やっぱり全身をオチンチンにされる目に遭って戻れなくなるお話。
※ノクターンノベルズでも投稿しております。
『PLAY START』
急に明るくなった視界。そこに大きく映る文字を目の動きで選択すると、すぐにゲームは開始されたみたいだった。
……最新機器ってすごい。
コントローラーも使わないのに入力できるなんて。
あんまりこういうゲームとかネットとかのことに詳しくないけど、なんか進んでる技術なのはわかる。
これはがんばってモニターしなきゃ。
ちょっと緊張しながら、私は初めての仮想世界の中に入り込んだ。
――大学生になってバイトを探していた時だった。
今までバイトしたことがなかったから、どんなのがいいのかわからなくて、とりあえずバイトアプリを暇つぶしに眺めていて、見つけた。
『モニター募集』
新商品のモニターをして、報酬7万円。
検索しても出てこない会社名だったけど、募集要項によれば商品はゲーム機器で開発中のゲームをプレイしてレビューをすればいいらしい。ただしバイトの内容は秘密厳守。
闇バイトなんて言葉が流行るご時世、なんとなく怪しい気もしたし迷ったけど、違法じゃなさそうだし、バイト代も高すぎるわけでもないし、たぶん大丈夫……
募集が定員に達し次第終了しますという一文に焦って、応募してしまった。
そしてウチに送られてきたのが最新のVRゲームがプレイできるという機器。
ヘッドマウントディスプレイという頭につける機械と、全身を覆うラバースーツ。ヘッドセットは思ったよりシンプルで軽そう。ラバースーツは体の前にジッパーがあって、手の先足の先までカバーする。着るのが大変そうだったけど、着てみたら伸縮性があって程よいしめつけが心地よかった。
最新のVRはこういうスーツも着るのかな。よく見るとスーツの表面に細い神経のような白いラインが走っていて、回路の模様みたいに見える。説明書によれば、このスーツのおかげでVRプレイ中に実際に体を動かさなくても動作が仮想現実に反映できるとか。ホントにSF映画みたい。
だからプレイ中、私はヘッドセットとスーツをつけてベッドで寝る体勢になってリラックスするだけでいい。
それより、ラバースーツの色が肌色に近い薄いピンクで、これで全身を覆うとまるで裸に見える方が気になる。というか、身体動作の読み取り感度がどうのこうので、スーツの下はショーツ一枚のほとんど裸なんだけど。
一人暮らしの家の中だから誰もいなくてよかった。
じゃあ、そろそろモニターのお仕事を始めましょうか。
ベッドに体を横たえて、ちゃんと装置とスーツを装着したことを確認して、電源を入れて。
ゲームスタート。
私は今まであまりゲームをしたことがなくて、友達がやっているのを見ていたくらいの経験しかない。そんなのでうまくレビューできるのか不安になるけど、受けた以上はやるしかない。仕事の説明にも、一応ゲームという体裁だけど体験型アミューズメントみたいなイメージだって書いてあったから、初心者でもなんとかなるはず。
ちょっと緊張しながら、私は初めての仮想世界の中に入り込んだ。
すると、目の前に自分の部屋とは全く違う景色が現れた。
薄く明るい桃色の空がどこまでも続く。彼方には地平線……それとも水平線。
きれいで、でもどこかぼんやりと濁った空と、鏡面みたいに平らな地面。他には何も見えない。
その空中を私は漂っていた。
仮想世界ってこんな感じなんだ。現実感がない。仮想だものね。
まだ頭が慣れないけど、体重を感じない。浮遊感。飛んでる? もしかして無重力? すごい、こんな感覚まで再現できるなんて。全身をラバースーツに包まれているせいか、ホントに宙を浮いているみたいに感じる。
自分の背中の違和感を確かめると、妖精のような翅が生えていた。なんと、私の意志で羽ばたける! 元からある手や足を動かすんじゃないのに、どうやって羽ばたく意識を感知しているんだろう。
空を飛びたいって子供のころ願ったことを思い出す。これだけでモニターしてよかったかも。
初見の興奮から少し落ち着いて辺りを見渡すと、向こうの方に一面の花畑。空と似た色だから見分けにくい。風でも吹いてるのかな。かなり強くゆらゆらしている。なんの花かわからないけど、人より大きいのが無数に、樹海と見間違えるほど群生している。高度を下げて近づいてみる。
ゲームっていうからもっとファンタジーな感じかと思ったけど。今のところ、空を飛んでいる自分以外は漠然とした風景が広がっていて。
ふと、粘着質な風が私の頬を撫でた。
――あ
気持ちよく宙を舞っていた私は、突然視界いっぱいに広がった巨大な花弁に丸呑みされた……
とろり、ねとり、透明な糊みたいな液体に漬けられて。
私はさっきの花の内側に囚われている。
どうしよう。出られない。これ、ゲームの想定通りの進行なんだろうか。故障じゃないよね。そういえばゲーム中断の方法ってどうするんだっけ?
じめじめと湿った、薄暗い植物の檻。この仮想世界は臭いまでは再現できないはずだけど……なんだか生臭い気がする。
このままだと、花の内部は液体で満たされて溺れてしまう。待って、仮想現実なんだから息はできるよね。
これって食虫花ってこと? だとしたら、私は虫の代わり?
いやに弾力のある壁は、植物というより肉のような手触りで……
体に感じる花蜜のヌルヌルの感触。ラバースーツの与える質感と締め付けが、本物みたい。
食虫花に捕まった哀れな虫。腐った臭いに誘われて閉じ込められて、もがいて、もがれて、底なし沼みたいにドロドロに沈んで、動けなくなる。助けてと言うことさえできずに少しずつ融かされてゆく……
ゾッと背中に怖気が走った。
――その時、ぼんやりと揺らめくような音と、低く落ち着いた、それでいて特徴のない声が聞こえてきた。
人の声だと思うけど、無機質に聞こえる。
繰り返される。何度も何度も。繰り返される。
子守歌みたいに。言い聞かせるみたいに。
……なんでだろう。聞いてるうちに。私のからだが。あつく なって
いつの間にか辺りは暗く、ぎゅっとつぶった時まぶたの裏に見える残像みたいな模様が、開いたり閉じたりしながらぐるぐると回って、光って、迫ってきて、酔いそう――
――お前の肉体はペニスだ。
……え ペニス って 男性の アレ のこと?
――お前はペニスそのものだ。
……ペニス
――オチンチン
……わたしは おちんちん
私はおちんちんになっていた。
……夢の中で夢を見ているような。頭がぼうっとしている。
肉体は温かい水の中に浮いていて、とても気持ちいい。手や足の感覚が遠い。
私は、そう、肉の塊で、熱くて硬くて、昂っていて、どくどく脈打っていて、
おちんちんになった私はむっちりと肉感のある花弁に包まれている。
花弁の内側には絨毛のような突起が生えていて、隙間なく私に密着して、不意にずるり、と私を全身擦りあげた。
ひいっ
声が出ないのに、私は悲鳴をこぼして震える。
私を覆う皮から私の全身に快感が伝えられる。痺れるほどの刺激。じんじんする。
また、擦りあげられた。
ああ あっ
おちんちんの私が容赦なく擦られる。
ずっ ずっ ずちゃっ ずりっ ずにゅ
男の人が自慰をするように飽かずに擦り立てられ、リズミカルに追い詰められていく。
これは、仮想 それとも現実
まともな思考が一擦りごとに融かされていく。だめ、だめ、やめて、動かさないで、
私というおちんちんの初めての自慰。
最初、どこか遠慮がちだった抽送は次第に大胆になり、私を吞み込もうと内側の突起でこねくる。
ずりずり。ずりずりと。繰り返される千摺り。
――なんで気持ちいいの必死で我慢しているの。いつもオナニーしてるくせに。クリトリスで。こんなふうに。
いけないとわかっていてもクリトリスが指を欲しがるから。止められなくて。
その想像は仮想世界に影響したのか、おちんちんの私と私のクリトリス、全体と一点の快感が同期して、私の全身がクリちんぽになる妄想に浸る。
私にまとわりつく、とろとろの蜜。
敏感なクリトリスの感度で、身体じゅう激しく丁寧に擦られる私。
気づくと、花弁の肉でできたフルフェイスのマスクを被せられていた。
息が苦しい。なに、これ――
これは、花肉のマスクは、おちんちんの亀頭。
私の頭がおちんちんの亀頭として肉壁に扱かれる。
おかしいはずなのに、脳を直接撫で回される気持ちよさで、私の口から蜜がこぼれる。
おちんちんの私にさらに絡みつくもの。それはゴムのような縄のような、花の蔓だった。
節くれだった蔓で私は卑猥に編みあげられる。蜘蛛の巣に巻き付けられた獲物のように。
また擦りあげられると、締め付けられた私と蔓がにゅるにゅるすべっていやらしい音が耳に響く。
マスクを被った頭が亀頭なら、私の首はおちんちんのくびれ。
花の蔓と肉壁が首を優しく締め付け、くるくる回すみたいに扱く。軽い締め付けで、意識が飛ぶ。さっきの飛行と同じ浮遊感。そのまま肉壁の中に押さえつけられ、じわじわと潰されながら挿まれる。
――イく
私の全身が女が知らないはずの「射精感」に張り詰める。
私、わたし、まだ本当のセックスもしたことないのに。初めての絶頂を、おちんちんとして迎える。
あと少し、もうちょっとで、もう、もう
ぴたりと花弁の動きが止まった。
寸止め。
イイ……イくの、イきたい、イかせて
イけない程度にやわやわ、生殺しのクリちんちんと化した私を揉み解され続ける。
っ♥ っ♥ い゛ぃッ♥ くぅぅ゛っ゛っ゛♥
すごくいやらしい下品な啼き声が漏れる。違う、私の声じゃない。
もっと もっと もっとぉ♥
啼いても啼いても摩擦は再開されなくて。真綿で擦られるみたいにゆるやかに肉が蠢く。
私の肉体ははち切れそうになる。
もっと激しく、乱暴に、絶え間なく私を扱いて欲しい――!
その時、花弁の一部の肉壁が舌の形に変化した。
ねちねち、ちろちろと無数の舌で舐め尽くされる。しゃぶられる。
おちんちんになった私の全身は性感帯で、全部粘膜になって甘く濡れてとろける。
現実世界の私は機器を着けて寝ているだけのはずなのに、神経を直接弄られている感覚。
ぬめる肉に――ラバーにきゅうきゅうと全身が締め付けられる。
こんなにイきたいのに、首とお腹を絞められて快感を吐き出させてもらえない。
私の中に溜まっていく迸りを、出したい。
思いが通じたのか。私はぐるりと姿勢を上下反転させられ、お尻が上に頭が下になった。仮想の世界で、私の頭部がおちんちんの根元になり精巣と繋がって、私の陰部の唇がおちんちんの先っぽになった。
私の尿道――そして私の形をしたおちんちんの尿道、その入り口に蜜をまぶした蔓があてられる。
そんな狭いとこ入らない……!
未知の恐怖に身を強張らせた私に、お構いなくそれは尿道に侵入してきて。少しずつ、少しずつ、ゆっくりと管の中を広げるように穿って進める。蔓はところどころデコボコしていて、私の内を、おしっこの路を削り苛める。磔で固定されている私は、ショックを逃がそうとお尻をくねらせることしかできない。進んで、少し引き抜かれて、押し込まれて、奥へ、奥へ……
私の奥、おしっこの袋に到達したその蔓は、袋の中でぬるぬると暴れ回って、さらに仮想の体内を突き抜けて、奥の奥、私おちんぽの根元、頭の中まで侵入してきた。
――仮想世界の狂ったイメージが機器とラバースーツを通じて私の神経に接続する。
胎内と、頭の中を一緒にかき回される快感。
あ゛♥ うぅう゛っ♥ ん゛っっっ♥ いぃい゛んん♥
だめ、これダメっ、
本能的に、私はここで達したら何か人として大事なものが抜け落ちていくことを察した。
――なのにぃ♥
堪えられない排泄感。ずっとずっとがまんしてた。ふくらんで、ふくらんで、破裂しそうで――
――ヤだ! いやだ!! イきたくないっ♥
私の全身は涙と先走りでぐちゃぐちゃで――
心臓の鼓動に合わせるかのように、質量の詰まった肉が、容赦なく、ねちっこく、しごく、しごく、私を拘束して追い詰めて搾り立てる。
ああ゛ ああ゛あ゛゛あ゛っっ゛っっっっ
イく イくぅ♥ クる クるっ♥
仮想と現実の両方で私の体が反り返る。そして、一呼吸止まって――爆発した。
「出るぅ♥ でちゃうううぅッ」
私は初めて潮を射精していた。
今まで経験したことのない激しい絶頂が、波のように何度も何度も襲ってくる。
姿勢をうつ伏せに変えて腰を突き上げ、余韻を味わう。
全身を包むスーツの圧迫感に幸せを感じる。
あぁ――
忘我する私から射精と共に、人としての恥らい、理性、常識、そういうものが抜け落ちて――
私は意識を手放した。
……?
自分の部屋のベッドで目覚めた時、頭が妙にすっきりしていた。
?私、なにしてたんだっけ?
気づくと、全身は汗まみれでスーツは蒸れて、ベッドは乱れまくりでシーツはびしょびしょだった。
えぇぇ~?
私は慌ててヘッドセットを外す。
そういえば新商品のモニターをしてたはずだったけど、その記憶はなぜかなかった。
プレイ中にいつの間にか寝ちゃったのかな。
どことなく胸がざわざわとする……
とにかく、これ片づけてモニターは後日また挑戦しよう。
そう考えて、
――早くまたおちんちんになって頭からおしっこ射精したい――
無意識のうちに発情した私の肉体と脳は、既に底なし沼に嵌っているとも知らず……
麻薬じみた甘い仮想が、現実を密かに侵してゆく。
『PLAY START』