審議が終って、何かを忘れていた気がした。
アニメや漫画を思い返す、
「そうだ、雫のストーカー事件だ」
と思い出した。確か、Dクラスの佐倉が雫で、家電量販店の男からストーカーをされ、立ち向かうが綾小路が介入して犯人を取り押さえるんだったよな。たまたま、居合わせた一之瀬が警備員を呼んだんだった。
「だが待てよ、今回は佐倉が目撃者として無いから、綾小路との接点が有るのか?」
「見張るしかないか」
其れから数日、授業が終るたびに佐倉を尾行する。隠密行動は手慣れているので、気づかれる心配は無い。
そして、その日佐倉が家電量販店の男を誘い出した。逃げる佐倉を男が追っていた。
何を血迷ったたか佐倉は行き止りの路地へと入って行ってしまった。男は佐倉に追いついた。
男
「やっと、2人きりになれたね」
佐倉
「嫌、来ないで」
男
「僕の雫ちゃん、愛を確かめ合おうね」
佐倉
「嫌ー誰か助けてー!」
男は佐倉に抱きつき、佐倉は男に倒された。
男は佐倉の顔を舐めて唇に口付けをする瞬間に俺は男を佐倉から引き離した。
佐倉は呆気にとられ、男は呆然としていた。
男
「な、何するんだ、僕と雫ちゃんはコレから愛し合うところを何故、邪魔するんだ」
佐倉
「・・・う・・嘘です」
「彼女はこう言っているけど」
男
「嘘だ!雫ちゃん、僕を受け入れて、2人は運命の赤い糸で結ばれてるんだから」
「ホント?」
佐倉
「ち、違います・・・ス・・スト・・・ストーカーされてます」
男
「ちが、違う違う違う!愛の告白だよ!何故、分かってくれないの・・・・もう、良いよ・・・このアバズレ!その男も騙したんだね・・・僕みたいに」
「おい、何、逆ギレしてんだ」
佐倉
「もう、やめて下さい」
男
「もういいや、僕のものにならないなら、死んでよ」
そう言ってポケットからナイフを取り出した。
「おいおい、お前死ぬ覚悟は有るんだろうな」
男
「お前を殺してから、雫ちゃんも犯して殺す」
「まぁいいや、かかって来いよ」
男
「死ねー」
ナイフを突き出して向って来た、ナイフを躱して手首を掴み手首の骨を砕くと男は悲鳴をあげた。
男
「ギィァァー」
のたうち回る男の顎を蹴り上げると、意識を飛ばした。
佐倉の傍に行き、声を掛けた。
「大丈夫か?」
佐倉
「あっ、はい」
「災難だったな、今から学校に連絡するが、大丈夫か?」
佐倉
「はい」
俺は緊急連絡先に電話を入れる。すると、警備員が到着した。
警備員
「君がこの男を?」
「ああ、そうだ」
警備員
「この男の身柄は後ほど、警察に引渡す。その後、君達に事情が聴かれると思うから」
「ああ、承知した」
佐倉
「は、はい」
すると、真嶋、茶柱、星之宮がやって来た。
真嶋
「大丈夫か?」
星之宮
「ケガとかして無い?」
茶柱
「佐倉、大丈夫か?」
佐倉
「あっはい、平気です・・・彼が助けてくれました」
茶柱
「皇か、すまなかったな」
「ああ、大した事は無い」
真嶋
「今日は、帰って構わないが、明日朝9時に職員室にくるように、教室には行かなくていいから」
星之宮
「佐倉さんは、佐枝ちゃんと一緒に帰ってね」
佐倉
「は、はい」
俺は龍園に一応報告の電話を入れた。
そして、翌朝9時に職員室まで行くと佐倉が待っていた。
佐倉
「あっ、おはようございます」
「おはよう佐倉、入らいのか」
佐倉
「えっと、待ってました」
「そうか」
職員室のドアをノックした入室をする。
星之宮
「来たわね、じゃあ行きましょうか」
下駄箱で靴を履き替えて車に乗って、着いた先は警察署だった。
佐倉とは別々に取り調べ室で、昨日の事を話した。
佐倉には女性警察官が、俺には屈強な刑事2人が付いた。皇性が原因だと直にわかった。
事件とは無関係な質問責めにあい、指紋、DNAの提供を求められたが、拒否をした。
佐倉の調書が終ったと知り、時間切れと分かるとあっさりと引いてくれた。
星之宮と佐倉と共に学校に戻ると、応接室に連れて行かれた。
応接室には、真嶋と茶柱に見知らぬ男2人がいた。
真嶋
「二人共其処に座ってくれ」
言われるままに座った。
真嶋
「紹介する、此方は量販店の店長と人事部の方だ」
男
「初めまして、この度は当社社員がご迷惑をお掛けし申し訳ございませんでした。本日はこの様な場を設けていただき謝罪に参りました」
真嶋
「佐倉くん、此方の落ち度で怖い思いをさせてしまい、申し訳無い」
真嶋、茶柱、男2人が頭を下げた。
真嶋
「其処で、君達2人には、迷惑料と慰謝料を兼ねて学校側から500万、そして此方の会社から1000万を用意した」
「なる程、口止め料ですか」
真嶋
「そうだ」
男
「先生」
真嶋
「彼には通じませんよ」
「確かにな、佐倉この件は俺に一任してもらえるか?」
佐倉
「えっと、はい」
「まぁ金額として少し不満だが、いいだろう。それと、佐倉にはカウンセリングを行ってもらおうか、再発防止案の提出、今後は新規雇用者の身辺調査を行ってもらいたい」
男
「承知した。だが、再発防止案は少し時間をもらいたい」
「ああ、構わない年内には提出してもらえるか?」
男
「ええ、勿論です」
「では、それを文書にして下さい」
真嶋
「それは此方で行っておく」
「任せても」
真嶋
「信頼して欲しい」
「承知した」
真嶋
「それで、慰謝料はどうする、このままPtにして支払うか、卒業時に現金として支払う方法も有るが」
「俺はそのままPtで頼む」
佐倉
「えっと、私もそれで」
真嶋
「了解した。Ptは今日中に支払われる」
「わかった」
真嶋
「2人共、今回の事は、本当に申し訳無かった」
茶柱
「2人共今日は、このまま帰っていいからな」
「「はい」」
俺達は応接室から退室した。
佐倉
「あの、昨日は助けてくれてありがとう」
「大した事はしてない、気にするな」
佐倉
「で、でも、あの皇くん」
「なんだ佐倉」
佐倉
「量販店からのPtは、皇くんにもらって欲しい」
「それは、受け取れないな」
佐倉
「でも、そんな大金持ってたら」
「何かの為に持っていた方が、いいぞ佐倉」
佐倉
「なら、皇くんが預かってくれる?」
「うーん、わかった預かるだけだ、何かあったら俺に言えよ」
佐倉
「うん」
「なら佐倉、連絡先を交換するか」
佐倉
「はい、お願いします」
俺と佐倉は連絡先を交換した。そしてその日の夕方に学校側と量販店側のPtが振り込まれ、佐倉から1000万が送られてきた。