俺達が色々している間にもホウエン地方で色んな事が起こっているようだ。
ミュウツー対グラードン対カイオーガも見てみたいし、そこにレックウザが現れて調停する所も見てみたいが、もうそこまで事態が進んでいるなら俺がジョウトの旅を終えるまでにホウエンに辿り着くのは不可能だろう。
リーフ達の下へと戻り、ホウエン地方の現状を話し合う。
「…という事が今ホウエン地方で起こっているらしい。」
「そうなんだ〜 けどあそこもカントー程じゃないけど強いトレーナーが居るよね? ダイゴさんとかミクリさんとか!」
「何かそんな事聞いたらカロス地方でも何か事件が起こるんじゃないかって心配になるわね。」
「ミクリさんが居るなら大丈夫よ! 水タイプのポケモンを使わせたら私より強いでしょうし!」
リーフ達の言葉にフルーラ達も頷く。
そしてリーフは続けて口にした。
「でもサトシはホウエンの事も気になってるのよね?」
リーフがふと、そう口にした。
俺自身、ホウエンに行きたい気持ちは勿論有る。
だが、旅に同行しているリーフ達の事も守っていかなければならない事も事実だ。
なので、俺は自身の気持ちをリーフ達に打ち明ける事にした。
「ホウエンの事も気にならない訳じゃない。 だが、リーフ達の旅を安全に送らせるのも俺の務めだと思っている。 リーフ達も強くなってはいるが、女性だけの旅じゃ何が起こるかわからない。 暴漢に襲われるかもしれないし、人間に害を為す凶悪なポケモンに出会わないとも限らないし。」
「サトシが私達の事を思ってくれている事は嬉しいよ? でもね、私達の事も舐めないで欲しいな?」
「そうだよ! 気持ちは嬉しいんだけど、私達も十分強くなったのよ? 私もまだリーフや、カスミには及ばないけど、それでも暴漢程度に遅れを取るとは思わないよ!」
「私の目標はカンナさんよ! 多分、サトシが本当に気にしているのはフルーラとナナコなんだろうけど、大丈夫! 私達が絶対に守るわよ! それに、そんな事言うなら私達とは別行動してるモモコさんとかヨーデルさんとかの方がよっぽど心配しなくちゃいけないじゃない!」
リーフ達の言葉にフルーラ達も同調する。
…そうだよな。
今まで共に旅して育てながら庇護をして来たが、リーフ達もトレーナーとしては上澄みに位置しているんだ。
俺がリーフ達を信じてやれなくてどうするんだ。
セレナも何だかんだハイパーボールクラスでも戦える位だし、リーフとカスミは今じゃマスターボールクラスも狙えるんだ。
いつまでも俺の目の届く範囲に置く必要も無いよな。
「皆の気持ちはわかった。 俺もホウエンに行くとするよ。 でも、フルーラとナナコはまだまだ初心者だから皆の言う事を良く聞いてくれよ? 俺はホウエンを落ち着かせるまでの間、リーフ、セレナ、カスミ、フルーラ、コトネ、ナナコ、今まで通り無事に旅をしていてくれると助かる。 後は頼んだ。 ルナさん、俺が此処を管理下に置いてすぐに悪いんですけど、此処の管理をお願い出来ますか? 俺のポケモン達が居るから大丈夫とは思いますが。」
「任せて! 誰にも此処を荒らさせはしないから!」
「留守の間、よろしくお願いします。 リーフ、悪いんだが、またミュウを借りても良いか?」
「大丈夫よ! でも結局私が捕まえるより、サトシの方がこの子を使ってるよね〜 ミュウを傷付け無いでよ! 帰って来たら私が育てるんだから!」
「大丈夫だよ。 ありがとう。」
リーフからマスターボールを手渡される。
早速、ミュウを呼び出してホウエン地方にテレポート出来るかを訊ねる。
(ミュウ、ホウエン地方には行った事が有るか?)
(う〜ん… 人間の言う地方とか、アタシ良くわかんないんだよね〜 全部一つの星でしょ? 遠い、近いとか陸が有る海が有るとか位しか考えて無いよ〜)
言われてみればそうか。
地方だの国だのは人間がわかりやすいようにそう呼んでるだけであって、ポケモンからしたら関係無いしな。
なら、思念を波導に乗せて、ホウエンの風景や暴れているグラードンとカイオーガをイメージしてミュウに送る。
すると、確かな手応えが有ったようだ。
(あ! わかったかも! でも、う〜ん… アッチの方の子、物凄く怒ってるね〜 人間の都合で起こされて激怒してるよ〜 出来れば近付きたくは無いかな〜)
(なら、こっちはどうだ?)
次は空の柱をイメージしてミュウに送る。
(そっちは今はまだ大丈夫そう! オッケー! でも折角この子に捕まえて貰ったのに〜 帰って来たら、うんと甘えさせてよね〜)
(わかった、リーフにはそう伝えるよ。 よし、それじゃあ、空の柱にテレポートしてくれ。)
リーフにミュウの気持ちを伝え、皆へと暫しの別れの言葉を言ってからテレポートをお願いすると、ミュウから力を吸い取られた。
まだミュウ自身のエネルギーが有るだろうが、今回は俺の我儘なので、甘んじて受け入れるしか無い。
そして、ミュウと共に俺はホウエン地方の空の柱前に到着した。