※この作品はR-18です。

サトシの野望   作:イマクニ

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おまたせしてすみません。


第151話

 

 

 

 少し時は翻る

 

 「ふふふ。 この紅色の玉とグラードンさえ居れば… 私達マグマ団の悲願が達成される!」

 

 マグマ団のリーダー、マツブサの手には紅色の玉とグラードンが納められたマスターボールが握られている。

 

 「リーダー、マツブサ。 ミッション…コンプリートしましたね♪」

 

 「ウヒョヒョ! マツブサ様! これで我々の悲願が…!」

 

 「あの子供には随分と手を焼かされたが… これで遂に私達の悲願が成就する! アオギリの奴ももうすぐカイオーガを手中に収める事だろう。 その前に陸地を広げよう!」

 

 マツブサがそう言うと、マスターボールを放ってグラードンを繰り出す。

 グラードンは今だに大人しいが、マツブサが紅色の玉をグラードンに向けて翳すと、紅色の玉が光り輝き始めた。

 余りの閃光に全員が紅色の玉から目を逸らすと、ふいにマツブサの手中から藍色の玉の感触が無くなった。

 今だに激しく閃光する紅色の玉が、ゆっくりとグラードンに向けて宙を浮いて進む。

 

 マツブサは何か恐ろしい事が起こる、そんな予感がした。

 

 紅色の玉がグラードンの胸部に吸い込まれた時、グラードンの姿が変化した。

 

 「グルルルルゥゥゥゥワァァァァ!!!!」

 

 グラードンの大きな体格が更に大きくなり、体の模様にΩのように見える淡く光る形状へ変化している。

 ゲンシカイキしたグラードンの体から溢れる熱気が周囲の気温を著しく上昇させる。

 

 「くっ! 戻れ、グラードン!」

 

 マツブサがゲンシグラードンをマスターボール内へと戻そうとするが、ゲンシグラードンはマツブサに対し、攻撃を加えた。

 

 「危ない!」

 

 「マツブサ様!!」

 

 「ぐっ!!」

 

 ホムラはマツブサを突き飛ばし、一緒に地面を転がった。

 慌ててカガリもマツブサ達に合流したが、マスターボールは地面に転がっている。

 そのボールに対し、ゲンシグラードンは攻撃する対象を変え、そして、グラードンを捕まえていたマスターボールはゲンシグラードンに依って塵も残さず破壊された。

 

 「マツブサ様! 逃げましょう!!」

 

 「リーダー! 早く!」

 

 「こ、こんな…事が…」

 

 ホムラは呆然とするマツブサを抱えて、ゲンシグラードンの下を立ち去った。

 

 

 

 一方その頃

 

 「クッソ! 何だってんだよ! 藍色の玉もカイオーガに吸収されて! 頼みの綱のマスターボールも壊された! あんな化け物…! どうにも出来ねぇ!」

 

 「アニィ! あのカイオーガ! ピッタリ着いて来てますぜ!」

 

 「アオギリ! ウシオ! 全速全開で逃げるわよ!」

 

 逃げ続けるもゲンシカイオーガは攻撃しながら潜水艦を追い続ける。

 海の中をゲンシカイオーガからの攻撃を躱しながら逃げ続けたが、遂に前方は陸地しか無くなってしまった。

 

 「やべーぞ! アニィ! もう逃げ場所が陸地しか残ってねぇ!」

 

 「もう行け! そのまま突っ込め!」

 

 「しっかり捕まってなよ! アンタ達!」

 

 潜水艦の燃料を一気に噴出させ、オーバードライブで陸地に乗り上げた。

 

 「「「うわぁぁぁぁ〜!!」」」

 

 空を滑空する道中、大きな赤いポケモンの頭上を越えて行く。

 そして、潜水艦は大きな音を上げて、陸地に不時着した。

 

 「だ、大丈夫かい…? アンタ達…!」

 

 「お、俺は鍛えてるから大丈夫だ! アニィも大丈夫か?」

 

 「少し背中が痛むくらいだ。 それより早くこの潜水艦からズラかるぞ! あの化け物が攻撃しかねん!」

 

 アオギリとイズミ、ウシオは潜水艦から急いで出ると、洞窟内に隠れる。

 すると先客が居たようで、隠れているマグマ団のマツブサとホムラ、カガリの姿が有った。

 

 「な! マツブサ! 何でテメェがこんな所に!」

 

 「見ての通りだよ。 その様子では貴様等も伝説のポケモンにしてやられたようだな。」

 

 アオギリの前では恐怖で少し震えているように見えるマツブサの姿が有った。

 マツブサを支えるホムラとカガリも顔を青くしている。

 

 「チッ! 何なんだあの化け物は!」

 

 「…アオギリ。 どうやら私達は大きな勘違いをしていたようだ。 超古代の伝説のポケモンを… 私達の力で制御出来る等と巫山戯た事を考えるべきでは無かったんだ…。 私達が死力を尽くしても傷一つ与えられない…。 復活させるべきじゃ無かったんだ…。」

 

 「「マツブサ様…。」」

 

 また思い出したかのようにガクガクと震えるマツブサを必死に支えるホムラとカガリ。

 

 「ケッ! お前等でも歯が立たねぇのか…。 俺達でもどうにもならねぇんだろうな…。」

 

 「アニィ! 当たって砕けましょうや!」

 

 「何言ってんだい! ウシオ! コイツ等がこんなになるんだ… アタシ達だってタダじゃ済まないよ!」

 

 流石のアオギリも意気消沈するも、発破をかけようとするウシオ、そのウシオの言葉に否定し返すイズミ。

 此処に居る誰もが、あの伝説のポケモンに何も出来ずに居た。

 

 

 

 暫く6人で生活している洞窟に新たなる闖入者が現れた。

 

 「クックックッ 無様だな。 マツブサ、アオギリ。」

 

 「ッ! 貴様は…!」

 

 「サカキッ!」

 

 真っ黒のスーツとハットを被ったロケット団の首領、サカキがマツブサ達とアオギリ達の前に現れた。

 

 「貴様等があのようなポケモンを復活させてくれたお陰でこちらも大迷惑している所だ。 私が言えた事では無いが、伝説のポケモンは大きな力を宿している。 人の身で扱えるような生物では無いのだ。 貴様等が従える事が出来ないので有れば、私が撃退して見せよう。」

 

 確かな自信を漲らせたサカキがそう言う。

 

 「い、いくら貴様ざ強いとはいえ、あのグラードンを1人で相手なぞ出来るものか!」

 

 「あの化け物カイオーガを相手にするだ? 命がいくつ有っても足んねぇぞ!」

 

 「ほう? ならばそこで座して死を待つのに徹しているんだな。 さらばだ。」

 

 サカキなマツブサ達に興味が失せたような表情をして、身を翻す。

 その後ろ姿を呆然と見るマツブサとアオギリ。

 

 「「なぁ… …!」」

 

 「何だ、アオギリ! 貴様が先に言え!」

 

 「お、お前こそ先に言えよ!」

 

 マツブサとアオギリがそう言い合っているところにイズミとカガリが話しかける。

 

 「何やってるんだい! アンタ達! サカキに先を越されちゃうわよ! シャキッとなさい!」

 

 「リーダー、マツブサ。 ターゲットロック… してます… 行きましょう…!」

 

 「アニィ!!」

 

 「マツブサ様!!」

 

 「う…オホン! アオギリ、私達が仕出かした事のケツは私達が拭かねばならない。 後はわかるな?」

 

 「おうよ! っしゃぁぁぁ〜〜〜!! 行くぜ! 野郎共!」

 

 もう彼等のその表情には先程までの落ち込んだ表情はカケラも無い。

 6人は急いでサカキの後を追って、洞窟を抜け出した。

 

 

 

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