※この作品はR-18です。

サトシの野望   作:イマクニ

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サトシVSワタル


第101話

 

 

 

 母さん達いつものメンバーにマツリカを加えた大乱交を終えて翌日。

 

 「サトシ君、こんなの持ってるんですが欲しいですかぁ?」

 

 マツリカが何かをカバンから出して見せる。

 丸くて黄色い石の中に独特な模様が淡く光っている。

 何だろうか?

 

 「これは何だ?」

 

 「でんきだまです。 サトシ君はピカチュウを使ってますよね? 欲しいならあげますけど。 わわわっ!!」

 

 何とマツリカがでんきだまをくれるらしい。

 旅の道中で見つかれば良いなとは思っていたが、まさか貰えるとは!

 俺はマツリカに抱き着いて、喜びのあまりグルグルと回転する。

 マツリカと一頻り回転した後、優しく降ろす。

 

 「楽しかったです! またやってくださいね!」

 

 あれが楽しかったようで、マツリカは満面の笑みで答えた。

 でもでんきだまのお返しがあれだけじゃ足りないので、持っている道具をアルセウスフォンに標示させて、マツリカに見せる。

 

 「この中からどれか要るなら交換って形にしないか?」

 

 「何ですか!? この機械は? ポケモン図鑑とも違いますね… カントーは進んでますね〜」

 

 「それサトシしか持ってないよ? ねぇ? 皆?」

 

 マツリカが驚くも、リーフが訂正し、皆にも訊ねる。

 皆もアルセウスフォンの事は俺以外の持ち主が居ない事を知っているので、首を縦に振る。

 

 「そうなんですね〜 ちょっと見せて貰えます?」

 

 アルセウスフォンを手渡すとじっくりと観察し、スクロールするとコロコロと表情を変える。

 だが、意識を切り替えたのか表情を引き締め、道具の選別をする。

 少し経って、欲しい物が有ったようで、無事に交換出来た。

 

 早速スタジアムへと俺達は向かう。

 途中で合流した他の女性陣は生理で出席出来なかった事を悔やんでいたり、羨ましそうにしていたりしていた。

 その後タケシ達とも合流したが、タケシさんが俺に何か言いたげにしながら頭を抱えている。

 何なんだろうか?

 

 そのままスタジアムに着くと、シゲル達も待っていたようで激励を貰いながら対ワタル戦に向けて気合いを漲らせる。

 今日のワタルさんはどんなポケモンで挑んで来るのだろうか?

 まさか全員殺意マシマシの600族とかじゃねぇよな?

 だが、仮にそんなメンツで来ようが勝つだけだ!

 意識を対決戦用に切り替えて控室へと向かった。

 

 

 

 

 今は入場口だ。

 此処を抜けると遂にワタルさんとの一戦が始まる。

 会場へ向けて気配を探ると、何やら物凄く強い団体が居るな?

 ワタルさんと同格、もしくはそれ以上の気配もある。

 自然と俺の口角が吊り上がるのを抑えられない。

 強者達の気配を鋭敏に感じながら、バトルコートへと歩を進める。

 

 入場口を出ると、真っ先に強者達の集団へと視線を送る。

 あれはシロナとダイゴ、ミクリにゴールドだな。

 その4人の中で座る父さんが俺へと視線を向ける。

 父さんの隣にシンオウチャンピオンのシロナとホウエンチャンピオンのダイゴ、ダイゴの隣に時期チャンピオン候補のミクリ、シロナの隣にジョウトチャンピオンのゴールドが座っている。

 

 「サトシ君、この俺を目の前にして余所見とは随分な物だな。 俺なんぞ眼中に無いとでも?」

 

 あまりにそちらへ意識を集中させていたからか、ワタルさんが嫉妬をしてくる。

 

 「あ〜いえ、そうじゃないですよ。 でもワタルさんの事は必ず倒しますのでよろしくお願いします。」

 

 「ほう? ならばこの俺を超えてみよ!」

 

 ワタルさんがマントをバサッと広げてそう言った。

 

 「それでは準決勝第1試合、ワタル対サトシの試合を始めます! 両者構えて、バトルスタート!!」

 

 「出でよ、ヌメルゴン!」

 

 「行け、プテラ!」

 

 ワタルさんの初手はヌメルゴンか。

 特性はそうしょくとうるおいボディ、夢特性はぬめぬめだったか。

 よし、イケる。

 

 「ステルスロック!」

 

 「あまごい!」

 

 天候が雨になった。

 かみなりを撃たれては敵わない。

 

 「ほえる!」

 

 貴重な技枠を一つ使うが、交代させて後続を見ようか。

 ヌメルゴンがボールに戻り、代わりにボーマンダが出て来た。

 よしよし、厄介なボーマンダもステロのダメージが入った。

 それにドラゴン複合のタイプにステロを排除出来るポケモンは居ないだろう?

 少なくとも俺は知らない。

 

 「くっ! ボーマンダ! メガシンカ!」

 

 出鼻を挫かれたワタルさんが、メガボーマンダに変化させた。

 だが俺はもっと圧をかける。

 

 「ストーンエッジ!」

 

 「アクアテール!」

 

 プテラのストーンエッジがメガボーマンダを瀕死寸前まで持って行くが、返しのアクアテールでプテラが戦闘不能になった。

 

 「プテラ、戦闘不能! ボーマンダの勝ち!」

 

 「良くやったぞ、プテラ。 行け、カイリュー! しんそく!」

 

 カイリューを出して即座にしんそくでメガボーマンダを戦闘不能にさせた。

 

 「ボーマンダ、戦闘不能! カイリューの勝ち!」

 

 「くっ! 出でよ、ヌメルゴン!」

 

 ワタルさんは再度ヌメルゴンを出すが、カイリュー相手に勝てると思っているのだろうか?

 

 「しんげき(・・・・)!」

 

 「ふぶき! なっ!?」

 

 カイリューのしんそく+げきりんがヌメルゴンを吹き飛ばし、一発で戦闘不能になった。

 技の組み合わせを調整してみた結果だ。

 アルセウス様からの加護により、異常な練度での訓練が出来たからな。

 ワタルさん相手だから遠慮も要らないだろう。

 

 「っ! ヌメルゴン、戦闘不能! カイリューの勝ち!」

 

 会場の観客からも大きなどよめきと、それを超える歓声が上がる。

 だが、大暴れしているカイリューに粘性の液体が付着しているので一旦ワタルさんがヌメルゴンをボールに戻すのに合わせて、俺もカイリューをボールに戻す。

 

 「カイリュー、素晴らしい出来だ。 後でまた頼む。 行け、トゲキッス!」

 

 「くっ! 出でよ、サザンドラ!」

 

 次はサザンドラだが、トゲキッスの敵じゃ無い。

 

 「はかいこうせん!!」

 

 「マジカルシャイン!」

 

 サザンドラの3本のはかいこうせんがトゲキッスを襲うも、4倍弱点のマジカルシャインがサザンドラを戦闘不能にさせる。

 圧倒的じゃないか、我が軍は!

 

 「サザンドラ、戦闘不能! トゲキッスの勝ち!」

 

 「もう油断はせん! 出でよ、カイリュー! (いかずち)よ!」

 

 カイリューを繰り出すと、即座にかみなりをトゲキッスに撃ち落とす。

 トゲキッスが堪らず戦闘不能になった。

 

 「トゲキッス、戦闘不能! カイリューの勝ち!」

 

 敗北フラグ立てたか?

 

 「ごめんな、トゲキッス。 行け、カイリュー!」

 

 俺もカイリューを出すと、会場が大いに湧いた。

 やっぱりカントーのドラゴン対決はカントー人の心を湧かせるよな。

 

 「どちらのカイリューが強いか、勝負だ! げきりん!」

 

 「その勝負乗りました! げきりん!」

 

 ワタルさんと俺のカイリューが激しくぶつかり合う。

 パワフルな攻撃を繰り出すワタルさんのカイリューに、ワタルさんのカイリューより小柄な俺のカイリューがスピードで翻弄しながらげきりんの一撃を当てる。

 一発一発の火力はワタルさんのカイリューが上だが、手数は俺のカイリューが上だ。

 

 「畳み掛けろ!」

 

 俺がそう指示するとカイリューはワタルさんのカイリューの背後に周り、尻尾を持って振り回す。

 遠心力を付け、一気にバトルコートへと叩きつける。

 これで勝負有ったか?

 そう思っていたが、土煙の中から一条の光線が俺のカイリューへと向かう。

 その光線から逃れようとカイリューが逃げるも、追従するかのように光線が着いてきて、遂にカイリューに当たって墜落して行った。

 土煙が晴れると、満身創痍だがワタルさんのカイリューは立っていて、俺のカイリューは戦闘不能になっている。

 

 「サトシのカイリュー、戦闘不能! ワタルのカイリューの勝ち!」

 

 カイリューの扱いに於いてはワタルさんの方が一日の長が有るか。

 

 「良く育てられているが、今は俺のカイリューの方が上だ!」

 

 「そうみたいですね。 カイリュー、ありがとう。 仇は取る。 行け、ピカチュウ! 1!!」

 

 さぁ、でんきだま持ちピカチュウのお披露目だ。

 ピカチュウが紫電を纏い、カイリューへ一瞬で肉薄し体当たりする。

 カイリューは巨体でピカチュウは小柄だが、そんな関係等意にも介さずカイリューを吹き飛ばす。

 もう立ち上がる事なんか出来やしないだろう。

 

 「カイリュー、戦闘不能! ピカチュウの勝ち!」

 

 小さなピカチュウが大きなカイリューを弾き飛ばした事に、会場が大いに湧いた。

 

 「何だその馬鹿げた威力は!! レッド君のピカチュウなのか!?」

 

 「違いますよ。 正真正銘、俺のピカチュウです。 なっ? ピカチュウ。」

 

 「ピッカー!」

 

 ピカチュウは俺に擦り寄って来るので、優しく撫でる。

 

 「そのようだな。 疑って悪かった。 それじゃあ次を出すぞ。 出でよ、ガブリアス!」

 

 はい、戻し一択。

 

 「戻れ、ピカチュウ。 行け、ドサイドン!」

 

 ガブリアスとドサイドンのガチンコ一発勝負だ。

 

 「れいとうパンチ!」

 

 「なみのり!」

 

 大質量の大波がドサイドンを襲うも、ドサイドンは拳に冷気を溜めながらドッシリと待ち構える。

 

 「今!」

 

 大波に飲み込まれたドサイドンに合図を行うと、ドサイドンが飛び上がる。

 そのまま大波の中を突き進み、真上に来たガブリアスにれいとうパンチのアッパーを浴びせかける。

 昇◯拳みたいだな。

 ステロのダメージも有るガブリアスなら、これで終わりだろう。

 

 「ガブリアス!」

 

 ワタルさんが叫ぶも、ガブリアスは自身が生み出した大波の中へと沈んでいく。

 大波が消失すると、戦闘不能になったガブリアスと片膝を付いたドサイドンが居た。

 

 「ガブリアス、戦闘不能! ドサイドンの勝ち!」

 

 「なみのりでドサイドンは戦闘不能になると思っていたんだがな。 特性込みとはいえ、耐え切るとはな。」

 

 「特殊方面はガッツリと鍛え上げましたからね。 弱点だろうが一発なら耐えられるようにしましたよ。」

 

 「感服だな。 俺が此処まで追い込まれるなんてな。 俺も残り最後の1体だ。 出でよ、ギャラドス!」

 

 「ドサイドン、戻れ。 行け、ピカチュウ!」

 

 最後の最後は相棒で決める!

 

 「4!」

 

 「たきのぼり!」

 

 ギャラドスが水を纏って突っ込んで来るも、ピカチュウのピカピカサンダーが凄まじい光を放ち、一瞬で勝敗は決した。

 

 「ギャラドス!!」

 

 「ギャラドス、戦闘不能! ピカチュウの勝ち! よって勝者、サトシ!」

 

 「…終わった。 だが、不思議な気分だな。 負けた悔しさよりも、君のような新進気鋭の若武者とのバトルが出来た喜びの方が大きいのだろうな。 サトシ、君のこれからの活躍を応援する。 君は既に覇者達の仲間入りだ。 これからは本当に強いトレーナーとばかり戦う事になるだろう。 ほら、あそこで見ている者とかな。」

 

 ワタルさんが指し示す方を見ると、ギラついた目で見るゴールド、余裕の笑みを浮かべるシロナ、興味深そうな顔でこちらを見るダイゴ、何やらポーズを決めながらこちらを見るミクリ、拳を突き出して薄く微笑む父さん。

 その拳に合わせるように俺も拳を突き出し、満面の笑みを返す。

 

 「一応こう言っては何だが、此処カントーのマスターボールクラスは全国各地のマスターボールクラスよりレベルが高い。 俺も他のリーグに挑戦したならば、かなり良い成績を残せると自負しているが、実際に本当の四天王を実力で決めるなら俺なんか最下位か四天王にすらなれないだろうな。 今日でわかった。 俺を含めた四天王達の今までのやり方じゃ、戦えないステージまで来てしまったのだと。 そのセキエイ大会で十分戦えるレベルまで育て上げた君は、間違い無く世界でも有数の実力者で有ると認める。 君の果てない鍛錬の結果だろう。 俺も一から鍛え直す事にする。 もっと強くなって、君にリベンジさせて貰う事にするよ。」

 

 「ワタルさん、俺も貴方と戦えて嬉しかったです。 一つのタイプに拘りを持って育て上げる執念は尊敬に値すると思ってます。 俺や父さん、グリーンさんにカケルさん、シンさんや俺と一緒に旅したリーフやセレナ、ライバルのシゲルでもそんな事は出来ません。 次のステージとはいっても、相性不利を押し付けているだけだと思いますよ。 少なくとも単一のポケモン達で戦いたいとは俺は思えませんし。 そういう意味でも四天王達やジムリーダー達なんかは、本当に凄いと思います。 仮に同じ条件下なら俺もワタルさんに勝てないでしょうしね。 ワタルさん、貴方はとても強いです。 ですが、もっと強くなると信じています! もっと強くなって挑んで来て下さい! 全力でお相手しますよ。」

 

 「ふっ ありがとう、サトシ君。 次は倒すよ。」

 

 「はい! 望む所です!」

 

 俺達はガッチリと握手した。

 そして、俺の手をワタルさんが高々と上げ、会場の皆へと見せる。

 新しい時代の到来を示すように。

 

 

 

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