
柴田
「何故だよ」
神崎
「行動を起こした白波は、何をやったのか分からなかったんだ、当然催眠術に掛けられていた事も覚えていない」
宮野
「神崎くんの言う通りだと思う」
柴田
「お手上げかよ」
小橋
「今の話しはここだけに留めた方がいいです。先生も言っていた、憶測では無く事実無根で訴えられる可能性があります」
宮野
「そうだね」
重い空気がクラスを覆った中、一之瀬さんは黙って聞いていた。