ヒナツとヤッた翌日
「おはよう♡ チュッ♡」
ヒナツから目覚めのキスを受け、俺は目覚めた。
「おはよう、ヒナツ。 今日から散髪屋で働くんだよな?」
「うん! ちょっと緊張するけど、サトシの髪も切りたいな!」
「あぁ、この後行くからな。 ヒナツの顧客第一号は俺だぞ?」
「わかってるよ! あたしの服もありがとうね! お礼に朝餉作って来る!」
「あぁ、よろしくな!」
俺はギンガ団の制服を着て、身だしなみを整える。
その後、軽く朝の体操をしていると、朝食が出来たようだ。
ヒナツとの朝食を食べ、家を出る。
ヒナツと共に家を出ると、散髪屋の店主のサワさんが待っていた。
サワさんとは直接依頼を介したやり取りはした事が無いが、細々したちょっとした手伝い等は精力的にやっている。
サワさんも老婆だからな。
重たい物を運んだり出来ないんだ。
「おやまぁ、ヒナツちゃんも同衾かい? サトシさんは良い男だよ! 離さないようにしなきゃねぇ~!」
サワさんがそう言うと、ヒナツは顔をカーッと赤くした。
「お、お婆ちゃん!!」
「おやおや…」
「サトシもそういう事だから、後で髪結いに来てよ!」
ヒナツがサワさんにイジられていると、デンボクさんが来た。
「サワさんも散髪屋の後継者が出来て良かった!」
デンボクさんを見たヒナツが言う。
「デンボクさん、ガチグマの事なんだけど…。」
「コトブキ村で働くのであれば、何処の誰であろうと大切な仲間。 ヒナツ殿、よろしく頼む。」
ヒナツも無事に迎え入れられたな。
良かった。
そしてデンボクさんは俺を見て言う。
「サトシ、始まりの浜に向かうぞ。」
始まりの浜に着くと、色んな人で溢れて居た。
1、2…6人ほどか?
どうやら、彼等、彼女等もコトブキ村で暮らし始めるらしい。
デンボクさんも皆の不安を和らげる為、俺の名を出して共に頑張ろうと皆に伝える。
皆もコトブキ村に移ると、デンボクさんが話しかけて来た。
「調査隊がポケモンを調べることで、安心して行動出来る範囲が広がり、彼らを受け入れることが出来た。 お前は本当にポケモンが好きなのだな?」
「好きですよ。 当たり前じゃないですか。 そりゃ彼等の言う通り、怖い所も有りますよ。 でもそれは人間も同じでしょう? お互いに言葉が通じ合っている人間同士ですら、分かり合えない事も有る。 それが言葉の通じない、生活環境すら違うポケモンという別種族なら尚の事でしょう。 だから人間はポケモンを恐れ、無駄に怖がる。 危害に合う事も有るでしょう。 けれどそれは人間側がポケモンに何かをしてしまったから…というのも考えられますよね。」
そこで一度言葉を区切り、指を1本立てる。
「例えばそのポケモンの縄張りに入ってしまった。 今、ヒスイ地方では開拓を行なってますね。 開拓するって事は、そのポケモン達の縄張りを荒らしてしまいますよね? 縄張りだった場所を後から入って来た人間が、図々しく占拠してしまえばポケモン側も良い思いはしません。 自分達の縄張りを守る為、そのポケモン達も必死に抵抗するでしょう。 ポケモン達も安心して暮らせる場所を求めて縄張りを作ってますからね。 人間がそこを追い出したポケモン達は、他の強いポケモン達の縄張りを間借りするか、弱いポケモン達の縄張りを奪い取るかしか出来なくなります。 そうなると、そうなってしまった原因で有る人間に対し、強い憎しみを抱くのも当然と言えるでしょう。 俺達人間に置き換えてみれば簡単ですよ。 自分達の住む家、村に他人がズカズカと乗り込んで来て、「今日から此処は俺の物だ。 お前等は消えろ。」とか何とか言って、元々住んでた人を追い出したり、危害を加えられてニコニコしてどうぞどうぞなんて言えますか? そこを追い出されたら下手したら野垂れ死ぬんですよ? それは野生に居るポケモン達だって変わらない。」
再度言葉を区切り、指をもう1本立てる。
「例えば誰か人間がそのポケモンの親や仲間を殺してしまった。 人間に恨みを抱いたまま成長し、進化したポケモンは人間に対して復讐心を抱くでしょう。 どちらかが悪意をもって接してしまえば、仕返しされる事も有りますよ。 人間に対し、強い憎しみを抱いたポケモンが成長して進化していた場合、そのポケモンの近くに居る人間を見境無く襲うかもしれませんね。 そのポケモンからしたら、襲っている人間が良い人間か悪い人間か何て関係有りませんから。」
「ポケモン達を恐れるなとは言いません。 ですが、ポケモンを知り、自分達人間を知る事こそ、共生が出来ると俺は思いますね。 同じ種のポケモンでも、それぞれに性格の違いも有れば、住む場所も違います。 知らない事を罪とは思いませんが、知ろうとしない事は恥ずべき事だと思います。 ポケモン達も共存出来る個体も居れば、絶対に共存しないと思っている個体も居ますよ。 棲み分けを明確にし、そこに住むポケモン達を敬う気持ちを忘れないようにしないといけませんね。」
俺が思っている気持ちと考えをデンボクさんに伝える。
「うむう… ポケモンはギンガ団の同胞を何人も襲っている… それは私も同じだ。 私等もヒスイでは無いが、故郷でポケモンに襲われ、大事な家族を失った。 それでも、お前はポケモンが好きと言えるのか?」
「それでも好きですよ。」
「そうか… お前のその心意気が、調査隊には必要な資質なのかもな。 だが、このデンボク。 団長としてコトブキ村の皆を守る為であれば、時として果断な処置を下す!」
デンボクさんもポケモン達とコトブキ村の人達を天秤にかけ、それでも人間達を優先したいようだな。
デンボクさんの目を見ればわかる。
そうして話していると、ショウが此方に来た。
「団長、シンジュ団のカイさんがいらしてますよ。」
「ふむ、あの件だな。 サトシよ、お前達調査隊の働きによって変わりつつあるコトブキ村の様子を見ろ。 その上で団長室に来るのだ。 良いな?」
「わかりました。」
ギンガ団団長室
デンボクさんとカイさんが俺を待っている。
「紅蓮の湿地でのポケモン調査、ご苦労である。 サトシには次なるエリア… 群青の海岸に赴いてもらう。 最初に言っておく、群青の海岸にキングは居らぬ。」
「サトシさん、説明するね。 キングだけど、数年前には居たの… ただ不慮の事故で命を落として…。」
カイさんは俯きながらそう言った。
その後、デンボクさんとカイさんから依頼を受け、群青の海岸に行く準備を始めた。