第78話
俺達はグリーンさんを倒した後、ナナシマに修行に行く事になった。
ナナシマにはリザードンとカイリューでひとっ飛びして向かう。
ブルーさんとナナミさんと来た時以来のナナシマ。
楽しみだな〜と考えていると、ナナシマで四天王のカンナさんに出会った。
「あら、サトシ君達じゃない。 事件以来ね。」
「カンナさん、あの時はありがとうございました! カンナさん達のお蔭でマサラタウンの住人は誰1人死なずに助かりました!」
俺達は口々にお礼を言う。
「良いのよ、四天王として、カントーの危機を救うのは当たり前だしね。 所でどうして此処に来たの?」
カンナさんから俺達が何故此処に居るのか訊ねられる。
「ハイパーボールクラスの大会まで修行でもしようかなと思いまして。 此処なら他の出場者も居ないでしょうし、良い修行が出来そうだなって思ったんですよ。」
「成る程ねぇ。 なら私が貴方達の修行相手を務めましょうか?」
思っても無い提案をされたので驚いた。
「良いんですか!?」
「ふふふっ 良いわよ。 サトシ君達の今の実力も見てみたいしね。 貴方達とグリーン君の息子君もあの飛行艇に乗り込む位、胆力が有るんだし、見所が有ると思っているわ。 セレナちゃんの実力は大体把握してるし、サトシ君とリーフちゃんはそれ以上でしょう?」
カンナさんの目が俺達を値踏みするように見ていた。
此処は一つ、カンナさんの修行を受けて俺達の実力を示す時だな。
「ありがとうございます! それでは修行お願いします!」
リーフ達もそれぞれ修行を受ける事になった。
後でカスミが聞いたら悔しがるだろうな。
カスミは今、ハナダに戻って独自に修行しているからな〜
カスミの憧れらしいカンナさんと俺との差を見てみるか。
俺はカンナさんのポケモンを5匹倒すも全滅。
リーフは4匹目のポケモンで全滅。
セレナは3匹目のポケモンで全滅した。
強すぎないか!?
ゲームなら圧勝してもおかしくないレベルには鍛えてたんだぞ!?
そう驚いてカンナさんを見ると…
「ポケモン1匹1匹の強さは申し分無いわね。 でも技の使い方、盤面の見方、虚実の見極めが足りてないかなって思うわね。 後は…技の組み合わせかしらね。」
「色々アドバイス貰えると助かります。」
「じゃあ技の使い方から教えるわね。 技を使うにしても、必ずしもクリーンヒットさせる必要は無いの。 相手の体勢を崩す為だけの技、相手をこちらの行って欲しい場所へと誘導させる為だけの技なんかかしらね。 勿論技を相手に当てて、ダメージを重ねる事も大事な事だけれどね。」
成る程なぁ…
多分だが、その技の使い方が盤面へと繋がるんだろう。
「それから盤面の見方ね。 相手に居て欲しい位置に居させて、相手から居て欲しくない位置取りをこちらがする事だけで、相手は戦い辛くなるわよ。 さっきもサトシ君達は私と戦い辛く感じなかったかしら?」
「今までで一番やり辛かったですね。」
「そうでしょう? それでもサトシ君は突破してきてヒヤヒヤしたけどね。 それと、自分のポケモンのHP管理も大事だけど、相手のHP管理も重要よ。 悪戯にHPを減らすと、思わぬしっぺ返しを負う可能性も有るからね。」
がむしゃら→でんこうせっかみたいなもんだな。
「ガンガンダメージを与えて早く倒すんじゃダメ何ですか?」
セレナがカンナさんにそう質問する。
「必ずしも倒せば良いと言う訳では無いのも、ポケモンバトルが難しいところよね。 前のポケモンが戦闘不能になった事で威力が増す技もあるからね。 それが弱点タイプの技だとHPが最大でも一撃で戦闘不能にされる事も想定しなきゃいけないの。 他のポケモンの為に戦闘不能になって回復させる技も有るわよ? セレナちゃんのラッキーも覚えられるわ。」
いやしのねがいだな。
ラッキーが戦闘不能になるも、手持ちの全ポケモンの状態異常、HPが全回復する厄介な技だ。
他の5体を全員削ってもラッキー1匹があの技を使用すると、元気一杯になるから本当に厄介なんだよな。
「そんな技が有るんですね! 大会までに覚えさせようかな!」
「いやしのねがいっていう技よ。 覚えさせて損は無い筈よ。 じゃあ、話しを戻すわね。 虚実についてだけど、最初から当てる気の無いダミーの攻撃とかかしら? 当てる気の無い攻撃で誘導して立ち位置を悪くさせたり、本命の攻撃を当てる為の牽制なんかに使うの。 特に一撃必殺技なんかは当たり辛いけど、前段階で移動させないように誘導すれば当たるようになるわよ。」
先程、俺がリザードンにぜったいれいどを当てられたやつだな。
翼を氷漬けにさせられ、飛べなくなった所に周囲を氷漬けにされ、身動きすら取れない所へのぜったいれいど。
あれじゃ、まず避けられない。
本命技で翼を失わせ機動力を、ダミーの技で盤面作り、ぜったいれいどで一撃必殺。
完璧な組み合わせだった。
「さっきサトシがやられていたよね? あんなのどうすれば良いのって思ってたよ!」
「あれは翼への氷漬けの攻撃さえ何とかすれば良かったんだろうな。 当てられても、すぐにフレアドライブで溶かせば何とかなった。 違いますか?」
「流石ね。 たった1回で解決策を導き出すなんてね。 でも、それをされたとしても次の布石をどんどん置くだけだわ。 バトルの最中は常に思考を止めない事。 何をされても常に最善の策を用意しておく事。 最悪今の技で対処し切れなくなったら、交換も視野に入れる事ね。」
流石カントー四天王のカンナさん。
常に頭の中で戦況と対処法、技の選択を考えまくってるんだろうな。
このレベルにトレーナーの俺自身が至らないと、ポケモンマスターなんて到底至れない。
必ずポケモンマスターになるんだ。
すぐに追い付き、追い越すぞ。
「最後に、技の組み合わせを説明するわね。 技には相性の良い技が有ってね、組み合わせるだけで威力が上がったり、使いやすくなったりするのも有るのよ。 起源はポケモンコンテストが発祥なんだけどね。 この技をレッド君が実践してから急速にバトルに於いても広まったわ。 技の組み合わせ以外なら私達四天王やグリーン君も出来てたんだけどね。 だから、これについては私達も研究中よ。 意外と単体なら弱い技でも組み合わせるだけで侮れなくなるから、本当にバトルって奥が深いわね。」
「へぇ〜レッドさんが… 凄いね! サトシのお父さんって!」
「多分、四六時中ポケモンの事を考えてるからそういう発想をし出したんじゃないかな〜 父さんの事だし。」
「レッド君は本当にそんな感じかな。 この世界に主人公って者が居るとしたら、私はレッド君がそうじゃないかって思うもの。」
カンナさん、それ当たりですわ。
「さぁ、今日はもう疲れたでしょ? 私の家に泊まっていかないかしら?」
「「「良いんですか?」」」
「ふふふっ 良いわよ。 でも家の中の事は気にしないでね。 四天王のカンナの家としては可愛らしいかもしれないから、幻滅されると困るわ。」
そう言ってカンナさんは笑みを浮かべる。
カンナさんの家か〜
楽しみだな。