俺と父さんはロケット団員を蹴散らしながら色んな部屋を確認しつつ、先を進む。
「サトシ、他のメンバーが確認していないのはこの先だ。 覚悟は良いか?」
「あぁ、覚悟は出来てる。 皆を救おう。」
その言葉を確認すると、レッドは先へと進む。
最奥の扉へと辿り着いた。
恐らくこの先にロケット団の首領が居るだろう。
「サトシ、行くぞ。」
「あぁ、わかった。」
レッドは扉を開くと、大広間へ辿り着いた。
「待っていたぞ、レッド。 私はロケット団の首領、サカキだ。 貴様の妻ハナコ、いや、イエローは此処に居るぞ。 返して欲しくば、この私を倒してからにしてもらおうか!」
「…返してもらう。」
母さんは両手を拘束され、足こそ床に付いているが、天井から吊り下げられていた。
「サトシ! 貴方!」
「母さん! すぐ助けに行く!」
俺が母さんを助けに向かうも…
「邪魔はさせん! ミュウツー!」
サカキは腰からマスターボールを取り出し、ミュウツーを繰り出した。
ミュウツーは走り出した俺にサイコパワーを当て、宙に浮かせて壁に叩き付けた。
「ごふっ!」
「「サトシ!」」
「邪魔をするな、小僧。 レッド、私は貴様を倒し、世界を制する! 私の最強のポケモン達で相手をしてやる。 勝負だ! レッド!」
ミュウツーはレッドの前へと赴き、腕を組む。
「得体の知れないポケモンを… 行け、ピカチュウ!」
レッドはピカチュウを繰り出す。
ミュウツーとピカチュウの戦闘が始まる。
ぐっ 気絶してたか?
目を瞬かせ、気をしっかりと持ち直す。
よし、動ける。
目の前に意識を向けると、ミュウツーとピカチュウが死闘を演じていた。
ピカチュウの電撃が、ミュウツーのサイコパワーがバトル場で繰り広げられている。
今、何度攻撃した?
何故あの見えない攻撃を躱せる?
流石、父さんのピカチュウだ。
俺のピカチュウでは、間違いなくあの域に達せていない。
レベルや種族値という数値上だけでは無い、本当の経験の差だろう。
ミュウツーの攻撃を躱す、何度も。
躱せない攻撃ならば、最小限の被害で済ますあのレベルの高さ。
俺もだいぶ強くなった自負は有る。
だが、強くなればなる程、父さんとの差が見えてくる。
だが、それと同時に戦意が漲る。
俺も戦いたい。
そう思って立ち上がると、サカキの前に立つ。
「俺とも戦ってくれよ、サカキさんよぉ? 退屈はさせねぇよ。」
「ほう、私と貴様がか? ふっ 面白い。 レッドにはミュウツーで事足りるだろう。 来い!」
「俺の野望とアンタの野望、どちらが上回るか勝負!」
俺は対サカキの最適解であろうカメックスを、サカキはニドクインを繰り出した。
「ハイドロポンプ!」
「10まんボルト」
カメックスのハイドロポンプが命中するも、10まんボルトも当たる。
だが、次で終わりだ。
「れいとうビーム!」
れいとうビームでニドクインは戦闘不能になる。
「ふむ、少しはやるようだな。 ニドキング!」
サカキは通常より大きなニドキングを繰り出した。
「ハイドロポンプ!」
「かみなり」
10まんボルトならギリギリげきりゅうが発動してぢろうが、かみなりだったのでカメックスも戦闘不能になる。
カビゴンで潰すか。
「行け、カビゴン! ふぶき!」
「じしん」
ニドキングのじしんがカビゴンにダメージを与えるが、返しのふぶきでニドキングも戦闘不能になった。
「流石、レッドの息子か。 ガルーラ!」
ノーマル同士か。ならば…
「アームハンマー!」
「げきりん」
怒りの表情でガルーラがカビゴンに躍りかかる。
カビゴンのボディを引っ掻くも返しのアームハンマーがガルーラの脳天を直撃する。
2度、3度と攻撃し合うと、お互い倒れる。
「ガルーラも倒すのか。 見所が有るな。 ならばコイツだ。 ドサイドン!」
サカキの5匹目のポケモンはドサイドンか。
エースだろうな。
だったら。
「リザードン! 進化を超えろ! メガシンカ!」
黒炎の中からメガリザードンXが顕現する。
「ほう、メガシンカか。 益々良いな。 ドサイドン、ストーンエッジ」
「げきりん!」
メガリザードンXが接近しげきりんの一撃を与えるが、ドサイドンはストーンエッジでメガリザードンXの足元から断崖の一撃を繰り出す。
それはかなりの威力で、メガシンカしているにも関わらず、かなりのダメージを負う。
だがメガリザードンXは止まらない。
狂化したメガリザードンXの止まらぬ連撃にドサイドンもストーンエッジでダメージを与えるも、堪らず戦闘不能になった。
「ドサイドンすら退けるか。 流石はメガシンカだな。 では私のパートナーを出そう。 スピアー、メガシンカ!」
スピアーが出てくると繭に囲まれ、罅割れると中からメガスピアーが飛び出して来る。
「フレアドライブ!」
「躱せ、シザークロス」
メガリザードンXが炎を纏い吶喊するも、最小限の動きでメガスピアーは躱す。
躱す間際、メガリザードンXの背後にシザークロスで切り裂いた。
「リザードン!?」
「終わりだ。 とどめばり」
マズい!!
メガスピアーのとどめばりでメガリザードンXは戦闘不能になった。
その上、とどめばりの効果でメガスピアーのこうげき値が上がってしまった。
ならパートナーには相棒の相手だ!
「ピカチュウ! 1!」
「? かげぶんしん」
ピカチュウが素早く動き、ばちばちアクセルがスピアーを狙うも、かげぶんしんによって躱された。
あの速さで躱されるとは思わなかった。
「くそっ! 4!」
「どくどく」
ピカピカサンダーもぶんしんに当たり、本体には当たらなかった。
その上、ピカチュウは猛毒状態となる。
早期決着をしなきゃピカチュウも落ちる。
「4!」
「当たらんよ。 ベノムショック」
ピカチュウまで戦闘不能になった。
しかも一撃すら与えられずに。
プテラでいけるか? リザードンでいけるのか?
少しの絶望が心に燻る。
「プテラ、スピードスター!」
「流石にそれは躱せないが、受けても大したダメージにはならん。 どくどく」
スピードスターは必ず命中するから当たるも、プテラも猛毒になった。
少しでもダメージを稼ぐ!
「連撃!」
「ベノムショック」
ダメージがあるとは言え、後一撃は耐えれる。
突っ張ろう。
2度スピードスターを当て、ベノムショックで瀕死寸前になった時、技を変更する。
「にほんばれ!」
「とどめばり」
最後の抵抗ににほんばれを指示し、天候を晴れにする。
だが、メガスピアーもとどめばりでこうげき値が最大となった。
ゲームでは出来ない荒業、やってみせる!
「リザードン! 進化を超えろ! メガシンカ!」
炎の繭からメガリザードンYが顕現するも、俺の意識も朦朧としだした。
頭が割れるように痛い。
心臓がはち切れるように脈打つ。
「ほのおのうずを周囲に!」
「どくどく」
メガリザードンYは燃え盛る炎を周囲に展開した。
どくどくがメガリザードンYに届く前に掻き消える。
「かえんほうしゃ、扇」
「飛んでどくどく!」
頭が…
「ねっぷう」
「ベノムショック」
霞んでくる…
「頼んだ…」
俺は立てなくなり、指示が出来なくなった。
メガリザードンに全てを託して、目を閉じ、意識を集中し直す。
やがて、周囲の音が消える。
どれ程時間が経っただろうか。
落ち着いてきたので意識を浮上させる。
目に浮かんだのはメガリザードンの変化が解けてはいるものの、メガスピアーを踏み付けたリザードンの姿。
驚愕したサカキ。
だが、驚愕したのはメガスピアーを見ている訳では無い。
視線の先が違う。
そちらに目をやると…
「父…さん…?」
父、レッドが血を流し、倒れていた。