もうこの組み合わせは仕方ないので、諦めるとして、対策を考えないとな。
優勝までボスラッシュだが、この程度超える事が出来ないのであれば、マスターボールクラスでの勝利には漕ぎ着ける事が出来ないだろう。
そう考えていると、シゲルが話しかけて来る。
「僕達4人は、この大会が初挑戦だ。 そこで提案なんだが、大会が終わるまで次の対戦相手を見ないようにしないか? 対策を立てて優勝なんてしても、マスターボールクラスでは勝てないだろうからね。 負けても僕達には知らせない、知らないようにしよう。 そうすれば、僕達はより飛躍すると思う。 どうだい?」
中々面白い事を言うな。
「乗った! 俺はそれで良いぜ! リーフ達もそうしようぜ! 2回戦までは、あらかじめわかる対戦相手でも、それ以降は知らない方が面白いだろ?」
「私もそれで良いよ! ワクワクする!」
「うん! 私もそれで良いかな! 楽しみ!」
皆もそれで良いようだ。
俺達はトーナメント表を一瞥しただけで、後は意識しないように、この場を立ち去る。
さぁ、本気のジムリーダー達の実力、見せてくれよ?
控室で手持ちのポケモンの調子を確認。
万全だな。
大会スタッフから呼び出しの連絡が来たので、スタジアムに向かう。
入場すると、多くの観客が360°に居て、皆ワイワイガヤガヤとしている。
ハイパーボールクラスやマスターボールクラスの大会は楽しいんだよな。
普通のトレーナーや、トレーナーに憧れている人達からすると、超常の戦いなんだから。
前世でもプロのスポーツ選手達の戦いに、多くの人達が観戦しに行ってたからな。
ポケモンが身近な存在であるこの世界では、そのファンの多さも頷ける。
パンッと両頬を叩き、気合いを入れる。
よし、気合いも漲って、適度な緊張感も有る。
万全に近い状態だ。
俺は胸を張ってバトルコートに立つ。
すると、目の前のナツメに話しかけられる。
「やっと貴方と戦えるわ。 全力で貴方と戦える事を、私は心待ちにしていたの。 私を貴方のモノにしたいなら、全力の私を超えてみなさい!」
そう言って、ナツメは宙へと浮いた。
バトルでは基本的に使用しないエスパー能力を使用した事により、観客達がどよめき、次第に興奮し、大歓声を上げた。
「本気のナツメさんを必ず超えて、俺は優勝してみせます!」
そう俺が言うと、ナツメさんは薄く微笑んだ後、キリッたした目で気合いの籠もった表情に切り替えた。
そこで審判が俺達のやり取りが終わった事を確認し、試合の合図をする。
「それではハイパーボールクラス、第1試合! ナツメ対サトシの試合を始めます! 両者構えて! バトルスタート!」
「バリヤード。」
「行け、ゲンガー!」
ナツメさんはバリヤードか。
壁張って起点作りか?
「さいみんじゅつ!」
「ひかりのかべ!」
ゲンガーが素早くさいみんじゅつを当て、壁を張らせる前にバリヤードを眠らせた。
「シャドーボール連打!」
眠っている無防備なバリヤードに、ゲンガーのシャドーボールが何度も当たり、バリヤードに何もさせずに戦闘不能にさせた。
「バリヤード、戦闘不能! ゲンガーの勝ち!」
「っ… 中々やるわね? ならそのゲンガーを早く倒さないとね。 フーディン!」
「さいみんじゅつ!」
「テレポート。」
俺にテレポートは効かねぇぞ。
「4時にシャドーボール!」
俺の指示にゲンガーは振り向きもせず、テレポートして来たフーディンにシャドーボールを当てる。
そんな曲芸じみた攻撃に、観客も大盛り上がりだ。
「くっ…! サイコキネシス!」
「さいみんじゅつ!」
フーディンのサイコキネシスを受けるも、さいみんじゅつを当て、眠らせた。
先程と同じように、シャドーボールを連打させ、フーディンも戦闘不能になる。
「フーディン、戦闘不能! ゲンガーの勝ち!」
「その子、かなり強いわね? なら、ヤドキング!」
ナツメさんの3匹目はヤドキングか。
「さいみんじゅつ!」
「トリックルーム!」
ヤドキングにさいみんじゅつが当たり眠るも、トリックルームを使われた事により、ゲンガーが遅くなる。
中々にマズいな。
「ヤドキング、戻って。 ルージュラ、サイコキネシス!」
ルージュラのサイコキネシスにより、ゲンガーも戦闘不能になった。
「ゲンガー、戦闘不能! ルージュラの勝ち!」
「ごめんな、ゲンガー。 行け、カビゴン!」
相手がトリックルームを利用するなら、こちらも利用し返す。
「ヘビーボンバー!」
「ふぶき!」
超重量級のカビゴンが、トリックルーム内で華麗なフットワークを見せ、飛び上がって強烈なヘビーボンバーをルージュラに浴びせる。
ふぶきで反撃されるも、押し潰された状態でされても、マトモな威力も出ないだろう。
「アームハンマー!」
カビゴンのアームハンマーが、ルージュラの脳天に突き刺さる。
「ルージュラ、戦闘不能! カビゴンの勝ち!」
「酷い攻撃ね。 エルレイド。」
エルレイドでカビゴンを倒すつもりか?
「じしん!」
「けたぐり!」
じしんで揺れた地面を走りながら、エルレイドからけたぐりをされ、カビゴンが転ばされ、強かに後頭部を地面に打ち付ける。
その攻撃によりカビゴンは昏倒してしまった。
「ドレインパンチ。」
昏倒しているカビゴンの顔面に、エルレイドのドレインパンチが上から突き刺さる。
エルレイドが残心しつつ離れると、カビゴンが戦闘不能になっていた。
「カビゴン、戦闘不能! エルレイドの勝ち!」
強いな…!
「ごめんな、カビゴン。 初お披露目だ、行け、トゲキッス!」
ゲーム内で散々暴れ回った実力、見せてくれる。
「でんじは!」
「サイコカッター!」
サイコカッターがトゲキッスに当たるが、でんじはで麻痺になる。
「エアスラッシュ!」
エルレイドが麻痺で身動きが取れない所へ、エアスラッシュが切り裂いた。
そこへもう一度エアスラッシュが切り裂いて、エルレイドも戦闘不能になった。
「エルレイド、戦闘不能! トゲキッスの勝ち!」
「…ヤドキング。」
ナツメさんは眠っているヤドキングを苦々しく繰り出す。
「あさのひざし!」
眠っている間にあさのひざしを指示し、全回復させる。
「エアスラッシュ!」
エアスラッシュを2度叩き込むと、ヤドキングが目を覚ますが…
「しんそく!」
寝起きに、しんそくをぶち当て、ヤドキングを戦闘不能にした。
「ヤドキング、戦闘不能! トゲキッスの勝ち!」
「さぁ、最後の1体よ。 貴方が私を超える姿を見せてみなさい! サーナイト! メガシンカ!」
ナツメさんがサーナイトをメガサーナイトへと変化させる。
ナツメさんと言えばメガフーディンだと思っていたが、これはこれで有りか?
「メガサーナイトは強いが、やる事は変わらない! でんじは!」
「めいそう!」
メガサーナイトが麻痺するも、めいそうで能力を上げた。
「エアスラッシュ!」
「さいみんじゅつ!」
エアスラッシュが当たるも、麻痺も怯みも発動しなかった上、トゲキッスが眠らされた。
眠っている内に、10まんボルトを3度も受け、トゲキッスは戦闘不能になった。
「トゲキッス、戦闘不能! サーナイトの勝ち!」
「ごめんな、トゲキッス。 行け、リザードン! メガシンカ!」
炎の繭からメガリザードンYが現れる。
「10まんボルト!」
「かえんほうしゃ!」
メガリザードンとメガサーナイトの攻撃がぶつかり合い、衝撃波が当たりに吹き荒れる。
「なら、はかいこうせん!」
「れんごく!」
フェアリースキンでフェアリータイプの技に変わったはかいこうせんとれんごくがぶつかり合い、れんごくが貫かれるも、威力減衰には成功した。
威力減衰したはかいこうせんがメガリザードンYに直撃するも、メガサーナイトは技後硬直で動けない。
今の内に攻撃を加える。
「れんごく!」
動けないメガサーナイトにれんごくが直撃する。
メガサーナイトに、かなりのダメージを与えた。
最後の一撃を与える為、メガリザードンYを交代する。
「戻れ、リザードン。 行け、ピカチュウ! 1。」
ピカチュウが飛び出し、メガサーナイトへと電気を纏わせ吶喊する。
あまりの速さに、メガサーナイトは反応出来ず、急所に当たりメガサーナイトの変化が解け、戦闘不能になった。
「サーナイト、戦闘不能! ピカチュウの勝ち! よって勝者、サトシ!」
俺の勝利だ。
「ありがとう。 楽しかったわ。 私が本気でやって、ここまで差を付けられたのは、マスターボールクラスのトレーナー以外では無いのよ? 誇って良いわ。 貴方は私の遥か上よ。 …あの約束、私を抱いてよね…?」
「あぁ、必ず抱きますよ。 でも、大会が終わるまで、待ってて下さい。」
俺はナツメさんと握手をしてから、スタジアムから立ち去った。
第0話の前に現在(ハイパーボールクラスエントリー時)のポケモン達の紹介を書きました。
気になる方はご覧下さい。
ですが、結構ネタバレ有りますので、ネタバレ嫌いな方は見なくても構わないです。
トゲキッスの使用技を一つ変更しました。
ちょこちょこ書きで、盤面忘れてました。
すみません。