「さぁ、早く教えて! ポケモンの神様に会ったんでしょう? 君には色々と喋って貰うわよ?」
両肩をロックされたまま動かないようにさせるシロナさん。
周囲の父さん達も俺を逃がす気は無いといった表情だ。
まぁ逃げるつもりは無いから別に良いが。
「別に構いませんよ。 逃げないので、この手をほどいて貰えませんか?」
「わかったわ。 さあ、話してくれる?」
「まず、ポケモンの神様、アルセウス様に何処で会ったのかについてですが、マサラタウン、ロケット団襲撃事件の時ですね。 父さんがビシャスに撃たれた後です。」
転生の話しからする訳にもいかないので、嘘に真実を混ぜ込み話す。
「そこでポケモンに関する知識と波導を与えられました。 その力を使って、父さんを死の縁から回復させ、ビシャスをぶっ倒しました。」
「うん。 サトシが言っているのは本当の事だ。 僕は確実にあのままだと死んでいただろう。 だが、今こうして生きているのは、そのアルセウス様というポケモンとサトシの波導のお蔭だな。 ありがとう。」
「良いよ。 後、父さんが戦った謎のポケモンはミュウツー。 伝説のポケモンに並ぶ力を持つ存在だよ。 強かったでしょ?」
「あぁ、強かったな。 伝説の鳥ポケモン達とも戦った事が有るが、それ以上の力を感じた。 負ける気はしないがな。」
「流石父さん! 皆は何か質問は有ります?」
皆が質問したそうにウズウズとしているので、皆へと視線を向ける。
シロナさんからは神話のポケモンについて、ゴールドさんからはジョウトの伝説のポケモンについて、ダイゴさんからは鋼ポケモンについて、ミクリさんからは美しいポケモンについて質問された。
一つ一つ質問に答えていると、中々に時間がかかってしまった。
リーフ達はもう帰ってしまっただろうかと気が気じゃない。
なのでナナミさんの事を引き合いに出して終わらせようか。
「ミクリさん、ナナミさんには会わなくて良いんですか?」
「ハッ!! 私とした事が…! もう帰ってしまったかな…。」
「ちょっと見に行ってきましょうか。」
チャンピオン達を引き連れてスタジアムを回ると目立ち過ぎるので、俺1人で探しに向かう。
波導で気配を探し回ると、まだ四天王達と一緒に居るようなので、そちらへと向かう。
「お疲れ様です、ワタルさん。 それと皆も。」
「あ! サトシ居た! 何処行ってたのよ! 探したんだからね!」
リーフが開口一番に俺を見て言う。
「ごめんごめん。 父さんとジョウト、ホウエン、シンオウのチャンピオン達に呼ばれてた。」
俺がそう言うと皆、色んな反応を見せる。
色んな反応をする中で、ワタルさんは納得した表情だ。
「やはりそうだったのか。 サトシ君に興味を持っていたようだったからな。」
「後ナナミさん、ミクリさんがナナミさんに会いたがっていましたよ。 会いに行きます?」
「ええ、行こうかしら?」
「私達も一緒に行っても良い?」
リーフがそのように言うと…
「この人数だとあの観覧席は狭かろうな。 俺が手配しておく。 その会場にチャンピオン達を招待すると良い。」
ワタルさんが素晴らしい提案をしてくれた。
仕事が出来る人って感じだな。
「ありがとうございます! お願いしますね。」
その後、ワタルさんが手配してくれた会場にチャンピオン達を呼び出しに向かう。
チャンピオン達も快く引き受けて、俺はチャンピオン達を引き連れて会場へと向かう。
会場に辿り着くと皆が驚いたり、興奮していたりと反応は様々だ。
余裕が有るのはグリーンさんと四天王、ナツメとカツラさん、マチスさんくらいか?
カケルさんとシンさん、他のジムリーダー達ですら何かしらの反応を見せている。
そこで、ミクリさんとナナミさんを引き合わせると…
「久しぶり! 元気にしていたかな? 心配していたんだよ。 ナナミさんが引退してから、張り合いが無くなってしまったよ。」
「お久しぶりね。 心配させてごめんなさいね。 私はもう平気だから大丈夫よ! コンテストの方も、すぐに誰かが貴方とも戦えるようになるわよ。」
暫くは積もる話しも有るだろう2人に話し合わせておくか。
そっと2人の下を離れる。
ダイゴさんは早速カケルさんの近くに陣取って居て、メルメタルやアローラサンドパンについて熱く語っている。
あのカケルさんですらドン引きしている珍しい姿に苦笑しつつ、他の人を見る。
父さんは母さんとグリーンさん夫婦とリーフ達と話している。
ゴールドさんは四天王達とアンズと話しているようだ。
シロナさんはオーキド博士とカントージムリーダー達に囲まれて居た。
その光景をマツリカが絵に描いていて、セレナとアユミがその後ろからジッと絵を見ている。
少し皆で話していると大会スタッフ達が飲み物を用意、その後、食べ物まで用意してきた。
「急遽では有るが、皆で飲んで、食べて、話し合ってくれ! 費用は俺達四天王が出すので気にせずにな。」
その後、色んな人達と会話したり、ナナミが久しぶりにコンテスト用の演技をして見せてくれたりと、楽しく過ごせた。
座って食べ物を食べて居ると、後頭部に柔らかい感触がする。
誰かが欲情でもしたのか?
そう思っていたが…
「サトシ君。 もっとアルセウスの事とか他のポケモン達についてとか教えてくれないかしら?」
シロナさんだった。
シロナさんってそんな無防備な姿見せるのかと思っていると、どうやら既に酒を結構飲んでたようだ。
「良いでしょう? こうしてサービスもしてるんだし〜」
酔ったら幼くなるのか?
前世でも酔えば性格が変わる人が結構居たが…。
「なら、別の場所に行きません? バルコニーとかでも良いですけど。」
「うふふ ならバルコニーで話しましょうか。」
俺達はすぐそばのバルコニーへと出た。
バルコニーに出ると、シロナさんを椅子に座らせる。
シロナさんの横に座り、肩を抱き寄せる。
「ちょっ!? 子供の癖に、なんか手慣れてるわね?」
「シロナさんみたいな美女から誘われたなら仕方無いでしょう?」
「ふふふっ 君は中々におませさんだね。」
シロナさんの髪から良い匂いがする。
その髪を撫でながら何を話して欲しいのか聞く。
「何が聞きたいんです?」
「ポケモンの神、アルセウスについてなんだけど… サトシ君、さっきからこんなおばさんの髪を撫でて楽しいの?」
「おばさんなんてとんでもない! かなりの美女なんですよ? それに髪の手入れも行き届いている。 身嗜みも美人さを際立たせてますよ!」
「ふふふっ ありがとうね。」
シロナさんはそう言ってから、俺の頭にキスしてくれた。
中々に嬉しい事をしてくれる。
そうしてイチャつこうと思えば、皆が来てしまった。
「あ〜! サトシが私達の事放っておいて、また違う人に手を出そうとしてる〜!」
リーフがセレナ達を引き連れて、そんな事を言い出す。
「あら、サトシ君モテモテじゃない。 色んな人に愛されているのね。 見ただけでわかるわ。」
「自慢の女性達ですよ! 将来全員娶るつもりです。」
「全員!? これはまた…」
シロナさんも絶句とした表情だ。
もうなんか話も出来るような感じでも無いので、会場へと戻って、楽しんだ。
明日の決勝戦の相手、グリーンさんとも話し合い、お互いの全てを賭けて戦う事を誓い合う。
明日が楽しみだな。