※この作品はR-18です。

道具の愛され方   作:ハルバードマカロン

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★金欠をどうにかしよう

 実家に顔を出してから早一ヶ月が経っていた。母親とはまだ心に距離があったが、それでも昔よりは良い関係になった気がする。たまには顔を出して元気でやってることぐらいは報告してもいいかもなと思いつつ、いつもの作業場で波風立たない平和な日々を過ごしていたある日のこと。

 俺は見たくない現実に汗を垂らしながら重い口を開いた。

 

「金がない」

「もう目を逸らせなくなってきましたね」

 

 俺が呟くと、傍らに佇むアルラが言った。

 スマホの家計簿をジッと睨んでどうしたものかと頭を抱える。アルラが来る前からギリギリの生活をしていて「まあそれでもなんとか生きてるし大丈夫だろう」と問題を先送りにしてきた結果、同居人が増えたのもあって現在出費に苦しめられている。

 こういう時に限って常連客が来ないのはもう世界が俺を苦しめるために回っているとしか思えない。……解決に動かなかった俺の自業自得だけど。

 

「本当にまずくなってきたな。売りに出せる物もそんなにないし、ジャンク品直すにしても金はかかるし……。根本的に仕事増やさないとどうにもならない」

 

 のんびり生活する方が性に合っているため、閑古鳥が鳴くのは大いに結構だが、それは生活が成り立っているという大前提の上にあるから受け入れられるのだ。貯金も生活費も底が見えてきた今、カモがネギ背負って群れで訪れてくれた方が嬉しい。

 深刻な顔でスマホとにらめっこをしているとマキナが身を縮こませながら訊いてきた。

 

「もしかして私が居候してるせいもある?」

「めちゃめちゃある。性能的に食費かからないはずなのに、ゴリゴリ俺の生活費削ってるぞ」

「ぐぬ……私もバイトとかした方がいいのかしら」

「その前に節約してくれ。服は高い物ばっかポチるし、映画も月に二本って言ってたのに先月十本は観てただろ」

「すぐに買い与えるマスターも悪いと思います。ほいほい色仕掛けに引っかかるのを治してください」

「ぐっ……」

 

 冷静な指摘に言葉が詰まる。マキナが女の武器をフル稼働させて物を強請るせいで、俺の財布の紐はゆるゆるだった。

 自分の情けなさを痛感するも、まずは根本的解決を図ろうとスマホで検索を始めた。

 

「とにかく、仕事を増やそう。今まで面倒くさくて避けてたけど、ネットに広告を出す」

「ネット広告程度でそう簡単に仕事が増えるとは思えませんが」

「世の中、何がどう転がるか分からない。動けばどこかに当たるさ」

 

 とりあえずやれることをやるしかない。

 今すぐできて、安値で、それなりに効果がありそうなWEB広告が出せるプラットフォームや代行業者を探しながら広告の内容をアルラと煮詰めていく。

 

「修理の依頼だけじゃパンチが弱いなあ。手広く機械系の何でも屋としてやっていくか」

「大丈夫ですか? 知識も技術もあるとはいえ……」

「機械の神いるんだし、よほどの無理難題じゃなければ解決できる。……よな?」

 

 少し心配になって俺の頭上で胡坐をかく神を見上げた。

 

「知らなーい」

 

 適当すぎる返答に俺もアルラも苦い顔を浮かべる。

 

「……大丈夫ですか?」

「ま、まあどうにかなる。今までもそんな感じでやってきたんだ」

 

 自分に言い聞かせながらスマホをタップした。

 「ここは怪しい」「これは高い」「こっちは宣伝力に欠ける」と議論しながら一時間かけて代行業者に宣伝を依頼した。どれだけ効果があるかは誰にも分からない。あとは仕事が入ることを信じて待つのみ……なのだが。

 動けば当たると言ったものの、全然当たる自信がない。今の時代広告なんて入り乱れている。一瞬で埋もれるビジョンしか見えない。

 どうしよう。本当に。この町を結構気に入ってるだけにあまり離れたくはないのだが、最悪、この町を出てもっと人が多い場所で修理屋を開くことも検討すべきだろうか。

 

「本格的に仕事を募集するならもっと宣伝したいですが、予算を考えるとこれが限界ですね」

「どこで何やるにしても金、金、金。世知辛い。シュリが使ってたような夢のクレカがあれば……あ」

 

 と、そこであることを思いついた。

 

「そうか。シュリがいる」

 

 首を傾げて顔を覗き込むアルラにそう言って、俺は妹の連絡先を探した。

 

 

 

 

 

「ふーん。それで私の奨学金で広告を、ね」

 

 制服姿のシュリがおくれ毛を摘まんで弄りながら考えるように視線を落とした。

 彼女の物憂げな雰囲気に見惚れてしまう。実家での一件もあって以前よりシュリが美人に見えてしまって落ち着かないが、なんとか平静を装って回答を待った。

 シュリにもうちの宣伝に協力してもらおうと連絡して、学校終わりに立ち寄ってもらった。便利なタクシーのおかげで塾にでも通うぐらいの気軽さでシュリは作業場に足を運んでくれた。普段から連絡を取り合うような仲ではないが、こんなに簡単に来てくれるなら今後、会う機会が増えるかもしれない。マキナもシュリのことを気に入っているようだし休日は四人で出掛けるのもありだろう。……出掛ける金をどうにかできれば。

 静かに考えに耽るシュリに俺はあらためて訊ねた。

 

「できるか?」

「無理」

「「「えー……」」」

 

 シュリ以外の三人の声が重なった。期待外れという反応にシュリがムッと顔をしかめる。

 

「だからあれは私の奨学金であって他の人が使えるものじゃないんだって。私の名義で広告打っても実際には兄さんの宣伝だし、学校側に怪しまれると思う」

「……そんな気はしてたけど。なら学校の掲示板とかにシュリが広告を出すのはどうだ? 生徒が使える電子掲示板とかあるよな。部活とか委員会の宣伝に使うやつ」

 

 本命の頼みはこっちだった。

 最近の学校には、校舎の入り口近くや中庭なんかに液晶パネルの掲示板が設備されている。これは生徒や教師が学校内でのイベントや校内活動の宣伝として使用できる看板で、学校の関係者ならスマホで申請すればすぐに広告を出せる。当然、校内に出入りできる人間しか見ることはできないが、それでもシュリの高校は人気の進学校で生徒の数も多いし、オープンキャンパスなんかのイベントで外部の人もよく来る。人の目に触れる機会はそこらのネット広告よりきっと多い。

 

「ある。でも、あれもあくまで学業に関する内容しか載せられないと思うけど」

「そっちなら金かからないんだろう? 学生からの依頼だと報酬は期待できないけど、教師や大人が見てくれれば大きい仕事が貰える可能性はある。学校の備品の修理とかも期待できそうだし。優等生パワーでどうにかしてくれよ」

「どうにかって」

「兄の生活が懸かってるんだ。頼む!」

「そんなに切羽詰まってるなら引っ越すか実家帰ってこればいいのに……」

 

 深々と頭を下げる俺に呆れた目でシュリはため息をついた。

 

「まあ掛け合ってみる」

「か、神!」

「神はそっちにいるでしょ。……でもその代わり私のお願いも聞いて」

「なんだ? 金が絡まないなら呑もう」

 

 交換条件なんて出してくるタイプだっただろうか?

 自分の妹に違和感を感じながら、ある程度のことは聞いてあげようと身構えると。

 

「キスして」

 

 伏し目がちに、しかしはっきりとした声音でシュリは言った。

 

「……それ以外で頼む」

「じゃあこの話はなしで」

「わかった、分かったから! しますします何でもします!」

 

 すぐに立ち上がって去ろうとするシュリを引き留めて座らせる。

 生活が懸かっている以上致し方ないと自分を言い聞かせて、彼女の隣まで椅子を持っていき、腰を下ろした。向こうも俺に正面から向き直って、軽く頬を赤らめながら期待するように俺のシャツの裾を握る。

 シュリの両肩に手を置くと、彼女は目を瞑って顎を少しだけ上に向けた。結婚式みたいな雰囲気に背後から刺すような視線を感じた。

 振り返らずともアルラとマキナの視線であることは明白だった。二人とも黙ってはいるが、その沈黙が余計に怖い。この空気で妹と口を合わせる気まずさったらない。

 もうさっさと終わらせよう。ぐっと顔を近づけて、シュリの薄桃色の唇に触れるだけの口付けをした。

 ぱっと離れて両肩からも手を離す。

 

「はい。これでいいな」

「やり直し」

「なぜ……」

 

 あからさまな不満顔でシュリが再度要求してくる。

 

「気持ちがこもってない」

「こめてと言われてないし」

「接触と接吻は違うんだよ。今のはただの接触だった。ほら早く」

「後日で勘弁してくれませんか? 後ろの二人の視線が痛い」

「ほら早く」

 

 そんなの知ったこっちゃないと言わんばかりに、シャツを引っ張られてまた唇を向けられる。

 心の中で深々とため息をついて、実家でのキスを思い出しながら彼女を引き寄せてしっかりと唇を密着させた。

 

「んっ……!」

 

 驚いたような、悦に入るような小さな声が耳に入る。舌を伸ばすとシュリの舌先にちょんと触れて、舌先で撫であった。

 くすぐったそうな吐息がお互い漏れながら、二十秒近く湿った接吻を交わしてそっと口を離す。

 一瞬、唾液の糸が伸びてぷつんと切れると「んふっ」満足そうな笑い声が聞こえた。今度は合格らしい、とホッとしたのも束の間。

 

「んむ、ちゅぅ……」

 

 ガッと頬を両手で挟まれて唇を奪われた。

 スイッチが入ったように目を蕩けさせて、シュリが俺の口内を蹂躙してくる。ミミズのように這いまわる舌が歯茎をなぞって、背筋にゾワリとこそばゆい感覚が走る。思わず肩が跳ねた俺に、シュリは愉快そうに目を細める。

 より一層ディープな接吻が一方的に行われて、息が苦しい。

 

「す、ストップ! 苦しいって……!」

「んじゅう、はあ……ちゅっぷ、あっ…………♡ 必死で可愛い。もっと舌出して……ぢゅっ、ちゅううう……ふっ、ああ……んむ、むちゅるっ。ちゅ、んっ……」

 

 聞こえていないのか、無視してるのか。俺にお構いなしに、ひたすら味わうことに夢中になっていた。

 息苦しい中で、妹の舌使いに確実に脳が焼かれていく。苦痛と快楽の板挟みで頭が回らない。このまま貪られながら殺されてもいい――そんな考えすら浮かんできたタイミングで、不意に背後から頭を掴まれ、天井を見上げるように後ろに上体を引っ張られた。

 背もたれがないまま倒れる浮遊感に心臓がキュッと縮むと、肩甲骨から頭まで柔らかい感触に包まれた。何事かと思ったら、上から覗き込むようにアルラが俺を見下ろした。

 

「色仕掛けに引っかかるなと言ったはずですが」

「……今回はやむを得ないって」

「言い訳は無用。お仕置きです。私のを飲んでください」

 

 アルラが髪を耳に掛けながら唾液を俺の口に垂らしてくる。避けようがなくて、自然と口に入った。コクッと飲み込むとアルラは嬉しそうに微笑んだ。

 

「二人ともずるい。こっち貰っちゃうもんね」

 

 マキナの声がして、ズボンのファスナーが下ろされる感触がした。

 アルラに顔を掴まれてるせいで首を動かせず、眼球だけなんとか下へ動かすと、マキナが俺の足の間で股間を弄っているのが見えた。

 あっという間に下着の前開きから取り出され、大事な部分が外気に触れる。

 

「れぉ……」

 

 前置きもなしにいきなり舐めあげられたようで、下半身にマキナの舌の感触が駆け巡る。

 よく見えないせいで何が起こっているのか、感触と音でしか把握できない。その不自由さがより感度を上げていた。

 裏筋を柔くくすぐられ、くびれをついばまれる。身動きが取れない中、マキナに好きに弄ばれて股間が立ち上がってくる。シュリにも見られていると思うと羞恥で身体が熱くなった。

 

「ちゅっ。ん……ちゅ……。シュリちゃんもやってみる?」

「……うん」

 

 マキナの提案をシュリが受け入れたのが聞こえた。躊躇いがちな声だったがはっきりとした返答で耳を疑った。

 股をさらに大きく広げさせられて、シュリもマキナに並んでしゃがみ込む気配がする。見たいような、見たくないような腰元の光景に意識が向くが、アルラが俺の頭を固定したままアナウンサーのような声音で囁く。

 

「シュリ様の鼻先に勃起ちんぽ曝け出してますよ。恥ずかしくないんですか? それとも恥ずかしいのが興奮しますか? 良かったですね。今から義妹のお口でヌキヌキしてもらえるそうですよ」

 

 脳に入り込んでくるセリフに期待してしまう自分がいる。背徳的な状況に息子が脈打った。

 

「びくってした……」

「興奮してるだけよ。まずは軽くキスしてあげて。先っぽから、ちゅって」

「う、うん」

 

 緊張した様子のシュリが竿に顔を近づけたのが分かった。

 

「ん、ちゅっ……」

 

 そして軽いリップ音と共に先端にキスされた感触がした。アルラやマキナにされていることと変わりないはずなのに妹がしていると思うと感じ方がまるで違う。

 またも息子が跳ねて、それに呼応するかのようにリップ音が続く。

 

「ちゅ、ぷ。んむ、ちゅ……っん、ちゅ……んんっぷ」

 

 どこかぎこちないキスが上から下までくまなく行われる。

 

「んで、挨拶のちゅーが終わったら舐めてあげるの。上から下にやったり、先っぽだけ執拗に攻めたり。できるだけ不規則な方がいいわ」

「むぁ……れろれおぉ……ちゅむぅ……。じゅる、れろれろれろ……♡」

 

 マキナのレクチャー通りにシュリが舌を動かした。根元に巻き付けたと思ったら、裏筋を一気に駆け上がって、先端をくりくりとこねくり回す。全く予想できない刺激に気を抜くと一瞬で果てそうだった。

 ただでさえ下半身の感触に腰が砕けそうなのに、うちのアンドロイドはさらに俺を蕩けさせようとしてくる。

 

「シュリ様の舌が亀頭をなでなでしてますよ。気持ちいですね……頭クラクラしてしまいますよね。でもイッたらダメです。家族のお口で射精するなんて変態というより、ただ倫理観が欠けた人間です。人としての尊厳を守るためにもおしっこは我慢ですよ」

「無理だろっ!」

「無理じゃないです」

 

 愉しさに口角を上げるアルラが悪魔に見えた。

 いくら我慢しようと思っても身体は正直なもので。

 

「あっ。透明なの出てきた」

「我慢汁よ。気持ち良くなってる証拠。それが出てきたら口に咥えて吸い上げて」

「匂い……キッツ」

「あははー。ナオくさいって言われてるよ」

 

 マキナまで言葉で攻めてきた。もう何がなんだか分からない状況で早く楽になりたい気持ちだけがあった。

 息子が生ぬるい感触に包まれると同時に、啜り上げる音がした。

 

「ちゅるっ、んちゅううう……。我慢汁飲んじゃった……」

「そのうち気にならなくなるから大丈夫。それよりもっと音立てて。下品であればあるほどおちんちんは喜ぶから」

「品性のかけらもない。最悪。でも兄さんが気持ち良くなるなら……じゅるるるっ! ん、ぢゅうううううぅ……♡」

 

 すさまじい音と共に腰が持っていかれる感覚がした。突然の容赦ないバキュームに腰が浮く。

 

「や、やばっ……!」

 

 そのまま根元まで咥えこまれて、下から上へと搾り上げられた。生暖かさと、密着感。我が妹ながらセンスの塊だった。

 

「そうそう、上手い上手い。あとはそうやってバキューム早めていけばイクけど……せっかくだしダブルフェラしよ」

「じゅっ、ん、じゅっぷ! ぢゅるっ、ん、ぁぢゅるるっ! ぢゅうううう……んぱっ! うん。一緒に舐める」

 

 口から引き抜かれて、今度は舌の感触が両側から襲ってきた。射精寸前までせり上がっていたせいで感度が極まっていたところに、くびれの一番弱い部分をしつこく舐め回された。

 

「れろれろれろれろぉ……ナオ、イキそ? いいよ。お射精して。妹ちゃんにもぶっかけマーキングしちゃえ♡」

「れろ、ちゅむっ、れろれ……兄さんカリ首汚い。綺麗にするからご褒美にせーえき頂戴♡」

 

 もう限界、というタイミングでピコンと何かが鳴った。いつの間にか俺のスマホを手にしたアルラが、俺の姿をカメラに収めていた。

 

「マスターの気持ち良くなっちゃうところ。きちんと録画しておきます。はい、びゅっびゅー……」

 

 幼稚園児の遊びに付き合うようなセリフと共に俺は打ち上げた。全身を小刻みに震わせて、何度も放つ。

 

「きゃっ!」

 

 見ずとも分かるほど大量に吐き出すと、シュリが小さな悲鳴を上げた。

 妹相手に容赦なく飛び散らせてしまったことの罪悪感と、謎の達成感があった。

 息を短く繰り返しながらアルラに支えられて、上体を起こす。

 ようやく見られた腰元ではマキナとシュリが顔に白濁液をかけられて目を丸くしていた。見慣れているはずのマキナですら驚いているのが、その尋常じゃない量を物語っている。

 

「凄い出たわね。恐るべしシスコン」

「……制服まで汚れた。洗濯で落ちるのかな」

 

 自分の身なりを見て不安げな顔をするシュリの頭に思わず手が伸びる。

 優しく頭を撫でると、彼女は不思議そうに首を傾げた。

 

「何?」

「いや……気持ち良かったなって」

 

 俺の率直な感想に、シュリははにかみながら。

 

「変態お兄ちゃん」

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