※この作品はR-18です。

サトシの野望   作:イマクニ

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第107話

 

 

 

 チュッ

 朝、ジョーイのモモコからのキスによって目覚めた。

 

 「おはようございます、サトシ君!」

 

 「おはよう、モモコ。 良く眠れたか?」

 

 「お陰様で、久しぶりに熟睡出来ました! 昨日まで感じていた体の疲労とかも綺麗さっぱり無くなりましたよ!」

 

 「そっか。 良かったよ。 マッサージとセックスをして、ゆっくり熟睡出来たからかな?」

 

 「ふふふっ そうかもしれませんね! 昨晩は夢のような、至福の時間でした! ありがとうございました!」

 

 「こちらこそ、ありがとう。 モモコのような素敵な女性を抱けるなんて俺の方こそ夢のようだよ。」

 

 「まぁ、お上手ですね! さぁ、今日はお父様とのバトルですね! 頑張って下さい!」

 

 「勿論! 今の全力でどの程度、父さんと差が有るのか見れる絶好のチャンスだ! 頑張るよ!」

 

 再度、モモコとキスをしてから準備をして、ポケモンセンターを出る。

 スタジアムへ向かう道中で朝食を摂り、気力も十分だ。

 今日の相手は世界一のトレーナーである父さんだ。

 俺のポケモン達が皆レベルの上限を突破しているとはいえ、絶対に勝てるとは思わない方が良いだろう。

 圧倒的な実戦経験の差が有るからな。

 レベル以外は全て父さんの方が上と想定していても良いだろう。

 スタジアムへ向けて歩いていると、リーフ達に会った。

 

 「昨日は私達に分身寄越して、本体のサトシは何処行ってたのかな〜?」

 

 「あ、あはは… ポケモンセンターだよ。」

 

 「シロナさんじゃなくてジョーイさん!? てっきりシロナさんにも手を出したのかと思ってた。 シロナさんと2人で何処かに出掛けてたし。」

 

 「シロナさんとはキスまでしか出来なかったよ。 俺がシロナさんを超えるまではキス以上はさせてくれないんだってさ。 ジョーイさん、モモコとは最後までしたよ。」

 

 「モモコさんって言うのね! 覚えたわ! 早速共有して来るわね!」

 

 そう言ってリーフは先にスタジアムへと駆けて行った。

 すると、セレナとカスミが近付いて来た。

 

 「サトシ、今日のお父さんとの勝負、勝てると思う…?」

 

 「セレナが弱気になってどうすんのよ! サトシなら良い勝負出来るわよね?」

 

 「勝てるかはわからない。 恐らく勝てないと思う。 それでも一矢報いる程度には俺もポケモン達もやれると思うぞ? その位、俺達は頑張って来たからな!」

 

 拳を握りしめて、俺はそう口にした。

 

 「うん、そうだよね! サトシならきっと良い勝負をするわ!」

 

 「当然よ! 相手があのレッドさんでもサトシなら…!」

 

 「ありがとな! 応援してくれ! きっと見応えの有る、熾烈なバトルになる筈だ!」

 

 そう言って2人を伴ってスタジアムへと向かう。

 

 

 

 

 

 一方、その頃ムサシ、コジロウ、ニャースは…

 

 「いよいよ今日がサトシとあの世界最強のトレーナー、レッドとの勝負ね!」

 

 「サトシの奴とも何だかんだ関わってきたからな〜 感慨深いもんだ。」

 

 「ニャー達は精一杯応援するんだニャ!」

 

 「その意気よ!」

 

 ムサシとコジロウ、ニャースが準備している所へ、赤髪の青年が現れる。

 

 「お前達、ロケット団だな?」

 

 「何よ! 今忙しいんだから… 若!?」

 

 「若がどうして此処に!?」

 

 「ニャー!? 若しゃま!?」

 

 「…? 俺の事を知っているのか?」

 

 赤髪の青年はムサシとコジロウ、ニャースにそう問いかける。

 

 「ええ、ロケット団の総帥、サカキ様の実子ですよね? サカキ様からお話は聞いてますよ。」

 

 「俺達ロケット団とは関わら無い貴方がどうして此処に?」

 

 「ふん! 親父達が捕まっていると聞いてな。 お前達なら親父達の居場所、わかっているんだろう? 案内しろ。」

 

 「そりゃ知ってますが… どうする? コジロウ、ニャース。」

 

 「若様を無視する訳にもいかないよな?」

 

 「これで試合観戦が出来ニャくニャるニャー…。」

 

 「さっさと案内して観戦しに急ぎましょう! じゃあ若、こっちです!」

 

 「作戦会議は終了か? それでは案内を頼む。」

 

 ムサシ、コジロウ、ニャースは赤髪の青年を引き連れ、セキエイの収容所へと向かって歩き始めた。

 

 

 

 

 

 サトシ達はスタジアム前へと辿り着いた。

 スタジアム前には大きな人集りが居る。

 

 「通してくれ!」

 

 俺がそう口にすると人集りが割れ、中心地が見えた。

 その中心に母さん達マサラタウンの住人、四天王、カントージムリーダー達が勢揃いしていた。

 俺は皆の下へと歩いて行く。

 

 皆の下へと辿り着くと、シゲルが口を開いた。

 

 「いよいよ、君と君の父親とのバトルだね。 相手はあの世界一のトレーナーだ。 僕の父さんのライバルとはいえ、父さんより強い人だ。 勝てるのかい?」

 

 シゲルの言葉にグリーンさんも反応する。

 

 「一言多いんだよシゲル! まぁでも確かにレッドは俺よりつえぇぞ? この俺に勝ったんだ。 無様な姿、見せんじゃねぇぞ!!」

 

 「必ず勝つとは言えないかな。 だけど、不甲斐無いバトルはするつもりは無い! 俺は父さんを超えて、ポケモンマスターになるのが夢なんだ! その為にも万全の準備をして来た! 必ず一矢報いるよ!」

 

 俺は決意を胸に、そう高らかに声を出す。

 その声に、皆が激励と祝福の声を上げる。

 皆の期待に応えてあげないとな。

 だが、過度な緊張はせず、普段以上の境地でバトルに挑む。

 父さんの期待を超えられるようなバトルを見せてやる!

 俺は皆からの期待を背に、スタジアムの入り口を潜って行った。

 

 

 

 皆と別れ、控室に入る。

 父さんとの決戦を前に、手持ちのポケモン達の状態を見る。

 モモコが手ずから回復させてくれた俺のポケモン達の仕上がりを見て、俺達は気合いを入れる。

 皆も気合い十分のようで、目には気迫が宿っている。

 皆をボールに戻し、スタッフからの呼び出しを待つ間、今までの冒険と、強者達との戦いを思い起こす。

 

 最初の強者は勿論シゲルとリーフだ。

 幼い頃からずっと一緒に居たアイツ等は本当に強かった。

 シゲルのエレキッドの時は楽勝だったが、進化してエレブーになった時は体が大きくなり、タフになったのでかなり苦戦させられた。

 リーフのイーブイも尻尾のモフモフをクッション代わりにトリッキーな動きでピチューを翻弄させられたな。

 ピカチュウに進化してからも、アユミから師事を受けて色んな技を駆使して戦う、何でもござれ戦法でかなり苦戦させられた。

 

 そしてカケルさんは、マサラタウンに居る時は勿論勝った事が無い。

 何度俺のピカチュウが戦闘不能になったか、わからないレベルだ。

 今の鬼強ピカチュウなら勝てるかもしれないが、本当に良い師事を受けた物だ。

 

 そんな師事を受けたピカチュウの最初のジム戦のタケシさん。

 初見殺しのざぶざぶサーフからのアイアンテールでタケシさんの相棒のイワークを秒殺したっけ。

 それでも他の手持ちだと絶対に勝てないような相手だった。

 初見殺しが出来るピカチュウでタイマンだったからこそ勝てた試合だった。

 

 そして、カスミ戦。

 ピカチュウでギャラドスを倒し、スターミーと連戦させたが、今や手持ちのエース級にまでなったリザードのデビュー戦で初勝利を飾った試合だ。

 当時のリザードでは中々にキツかっただろうスターミー相手でも良い勝負をしてくれた。

 リザードの真価を発揮してくれたリザード自身とカスミの本気に感謝した試合内容だった。

 

 次はマチス戦だ。

 余裕の表情を浮かべるマチスさんとライチュウにピカチュウで余裕の勝利をした。

 そして、フシギダネの初陣だ。

 今でこそ経験を積み、パワーファイトも熟すようになったが、当時のフシギダネはスピードを武器にしたテクニックタイプのアタッカーだった。

 そんなフシギダネが初陣でエレブー相手に勝利した。

 

 次は俺の未来の花嫁の1人となるエリカ戦だ。

 そして、捨てられたヒトカゲと、ヤンチャして捕まったゼニガメ、ポケモンタワーで厳選したゴース達の進化系で初のジム戦をした。

 リザードはモンジャラに楽々勝利したが、ウツボット相手にダメージが積み重なり撤退、カメールでウツボットを蹴散らした。

 ナッシー相手に厳選して育てたゴーストで良い勝負が出来たし、ラフレシア相手にフシギソウの鍛錬をした。

 そうしてエリカ相手に1匹も失わずに勝利出来た。

 

 そしてエスパー使いにして俺の女になったナツメ戦。

 今は手持ちのポケモン随一のタフネスを持ったサイホーンと、テクニックを駆使した技の使い手ペルシアン、ダイゴさんを唸らせたレアコイルのデビュー戦だ。

 サイホーンのタフな戦いを経て、ペルシアンの悪辣な戦い振りに、レアコイルの相手を丸め込む戦い、そして最後に出て来たフーディンに当て逃げしてゴーストのさいみんじゅつでトドメと、中々に封じ込めた戦いだった。

 

 アンズ戦ではカメックスでベトベトンをほぼ完封に近い形で勝利、フシギバナで天候を晴れにしてからのリザードン投入、リザードン2匹でアンズを混乱させながら戦いアンズにも無事勝利した。

 

 そしてカツラ戦は開幕プテラで起点作り+ギャロップ撃破をしたが、バクーダによりプテラを失う。

 カメックスで押し返すも、キュウコンの特性により雨から晴れに変えられた上、起点作りまでさせられた。

 次のブーバーン戦でカビゴンまでヤられ、3匹も戦闘不能にさせられた中々に苦戦した試合も、メガリザードンXが大暴れして無事に勝利した。

 

 そしてその後にロケット団の襲撃が有り、多くの人が涙を流した。

 多種多様な塵芥を潰し回り、オーキド博士達を救助したが、女性達が強姦されるという酷い有り様だった。

 義憤に駆られながら塵芥共を潰して、首領サカキの居る間に突入。

 ミュウツーに手も足も出ず吹き飛ばされ、父さんとミュウツーの戦いが始まる。

 俺もそんなバトルに当てられサカキとの決戦を行って、勝利して見せたが、父さんが乱入して来たビシャスにまさかの銃撃を喰らい、死の淵を彷徨う事になった。

 そして、俺も殺される直前にサカキが身を挺して庇って来た。

 それによりサカキも重症を負うも、アルセウス様から波導の力を授けられ、ビシャスを返り討ちして瀕死の状態にした。

 波導の力で父さんと敵では有るが、命の恩人でも有るサカキを回復させ、最終決戦でビシャス麾下の残党を根絶やしにした。

 

 その後、ジム戦を1ヶ月以上行わずに最後のグリーン戦だ。

 グリーンさん相手にほぼ完成されたパーティーで挑み、メタりにメタった。

 ハクリューにしんそくを覚えさせる下地も出来たからこそ、今のしんげきが完成されたと言っても過言じゃない。

 デビュー戦のハクリュー、ベトベトンの育成もしっかり行った上で、無事勝利した。

 

 ハイパーボールクラスの大会では本気のナツメ、アンズ、エリカ、カスミとカントージムリーダーの女性ばかりと戦い、決勝ではライバルのシゲルと大立ち回りをした。

 当時のシゲルでも、今俺がやって来たマスターボールクラスでも十分戦えるだろう。

 

 マスターボールクラスではシバ、ワタルさん、グリーンさんと熾烈な戦いを征した。

 シバの格闘軍団も、ワタルさんのドラゴン軍団も、本気のグリーンさんをも倒して、今俺は此処に居る。

 もうすぐだ。

 もうすぐあの父さんと戦える。

 世界一のトレーナーたる父さんに、俺の全力をぶつける時だ。

 

 そして、待ち侘びたスタッフからの呼び出しを受けて、俺は入場口へと歩き出した。

 

 

 

 

 

 「…シルバーか?」

 

 「あぁ、俺だよ、親父。 こんな無様に檻に入れられるとは、やっぱり親父達のした事は間違っていたようだな。」

 

 「若! 急に何を言うんですか!」

 

 赤髪の青年、シルバーを収容所内に居るサカキの下へと送り届けたムサシは声を静かに荒げる。

 此処まで隠密に潜入した手前、大声を上げる訳にもいかないからだ。

 

 「道案内ご苦労。 お前は下がって良いぞ。 なあ親父。 クソババアがレッド達に壊滅させられ、親父もレッドの息子に敗北させられて、どんな気分だよ?」

 

 「どんな気分…か…。 彼等の強さを見る事が出来て、何よりも清々しい気分だな。」

 

 「清々しいだ? マサラタウンの住人を強姦させといて敗北した奴の言い分がそれか? やっぱりお前等ロケット団は本当に屑だな。 恥を知れ!」

 

 「ああ、そうだ。 私達ロケット団はどうやっても償う事の出来ない愚かな行為を犯してしまった。 だが、これだけは言うぞ。 我がロケット団に巣食う癌で有ったビシャスをも打ち倒してくれたのも、レッドの子、サトシだ。 私が想定していなかったとはいえ、ビシャスによって多くのマサラの住人が強姦されてしまった。 先代からの部下で有ったからといって、配下に加えるべきでは無かった…! サトシは私に取っても英雄なのだ。 彼がビシャスを討ってくれて、ビシャスの直属の配下達をも彼等が潰してくれたお蔭で、我がロケット団はより多くの罪を重ねずに済んだのだ。」

 

 「…親父や幹部達は何をしたんだよ… あのクソババアの配下のビシャスって野郎は何をさせたんだよ!」

 

 

 

 サカキは忌まわしい過去を振り返るように口を開き、シルバーへと話した。

 サカキの知る全てを聞いたシルバーは俯く。

 サカキは全ての部下達の罪は自分が纏めて背負うと言った。

 此処に居る幹部達全員が涙を流してそんな事は無いと叫ぶが、サカキは全て自分の責任で有ると固辞する。

 ロケット団の部下としてでは無く、家族として、一家の家長として全ては自分が背負うと断固たる決意を宿した目で、幹部達を黙らせた。

 

 「シルバーよ。 1度で良い。 レッドやサトシを、その目で(しか)と見てみろ。 お前にもわかる筈だ。 そして見て欲しい。 私が英雄だと思わされた男の生き様を。」

 

 「あぁ…わかったよ…。」

 

 シルバーはサカキの目を見て悟る。

 死を受け入れた男の目だ。

 サカキは、父親は本気で全ての責任を背負うつもりだと悟った。

 

 「うっ…うっ… サカキ様ぁ… このムサシが、必ずや若様を彼等の所へ案内します〜…。」

 

 「頼んだぞムサシ、コジロウ。 シルバーに彼等を見せてやって欲しい。」

 

 「了解しました〜…!」

 

 泣きながらムサシとコジロウ、ニャースがサカキへと敬礼し、シルバーを伴ってスタジアムへと急行して行った。

 

 「頼んだぞ…。」

 

 啜り泣く声が至る所でする収容所で、サカキが1人口ずさんだ。

 

 

 

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