お互い抱き締め合い、舌を絡め合う2人の親子。
普通なら禁忌だろう。
こんな事を親子でするなんてと罵倒するだろう。
だが、今の2人にはそんな事は関係無い。
お互いがお互いを求め、愛し合う間にそんなものは些細な事だ。
一頻りキスをするとどちらともなく離れる。
「髪もサトシの精子でベトベトー! また洗わないとね。」
と母さんはクスリと微笑む。
母ではあるが本当に可愛いと思う。
髪や体を洗う母さんに少し疑問だった事を聞いてみる。
「母さんって下の毛と髪の毛の色が違うのは何でなの?」
「あ〜これ? 染めてるだけよ。」
そういう母さんの髪の毛をよく見ると、確かに根本の部分は金髪だ。
金髪でも良いとは思うんだが。
「地毛じゃダメなの? わざわざ染めなくても良いと思うんだけど。」
「まぁ色々と事情があるのよ。 仕方ないの。」
何か詮索されたくないような事が有るんだろうか?
詮索されたくないなら無理に聞く必要も無いだろう。
「あと、本当に親子でこんな事したらダメなんだからね? 今回はもうしちゃったから良いけど、本当にダメなのよ?」
母さんはそう言って来た為、しょんぼりした顔で返答する。
「うん…わかったよ… でも母さんをもっと感じてたいよ。」
「うっ…まぁたまに…なら…ね?」
よし、これからも出来ると言質は取ったぞ。
それから2人で浴槽に入る。
後ろから母さんを抱き締めていると、気分が凄く良い。
「そういえば話変わるけど、もうすぐでサマーキャンプよね?」
「うん、そうだよ。 どうしたの?」
「うん、聞いた話なんだけど、今回のサマーキャンプは全国から色んな生徒が来るらしいわよ。」
あっ、セレナと会うのが今回なのか。
楽しみが増えてきた。
早い内から唾付けとこう。
「そうなんだ。 楽しみだな〜!」
そう言って他愛の無い会話もしつつ風呂から上がる。
お互いに体を拭きつつ、母さんのとある言葉に驚く。
「サトシも後5年したら旅立つのよね?」
ん?5年? 10歳からだから2年じゃないのか?
「え? 10歳でポケモン貰って旅に出るんじゃないの?」
「あ〜お父さんやお母さん達の時代はそうだったわよ。 でも、お父さんからも聞いてると思うけど、その当時は余りにも悪い人が多くて同じように旅に出た子供達、お父さんや私達もそうなんだけど、犠牲になった子、悪の道に走らざるを得なくされた子が沢山居たのよ。」
そう言い続ける。
「そんな悪い人達をお父さんやグリーンさん、ブルーさんや警察の人達、当時の各ジムリーダーや四天王の方達の力で壊滅させはしたんだけど、やっぱり犠牲なんてお父さん達も望んで無い。 だからお父さんがチャンピオンになって、ポケモンリーグで目を光らせつつ、グリーンさんもジムリーダーになって各ジムリーダー達の力を増すようにしてるのよ。 二度とあんな事にはならないようにね。」
「そんなにお父さん達の時代は凄かったの?」
ゲームではレッド単身でロケット団を壊滅させてた気がするが、現実ではそうでも無いようだ。
まぁ当たり前か、いくら強くても多勢に無勢ではな。
「当時のロケット団は本当に規模が凄くてね、警察でも撲滅は無理だった。 旅に出たトレーナー達もあの手この手で借金地獄に陥れられたり、悪くて人身売買されたり殺されたりなんて事もあったのよ。 右も左もわからない、ただポケモンバトルが少し出来る程度の子供なんて、悪い人達からしたら餌でしか無い訳よ。 だからお父さんやグリーンさんがポケモンリーグに上奏して、本当は15歳位まで引き上げる予定だったんだけど、ポケモンリーグ側はそこまでしなくてもって感じになっちゃって、今は13歳からになったのよ。」
成る程、そういう事だったのか。
前世の知識でポケモントレーナーになって旅に出るのは10歳って大前提が有ったから、そんな事を調べる事自体失念してた。
まぁ普通に考えて10歳で旅立つとかヤバ過ぎだろって思ってたけど。
「そうなんだ。 色んな人達のお陰で今が有るんだね。」
「そうよ、あんな事はもう二度と無いようにしないといけないの。 お父さんもグリーンさんもブルーさんも、自身もポケモンも多くが傷付いたし、犠牲になったポケモンも居るって聞いたわ。」
前世のゲーム内でグリーンのラッタがシオンタウンから出てこないのは死んだからじゃみたいな噂もあったけど、この世界ではあの噂も有り得そうだな。
「だからサトシも旅立つのは良いけど、危ない目に遭わないか心配だわ。」
そう言い母さんは薄っすらと目に涙を浮かべる。
「大丈夫だよ、母さん。 旅に出ても連絡するからさ。 って言ってもまだ先の話でしょ?」
そう言って少しおちゃらけて見せる。
「ふふっ そうね。 その時はしっかりと連絡するのよ? けど、今は今の掛け替えの無い生活を精一杯頑張るのよ?」
「わかったよ! じゃあそろそろ出よっか!」
そう言って脱衣所から出て、いつものように生活をする。
いつもと違うのは、母さんとの心の距離がぐっと近くなった事だ。