※この作品はR-18です。

サトシの野望   作:イマクニ

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第182話

 

 

 

 俺がリングマを出すと、出て来た瞬間に火傷を負った。

 

 「かえんだまか!? ならきんちょうかんでは無いか… こんじょうかはやあし、どちらだ?」

 

 「()ればわかるだろう。 じしん!」

 

 「でんこうせっか、けたぐり!」

 

 エレキブルがでんこうせっかで近付き、けたぐりをしようとするが、リングマのじしんが先に当たる。

 大地が揺れ、片足立ちのエレキブルが転倒した。

 倒れたエレキブルに追撃を加える。

 

 「からげんき!」

 

 「かみなり!」

 

 上から圧殺するようにリングマのからげんきが落とされるが、そのリングマの更に上からかみなりが落ちた。

 この攻撃により、エレキブルは戦闘不能になったようだが、俺のリングマもかみなりが当たった事により、かなりダメージを負った。

 手痛い最後っ屁だったな。

 

 「エレキブル、戦闘不能! リングマの勝ち!」

 

 「僕のエレキブルが最近捕まえたようなポケモンに負けるなんて…。」

 

 「確かにセキエイ大会後にジョウトで捕まえたポケモンだが、それだけで此方のポケモンの方が弱いなんて事は無いぞ。」

 

 「君は何処まで先を行くんだ…! 次、行くよ! ハッサム!」

 

 ハッサムか…

 ならコイツに任せてみるか。

 

 「リングマ、戻れ。 行け、ストライク!」

 

 俺はリングマを戻し、武人ストライクを出す。

 俺の持っているハッサムより、シゲルの持つハッサムの方が強いのはわかる。

 だが、お前ならやってくれるだろう?

 

 「バレットパンチ!」

 

 「ファストカウンター!」

 

 ストライクが弛まぬ鍛錬の果てに使えるようになった必殺技を発動する。

 ファストガードとカウンターの合わせ技が決まり、ハッサムのバレットパンチを無傷で耐えた上でカウンターを浴びせる。

 超高威力の技以外ならこの技で倍返しに出来る。

 

 「何だ!? その技は!?」

 

 「このストライクに物理技は効かねぇぜ? つじぎり!」

 

 「なら、てっていこうせん!」

 

 ストライクが通り過ぎざまにつじぎりでハッサムを斬るが、ハッサムは返しにてっていこうせんで鋼タイプの特殊技をストライクの背中にブチ当てた。

 だが、もうハッサムも残り体力が少ないだろう。

 

 「エアスラッシュ!」

 

 「フェイント!」

 

 ストライクとハッサムは交差し、背中合わせとなる。

 間を置いてストライクの背後で斬り裂かれたハッサムが地面に崩れ落ちる。

 

 「ハッサム!」

 

 「ハッサム、戦闘不能! ストライクの勝ち!」

 

 場内に再度大歓声が巻き起こる。

 シゲルは倒れたハッサムを呆然と見つめる。

 そして、シゲルは震える手でボールを持ち、ハッサムをボールに戻した。

 

 「こ…こんな事って…。」

 

 「ストライク、戻れ。 行け、ヘルガー。 シゲル、もっとバトルに埋没しろ。 思考を全てバトルに没頭させるんだ。 他の何も考えなくて良い。 観客の声も、周囲からの期待も何もかもを今だけは忘れろ。 バトルのみに思考を研ぎ澄ませ!」

 

 俺の叱咤激励に、シゲルの表情も徐々に明るくなり始めた。

 そうだ。

 お前は強いんだよ。

 確かに俺は言ってみればチート有りきで戦っている。

 だが、お前ならそんな俺のポケモンとでも戦えるって信じているぞ。

 

 「そうだね。 思考を深く… 行くよ、カメックス! メガシンカ!!」

 

 此処で切り札を切って来たか。

 タイプ相性でもシゲルが有利。

 恐らくは一撃でやられる。

 それでも全力で抵抗させて貰おうか。

 

 「れんごく!」

 

 「ハイドロポンプ!」

 

 メガカメックスの3門の砲台から絶大な威力を誇るハイドロポンプがヘルガー目掛けて放たれる。

 だが、ヘルガーも煉獄の炎を口内に生み出し、発射待機の状態で躱す。

 メガカメックスがハイドロポンプを避けるヘルガーを目掛けて追従させる。

 躱し切れないと踏んだヘルガーが、ハイドロポンプの隙間を目掛けて煉獄の炎を吐き出した。

 メガカメックスは煉獄の炎で焼かれ、火傷を負うも健在だ。

 ヘルガーは3門の砲台から放たれたハイドロポンプをまともに喰らい、一撃で戦闘不能になった。

 

 「ヘルガー、戦闘不能! カメックスの勝ち!」

 

 「お疲れさん、ヘルガー。 ありがとうな。」

 

 「これでやっと1匹…!」

 

 シゲルもやっと俺のポケモンを1匹落とした事で、グッと拳を握る。

 だが、油断も慢心もせずに鋭い表情で次の俺のポケモンを待っている。

 良い表情だ。

 お前が世界でも屈指の実力者になっているってわかるからな。

 

 「最後だ。 デオキシス!」

 

 俺はホウエンで捕まえた幻のポケモン、デオキシスを繰り出した。

 シゲルは初めて見るポケモンに動揺したが、すぐに目つきを鋭くさせてデオキシスがどんなポケモンなのか、考察しながら見つめる。

 初お披露目のデオキシスの力、篤とご覧あれ。

 

 「A、テレポート、でんじほう。」

 

 「っ!? ふぶき!」

 

 シゲルは面制圧をしようとメガカメックスにふぶきを指示するが、デオキシスにはメガカメックスの背後にテレポートしている。

 そして、ほぼ零距離から必殺のでんじほうがメガカメックスの甲羅に当たり、メガカメックスは吹き飛びながら弱点の絶大な威力を誇る攻撃を受けた。

 あまりの威力にバトルコートを転がりながら変化が解ける。

 まだ転がり続けているが、シゲルはモンスターボールをカメックスに向けて構えた。

 

 「カメックス、戦闘不能! デオキシスの勝ち!」

 

 「何なんだい…? そのポケモンは? 見た事無いポケモンだよ。 それにその姿…最初に出て来た時と違うね?」

 

 「デオキシス。 宇宙から来たポケモンだ。 形態変化を使えるポケモンだな。」

 

 「中々手強そうなポケモンだね…。 それにしても君は最早何でも有りだね。 僕が此処まで追い詰められるとは思わなかったよ。」

 

 そう言ってシゲルは目を閉じる。

 そして、カッと目を見開いて、最後のボールを手にした。

 そのボールだけ紫色のボールだ。

 マスターボールか。

 さて、鬼が出るか蛇が出るか…。

 

 「最後だよ。 僕に力を貸してくれるかい? シルバー。」

 

 シゲルはキザったらしくマスターボールにキスをして問い掛ける。

 シルバー…サカキの息子?

 あのシルバーが捕まってて、シゲルがキス?ホモ?

 …と、頭の中で困惑していると、シゲルがマスターボールを投げた。

 マスターボールから出て来たのは、以前会った事があるルギア…より結構小さいルギアだった。

 その姿を見て、前世のアニポケを思い出した。

 あ〜あの赤ちゃんルギアもシルバーだったっけか。

 懐かしさに感動していると、シゲルも動き始める。

 

 「シルバー、でんじは!」

 

 「攻めろ! かみなり!」

 

 デオキシスのかみなりがルギアに当たるも、代わりにでんじはを受け、麻痺してしまった。

 麻痺した事により、目に見えてデオキシスの動きに支障が

出ている。

 

 「サイコシフト!」

 

 「しんぴのまもり! させないよ!」

 

 上手いな。

 麻痺を熨斗付けて返そうと思ったが、しんぴのまもりで防がれ失敗した。

 

 「じこさいせい!」

 

 「テレポート、でんじほう!」

 

 「躱せ!」

 

 デオキシスがルギアの背後に回り込むも、回復を中断してでんじほうを躱された。

 回復阻害が出来たと言えば聞こえは良いが、此方は麻痺も残っている上、少しは回復されてしまった。

 サイコシフトは使えないし、でんじほうも当たらなければ意味が無い。

 使える手札はテレポートとかみなりのみと言っても良いか。

 

 「エアロブラスト!」

 

 「S、避けろ!」

 

 躱したルギアが振り向きざまにエアロブラストを発動する。

 激しい竜巻が巻き起こる。

 デオキシスはスピードフォルムで避けようとするが、竜巻に引っ張られるように吸引されて、デオキシスが巻き込まれた。

 スピードフォルムで逃げるよりディフェンスフォルムで防ぐべきだったか…。

 デオキシスは自己判断で途中からディフェンスフォルムに変化したが、最初に受けたダメージが大きい。

 竜巻が晴れた後は、かなりのダメージを負ったデオキシスが辛そうに浮いている。

 

 「テレポートで撹乱! でんじほう待機!」

 

 ノーマルフォルムに戻ったデオキシスがテレポートでルギアを撹乱する。

 相手のルギアも、周囲を見回して何処に攻撃すれば良いのかわからないようだ。

 そして、あと1回テレポートが出来る状態で止め、ルギアの真上からでんじほうを放つ。

 

 「上だ!!」

 

 ルギアは慌てて回避しようとするが、もう終わりだ。

 避けた首を掠めて胴体に直撃する。

 落下するルギアに、追撃する。

 

 「かみなり!」

 

 ダメ押しの一撃を放とうとした時には、シゲルがルギアをボールに戻していた。

 

 「僕の負けだよ。 降参だ。」

 

 「シゲル選手の降参により、勝者、サトシ選手!!」

 

 無事勝利出来たので、俺はボールにデオキシスを戻す。

 そうしていると、シゲルが此方にやって来た。

 

 「全然歯が立たなかったよ。 前回よりも君との差を痛感した。 完敗だ。」

 

 「シゲルもかなり強くなっているのは感じたぞ。 今じゃワタルさんより強いっていうのも納得出来る。 このまま鍛え続ければ、今のチャンピオンくらいなら倒せると思うぞ! まだまだ人生は長いんだ。 このまま弛まぬ研鑽を積んでくれる事を祈っているよ。」

 

 「その事なんだが… 僕はカントーの四天王昇格戦に挑もうと思っている。 ワタルさんからも誘われているからね。 一度腰を据えて自分を見つめ直したいって思ってね。」

 

 シゲルが四天王の座を見据えたか。

 今のシゲルなら余裕だろうな。

 

 「それもまた良いんじゃねぇか? でもシゲルも四天王になったらか… 挑戦者が絶望しそうだな…。」

 

 普通なら他地方のチャンピオンクラスも狙えるくらい強くなっているシゲルだ。

 挑戦者からしたら絶望以外の何者でも無いだろう。

 

 「サトシ達がカントーとジョウト、ホウエンの悪の組織を潰し回っている事は聞いている。 今の平和を四天王になって護って行きたいんだ。」

 

 シゲルとしても色々と思う事が有るんだろうな。

 それならそれで、その夢を応援するか。

 

 「頑張れよ。 応援してるからな。」

 

 「任された! それじゃあ次会う時は僕は四天王の大将だからね?」

 

 「あぁ、それじゃあな、大将!」

 

 シゲルと拳を合わせ、お互いに背を向ける。

 シゲルは冒険の旅から一度降りるが、四天王になってもまだまだ強くなる。

 言ってしまえば父さんの教えを間近で乞えるって事だからな。

 今まで以上に練度の高い修行が出來るだろう。

 次会う時は今日以上に強くなっている事は明白だろう。

 楽しみだ。

 

 

 

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