※この作品はR-18です。

サトシの野望   作:イマクニ

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サトシVSグリーン


第104話

 

 

 

 会場での飲み食いもある程度終わったので、何か俺も余興が出来ないかなと周りを見渡すと、ピアノが有った。

 前世ぶりに弾いてみるのもアリかと思い、軽く弾いてみる事にする。

 音の感じも前世と変わらないようなので安心だな。

 軽く色々とゲームでのBGMを弾いてみると、周りから注目されてくる。

 ある程度慣れて来たので、父さんとワタルさんの戦闘曲を弾いてみる事にした。

 途中少しミスは有ったが、中々弾けたんじゃないかな?と思っていると、かなりの大盛況だ。

 指も慣れて来たので、グリーンさん、ダイゴさんの戦闘曲も弾いてみた。

 そして、俺が一番好きな曲、シロナさんの会話での曲と戦闘曲で締めた。

 曲が終わると会場の皆から大喝采が巻き起こる。

 皆、口々に褒めてくれたりしてくれて俺も大満足だ。

 

 「サトシ、お前にこんな才能まで有ったとはな。 僕には絶対に弾けないから良くわからないが、かなり上手いんじゃないか?」

 

 父さんがそう言うと、シロナさんが口を開く。

 

 「私も少しは弾けるけど、本当に上手いわよ。 サトシ君もかなり多才なトレーナーなのね。 トレーナーとしても、演奏者としても大成しそうね。 それにさっきの曲調、誰かに宛てたような感じだと思ったわ。」

 

 「そうなのか? サトシ。」

 

 「父さん達チャンピオンクラスに宛てた感じかな〜」

 

 そしてこの曲は誰へ宛てたのかを弾きながら説明する。

 

 「これが父さん、これがグリーンさん、これがダイゴさん、そして最後の2曲がシロナさんだよ。」

 

 「気に入った! 明日の決勝戦で会場に流すか?」

 

 「僕にもこんな良い曲を弾いてくれてたのか…! 素晴らしい! サトシ君にも後でお礼の品を贈るよ!」

 

 「素晴らしい音色だったわ。 体全体に染み込むようで… 音色を聴くのは耳、そして心。 …なんてね! 恥ずかしい事言っちゃった!」

 

 「俺のは!?」

 

 そこでゴールドさんが自分の曲が無いのか聞いて来た。

 ん〜 何を宛てるか…

 そう考えていると、リーフの帽子に飾っている虹色の羽根が見えたので少し違うかもしれないが、ホウオウとの戦闘曲を弾いてみるか。

 

 弾き終わると、ゴールドさんが感動して涙を流しながら抱き着いて来た。

 

 「すげ〜!! すげ〜よお前!! 俺は感動したぞ! 帰ったらクリスと子供達に自慢出来るぜ!!」

 

 流石に久しぶりに弾いてホウオウ戦のBGMは疲れた。

 でも喜びまくってるようなので結果オーライか?

 

 皆から後日で良いから音源化してくれと言われたので、明日の決勝戦が終わり次第頑張ろうと思う。

 その代わり、設備関係はチャンピオン達に任せる事にした。

 もう良い時間になったので、今日はお開き。

 ポケモンセンターに手持ちを預けてホテルで寝た。

 

 

 

 そして翌日。

 今日のグリーンさん相手に勝つ事が出来れば、父さんとのチャンピオン戦が明日始まる。

 グリーンさんは父さんを抜けば間違い無くカントー最強のトレーナーだ。

 俺もグリーンさんも多様なポケモンを使うから対策も立て辛いが、構想は練った。

 後は実戦での立ち回りだな。

 ジョーイさんの所へ行き、ポケモンを預かる。

 

 「お預かりしたポケモンは皆元気になりましたよ! それにしても凄いですね。 少し前までハイパーボールクラスで戦っていたのに、もうマスターボールクラスの決勝戦を争うようになるなんてね。 またのご利用お待ちしています!」

 

 「ありがとうございます! ジョーイさんのお陰様で此処まで勝ち上がる事が出来ました! 今日も勝つつもりです!」

 

 「ふふふっ 今日も勝てると良いですね! テレビ越しですが、応援してますね!」

 

 「ありがとうございます! 今日も勝てたら祝勝会に参加しませんか?」

 

 「良いんですか? なら参加させて頂きますね!」

 

 ジョーイさんも参加が決定だ。

 これは何が何でも勝たなければ!

 

 

 

 スタジアム前に来ると、四天王を筆頭に皆が待機していた。

 ワタルさんが前に出て来て口を開く。

 

 「サトシ君、わかっているとは思うが、今のグリーン君はチャンピオンになった当時より格段に強い、恐らくは現チャンピオンになった当時のレッド君よりもだ。 今のグリーン君に勝つ事になれば、確実に旅立ちから1年以内の最強トレーナーとなるだろう。 俺もグリーン君には勝てないからな。 今日は万が一にも油断せず戦おう。」

 

 「フェッフェッフェッ! アタシでも勝てないオーキドの倅にアンタがどれくらい競い合えるか見ものだねぇ〜。」

 

 「サトシ! 俺達のスーパーパワーを超えたハイパーパワーでグリーンを蹴散らせ!!」

 

 「もう私達の誰よりも強い貴方なら、きっとグリーン君を倒せるわ。 貴方が勝つ事を信じているからね?」

 

 四天王達から激励を貰った後、オーキド博士達から、リーフ達から、母さん達から、シゲルから、ジムリーダー達からも沢山の激励を貰った。

 皆の激励に、俺は気合いが漲る。

 

 「ありがとう、皆! 必ず勝って来るよ! 父さんに挑むのは、この俺だ!!」

 

 

 

 

 

 

 そして今、俺は入場口を抜けた。

 夥しい観客とカメラの数、そして今日も見ている父さん達チャンピオン。

 緊張感は殆ど無い。

 冷静さと程よい緊張感で万全な状態だ。

 この状態で勝てないなら、今のポケモン達では鼻から無理だって事だ。

 今日は必ず勝つ!

 

 歩いてバトルコートへと入ると、グリーンさんが口を開いた。

 

 「よおーッッ!! サトシも来たか! 今は無性に戦いたい気分だぜ! 見せて貰おうか! 打倒レッドを掲げるお前の実力をなー!! 俺を叩き潰してみろ!!」

 

 「いよいよこの時が来た… 必ずグリーンさんを叩き潰して、頂点に手を届かせる…! グリーンさん! 全力で来て下さいね?」

 

 俺達の掛け合いが終わった事を確認した審判が口を開く。

 

 「それではマスターボールクラス決勝戦! グリーン対サトシの試合を始めます! 両者構えて、バトルスタート!!」

 

 「最初から全開だ! 潰せ、バンギラス!」

 

 「行け、オコリザル!!」

 

 よし、出し勝った!

 完全に予測通りだ。

 後は勝つのみ!!

 

 「チッ! ストーンエッジ!」

 

 「接近しろ!」

 

 オコリザルに接近を指示するが、ストーンエッジがオコリザルの背後から突き出し、オコリザルの急所へと当たる。

 大ダメージを負うが、これでオコリザルの特性いかりのつぼが発動した。

 有り余る攻撃値でバンギラスの懐へと潜り込む。

 

 「けたぐり!!」

 

 オコリザルの憤怒のけたぐりがバンギラスを一撃で戦闘不能にさせた。

 

 「バンギラス、戦闘不能! オコリザルの勝ち!」

 

 「良いねぇ〜 つえぇじゃねぇか!! 次だ! フーディン!」

 

 「戻れ、オコリザル。 行け、カビゴン!」

 

 「ならこっちも戻れ! 行け、カイリキー!」

 

 仕方無いか。

 このまま押し通す!

 

 「ばくれつパンチ!」

 

 「じばく!」

 

 カイリキーが接近し、力を溜めるカビゴンにばくれつパンチを浴びせた。

 カビゴンもじばくのエネルギーを放出し、カイリキーの至近距離で当てる。

 カイリキーの4本の拳がカビゴンへと当たりカビゴンを戦闘不能にさせた。

 だが、運が悪くカイリキーは戦闘不能にならなかったようだ。

 

 「カビゴン、戦闘不能! カイリキーの勝ち!」

 

 「よくやった、カビゴン! 上出来だ! 行け、ピカチュウ! 1!」

 

 出て来たピカチュウが対応する隙すら与えず、ばちばちアクセルで紫電一閃。

 カイリキーは地に伏した。

 

 「カイリキー、戦闘不能! ピカチュウの勝ち!」

 

 「相変わらずやべぇピカチュウだな。 その速さに対抗出来るのはお前しか居ない。 頼んだぞ! ウィンディ!」

 

 紅蓮の炎を纏ったウィンディが飛び出す。

 前回の雪辱を果たすといったように気合い十分のようだが、また敗北させてやる。

 

 「しんそく!」

 

 ピカチュウのばちばちアクセルとウィンディのしんそくがバトルコートで撃ち合う。

 俺のピカチュウはカケルさんのピカチュウ程、小回りが効かないが、一撃の威力はこちらの方が上。

 でんきだま込みの超火力、見せてやれ!!

 途中まで拮抗していたが、形勢逆転しウィンディが一方的に弾き飛ばされた。

 

 「ウィンディ!?」

 

 「ウィンディ、戦闘不能! ピカチュウの勝ち!」

 

 「強すぎねぇか!? クソッ! ドサイドン!」

 

 ドサイドンか、ならば。

 

 「くさむすび!」

 

 「じしん!」

 

 ドサイドンがじしんを放とうと片足を上げるも、くさむすびが先に発動し、ドサイドンを絡め取る。

 ドサイドンを絡め取った草がドサイドンを戦闘不能にさせようとするも、ドサイドンも意地を見せる。

 腕と尻尾にじしんのエネルギーを込め、バトルコートに放つ。

 全力とは言えないまでも、ピカチュウを倒すには必要十分だったようで、ピカチュウ諸共戦闘不能になった。

 

 「両者、戦闘不能! 次のポケモンを出して下さい。」

 

 「ハッハー! 楽しいじゃねぇか! フーディン!」

 

 「最高ですね! ゲンガー!」

 

 フーディン対ゲンガー

 宿命の対決だな。

 

 「テレポート!」

 

 「あくのはどう待機!」

 

 フーディンが色んな箇所へとテレポートで出ては消え、出ては消えと的を絞らせない。

 パワーポイント切れを待つか?

 それとも先に行動に移すか?

 

 「今! 5時!」

 

 「サイコッッ!?」

 

 サイコキネシスを指示させる前にあくのはどうをフーディンにぶつける。

 

 「俺にテレポートは効きませんよ! 畳み掛けろ!!」

 

 あくのはどうで倒れているフーディンに、ゲンガーのシャドーボールが突き刺さり、フーディンは戦闘不能になった。

 

 「フーディン、戦闘不能! ゲンガーの勝ち!!」

 

 これでグリーンさんも後1匹、恐らくはメガリザードンYだろう。

 

 「グリーンさん、最後の1匹はリザードンでしょう? 俺のリザードンとどちらが上か勝負しませんか?」

 

 「ハッ! 良いねーッッ!! 最後に捲るのは俺だ! リザードン! メガシンカ!!」

 

 帽子のツバを持ち、後頭部側へと回す。

 

 「戻れ、ゲンガー! 行け、リザードン! 進化を超えろ! メガシンカ!!」

 

 2匹のリザードンを紅蓮の繭が覆い隠す。

 紅蓮の繭が弾け飛んだ時、メガリザードンYが顕現した。

 お互いの姿を認めた両者は雄叫びを上げる。

 

 「いわなだれ!」

 

 「そらをとぶ!」

 

 グリーンさんのメガリザードンYがいわなだれを当てようとするが、俺のメガリザードンYを上空に舞い上がらせた。

 その動きを見て、グリーンさんのメガリザードンYも飛翔する。

 メガリザードンY同士の天空決戦だ。

 大きな翼で、自慢の爪で、尻尾で、牙でお互いに攻撃する。

 お互いに一歩も引かず、必ず倒すといった意思を感じる。

 何合撃ち合ったのか、手に汗握る戦いを繰り広げたメガリザードンY達は、上空からお互いを叩きつけようとする。

 俺とグリーンさんのメガリザードンYも上下を入れ替わり立ち替わり、バトルコートに向けて一直線に墜落する。

 

 「「行っけーッッ!!」」

 

 そして、お互いもつれ合いながら地面へと叩きつけられた。

 

 土煙が舞い、メガリザードンY達がどうなっているのかわからない。

 そう思っていたが、俺のメガリザードンYが土煙の中から出て来て、即座に口内に紅蓮の炎を溜め始めた。

 あの土煙の先にグリーンさんのメガリザードンYが居るんだな。

 必殺のだいもんじを喰らわせてやれ!

 

 「だいもんじ!」

 

 するとグリーンさんの声が聞こえる。

 

 「ブラストバーン!」

 

 炎の大技と究極技が激しくぶつかり合う。

 だが、技の威力が違う故か、だいもんじが飲み込まれた。

 ブラストバーンの一撃が俺のメガリザードンYを飲み込む。

 やっぱり究極技は桁違いの威力をしているな。

 俺のメガリザードンYが戦闘不能になるも、良い経験をさせて貰っただろう。

 

 「サトシのリザードン、戦闘不能! グリーンのリザードンの勝ち!」

 

 「ハッハー! 俺のリザードンの方が1枚上手だったな!」

 

 「ありがとう、リザードン! でもそのメガリザードンももう限界でしょう? すぐ楽にさせてあげますね? 行け、カイリュー!」

 

 技後硬直で動けないメガリザードンYに、俺のカイリューが断崖の一撃を加える。

 

 「トドメだ! ストーンエッジ!!」

 

 「リザードン!」

 

 だが、カイリューのストーンエッジをギリギリ羽根だけ当たるように躱した。

 羽根が悲惨な状態になるも、メガリザードンYは健在だ。

 

 「お前の根性、見せて貰ったぜ! ブラストバーン!!」

 

 「いいえ、終わりです。 しんげき(・・・・)!!」

 

 メガリザードンYはブラストバーンを撃つ体勢になるが、それよりも速くしんそく+げきりんがメガリザードンYを襲う。

 究極技を撃とうと動かないメガリザードンYにしんげきを当てるなんざ、造作も無いだろう。

 メガリザードンYは吹き飛び、観客席下の壁にクレーターの残る威力で叩き付けられた。

 メガリザードンYの変化が解け、リザードンの姿へと戻る。

 

 「リザードン、戦闘不能! カイリューの勝ち! よって勝者、サトシ!!」

 

 ウワアァァーーーッッッッ!!!

 

 大歓声が耳を(つんざ)く。

 

 「強すぎだろ! お前はよー!! お前は本物だ! 俺が認める! こんなガキに先を越されたんだ! レッドの野郎もこのままぶっ飛ばしちまえ!!」

 

 「ありがとうございました! 父さんのポケモンがどれくらい強いかわかりませんが、必ず一矢報いますので、楽しみにしてて下さい!」

 

 「あぁ! 楽しみにしているぞ! はぁ〜… 負けちまうとはなぁ〜… 修行し直しだな、こりゃ。」

 

 グリーンさんの小言を聞きながら握手する。

 場内から大歓声が上がる中、大喜びしている母さん達やリーフ達、カントージムリーダー達、四天王も拍手している姿を見る。

 そして、そのまま上へと視線を向けると、大喜びするゴールドさんに、拍手をするシロナさん、ダイゴさん、ミクリさん、そして、帽子のツバを摘まんで俺を見下ろす父さん。

 その視線は息子へ向けたような視線等ではなく、好敵手へと向けた視線のように感じる。

 すると、俺の横にグリーンさんが来て口を開く。

 

 「お~お~ レッドの奴も本気にしてんな、ありゃ。 あ~なっちまったレッドはつえぇぞ? いくらお前でも倒せねぇかもな!」

 

 グリーンさんからそう問われるが、俺は父さんから視線を逸らさず答える。

 

 「それでも父さんとの差が見れるなら良い事ですよ。 俺と原点にして頂点の差がどれ程の物かを推し量ります!」

 

 「原点にして頂点? よくわかんねぇが、アイツは最強で有る事には違いねぇ! 一矢程度は報いねぇとな!」

 

 「はい! 任せて下さい!」

 

 父さんが踵を返した事を確認してから、俺達もバトルコートから退散する。

 これでチャンピオン挑戦権を得た俺は、早速明日父さんに挑む事を大会スタッフに宣言する。

 チャンピオン挑戦権を得てすぐに挑戦する人は中々居ないようだが関係無い。

 それにより、シロナさん達の滞在期間も延びるだろうが、良いだろう?

 その前に表彰式が有るからそれまで皆と居ようかね。

 

 

 

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