※この作品はR-18です。

道具の愛され方   作:ハルバードマカロン

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★大切な人

 新品同様に直った玩具をそっと箱に詰め、住所を書いて配達用のドローンに乗せる。

 これでよし、と声を掛けるとドローンは空高くまで浮いて俺が書いた住所に向かって飛んでいった。彼方に飛んでいったドローンを見送った後、作業場に戻るとマキナがタブレットを弄りながら「おつかれー」と俺に言った。

 

「これでひとまず抱えてた依頼は終了ね」

「ああ。また暇になったな」

「この分ならまた仕事くるでしょ」

 

 マキナの言葉に頷きながら椅子に座って一息つく。

 ボタンの依頼を無事に終えてからも、広告はジワジワと効果を発揮しているようで、細々と仕事が舞い込むようになった。さっきドローンに乗せたものも、修理済みの品だ。ヒーローアニメに出てくる銃のおもちゃで、依頼主の息子の宝物だとかなんとか依頼文に書いてあった。

 まだまだ不安定で小さな仕事ばかりだが、一時期より生活への焦りは減った。暇すぎても忙しすぎても人生は息苦しい。今ぐらいのペースで生きてるのがちょうどいいと実感する。

 時計を見るとまだ時刻は昼前だった。二センチくらい積もっていた仕事もなくなって、今日はマキナと映画でも見てダラダラ過ごすかなと思ったが、「あ」と不意にマキナがタブレットの画面を見せた。

 

「旦那ぁ。お仕事ですってよ」

「ちょうど捌き切ったタイミングで来るとは。タイミングがいいのか悪いのか」

 

 思わずぼやいた俺にアルラが「仕事があるのはいいことです」と呟いた。

 マキナからタブレットを受け取って届いた依頼内容を見る。内容は動かなくなったロボットの修理という、シンプルなものだった。依頼品の画像も添付されていて、そこには本物さながらにまで似せて作られた白猫のロボットが写されていた。

 四つ足で凛々しく立っているが元々美しかったであろう白い毛並みがくすんでいる。だいぶ年季が入った物のようだ。

 もう依頼品は送っていて、実際にロボットを見て直せるかどうか判断してほしいとのこと。

 その言葉の通り、依頼文を読み終わったタイミングでまたも作業場の前にドローンがやってきた。小包みを受け取って早速、中を見ると画像で見た通りの白猫が入っている。

 マキナがそっと猫を取り出す。いつものように記憶を覗くとマキナはカチンと固まってしまった。

 

「どうした?」

「凄く……凄く大事な物みたいね」

 

 マキナはその猫を慈愛に満ちた表情で優しく撫でた。

 

 ◆

 

「これを送ってきたのは年配の女性。三年前まで旦那さんと一緒に暮らしてたけど先立たれたみたい。たまに息子夫婦が様子を見に来るぐらいで普段はずっと一人で過ごしてるわ。それでその猫ちゃん……リリカって名前なんだけど」

 

 台の上で立ったままピクリとも動かないリリカに目をやって、マキナは滔々と話す。

 

「リリカはニ十年近く前に生前の旦那さんと一緒に買った物なの。夫婦揃って動物好きだから、かなり大切にしてたようね。しかも旦那さんが亡くなって、唯一の話し相手になってたから、その子への想いもここ数年で強くなってる」

「依頼人にとって大事な家族なんですね」

「ええ。でももうガタガタね。所々、自分たちで修復した形跡があるけどもう誤魔化し効かないわ。プロじゃなきゃ直せない」

 

 マキナに言われてそっとリリカを持ち上げた。上下、色んな方向から眺める。確かに見た目以上にボロボロのようで修理には時間が掛かりそうだった。それにこの綺麗だったはずの毛並みも、元に戻してあげたい。

 

「ずいぶん重いのを預かったな」

「直せません、なんて言わないわよね?」

 

 挑発するような笑みを向けるマキナ。俺は首を縦に振って見せた。

 

「ベストを尽くすよ」

 

 俺の言葉にマキナは安心したように笑った。

 

 依頼人に仕事を引き受ける旨を返信して、早速リリカを分解してみた。できれば今すぐにでも直してあげたかったが、リリカの修理には幾つかパーツを取り寄せる必要があり、数日待つことを余儀なくされた。

 パーツ待ちの間も何個か依頼をこなしていたが、マキナはずっと落ち着かない様子で、修理を待つリリカを何度も眺めていた。

 機械の神として、持ち主の想いがこもったロボットはなんとしても直したいのだろう。他のことに集中しきれないのも無理はなかった。

 そうして待つこと数日後。ようやくパーツが届き、本格的にリリカの修理に入った。

 

「そこ、慎重に。外れやすいから」

 

 いつも通り俺が作業を進めてマキナが後ろから助言するが、いつになくマキナは真剣な表情で俺の手元を覗き込んでいた。普段の作業場とは違う緊張感。その理由は単にリリカが大切にされたロボットだから、というだけではなかった。

 リリカは二十年も前に製造されたロボットということもあって、今じゃあまり見ない機構で動いていた。ひと口で言うと古くさいロボットなのだ。パーツをわざわざネットで探して取り寄せたのもそのためで、うちにある部品とは相性が悪かった。

 普段から色んな機械を触っている俺でも見たことない部品が多く、マキナの知識を借りながらの苦戦する作業になった。

 内部だけでなく毛並みや青い瞳も綺麗に汚れを落とし、本来の美しさに戻していく。パーツが届く前から準備して、手順を固め、朝から作業に取り掛かったというのに修理が終わったのは二十時を超えてからだった。

 想像以上の大手術に俺もマキナも大きく息を吐く。

 

「はあ〜! やっと終わったー!」

「キツかったわねえ……。ああ゙ーしんど」

 

 バタンと二人とも台に倒れ込んで肩から力を抜く。

 

「ニャーン」

 

 新品と見間違うほど綺麗になったリリカが俺たちを労うように顔を擦り寄せてきた。背中を撫でるとフサフサの柔らかい毛の感触が手に伝わった。我ながらよくここまで直したものだ。偉い。

 アルラがそっと俺の肩を揉む。

 

「お疲れ様です。晩御飯の用意はできてますが、先にシャワーから入られますか?」

「ああ。汗がやばい」

 

 機械弄りでこんなに汗をかいたのは久しぶりだった。大変だったが達成感がある。

 サッとシャワーで汗を流し作業場へ戻ると、道具が片付けれられた台の上にアルラの手料理が並んでいた。今日のメインディッシュはグリルチキン。ここ最近だとかなり豪華な一品。俺やマキナの頑張りを見てアルラも気合を入れて作ってくれたようだ。

 

「ニャーオ」

 

 リリカが尻尾を揺らしてマキナと戯れている。マキナもにゃーん、と猫語で話しながら自分の膝の上に乗せた。修理しているうちに猫ロボットに興味を持ったらしく、リリカのことをかなり気に入っていた。そのうちせがまれそうだ。

 チキンをお皿に切り分けて、向かいに座るマキナに渡す。節約のために最近のマキナは食事を減らしているが、今日は彼女にもご馳走を味わってほしかった。

 

「はい。マキナも食べるだろ?」

「……え? あ、ああ、うん。ありがとう」

 

 リリカを撫でながらぼーっとしていたのか、マキナはハッとした顔で受け取った。

 いただきますと、声を掛けて食事を味わう。相変わらずアルラの料理は美味い。チキンも安物だろうにパサつきがなくてジューシーだ。

 今後もこの料理を堪能するために稼がないと、と思いながら黙々と食事を進めていると、マキナがフォークを握ったまま固まっているのに気がついた。せっかくのチキンにひと口も手をつけていない。アルラの料理が大好物のはずなのに珍しい。

 彼女の顔を覗くとどこか遠くを見るような目で、物思いに耽っていた。

 

「マキナ?」

「……ん?」

「どうしたんだ、さっきから。ずっとポケーっとしてるけど」

「……なんでもない。うん、美味しいわ、アルラ」

 

 忘れていたかのように食べ始めるマキナ。アルラも彼女に違和感を抱いたようで。

 

「何か、気に入らないことがあればハッキリと申し上げてほしいのですが」

「別に気に入らないことなんかないわ。本当に美味しい。……ただ、ちょっと変なこと考えちゃっただけ」

 

 変なこと? と俺とアルラが首を傾げる。マキナは俺たちの反応に頷くと、言い出しにくい様子でゆっくりと口を開いた。

 

「なんて言えばいいのかな……。まあ、シンプルに怖くなったんだよ」

 

 お淑やかな口調から、崩した口調に変わっている。きっとこれから彼女が語るのはなんの飾りも脚色もない、本心なのだと察して真面目に耳を傾けた。

 

「リリカの記憶を見たらさ、依頼人の女の人が旦那さんのこと思い出して泣いてる記憶とかあって、やっぱ大切な人が居なくなるって辛いことなんだなって思った。当たり前のことかもしれないけど」

 

 今まで見たことないほど暗い顔でマキナはリリカに目を落とす。リリカはマキナの膝の上で小さく寝転がって、心地良さそうに眠っている。

 

「私はずっと神座に閉じ込められてたから友達とか家族への愛情ってのは勝手に薄れていったんだ。時々思い出してもさ、もう皆んなとっくの昔に死んでるんだなってそれだけ思って自然に受け入れてた。でも最近はずっとナオとアルラと一緒にいたせいで、二人が居て当たり前になってるんだ。それこそ本当の家族みたいに。私は神だから死ぬとかないけど、二人は死ぬし、壊れる。いつかそれが来るんだって思うと……まあ、しんどいよな」

 

 マキナは無理に笑みを作って見せた。

 歪な笑顔に、重い空気が流れる。よもやマキナからこんなトーンで心中を語られるとは思わなかった。元々その過去は暗かったが、キャラクターの明るさで吹き飛ばしていたし。

 俺は完全に口をつぐんでしまって、言葉を紡げなかった。

 長年、孤独だったからこその苦悩だと思う。俺だって『もし大切な人が死んだら』というのは考えたことはあるがそこまで真剣に悩むことはなかった。今更、絆や愛情を思い出したマキナだからこそ、その"もし"は重くのしかかるのだろう。そんな彼女にどんな言葉を掛ければいいのか、すぐには思いつかない。

 俺は思わず俯く。

 そして。

 隣のアルラはゆっくりと息を吐き。

 

「なんですか急に。似合わないこと言わないでください気持ち悪いですムカつきます鳥肌立ちます気色悪いです」

 

 容赦なく言い放った。

 

「……ぐすっ、ううっ」

「あー、あー! 泣くな泣くな……。こら、アルラ! なんてこと言うんだ!」

 

 流れるような誹謗の数々にマキナが泣き出してしまった。マキナの涙を拭きながらアルラを叱るも、アルラは微塵も悪びれた様子を見せずに続ける。

 

「人間も道具もいつ壊れるかは分かりません。一分後に私とマスターが欠片もなく消滅してしまう可能性だってゼロではないんですよ。そんなことをいちいち気にしてる場合ですか? あらゆる可能性に怯えながら、貴重な時間を無駄にする気ですか? 馬鹿馬鹿しいにも程がある。どれだけ後悔しないように生きたって、私やマスターが居なくなったらあなたはどうせ『もっと二人と遊んでおけばよかった』って後悔するんですから、せめて今だけは神様らしく能天気に、お気楽に、無計画に楽しいことを楽しんでいればいいんです」

「アルラ……」

「苦しむこと、悲しむことは後々の自分に押し付けましょう。大切な人が死んで、涙を流し切るだけの時間はあなたには十分ある」

 

 アルラの言葉にマキナは少しずつ目の輝きを取り戻した。

 俺も彼女に何か伝えたくて、不器用ながらに言葉にした。

 

「マキナの悩みは十分わかる。俺だって家族やアルラが居なくなったらって考えると怖いよ。でも、だからって何かが変わるわけじゃないし、変えようとも思わない。俺もアルラもいつも通りに暮らしていくだけだ。マキナだってそうだろう? 俺やアルラが死ぬかもしれないから、『こいつらも不死身にしてやろう!』なんて思わないはずだ」

「そりゃあな。そんな力ないし……」

「だったらその悩みは本当にただの悩みでしかなくて、日常をつっかえさせる程のものじゃないんだ。そう考えたらそんなことで悩んでるのアホらしくならないか?」

「……揃いも揃って、バカとかアホとか。もうちょっと敬えっての」

 

 マキナは涙ぐみながらムッと俺たちを睨みつけると、ティッシュで盛大に鼻を噛み、顔を上げた。

 

「あーあ、もういいや。どうでもいいこと考えるのやーめた。頭空っぽにして生きよう。うん、それが楽で一番いい……ってことで」

 

 いつもの明るい顔でマキナはチキンを丸呑みする。そしてニヤリと笑って。

 

「早くご飯食べて、エッチしよ♡」

 

 ◆

 

 ギシギシとベッドが悲鳴を上げる。かなりの音なのにそれが気にならないほど嬌声が響いていた。

 

「んぅ、あっ、はっ、はっ、ぁん♡ ん♡ はあ……あっ、ぅ♡」

 

 前抱っこでしがみつきながらマキナは俺の腰の上で跳ねていた。気持ち良さに身体が震えて思うように動けないのか、いつもよりぎこちない腰の下ろし方。だが、どれだけ善がっても足りたいというように俺を求めてきた。

 彼女の背中に手を回して互いの胸を押しつぶすように密着すると、マキナはより幸せそうに笑みを深めた。

 

「ピッタリくっつくの、いい♡ ナオとひとつになってる……んっ、ふあ……キス…………ちゅるっ、ん、んちゅう……ちゅぷっ、ちゅぅ、あ♡」

 

 蕩けた表情で俺とキスを交わしながらマキナは腰を動かす。俺も彼女に口で応えながら背中からお尻、太ももを撫でてくすぐる。

 

「ん、く、くすぐったいってばあ……セクハラみたいな触り方ばっかり」

「スベスベで触り心地良いんだから仕方ない。お尻も小ぶりで可愛いし」

「もう♡ 最近のナオお尻ばっかり……んっ♡」

 

 両手で尻を鷲掴んで揉みしだくと恥ずかしそうにマキナは頬を赤く染めた。

 お互いじっくり味わうようにスローペースで身体を擦り付けあった。ついさっきあんな話をしたからか、どこか感傷的な絡み合い。

 マキナは笑いながら自然と涙を流していた。

 

「んぢゅ、ちゅ、んぅ……ナオ……好き♡ 愛してる。一生、毎日、死ぬまで恋人セックスして……ん、ぢゅるるっ、あぁ♡ ナオが寂しい時は私が慰めるから……私が寂しくなったらナオが慰めて」

「もちろん。ずっと隣にいる」

「んふっ♡ 私のこと好き?」

「好きだ。いつも明るくて元気貰える。時々生意気なのも可愛い」

「アルラとどっちが好き?」

 

 アルラが隣で見ているにも関わらず、意地の悪い質問をしてきた。可愛いと褒めた瞬間に生意気なことをする。本当に可愛くて困る。

 アルラの冷たい視線を必死に無視しながら「マキナの方が好きだよ」と囁くと、ギュッと彼女の中が締まった。

 

「へへっ、だと思ったあ♡ じゃあこれでちゃんと恋人だ♡ んぢゅるるっ、じゅぅ……ちゅ、ちゅ♡ やばい。甘々えっち、気持ちいい……♡」

「中に出すから全部受け止めてほしい」

「うんっ、いいよ♡ びゅるるーって全部欲しいっ、ん、あうっ♡ んぢゅるっ、ぢゅう、ナオ……好きだよ。絶対、手離さないからね♡ ……んうっ♡ ああ゙っ♡♡♡」

 

 スローペースのまま搾られて、マキナの奥深くで溢れ出る。マキナは満足した顔で抱きついたまま、俺の体温を感じていた。俺の射精が止まった後も離れずに、ずっと抱きついている。

 

「ふふっ、えへへ♡」

「どうした? 急に笑い出して」

「んーん。神座を出られてホントよかったなあって。ナオやアルラに会えて、アルラの美味しい料理食べれて、色んな機械と出会えて、更には恋人もできた。こんな幸せな神生送れるなんて思わなかったわ」

 

 マキナは噛み締めるような穏やかな声音で言う。あまりにも穏やかな言い方だったため、ふとした不安が過ぎる。そして俺のアンドロイドが代わりに代弁してくれた。

 

「死ぬんですか?」

「なんでよ」

「いえ、あまりにも死亡フラグっぽいことを言うので」

「死なないわよ。私が死んだらアルラがナオ独り占めするでしょ。そんなの許さない。ナオは私の恋人だもんね。べーっ」

 

 アルラに向かって舌を出してマキナは挑発する。アルラは完全にカチンときてクールな顔を崩すほどに眉間に皺を寄せたが、そんなアルラを無視してマキナは俺から一度離れ、四つん這いになってお尻を俺に向けた。

 

「二回戦目、やろ。まだまだイケるよね」

「もちろん。……けどその前に勃たせて欲しいんだけど」

 

 気持ち的には何回戦でも、と思うが身体はそうもいかない。一度出して息子は頭を下げていた。

 するとマキナは自分で自分の尻を持ち上げ拡げ、菊門を俺に見せつけた。

 彼女が普段しない行動に虚をつかれる。

 

「お尻、見られるのも触られるのも恥ずかしがってたのに」

「……毎回イタズラされるから興味湧いちゃったじゃん。アルラとはアナルでしたことあるんでしょ? ズルい。私ももっとナオとアブノーマルな事したい」

「調教されたいんだ」

「……されたい、です。大好きなナオにケツ穴、使用済みにされたい……ううっ。はずっ」

 

 恥ずかしさから顔を枕に埋めているものの、マキナはお尻を拡げたままにしていた。この景色だけでも中々の刺激的だというのに、更にアルラが横から割って入ってきた。

 

「私が準備してあげます」

 

 そう言って俺に見せつけながらマキナの穴を舐め始める。

 

「れろぉ……ぢゅっ。ちゅむ……れろ、んっ……」

「ひゃっ! アルラ、やめっ……! く、くすぐったいって……んっ!」

「ほら。もっと拡げてください。マスターが奥まで見えるように。私がいっぱいキスしておちんぽ入りやすいようにしてあげますから……じゅるっ、ちゅう……ちゅ、ちゅ……ちゅるっ」

 

 舌先で突いたりフレンチキスを繰り返したりと、アルラはマキナをくすぐった。アルラの攻撃にマキナのお尻はヒクヒクと動く。顔を隠してはいるものの、マキナの耳は真っ赤に染まっていてその反応を見ているだけでも楽しい。

 

「舌、ねじ込んであげますね。……じゅっ、んぢゅうううっ! ぢゅるるるるっ!」

「あうっ……アルラの、ニュルニュルって入ってくる……んんっ♡」

 

 音を立てて吸い上げられ、マキナは膝を震わせた。特殊すぎる二人のじゃれ合いに身体の熱が戻ってくる。再び硬さを取り戻した竿を見て、アルラはマキナから舌を口を離した。

 

「準備できたようですね。どうぞ。思いっきり使用済みにしてあげてください」

 

 アルラに言われてマキナの菊門に息子を当てがう。そして少しずつ押し広げながら挿しこんだ。

 

「うっ、ぐ……あっ♡」

 

 少し挿れただけで引き摺り込まれるように飲まれていく。あっという間に根元まで入って、自然とストロークしていた。マキナの方も特に痛みはないようで、むしろ自分から腰を動かしていた。

 

「あっ、んっ……ぉ♡ あ……うぅ……やだ、お尻で感じちゃってる…………んうっ♡ おっ、お、ほっ♡」

 

 まだピストンを早めていないのにマキナの口から低い嬌声が溢れている。アルラはそんなマキナを眺めて呆れた。

 

「甘々えっちがどうとか言ってましたけど、結局お尻の穴でオホ声出すビッチ神じゃないですか」

「そんにゃことないもんっ! ナオと相性良すぎるだけ……ぅ、ぐ、んぉ……♡ お゙っ♡ あぅ♡ グリグリしちゃ、だめ♡」

 

 掻き回すように動くと中の締まりも良くなる。強い圧迫感に耐えながら彼女をいじめるためにピストンを早めた。

 

「んぁ! んっ、だめっ、らめってば! そんなに早めたらすぐイクッ♡ んぐっ、あ、あ、おっ♡ んんんっ♡」

「もっとケツ穴締めて。腰振って」

「にゃ、ナオ酷い♡ こんなの恋人えっちじゃない♡ ホントに調教セックス……んぉっ、ぐ、お゙っ♡」

 

 酷いと言いながらマキナは言われた通りに腰を振る。尻尾を振るペットのように媚売る尻に、思わず平手を喰らわせた。

 バチンッ――と大きな音が鳴ってマキナが「あ゙っ♡」と一層強い声を上げる。

 

「そろそろイキそうだから頑張って」

「は、はいっ、頑張る……気持ち良くします♡ ん、んっ、ううっ、あんっ♡ はっ、はあっ♡ あぅ……♡」

 

 息も絶え絶えになりながらマキナは俺に合わせて腰をぶつけにくる。息子が根本から首元まで抜き差しされて、どんどん快楽が迫り上がってきた。

 マキナの方も限界になってきてお互いペースを早めてラストスパートに入る。

 

「んっ! んおっ、ん、っん……ナオ、そろそろ……む、無理かも……♡ 出してっ! 二発目、ちょうだい…………あうっ、いくっ! イク! んん゙〜〜〜っ♡」

 

 射精と同時にマキナに思いっきり腰をぶつけると、マキナも果てて全身を震わせた。ばたりと力なくベッドに倒れ込む彼女に一滴残らず注ぎ込む。

 一回目以上に長い発射を終え、引き抜くとマキナは疲れ果てた顔で俺の竿を見つめていた。

 

「はあ、はあ、はあ……出し過ぎ。もうドロドロ……」

「後半飛ばしすぎた。大丈夫か?」

「ん。なんか色々安心して眠くなっちゃった」

「寝ていいぞ。俺も今日は満足した」

 

 そっとマキナの頬にキスをすると「えへへ」と彼女は笑う。やっぱりマキナに暗い顔は似合わない。こういう少女らしい笑顔が一番愛らしく見える。

 マキナはそのまま目を瞑って小さな声でおやすみ、と呟くとそのまま寝落ちてしまった。本人が言っていたように、安心したのだろう。幸せそうな寝顔だった。

 今日は凄く満たされたし、俺ももう寝ようかと思った――が、「さて」冷ややかな目をしたアルラが俺の顔を覗き込んでくる。

 

「私よりそこの女神の方が好きだと言った件について問いただしたいのですが」

 

 あまりにも冷たい、刃物のような視線に冷や汗が噴き出る。

 

「そ、そのですね。マキナへのリップサービスと言いますか、あくまでプレイの一環として口走っただけというか。マキナもそんなに本気で聞いたわけじゃないだろうし」

「そうですか。なら私にもリップサービスはできますね?」

「……今日はすでに疲れてるので明日以降で」

 

 お願いします、とは続かなかった。俺のセリフに被せてアルラが笑って言う。

 

「私とも恋人になってもらいますよ。マスター♡」

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