※この作品はR-18です。

サトシの野望   作:イマクニ

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サトシVSレッド


第109話

 

 

 

 シルバーはサトシ達のバトルを見て思考する。

 己がジョウトチャンピオンになったゴールドとも拮抗したバトルが出来る程に強いと自負しているが、彼等は己のポケモン達で太刀打ち出来るのかと。

 答えはすぐに出た。

 絶対に勝てないと。

 レッドはまだ理解出来る。

 ゴールドが1度だけ勝てた事が有るとは云え、あれはシロガネ山という場所で鍛錬中だったレッドに半ば奇襲をかけた時の話だ。

 その後、すぐに万全のレッドに返り討ちに遭ったとも聞いていた。

 ゴールドですら歯が立たないレッドに、自分が勝てる筈が無い。

 2年早くポケモンを手に入れ、戦ってきたレッドだから仕方が無いだろう。

 

 だが、サトシは違う。

 つい最近旅に出たと云うでは無いか。

 そんな小僧がハイパーボールクラスの猛者達を打ち倒すならまだわかる。

 マスターボールクラスの覇者達に勝利したのもギリギリだがわかる。

 だが、前チャンピオンのグリーンに勝利し、レッドに接戦するのは違うだろう。

 その時点で昔のチャンピオンになったグリーンやレッドよりも格段に強いのは誰が見ても明らかだ。

 そんな事、普通の人間に可能なのか?

 答えは否。

 断じて否だ。

 親父が負ける筈だよ。

 どうやったらあんな怪物になれる?

 1年にも満たない鍛錬期間で至れる境地じゃあない。

 そんな怖気にも似た感情をサトシに向ける。

 サトシ達はそんな事も露知らず、愉しげにバトルをしていた。

 

 

 

 

 

 「「行け、カメックス!」」

 

 地が割れ、氷の残骸が無数に散らばるバトルコートに投入するのはカメックスだ。

 父さんも同じ事を思ったらしい。

 ならば、父さんのカメックスを飲み込むまで!

 

 「じしん!」

 

 「てっぺき!」

 

 父さんのカメックスのじしんに対し、こちらはてっぺきでぼうぎょ値を底上げしてやる。

 

 「っ! しおふき!」

 

 「てっぺき!!」

 

 父さんは方針を変えて、特殊攻めをするようだ。

 かなりのダメージを貰うが、これで下準備は終わりだ。

 

 「ボディプレス!」

 

 「こうそくスピンで避けろ!」

 

 ぼうぎょ値4ランク上昇のボディプレスは一撃でカメックスを戦闘不能にさせる威力を誇る。

 だが、流石に受けてはくれないようで、こうそくスピンで逃げられた。

 ならば…

 

 「こごえるかぜにうずしお!」

 

 「何っ!?」

 

 冷気を帯びたうずしおを作り出し、逃げるカメックスを拘束した。

 そこへ向かって、カメックスが飛び出す。

 

 「決めろ! ボディプレス!!」

 

 「ハイドロカノンで迎え撃て!」

 

 父さんのカメックスは、不安定な状態でハイドロカノンを撃ち放った。

 だが、いくら究極技といえど、グルグルと回りながら放たれるハイドロカノン等怖くも何とも無い。

 少し被弾こそしたが、構わず必殺のボディプレスを放った。

 父さんのカメックスは一撃で戦闘不能。

 俺のカメックスはゲーム風に言えば赤ゲージくらいだろう。

 げきりゅうが発動しているからな。

 

 「レッドのカメックス、戦闘不能! サトシのカメックスの勝ち!」

 

 「ッシャーーッッ!!」

 

 俺は喜びを全身で表した。

 そんな俺を、父さんは微笑ましそうに眺めている。

 そして、父さんが相棒を繰り出す。

 

 「行け、フシギバナ! メガシンカ!」

 

 「此処に来てそいつか! 少しでもダメージを与えろ! こごえるかぜ!」

 

 本当はボディプレスの方が良いが、接近している間に倒されてしまうだろう。

 うずしおをしても意味が無い。

 なら、速度重視でこごえるかぜを放つ方が利口だろう。

 こごえるかぜがメガフシギバナにダメージを与えた。

 だが…

 

 「ギガドレイン!」

 

 返しのギガドレインで少し与えたダメージが、完全では無いものの回復された。

 そして、カメックスは地に伏した。

 

 「カメックス、戦闘不能! フシギバナの勝ち!」

 

 「ありがとう、カメックス。 よくやった。」

 

 普通ならフシギバナとリザードンのどちらを出すかで言えばリザードンだろう。

 だが、フシギバナで行く。

 

 「行け、フシギバナ!」

 

 「良いぞ。 此処で違うポケモンを出していたら面白く無くなっていた。 最後までやり合おう。」

 

 メガフシギバナの相手が普通のフシギバナだと分が悪いが…

 底力を見せてやれ!

 

 「ヘドロばくだん!」

 

 「にほんばれ!」

 

 1度ヘドロばくだんを喰らったので、残り1回喰らえば残り体力も少ないだろう。

 2発でミリに近いくらいまでは減らされる筈だ。

 だが、下地は整ったぞ!

 

 「ヘドロばくだんで押し通せ!」

 

 「ウェザーボール!」

 

 俺のフシギバナがウェザーボールでメガフシギバナに大ダメージを与える。

 そして、晴れ下で素早くなったフシギバナがヘドロばくだんを回避していく。

 

 「躱すのなら、じしんだ!」

 

 「畳み掛けろ!」

 

 じしんによるダメージを喰らうも、ウェザーボールもメガフシギバナにダメージを与えていく。

 次喰らえばフシギバナは戦闘不能になる。

 だが、ウェザーボールで押し通せば勝てる…か?

 

 「ソーラービーム!」

 

 「ウェザーボール!」

 

 メガフシギバナのソーラービームで俺のフシギバナは戦闘不能になるが、先にウェザーボールがメガフシギバナに当たった。

 眩しくて見えないが、メガフシギバナは戦闘不能になったか?

 

 目が慣れて来ると、メガフシギバナはまだ健在だった。

 乱数でヤられたっぽいな。

 メガフシギバナもミリで有る事は見ればわかる。

 

 「サトシのフシギバナ、戦闘不能! レッドのフシギバナの勝ち!」

 

 「ありがとう、フシギバナ。 お前の根性、見せて貰った!」

 

 健闘してくれたフシギバナを労る。

 そして、帽子のツバを掴み、後ろに回して最後のポケモンが入ったボールを手にする。

 

 「行け、リザードン! 進化を超えろ! メガシンカ!」

 

 出て来たリザードンが紅蓮の繭に包まれる。

 そして、紅蓮の繭が弾け飛び、中からメガリザードンYが顕現した。

 

 「エアスラッシュ!」

 

 即座にエアスラッシュをメガフシギバナに叩き込む。

 そして、メガフシギバナの変化が解け、フシギバナは戦闘不能になった。

 

 「フシギバナ、戦闘不能! リザードンの勝ち!」

 

 「ふっ 中々楽しめたよ。」

 

 「普通のリザードンじゃ俺のメガリザードンYは倒せないぜ? 降参するのか?」

 

 「笑止。 まだまだお前に負けるつもりなど無いさ。 これが僕の真の切り札。 リザードン!」

 

 切り札と言いつつ出て来たのは普通のリザードンだ。

 だが、父さんは試験管のようなものを地面に叩き付けた。

 

 何をするつもりだ?

 そう思っていると、父さんは唐突にリザードンをボールに戻した。

 俺も観客も審判も、父さんが何をしたいのかが分からず、疑問に思っていると、父さんの持っていたボールが急に巨大化した。

 

 ちょっ!?

 あれやれんの!?

 けど、生で見れるなんて最高じゃねぇか!!

 

 父さんは巨大化したモンスターボールを背後に向けて投擲した。

 

 そして巨大化したモンスターボールから出てくるのは、天を衝く程に巨大化したリザードン。

 いや、キョダイマックスリザードンだ。

 

 「アハ…アハハハハ! すげぇ! すげぇや父さん!! キョダイマックスリザードンまで出すなんてな!!」

 

 「つい最近手に入れたコイツまで知っているのか…。 密かな自慢だったんだがな…。」

 

 俺の興奮に父さんは悄気ているような表情をする。

 自慢したくて堪らなかったんだろうか?

 まぁでもこれを見(魅)せられて興奮しない訳にもいかねぇだろ!!

 

 「ッシャーッッ! メガリザードン! 行くぜ!! どうせ負けるなら全力全開だ! ブラストバーン!」

 

 「仕留めろ! ダイロック!」

 

 メガリザードンYの究極技がキョダイマックスリザードンに直撃した。

 だが、やはり欠片も効いてないな。

 返しの圧倒的な質量を誇る大岩に、俺のメガリザードンYは無すすべ無く蹴散らされた。

 そして、俺のリザードンは戦闘不能になった。

 

 「サトシのリザードン、戦闘不能! レッドのリザードンの勝ち! よって勝者、レッド!!」

 

 会場から耳を劈くような大歓声が巻き起こった。

 ありゃ反則だろ〜…!

 クソッ! 父さんめ!!

 1人でZ技にメガシンカにキョダイマックスまで使ってズリーぞ!!

 

 

 

 「サトシ、中々に楽しめたよ。 礼を言う。 ありがとう。 僕を此処まで熱くさせてくれるトレーナーは本当に少なくなった。 強くなり過ぎてしまったと後悔する事もあったけど、サトシが此処まで強くなってくれて、本当に嬉しい。 もっと強くなってくれるともっと嬉しい。 もっと強くなるんだろう? 楽しみにしている。」

 

 そう言って、父さんはしゃがんだ俺に向けて手を差し伸べた。

 俺はその手を握って、立ち上がる。

 

 「俺も楽しかったよ! 本当、父さんの壁はまだまだ高いなって思った。 でも、絶対に父さんを超えるから楽しみにしてて!!」

 

 「あぁ、そうだな。 必ず僕の下まで来れると信じている。 そして、ポケモンマスターになれるのも楽しみにしているよ。」

 

 父さんはニコッと笑ってみせた。

 父さんに認められた感じがして、俺の表情も緩む。

 

 観客達も、チャンピオン達も、仲間達も皆祝福してくれた。

 父さんと2人で皆へと手を振る。

 そして、この楽しすぎた大会も無事閉幕した。

 

 

 

 

 

 「彼に会って話しがしたい。 ムサシ、コジロウ頼めるか?」

 

 「はい、良いですよ。」

 

 「お任せ下さい。」

 

 

 




レッド戦まで終わりました!
レッドが凄いってのを見せたかったんですが、良い感じに描写出来てたら良いなぁ〜と思っています。
まだまだ拙い文章ですが此処までお読み下さり、ありがとうございます!
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