※この作品はR-18です。

サトシの野望   作:イマクニ

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第183話

 

 

 

 シゲルとのバトルが終わり、消耗したポケモン達をモモコに回復して貰う。

 全員の体力が8割程回復が進んでいる所に、サカキから着信が来た。

 

 「サカキ、どうした?」

 

 「マズいぞサトシ! もう既に神降ろしが始まってしまった! 抑えられそうにない!」

 

 かなり焦った声を上げるサカキ。

 サカキがこれほど焦りを見せるのは珍しいが、それだけ今の状況がマズいんだろう。

 

 「わかった! すぐに向かうから、身の安全を第一に行動してくれ!」

 

 「すぐに来てくれ!」

 

 今は皆に伝えている余裕が無い。

 戦闘不能になっているヘルガーはまだ回復し切っていない。

 ヘルガーの事を頼むと伝え、着いて来てくれたカノンからラティオスを預かり、デオキシスとラティオスを出す。

 ラティオスに上空に浮かんで貰い、デオキシスにテレポートして貰いながらシンオウに向けて飛翔して貰う。

 

 今何が何処まで進行していたんだ!?

 最悪を想定しつつ全力でシンオウへ向けて飛んで行った。

 

 

 

 

 

 シンオウへ辿り着いたが、テンガン山の頂上に大きな光が見える。

 

 PPエイド等で無理矢理テレポートとラティオスの飛翔で此処まで来れたが、ジョウト~シンオウは遠すぎて何度もテレポートしては飛翔の繰り返しだった。

 何度もテレポートを使ったからか、既に大会で疲労していたデオキシスにも、かなりの負担がかかっている事がわかっていたが、最後のお願いをする。

 

 「デオキシス、最後にあの頂上にお願い出来るか?」

 

 そうお願いすると、デオキシスが残った力を振り絞ってテレポートを使用してくれた。

 

 テンガン山の頂上に辿り着くと、周りに倒れているサカキ達、レジェンズの人間とギンガ団の人間。

 そして、プレートを光臨のように纏わせたアルセウス様と、その後ろに控えるディアルガとパルキア。

 ディアルガとパルキアの下には、破壊された赤い鎖が転がっていた。

 

 「サトシ君!」

 

 呼ばれた方を向くと、傷付いたシロナさんが居た。

 慌てて駆け寄り、傷薬で手当てを行う。

 

 「何が有ったんですか!?」

 

 「それは…」

 

 シロナさんが答えようとすると、俺の背後から攻撃が来た事を感知する。

 シロナさんを抱き上げ回避すると、俺達が居た場所が抉れていた。

 

 「何をするんですか!? アルセウス様!?」

 

 俺はアルセウス様に叫ぶが、アルセウス様は此方を睨んでいるようだ。

 

 『度し難い人間共よ。 覚悟しろ!!』

 

 有無を言わさずアルセウス様が此方を攻撃してきた。

 こっちはシロナさんが居るんだぞ!?

 アルセウス様は何を考えている!?

 シロナさんに負担にならないようにお姫様抱っこで逃げ回る。

 だが、逃げ場が余り無い。

 そこら中にレジェンズの人間とギンガ団の人間、良く見れば傷付いたコウキとジュンらしき姿も見えるからだ。

 俺はポケモン達を出し、アルセウス様に対峙させずに皆の回収を頼んだ。

 ストライク達が一斉に駆け出し、クリスタルイワークの背中に倒れている人間を乗せてコウキ?達が居る場所に運ぶ。

 皆の頑張りによって徐々に逃げ場が増えていく。

 俺もフェイントを掛けながらシロナさんを安全圏に運んだ。

 レジェンズの皆は運んだ。

 後はどうアルセウス様にこの状況を訊ねるかだが、シロナさんが大声を上げる。

 

 「アルセウス! 事の元凶のアカギはギラティナが連れて行ったのよ!?」

 

 『笑止。 貴様等人間がディアルガとパルキアを縛りつけたのは事実。 よって、神の裁きを受けるが良い!』

 

 アルセウス様のプレートの光輪が光り、18タイプの光線が放たれる。

 さばきのつぶて…か…!

 俺は波導を纏いその光線を殴り、蹴り上げるが、何発かは後ろに居る人達へ向けて飛んでしまう。

 その光線はストライクが斬り裂き、クリスタルイワークが身を盾にし、リングマが叩き潰し、スイクンが消し去った。

 

 これで終わったかと思ったが、アルセウス様から更なる攻撃が来た。

 

 『ほう? 少しはやるようだな。 ならば、これで消し去るのみ!』

 

 再度アルセウス様の光輪が光り輝き、さばきのつぶてが一つに纏まって極大の光線となって此方に迫って来た。

 

 

 

 死ぬ…!

 

 

 

 波導を全開にするが、これは無理だ。

 そう思っていたが、イワークが先頭に構え、その光線を受ける。

 イワークが光線に飲み込まれ、消え去った。

 イワークの後ろに控えるリングマが、アームハンマーを光線に当てるが、消え去った。

 俺の前に躍り出たストライクが、鎌を十字に構えて光線を受けるも、同じように消え去った。

 

 そして、最後にスイクンが結界を張るが、結界諸共消え去った。

 

 俺の眼前に光線が迫る。

 後ろにはシロナさんやサカキ達が居る。

 逃げられない…!

 

 体内に有る波導を全て拳に纏い、光線にブチ当てる。

 光線と俺の拳が激しくぶつかり合った。

 

 重いッ…!

 

 光線が俺を包み込んだが、俺はその光線を纏った状態で上空へと跳んだ。

 地上ではシロナさんやサカキ達が叫んでいるのが聞こえる。

 

 俺の体が徐々に消え去っていくのがわかる。

 拳から崩壊していき、体全般に崩壊の波が広がっていく。

 

 そして、最後に俺の体が粒子に変わっていく様を見届け、視界が暗転した。

 

 

 

 

 

 サトシは目の前が真っ暗になった。

 

 

 

 

 

 …。

 ……。

 ………。

 真っ暗な空間を漂う。

 

 俺は死んだのか…?

 

 …イワークは?

 

 …リングマは?

 

 …ストライクは?

 

 …スイクンは?

 

 …ボールに入れていたラティオスとデオキシスは?

 

 わからない。

 

 

 

 サカキ達はどうなった?

 

 シロナさんはどうなった?

 

 コウキらしき人と、ジュンらしき人はどうなった?

 

 無事…だと…良いな…。

 

 

 

 アルセウス様は何故俺にあんな攻撃をした?

 

 わからない。

 

 いや、そもそもアルセウス様は俺を認識していたのか?

 

 …あれは…。

 

 …別の個体か…?

 

 

 

 

 

 遠くに光りが見える。

 

 何故か、そちらへ向けて歩きたくなった。

 

 歩いても歩いても近付いている感覚は無い。

 

 光へ向けて走ってみた。

 

 距離が縮まらない。

 

 波導は…使える。

 

 波導は俺の全力と共に使い果たした筈だったが、今は使えるようだ。

 

 波導を纏い、光へ向けて駆け出した。

 

 今度はグングンと光へ近付けた。

 

 もっと。

 

 もっとだ。

 

 あらん限りの力を込め、光へ向けて走る。

 

 

 

 光へ近付いて行くと、俺のポケモン達が待っていた。

 

 良かった。

 

 皆、無事だったんだな。

 

 

 

 

 

 俺のアルセウスフォンが反応する。

 

 そして、俺のポケットから飛び出して行った。

 

 慌てて掴もうと思ったが、飛んで行った方を見て驚いた。

 

 

 

 「アルセウス…様…?」

 

 

 

 「ふむ… 貴方から私の真体の気配がすると思っていましたが… そういう事ですか…。」

 

 俺のアルセウスフォンから何かを悟ったかのように、そう言うアルセウス様。

 やはり別の個体のようだ。

 それに、今話しているアルセウス様と、俺達に攻撃を加えたアルセウス様も違う。

 そんな気がした。

 

 「サトシ。 この3匹のポケモンは私が預かっておきます。 そして、全てのポケモンに出会うのです。 その時また姿を見せましょう。」

 

 

 

 アルセウス様がそう言って、俺にアルセウスフォンを返却した。

 そして、光り輝くアルセウス様へと、俺達は吸収された。

 

 

 




次回からヒスイ編です。

20:00にもう1話投稿します。
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