※この作品はR-18です。

サトシの野望   作:イマクニ

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第233話

 

 

 

 「頼むぜ、相棒! 行け! ピカチュウ!!」

 

 「貴方の生涯のパートナーですね? さぁ、お行きなさい!」

 

 俺は先発に最初のパートナーであるピカチュウを、アルセウス様は分身体のアルセウスを繰り出した。

 バトルコートに立つ俺とピカチュウ、アルセウス様と分身体は互いに睨み合う。

 

 さぁ、相棒。

 一番の古株としての実力を後輩達に魅せてやれ!

 

 「さばきのつぶて!」

 

 「あなをほるで躱せ!」

 

 分身体の光輪が光り輝き、さばきのつぶてがピカチュウを襲う。

 だが、それよりも速く地中に身を隠した。

 ピカチュウの消えた地面にさばきのつぶてが突き刺さる。

 そして、分身体のガラ空きになった真下からピカチュウが紫電を纏って突撃した。

 

 「渾身の力を魅せてやれ!! 1!!」

 

 地面タイプのあなをほると、ばちばちアクセルの二重攻撃が分身体の顎を下からかち上げる。

 そして…

 

 「墜とせ、4!!」

 

 ピカチュウは上空で回転し、尻尾を上から下に薙ぎ払うようにピカピカサンダーによる落雷を墜とす。

 分身体の体に大質量の電撃が襲い、プスプスと身を焦がす。

 

 「仕留めろ! 3!!」

 

 「素晴らしい! 迎え撃ちなさい!!」

 

 ふわふわフォールで勢いを付けながら落下するピカチュウに、分身体が嘶く。

 分身体は上体を起こして一度2本足になった後に前脚を振り落とすと、地面から何やら沸き立つような感覚がした。

 あれは…

 

 「クッ…! だいちのちからか!! 避けろッ! ピカチュウ!!」

 

 「ピカッ!?」

 

 地面が赤黒く発光したかと思えば、巨大な剣山がピカチュウ目掛けて突き出して来た。

 攻撃最中のピカチュウは、咄嗟に身を翻して直撃を回避しようとするが、当たってしまった。

 急所こそ逸らしているが、ピカチュウの体力も残り少ないだろう。

 

 「分身体と言えども流石にアルセウスか… 1で撹乱!」

 

 俺は傷付いて苦しそうなピカチュウを信じ、ばちばちアクセルを指示する。

 ピカチュウも奮起してくれ、俺の指示通りに超高速で撹乱し始めた。

 縦横無尽に走り回っていると、擬似的にかげぶんしんのようにピカチュウの姿が増える。

 

 「ふむ… 見えましたよ。 さばきのつぶて!」

 

 「4で迎え撃て!!」

 

 他のトレーナー相手なら絶対に見破られ無いだろう高速移動での分身は、流石にアルセウス様までは騙せないらしい。

 さばきのつぶてが全方位に撒き散らされるが、礫の1つ位ならピカピカサンダーで撃ち落とせる。

 ピカチュウはさばきのつぶてを撃ち落とした後、帯電したまま分身体へと突っ込む。

 

 「行っけぇ〜〜ッッッ!!!」

 

 「ピッカーッッッ!!!!」

 

 ピカチュウはばちばちアクセルをしたまま突っ込む。

 その体に更にピカピカサンダーを纏わせながら。

 

 ピカチュウの身をも焦がすその一撃は、アルセウス様の分身体を強かに打ち据え、倒れると同時に掻き消えた。

 

 「大丈夫か!? ピカチュウ!!」

 

 「…ピッ……カ………。」

 

 ボロボロになったピカチュウに駆け寄り、波導を流して治療を行う。

 ピカチュウも少しの間笑顔を浮かべるものの、意識を失ったように眠りに付いた。

 

 「ふふふっ 素晴らしいですね! 流石は最古参の相棒でしょうか? では、次に行きましょうか。」

 

 

 

 

 

 俺はその後、バサギリとガチグマ、イワークを繰り出して、無事に勝利を収め続けた。

 ヒスイの地で長い間戦い続けた猛者達だ。

 分身体程度に遅れは取らぬとばかりに奮戦してくれた。

 とはいえ、ピカチュウ程では無いにしろ、皆ボロボロになっている。

 唯一バサギリがまだ余裕が有る程度か?

 この結果にはアルセウス様もリザードンも満足しているようで、リザードンもやる気に満ちている。

 だが、最後のイワークの試合が終わった後、アルセウス様からこんな事を聞かされた。

 

 「その子はその状態で居るだけで少なくないダメージを常に負っていますね? ふむ… 現象としてはメガシンカに近いでしょうか。 かなりの負荷が掛かっているようです。 私の持つ神石にその力を封印しませんか? 新しいメガストーンと言った所でしょうか。」

 

 今までも時折、苦悶に歪んだ表情を見せていたが、やはりイワークにはかなりの負担が掛かっていたようだ。

 自身のポケモンにはなるべく負担をかけさせたくは無い。

 メガシンカに相当するのならば、戦闘時のみの変化で対処はし易くなるか…。

 

 「すみません、お願い出来ますか?」

 

 「お安い御用ですよ。 では、この子の力を吸い取りますね?」

 

 そう言うやいなや、アルセウス様の体が発光し、イワークとリンクする。

 イワークも安らぐかのような表情を浮かべると、その姿がクリスタルのイワークへと変化していく。

 全ての処置が完了した事を確認したアルセウス様が一つ頷くと、俺にそのメガストーンを差し出して来た。

 

 「これで安定したでしょう。 戦いの時以外は、その姿で居させて上げて下さいね?」

 

 「本当にありがとうございます。 俺ではどうしようも有りませんでした。 イワークもごめんな…。」

 

 アルセウス様に礼をしイワークに謝罪すると、イワークも気にするなとばかりに俺へと頭を擦り付けて来た。

 ヒンヤリとする頭を撫で、ボールに戻す。

 

 「グオォォ~〜ッッッ!!」

 

 俺の背後で腕組みしながら試合を見ていたリザードンが、俺の頭をポンッと叩いてアルセウス様の前に踏み出す。

 

 「貴方の真の切り札ですね? 成る程、成る程… 凄まじい力を秘めているようですね。 これは楽しみですよ!」

 

 頭に伝わるリザードンの温かい手の感触をじんわりと感じながら、俺は帽子のツバを反対に向ける。

 

 「さぁ、ラストバトルと行きましょうか!!」

 

 「ふむ… 分身体では手も足も出ないでしょうね… よし、私自らで戦いましょう! 少しは愉しませてくれますよね?」

 

 アルセウス様もトレーナーとして戦い、興奮してしまったようだ。

 自らも戦いたい欲が出てしまってるらしい。

 アルセウス様の胸を借りるとしようか。

 

 「リザードン、相手は神様だけどイケるよな?」

 

 「グオォォ~〜ッッッ!!」

 

 リザードンは上空へ向けて、紅蓮の炎を吹き散らす。

 リザードンもピカチュウやバサギリ達の戦いを見て、やる気十分のようだな。

 

 「よし、行きますよ! 最初から全開だ!! リザードン! 進化を超えろ! メガシンカ!!」

 

 「ふふふっ 来い!!」

 

 

 




次回、ヒスイ編最終回トなります。
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