俺達の目の前に顕現する2匹のオリジン。
これには流石のキング達も驚き、一歩後退するが…
俺のポケモン達はより一層奮起したように雄叫びを上げる。
それに呼応するようにキング達も負けられぬとばかりに攻撃を仕掛ける。
だが、オリジン達もそれを凌駕する咆哮を上げる。
オリジンディアルガとオリジンパルキアはりゅうせいぐんを生み出し、全体攻撃を喰らわせる。
その大質量の攻撃により、キング達は瀕死寸前にまで陥る。
防御力の高いクレベースですら、大きな体に無数のりゅうせいぐんを受け、大きな地響きを上げながら昏倒する。
そんな最中、一気呵成に攻撃に躍り出る俺のポケモン達。
バサギリは踊るようにりゅうせいぐんを受け流し、回避し、がんせきアックスをオリジンパルキアに叩き付ける。
がんせきアックスを受けたオリジンパルキアはバサギリに向けてあくうせつだんを放つ。
だが、そんな断崖の一撃ですらバサギリには効かない。
ストライク時代にモノにしたファストカウンターをあくうせつだんに向けて放ち、ほぼ完璧に倍返しした。
クリスタルイワークは地中に潜り込み、オリジンディアルガの真下から飛び出る。
そして蛇のようにオリジンディアルガをしめつける攻撃を加えた上、かみくだくでオリジンディアルガの首を噛み付いた。
その上、アンカーのように地面に縫い付けたお陰で、攻撃が通り易い。
クリスタルイワークの攻撃により身動きの取れないオリジンディアルガに向けて、ガチグマは例の紅い月のレーザーをオリジンディアルガに向けて放つ。
オリジンディアルガはそのレーザーを顔面に受け、苦悶の表情を浮かべる。
エムリットはと言うと…
『無理無理無理! あたしはあんなのと戦えない! 絶対嫌よ! あんたの背中から一歩も動かないわ!!』
俺の背中に抱き着いて離れない。
…まぁ、これも仕方ないか。
「わかったから。 俺のポケモン達の勇姿を見ているだけで良いぞ。 お前等もな。」
俺が視線をエムリットの更に奥へと送ると、ユクシーとアグノムがフワフワと飛んで来た。
『うわぁ〜 凄い事になってるねぇ〜』
『ご主人のポケモン達凄いね! 神に挑むその姿! 感動しちゃうよ!』
「俺の後ろで見ていろ。 攻撃が来ても俺が何とかしてやる。」
この決戦の間、俺は常に波導を身に纏い、いつ何が起こっても対処可能の状態をキープしている。
素の状態で指示出しするのも、オリジン達の攻撃を防ぐ事も出来ないだろうしな。
目の前ではオリジンパルキアはバサギリと良い勝負をしているし、オリジンディアルガもイワークとガチグマにより、苦境に立たされている。
だが、オリジンディアルガに動きが見られた。
あれは…
「イワーク! そいつの口元を何とか防げ!!」
オリジンディアルガはガチグマのレーザーを受け、憤怒の形相でときのほうこうを放とうとしていた。
オリジンディアルガの首筋に噛み付いていたイワークは噛むのを中断し、何をするのかと思えば…
「イワーーッ!」
ときのほうこうを放とうとしているオリジンディアルガと口を合わせた。
マウストゥマウス。
何故そのような行動をと思ったが、その行動によりオリジンディアルガのときのほうこうは低威力でイワークの体内に射出された。
低威力になったとはいえディアルガの専用技、ときのほうこうだ。
イワークの体内を龍の因子が駆け巡る。
ガチグマや此方に被害は皆無では有るが、イワークは体内でときのほうこうを受け止め切った。
イワークの目がぐりんと白目を剥き、戦闘不能になった。
オリジンディアルガの拘束は解かれ、再び宙へと舞い上がる。
「戻れ、イワーク!」
俺は即座にボールにイワークを戻し、すぐに目の前に出して波導を流し込みながらアイテムを使用する。
いくらガチグマが強くなったとはいえ、イワークの補助無しではキツいかもしれない。
戦線復帰を早めるため、全力で回復に勤しむ。
ガチグマもそんな俺達を見て、野生の本能かのようにオリジンディアルガに吶喊した。
強烈なアームハンマーをオリジンディアルガに叩き込み、オリジンディアルガもドラゴンクローで迎撃する。
特殊方面に強い2匹のポケモン達が、示し合わせたかのようにインファイトで攻撃をし始めた。
バサギリ達も勝負は終盤戦のようで、近距離戦闘でお互いの武を競い合っている。
お互いに傷付き、されども絶対に倒れぬという矜持を見せた漢の戦いだ。
バサギリもこの戦いで武の真髄を見たかのように、戦いのレベルが高くなっている。
元々強かったストライク時代よりも、この戦いの前までのバサギリよりも尚一層強く、気高い。
オリジンパルキアも絶対者たる己に比肩し得る存在を得て、歓喜するかのようにバサギリに相対する。
そして、そんな2匹はお互いに離れた。
次の一撃が最後だと言わんばかりの表情だ。
オリジンパルキアはあくうせつだんを、バサギリはがんせきアックスの構えを取る。
2匹のポケモンはお互いに加速し、一瞬のせめぎ合いを経て、交差し勝負は着いた。
バサギリがぐらりと揺らぐが、未だ健在。
先にオリジンパルキアが地響きを上げ倒れ伏した。
バサギリは両手の大斧を血振りするように薙いで
「グラッシャーッッ!!」
勝鬨の咆哮を天に向けて上げた。
ガチグマとオリジンディアルガの勝負も終盤戦。
アームハンマーとドラゴンクローがせめぎ合う。
「ガル゛ル゛ル゛ア゛アァーーッッ!!」
「グギュグババァグアアーーッッ!!」
此方はバサギリのような武の戦いでは無いものの、漢臭い殴り合いだ。
殴り殴られ、互いの覇を競い合う。
ガチグマがディアルガの顎をかち上げたかと思えば、上からディアルガがドラゴンクローで叩き潰す。
ディアルガの足を噛み砕けば、ガチグマは踏み潰される。
踏み潰されたガチグマは藻掻き苦しむが、ディアルガは圧力を崩さない。
徐々に暴れ狂っていたガチグマから力が失われて行く。
万事休すか…
そう思っていた所、回復させていたイワークが目を醒ました。
「イワーク…お前…その体…!」
「グオォォーーッッ!!」
少し前までのクリスタルイワークの姿から少し様変わりしたその姿。
龍鱗を模した鱗がイワークの表皮を覆い、短いものの、腕と脚が生えていた。
その姿は正しく東洋の龍。
色こそクリスタルイワークそのままでは有るが、レックウザよりも東洋龍に近いその姿に俺は戦慄した。
それはオリジンディアルガも同様のようで、ガチグマを踏み付けていた脚を上げて、一歩、二歩と後退する。
イワーク?は宙へと浮かび上がり、りゅうのまいを舞う。
そして口を大きく開き、りゅうのはどうを放った。
「グルォォォ~!!」
「グギュグババァグアアーーッッ!!」
オリジンディアルガはイワーク?のりゅうのはどうを受け、今までのダメージも有って、遂に膝を屈した。
地に倒れ伏したオリジンディアルガとオリジンパルキア。
神とも謳われる2匹のポケモン達に俺は語りかける。
「ディアルガ、パルキア。 もう暴れなくて良い。 このボールの中で、ゆっくりしていてくれ。」
ディアルガとパルキア双方に向け、オリジンボールを投擲する。
ディアルガとパルキアはオリジンボールに吸収され、大きな紅い渦を巻きながら捕獲された。
そして…
二条の光がオリジンボールを照らし、そこから紅い空が晴れていく。
元の青い空と燦々と輝く太陽が辺りを照らした。
「シンオウ様を無事に捕獲出来たようじゃな。」
背後からコギトに話しかけられたので振り返る。
振り返ると、コギトとデンボクさん、カイ、セキ、ラベン博士、ショウ、シマボシ、ムベさん等、今回携わった人間が此処に集結した。
皆は、にこやかな表情で俺を見ていた。
「あぁ、無事に今回の事件は終息した。」
皆一様に俺を褒め称えたり、喜びを分かち合っている。
デンボクさんに至っては歓喜の余り男泣きをし始め、それを茶化したセキさんがデンボクさんに投げ飛ばされるというハプニングこそ有ったものの、無事に今回の事件は終幕となった。
「よし、それじゃあ皆! 帰って、パーッとお祭りでもしませんか!?」
俺が音頭を取ると、皆も大喜びでそれを歓迎する。
うん、やっぱ一大事が終わったら祭りだな。
皆も歓喜しているので、これで良いんだろう。
コギトも勿論参加するようで、久しぶりに浴衣でも着てみようかと口ずさむ。
コギト達の浴衣姿を想像し、俺も期待で胸が膨らむ。
皆で一緒に下山し、コトブキ村へと帰還する。
カイとセキの所属するシンジュ団とコンゴウ団の全員が参加するお祭り。
帰ったら祭りの準備で大忙しになるだろうが、もう一踏ん張りだ。
ディアパル捕獲完了しました。
次回はお祭りを描写し、エロシーンも入れようかなと思ってます。
ガチグマ、イワークの事は後日描写していきます。