船上試験が終わった。
終わった後、皇くんが一之瀬さんに話しがあると2人が部屋に残った。
そして僕と小橋さんは部屋の近くで待っている間、まさしく惨敗としか言いようがない事を考えてしまう。皇くんが優待者を導きだすはずと予測していたのに、何も行動に移せずに優待者の事ばかり考えていて、何処で皇くんに対抗しようとしていたのかもしれない。
部屋のドアが開き皇くんが1人出てきた。
宮野
「話しは済んだのかい」
皇
「ああ」
宮野
「一之瀬さんは?」
皇
「中に居る」
小橋
「酷いことしていないよね」
皇
「まだな」
小橋
「これからするってこと」
皇
「さぁ、じゃあな」
その後部屋から出てきた一之瀬さんは思い詰めた顔をしていた。
小橋
「帆波ちゃん大丈夫?」
一之瀬
「う、うん平気、1人になりたいから先に部屋に戻るね」
一之瀬さんはそう言って1人で部屋に戻って行った。
宮野
「一之瀬さん平気かな」
小橋
「何時もの帆波ちゃんじゃないよね」
宮野
「皇くんと何があったんだろう」
小橋
「帆波ちゃんが心配だから、わたしも部屋に戻るね」
宮野
「わかった」
そして僕も部屋へと戻った。部屋に戻ると神崎くんがもう部屋にいた。
神崎
「宮野、何があった」
宮野
「皇くんが終わらせた」
神崎
「そうか、だが、Cクラスの優待者はどうしたんだ」
宮野
「DクラスがCクラスの優待者を指名したよ」
神崎
「Dクラスと契約を交わしてたのか」
宮野
「うん、既にDクラスと契約を交わした後だったそれもCクラスの優待者を教えるのと引換に150万Ptを譲渡する契約らしい」
神崎
「だが、なんでまたDクラスなんだ」
宮野
「彼なりの配慮じゃないかな」
神崎
「配慮」
宮野
「多分だけど、今までDクラスはPtが0だったでしょ。其処に無人島で1位になりPtを獲得したけどようやく獲たPtを減らさせない彼なりの配慮だと思う」
神崎
「それならうちのクラスでもよかったはずだがな」
宮野
「其処はクラス変動もあるしね」
神崎
「そうだったな、今回の試験で俺達は降格になるな」
宮野
「うん、それと二学期から僕達は標的になるよ」
神崎
「どういう事だ」
宮野
「Aクラスは葛城くんが失脚してもう1人の坂柳さんがリーダーになり、皇くん達と協力するだろうし、Dクラスからの突上げもあるから」
神崎
「俺達は耐えられるのか」
宮野
「どうかな、でも頑張らないと」
神崎
「そうだな」
その後2人は一言も喋らなずにいた。
僕は皇くんの事を考えてみた。
先ずは入学式当日にSシステムを把握し学校側と交渉してPtを獲得している。
白波さんとすれ違いざま、階段から突き飛ばされ審議の結果僕達Bクラス全員から毎月2万Pt80万Ptと白波さんが支給される全てのPtを譲渡。
CクラスとDクラスとの暴力事件の審議では須藤くんをバスケ部からの追放。
Dクラスの女子生徒を暴漢から救出。
中間テストでの過去問攻略法、白波さんの赤点による退学回避の助言。情報料を請求。
無人島ではスポットの無断使用と柴田くんからの暴行に対し毎月1万5千Pt譲渡、柴田くんが支給されるPtの半額を譲渡。
そして船上試験を結果3で終了させ600万Pt獲得、
そう言えば、入学当初各クラブで1年生が賭け勝負で大量のPtを獲得したって柴田くんが話してだけど、それも皇くんかもしれない。
彼ほど大量のPtを持ってる人はこの学年にはいないだろう、いったい幾ら持ってるんだろう。
夜になり神崎くんから食事の誘いでレストランに行き食事を済ませ部屋に戻った。シャワーを浴びてゆっくりしていると小橋さんから連絡がきた。
小橋
「帆波ちゃんをみませんでしたか?」
宮野
「いや、見てないけど一之瀬さんどうかしたの?」
小橋
「食事も取らずに、わたしがトイレに行ってる間に端末を置いて姿が見えないんです」
宮野
「えっ!一之瀬さんがいないの」
小橋
「白波さんも見てないらしく、宮野くん知ってるかなとと思い連絡しました」
宮野
「今、そっちに行くから」
神崎
「何かあったのか?」
宮野
「一之瀬さんが居なくなったみたい」
神崎
「一之瀬が」
宮野
「僕は一之瀬さんたちの部屋に行ってみるよ」
神崎
「俺も行こう」
宮野
「ありがとう」
一之瀬さんたちの部屋に行き手分けして一之瀬さんを探すがみつからなかった。
小橋
「もしかして、皇くんの部屋の可能性はありますかね」
宮野
「そうだね、でも部屋が分からないよ」
其処にDクラスのジム帰りの平田くんが通り、平田から皇くんの部屋番号を教えてもらった。
部屋のドアを激しく叩いた。
宮野
「皇くん!居るよね、開けて!」
一之瀬はその場でしゃがみ込む、俺はベッドカバーを剥がして一之瀬に被せ、ドアを開ける。
皇
「なんだ、こんな時間に非常識だと思わないのか」
宮野
「それよりも、此処に一之瀬さん来てるよね」
皇
「一之瀬ね、来てるぞ」
小橋
「部屋に入ってもいいですか?」
皇
「断る」
白波
「帆波ちゃんいるんでしょ!今助けるから」
皇
「サイコは黙ってろ」
白波
「サイコじゃない!」
宮野
「皇くん煽らないでほしい。白波さんも落ち着いて」
神崎
「皇、一之瀬が居るなら会わせてくれないか」
皇
「まだ、コッチの用が済んでないから後にしろ」
宮野
「用ってこんな時間に?」
皇
「問題あるのか」
小橋
「そうですね、お互い合意なら問題ありませんが、そうでは無いのでは?」
皇
「お互い合意のうえだ問題無い」
小橋
「では、入って確かめても構いませんよね」
皇
「まぁ俺は構わないが、一之瀬が嫌がるだろうな」
白波
「帆波ちゃんが合意するはず無いでしょ、何か酷いことしてないでしょね」
一之瀬
「みんなごめん、お願いだから部屋に戻って」
皇
「一之瀬本人が、戻ってと言ってるぞ」
小橋
「帆波ちゃんホントに平気なの」
一之瀬
「うん、夢ちゃんみんなを連れて戻って」
宮野
「・・・皇くん」
皇
「なんだ宮野」
宮野
「一之瀬さんとどんな契約を交わしたんだい」
皇
「明日になれば分かる」
宮野
「教えてはくれないんだね」
皇
「ああ」
宮野
「・・・わかった。戻ろう」
神崎
「そうだな、一之瀬がああ言ってる以上戻るしかないな」
小橋
「そうですね」
白波
「えっ何で!待ってよ、帆波ちゃん居るんだよ」
小橋
「本人が帰ってと言ってる以上私達に出来る事はありません」
白波
「言わされてるだけだよ」
一之瀬
「平気だから、みんな帰ってお願い」
皇
「じゃあな」
ドアが閉められた。
宮野
「取り合えず、居場所はわかったね」
小橋
「そうですね、ですが場所が問題ですね」
神崎
「そうだな」
白波
「帆波ちゃん・・・絶対に助けるから」
宮野
「部屋に戻ろう」
部屋に戻って行った。