優勝してから、表彰式が始まった。
俺、シゲル、リーフ、カスミが参加者達の前に整列する。
壇上には父さんと四天王が立っている。
俺達を1人1人確認した父さんがマイクに向かって語り出す。
「皆、激戦を繰り広げていて、僕達も楽しめたよ。 敗北した者達も、各々今回の戦いから色んな事を学べたと思う。 そして、他の者達の戦いから色々学べると思う。 だから、これからも弛まぬ研鑽を続けて、この大会を盛り上げてくれると嬉しい。 そして、激戦を潜り抜けて、今、皆の前に立つ4人。 本当に素晴らしかった。 君達は誇りを持つと良い。 4人が4人とも、マスターボールクラスでも戦える実力が有ると思う。 だが、規定では優勝したサトシ1人だけが出場となる。 そこで我々はリーグ本部と協議を重ねた。 シゲル、君もマスターボールクラスに昇格だ。 君の実力なら十分戦えると思う。 これは我々とリーグ本部も満場一致で出した結論だ。 おめでとう。」
シゲルのマスターボールクラス昇格に最初は皆どよめいていたが、次第に歓声へと変わって行った。
「良かったな、シゲル。 お前の力、父さんにも四天王にも、ポケモンリーグにも認められたんだぞ! 俺達の努力は
無駄じゃなかったんだよ! ライバルとして、誇らしいぜ!」
「ありがとう、サトシ。 だが、今回の君とのバトルでわかった。 マスターボールクラスでも戦える程度の実力だとね。 今のままでは四天王にも勝てない。 僕は鍛え直す事にするから、今回はマスターボールクラスの大会は控える事にするよ。」
成る程な。
自分の今の実力を客観的に見れるシゲルの事だ。
間違ってないんだろうな。
俺達の会話が終わるのを、父さんが見て、再度話し出す。
「それでは、これより表彰式を始める。 まずはカスミ! 壇上に上がってくれ。」
カスミが返事をして、壇上へと上がる。
カンナが大会の銅メダルと銅製のトロフィーをカスミへと手渡した。
トロフィーの頂点には、スターミーが象られている。
カスミは、そのトロフィーを高々と上げ、会場の皆へと見せつける。
「それでは、次にリーフ! 壇上に上がってくれ。」
次にリーフが壇上へと上がる。
シバさんが同じように銅メダルとトロフィーをリーフへと手渡す。
トロフィーの頂点にはイーブイが象られている。
リーフも、そのトロフィーを高々と上げ、会場の皆へと見せつけた。
「次に準優勝のシゲル! 壇上に上がってくれ。」
シゲルが呼ばれ、壇上に上がる。
キクコさんが銀メダルと銀製のトロフィーをシゲルに手渡す。
トロフィーの頂点には、エレキブルが象られている。
シゲルは、少しだけトロフィーを上げて、すぐに元の位置へと戻って来る。
悔しいんだろうな。
「最後に今大会の優勝者にして、僕の息子のサトシ! 壇上に上がってくれ。」
会場からどよめきの声と歓声が入り交じっているのがわかる。
父さんも俺も、大して公表していないからな。
ゆっくりと壇上へと向かって歩く。
壇上に着くと、ワタルさんが金メダルと金製のトロフィーを手渡して来た。
トロフィーの頂点には、ピカチュウが象られている。
「優勝おめでとう。 早くこの俺に挑んで来い。 ドラゴン軍団で受けて立つ。」
「ありがとうございます。 マスターボールクラスで会いましょう。」
そう言って、手渡された金のトロフィーと金メダルを高々と上げた。
多くのカメラも有るので、そちらへもそのトロフィーとメダルを見せつけ、壇上から降りる。
「これにて表彰式を終わる。 次にオーキド博士より訓示が有る。 ではオーキド博士、こちらへ。」
父さんが壇上の机から退き、オーキド博士がそこへ代わる。
「皆の者、よく戦ったな。 今大会も皆のお蔭で大盛況じゃ。 今回の上位3人は旅に出てからまだ1年にも満たぬというのに、よく頑張ったの! 晴れてトップトレーナーの仲間入りじゃ! 最近のポケモントレーナーの実力は、目を見張る物が有る。 昔に比べ、個々の実力が大きく向上しておる。 これからも各々研鑽を積んで、より良いトレーナーを育める環境作りを出来たらと思う。 最後に一つ、悪しき道には走らんでくれ。 清き心を持ったトレーナーが増える事を心から願う。 ご清聴ありがとう。」
オーキド博士がそう言って、壇上から立ち去る。
最近にもロケット団の事件が有ったからな。
これ以上、皆が苦しむ姿を見たく無いのだろう。
俺も同じ気持ちだ。
「それでは最後にタマランゼ会長からの挨拶です。 タマランゼ会長、どうぞ。」
ポケモンリーグ最高責任者のタマランゼ会長が壇上へと上がり、マイクの前に立つ。
「わしは感動に打ち震えておる! 今回のハイパーボールクラスは本当にたまらんかった! 過去1レベルの高い試合の数々! 諸君等の弛まぬ研鑽の結果じゃ! これからもポケモンを愛し、育んでくれ! 以上じゃ!」
「それでは、ハイパーボールクラスの大会を閉会する。 重ねて言うが、皆よく頑張った! 君達のこれからの栄達を祈る。」
父さんはそれだけ言うと、俺に視線を送ってから立ち去った。
それに続くように四天王も俺とシゲルに向けて視線を送り、不敵な笑みを浮かべて立ち去る。
あの面を歪ませてやる!
そう、決意を新たに、俺達はスタジアムを後にした。
「サトシ、優勝おめでとう!」
リーフが後ろ手に組みながら、前屈みになって言う。
「私に勝ったんだから、優勝して当然よ! でも、おめでとう!」
カスミも腰に手を当て、胸を張りながら俺を褒める。
「僕に勝ったんだ、マスターボールクラスで不甲斐無い姿を晒すんじゃ無いぞ?」
「わかってるよ。 お前との決勝戦よりも良い結果にしてやる。 お前も、このマスターボールクラスで戦えるんだって証明してやるよ! 後、リーフとカスミもありがとうな!」
ハイパーボールクラスの戦いは、こうして幕を閉じた。
次回から少しセックス回が続きます。