※この作品はR-18です。

サトシの野望   作:イマクニ

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第219話

 

 

 

 だいぶ目が慣れて来た。

 俺の目の前に佇むその巨体。

 ガチグマがそのまま立ち上がったままのようなその巨躯は、だが、ガチグマとは違う。

 脳天には紅く妖しく光る円形の物が見える。

 そして、左目は失明したように真っ黒だ。

 雷に撃たれた名残りからか、円形の端から左目の下辺りまで、リヒテンベルク図形が走っている。

 明らかに俺の知っているガチグマとは似て非なるものだ。

 そんな俺の知らないガチグマは、ディアルガ達に威嚇の咆哮を上げ、俺の知らない技をディアルガ達に向けて放った。

 ガチグマは眼前に紅き満月を思わせる球体を生み出し、ガチグマはその月に咆哮を放つ。

 すると、紅き満月から紅きレーザーが射出し、ディアルガとパルキアを一閃する。

 

 「ワギャアアァァァ〜ッッ!!」

 

 「グギュグバァ!!」

 

 「ガギャギャァッ!!」

 

 他のポケモンからも攻撃を受けていたディアルガとパルキアは、想定外のガチグマからの一撃を受け、悲痛の叫び声を上げる。

 いくら神と謳われるポケモンでも、キング達や俺のバサギリ達、そして、進化してより一層強くなったガチグマの攻撃を受け、かなりのダメージを負ったようだ。

 だが、それでも神。

 反撃をし始め、ディアルガはときのほうこうを、パルキアはあくうせつだんを周囲のポケモンへと繰り出す。

 神の裁きともいえるような圧倒的な攻撃は、キング達を蹴散らし、バサギリ達にも大きなダメージを喰らわせた。

 それでも俺のポケモン達やキング達の闘志は潰えない。

 怒涛の攻撃を繰り出し、ディアルガ達を翻弄する。

 ディアルガ達もただサンドバッグにされるつもり等、毛頭無いようで、4種の技制限等知らんとばかりに色んなタイプの技で此方側を攻め立てている。

 雌雄を決する勝負の終局は近い。

 

 

 

 

 

 戦場から一時撤退し、神とサトシの戦いを覗き見るデンボク達。

 デンボク達はその壮絶な戦いを覗き見て、感嘆していた。

 

 「サトシ…アイツは…古の英雄か…?」

 

 「デンボクさん、確かにキング達を従え戦うあの姿は古の英雄っぽいですけど、違うと思いますよ。 あるとするならば…現代の英雄その人です。」

 

 「そうだな! 俺達でも全く敵わなかったオヤブン達どころか、シンオウ様を相手取るサトシは、現代の英雄だろうぜ!」

 

 デンボクの問いに、カイとセキは各々に感じた事をデンボクに伝える。

 するとそこに、デンボク達の怪我の治療を施したコギトが口を開く。

 

 「サトシ…あやつはよもや、赫月までをも現代に蘇らせたか…。」

 

 コギトの呟きを聞いたデンボク達は質問する。

 

 「コギト殿、赫月というのは何でしょう?」

 

 「我が一族に一節のみ伝わっておる。 空が紅く染まった時、赫月が現れる。 それは通常種のガチグマよりも大きな体躯を持ち、左目に宿る心眼にて敵を殲滅する恐ろしきモノ。 赫月とは、その額に宿す赫き月を思わせるような妖しく光る球体から来たモノじゃ。 特異点は通常種のガチグマよりも膂力が弱いものの、特殊な技の攻撃に長ける事。 それ故、タダでさえ強きガチグマよりも尚、恐ろしきポケモンといえる。 じゃが、通常種のガチグマでさえ非常に進化し難いポケモンじゃ。 数十年に一度進化したガチグマを見れれば最良じゃろう。 それよりも非常に珍しい赫月に(まみ)える事になるとはの… 長生きはしてみるものじゃな。」

 

 コギトの呟きを耳にしたデンボク、カイ、セキは熟考しながら赫月のガチグマを見る。

 先程の攻撃の破壊力たるや、あのシンオウ様ですら苦痛に歪ませる威力であった。

 このヒスイ地方が誇るキング達ですら羽虫のように扱うシンオウ様が、あの赫月の攻撃には絶叫の声を上げていた。

 デンボク達の目には、サトシが、赫月のガチグマがとても恐ろしく、だが、とても誇らしく頼もしい存在に思えた。

 

 「サトシさん…カッコいい…!」

 

 「カイ、サトシだけじゃねぇだろ? あの赫月も途轍も無くカッコいいじゃねぇか!」

 

 「フッフッフッ サトシは2人が思っているシンオウ様よりも格上のシンオウ様の御力によって来たらしいぞ? サトシが此処に来た事も…シンオウ様の思し召しなのだろうな…!」

 

 「さぁ、そろそろディアルガとパルキアも力を失うじゃろう。 万全の状態でサトシに会いに行かねばな。 準備をするのじゃ!」

 

 

 

 

 

 このガチグマへの指示は何となくわかってきた。

 あの専用技っぽいのはわからないが、特殊方面に強い事は理解出来た。

 ガチグマ、バサギリ、イワーク、エムリットに次々に指示を飛ばしディアルガ達を攻撃し、攻撃される時はされたときの指示を飛ばす。

 流石に神のポケモンといえど、ポケモン達だけの勝負なら優勢に戦えても、トレーナー有りきのバトルでは思うように行かないようだな。

 

 「パルルルッ…!」

 

 おっと、パルキアが膝を付いたな。

 イワークにパルキアを畳み掛けさせつつ、ディアルガにバサギリとガチグマ、エムリットの攻撃を加えさせる。

 キング達もそれぞれに傷を負いながら、必死に攻撃を加えた。

 すると、やっとディアルガも膝を屈したようなので、一気に全員の波状攻撃を加えてやる。

 全員に指示を飛ばし、攻撃させると、遂にディアルガとパルキアは地面に倒れ伏した。

 後は捕獲するだけ…の筈だったが、ディアルガとパルキアの周囲に黄金のオーラが纏わりつく。

 そのオーラはグルグルとディアルガとパルキアを包み込み、大きな渦と化した。

 

 あ〜…マジか…。

 

 その黄金のオーラが弾け飛んだ時、アルセウス様に似たフォルムの、オリジンディアルガとオリジンパルキアが宙に浮きながら、こちらを睥睨した。

 

 うへぇ〜…

 第2ラウンドですか…。

 

 

 

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