「なっ!?アズサっ!?何で裸っ?!」
「あ、先生。どうしてって…」
目の前の銀髪の少女は臆することも恥じらうことなく堂々と言い放った。
「今日は全裸で登校する日じゃないか」
ーーー
十数分前にタクシーでトリニティ総合学園に到着した。
移動中、眠っていたので外の景色を一切見なかった。それに
「お客さん、つきましたよ。起きなって」
目の前の運転手はロボットだったから、違和感を抱かなかった。
だってロボットだから…
そのまま早朝だったので誰とも会うことなく校門に着いたときに、アズサと会った。
目線を下にすると、彼女の小さな胸に薄桃色の乳首が見える。そしてさらに下には少女固有のたゆんだ曲線をもつ恥丘に、一本も生えていない女性器が…
酔ったように、頭に熱が上がってくる。
目をつむり着ていたジャケットを彼女の肩にかけた。
「?先生。隠すと・・・」
「そこっ!」
後ろからつんざくような大声がした。
肩をすくめながら恐る恐る後ろを振り向くと・・・
「あなたたち!校則違反よっ!所属と学年をっ…って先生!」
すっぽんぽんの下江コハルが立っていた。
桃色の髪をツインテールにした背が低い少女。
アバラの間の薄い影が彼女の華奢さを強調している。
相変わらず、首から下げた黒い紐は股下まで伸びている。
そしてアズサ同様、毛が一本もない。
「そ、その格好…」
フルフルと肩を震わせて顔を赤くし始めるコハル。
その反応を見て安堵を覚えたのも束の間
「どうして服を着てるのっ!?エッチなのはダメっ!」
「はぁあああ?!なんでそうなるの?」
「みんなが裸なのに、一人だけ服を着ているのは一周回ってエッチでしょ!死刑っ!!」
「一周回ってエッチ?何を言っているんだ…コハル?」
「そうだよ。先生。その格好だと目に毒だ」
顔を背けてアズサが言った。
そうなると、服を着ていることに恥じらいを感じ始めて…来ない。
「今日、体操服はもってない?それとも水着を。二人ともふざけてないでいい加減隠しなよ」
低い声で注意すると
「そんなの持ってきてるわけないでしょ!体育は裸で、泳ぐのも裸で、ご飯を食べるのも裸って決まってるのよっ!」
コハルがまくし立てるように返してきた。
「とにかく、先生。その格好は正義実現委員会として見過ごせないからっ!」
コハルが近づいてくる。
「ま、待てっ何をするつもりなんだコハルっ!?ふ、服を引っ張らないで」
「観念なさい!いくらシャーレの先生でも・・・」
密着したままボタンを外してくる。
「アズサっ!止めてくれ!」
「しかし先生。私はコハルの言い分に理があるように思うが」
そうこうしている間に、ポチポチとボタンをすべて外されてしまう。
「よし・・・あとは後ろから引っ張るだけね」
強引に背中へ回ろうとするコハルの腕をつかみ
「いい加減にするんだコハル!」
「きゃっ!?」
壁に彼女を押し付ける。
服に触らせないために彼女の両手首をしっかりとつかみ、彼女の眼を見る。
「正義実現委員会がこんなバカげたことするわけないだろ?」
「あ、あうぅうう・・・」
「コハル?」
「ひっ!?」
「あっごめん」
彼女は目をきょろきょろとして落ち着きがなくなっている。
てっきり怯えさせたと思っていたのだが、様子がおかしい。
頬が上気して、なにやらブツブツと言っている。
「コハル?大丈夫か?」
顔を近づけて声を聞こうとすると
「え!あっ!うわあぁぁ!…まだ…こ、心の準備ができてないからっ」
「…」
懲らしめようとそのまま顔を近づけてやる。
「あ…だめ…」
彼女が目をキュッとつむったのを見てから、頭をわしわしと撫でた。
彼女の髪から良い香りが立ち上ってくる。
いつも通りのコハルだ。しかしこの反応と恰好が矛盾しているように感じる。
私がおかしいのか?
「あ、ヒフミおはよう」
アズサが言った。
ぼすんっと落下する音が聞こえた。
「え…」
バッグを落とした全裸のヒフミが唖然とした顔でたたずんでいた。