シャッと勢いよくカーテンが開く音がして、瞼越しに太陽の光を感じた。勝手に覚醒しだす意識を懸命に寝かせようとしたのに、体を揺すられて無理やり起こされた。
「マスター、起きてください。もう朝です」
渋々目を開けるとぼんやりとした視界にアルラの端正な顔が浮かぶ。
「アルラ……」
「おはようございます。今日も仕事ですよ」
アルラが俺の脇を掴んで無理やりベッドの端に座らせた。上体を起こされたせいで頭もはっきりしてくる。
周りを見渡すと、ベッドの上には俺以外に三人が寝ていて、陽の光に身じろぎしている。
ボタンはすでに起きているようで姿が見えなかった。もうすでに朝の支度をしているのだろう。
「皆様も起きてください。特に学生組は早くしないと遅刻しますよ」
アルラがマキナ、シュリ、サティと順に体を揺すった。
マキナはうんともすんとも言わず、シュリはゆっくりと身を起こす。そして最年少のサティは布団に包まり、「うるさい……あと二時間」と、背中を丸めた。
アルラは冷たい目でサティを見下ろすと、彼女を転がして無理やりベッドから落とす。
「うがっ⁉︎ いったあ……」
頭を抑えながら、サティはのそりと立ち上がり、アルラを睨むものの、アルラは白々しく無視した。
シュリがベッドから降りて目をこすりながら風呂場へ向かうが、アルラが声を掛けてその足を止めた。
「シュリ様。シャワーならサティ様も一緒に。……ついでにこの方も」
まだ寝ているマキナを無理やりお姫様だっこすると、アルラは雑にシュリへぶん投げる。放り投げられたマキナをシュリが咄嗟に避け、鈍い音と共にマキナの「あでっ⁉︎」という悲鳴が響いた。
床に疼くまるマキナをシュリがめんどくさそうに一瞥する。
「なんで毎回私が」
「私と他のメイドは朝食の準備がありますし、ハボタン様はすでに制服に着替えて通学の準備に入られてます。消去法でシュリ様に頼むしかないんですよ」
「私だって学校の準備で大変。兄さんがこの二人見てて」
「三人で風呂場に行ってすぐに上がってくると思いますか?」
「……シャワー浴びてくる」
アルラに言われ、シュリは苦い顔をしながら、動きたがらないサティを担ぐ。ついでに地面に転がったマキナの足首も持って無理やり引きずった。
「痛い痛い! シュリちゃん、摩擦で痛い!」
「学校行きたくなーい! やだやだやだ!」
「二人ともうるさい」
喚く二人を黙らせながらシュリは脱衣所へ消えていった。その背中を見送った後、俺はアルラに訊ねた。
「俺ってそんなに信用ない?」
「ないです」
早朝から冷たい。
着替えて二階のダイニングルームへ向かうと、すでに皺一つない制服に身を包んだボタンが長テーブルに付いて待っていた。
「おはようございます。よく眠れましたか?」
「ぼちぼち。ボタンは?」
「私もあまり……。ちょっとはしゃぎすぎました」
はにかんで笑って見せるボタンに、メイドの何人かが苦笑いを浮かべていた。昨日のボタンの声は部屋の外まで漏れていたようだ。
俺も椅子に座ると、シュリ達もそれぞれ制服や私服に着替えた状態でダイニングルームへと入ってきた。
「あーあ。学校行ってもやることないのになー」
「その生意気な性格を矯正してもらえばいい」
「前時代的な考え方だね。今は個性を伸ばすことに重きを置いてるんだよ」
「個性を伸ばすのと社会に適合させるのは別の問題。あなたみたいな問題児を放っておいたら世の中、悪くなる」
「ボクがまともになったって、世の中良くはならないよ。妹ちゃん」
「ああ言えばこう言う……。あと妹ちゃんって呼ぶのやめて。私の方が年上」
相変わらずサティはぶつくさ文句を言っているようで、シュリが適当にあしらっている。そのやりとりをマキナが微笑ましそうに見ていた。
「仲良いわねえ」
「「良くない」」
シュリとサティが声を揃えて否定した。本当に仲が良い。
全員が揃ったところで、朝食が始まる。ここでの朝食は基本ビュッフェ形式だった。アルラやメイド達がずらりと食事を並べてくれて、好きなものを好きなだけ取っていい。
これは決して俺達がここに住み始めたからこのスタイルになったわけではなく、元々ボタンしか住んでいない時からビュッフェ形式だったらしい。……やっぱりただのホテルだ。
各々食べたい物をよそうと、それぞれのペースで食べ始める。向かいに座るシュリがパンに齧り付きながら俺に訊いた。
「今日もいつも通りの修理作業?」
「ああ。依頼が来てるからな」
「でも今回の依頼、結構大変よ? 神座ほどじゃないけど慎重にやらないと大事故起こすかも」
マキナの物騒な言葉にシュリが目を細める。
「何? なんの修理?」
「三世代前の軍事用小型レーザー兵器。古くなって処分されたものをマニアが手に入れてうちに持ってきた」
「そんなの直して大丈夫なの?」
「どんなルートで手に入れたかは聞いてないし、直すだけなら大丈夫だろう」
「強盗とかに使われそう」
「生粋の軍事オタクって感じだったから悪事には使わないでしょ。多分」
能天気な俺とマキナに、朝からドーナツを頬張るサティが口を挟んだ。
「はいフラグ」
「余計なこと言うからフラグっぽく聞こえるのよっ」
言いながらマキナはサティの頬をぷにっと摘んで伸ばした。痛い痛いと、喚くサティを横目に、俺は隣に座るボタンに伺った。
「ご両親の件どうなったんだ?」
「なんとか説得できました。今まで友人を家に入れなかったのに珍しいと、目を丸くして驚かれましたね。せっかくだし自分達もお友達に挨拶したいと、言われたのですが……」
「シュリ、アルラ。任せた」
二人に丸投げするとアルラが冷ややかな目を俺に向ける。
「逃げないでください」
「これだけ溺愛されてる娘の家に、どこの馬の骨かも分からない男が居着いてるなんてバレたら抹殺される。ボタンの姉に殺し屋がいるって聞いたし」
「変に事が拗れる前に言ったほうが楽だと思いますよ」
「隠し通せるならそれに越したことはない。主人を守るためだと思ってくれ。頼む」
必死に頭を下げると、アルラが何か言ってやってください、という顔でシュリに視線を送った。しかしシュリは諦めたように首を振る。
「こういうのは惚れた方の負け。私達で誤魔化すしかない」
「……メイドの方々は全て知っています」
「だから急いでこれを量産したんでしょ」
ポケットから卵型のデバイスを取り出して、シュリは言った。
実は、テレポート装置の操作デバイスはここで働いているメイド達の分も量産していて、一人ひとりに渡している。業務上買い出しなんかで外へ出ることも多いらしく、テレポートが使えるのは非常に助かっているらしい。もちろんプライベートでも使用しているようで、彼女達もかなり重宝しているようだった。
つまりは便利アイテムを使わせるから俺のことは両親に報告しないでくださいという、賄賂がわりにデバイスを握らせているわけだ。
まあ、こんなことをしなくても、主人であるボタンを思えば勝手に口を割ったりはしないだろうが。
「いつか本当に刺されますよ」
「今日じゃないことを祈るばかりだ」
アルラの忠告を軽く流してコーヒーを啜った。
そんな調子で食事を楽しんでいると、先に食べ終わったシュリとボタンが立ち上がった。
「じゃあ私たちは学校行ってくる」
「お仕事頑張ってください。……ほら、サティさんも行きますよ」
ボタンがサティの腕を掴んで椅子から引き剥がす。サティは心底だるそうに肩を落としつつ、「あいあい……」とリュックを背負い、ノロノロと歩いた。
手を振って見送ると、彼女達はダイニングルームの壁際にポツンと置かれたテレポート装置まで歩み寄る。
装置は、神座と爺さんが作ったリングを何本ものケーブルで繋いだ外見で、この豪邸には不釣り合いなほどメカニカルなデザインだ。
そんな装置を起動して、三人がそれぞれデバイスを操作すると、彼女達の頭の上をケーブルを引きずったままリングが飛び回り、それぞれの学校へと転送した。
後に残ったのはメイド達と修理屋組だけ。なんだか一気に寂しくなった空気を入れ替えるように、俺もコーヒーを飲み干す。
「さて。俺らも行くか」
◆
昨日ぶりに来た作業場は、やはり実家のような安心感があった。
「やっぱりここが一番落ち着くな」
「身の丈にあったサイズ感よね」
マキナの言葉に首を縦に振る。ボタン邸で寝泊まりしているものの、日中は以前と変わらずこうして作業場へ戻って仕事をしている。元々雰囲気から気に入った場所だが、アルラやマキナとの思い出も増えて、思い入れが一層強くなった。
アルラが掃除を、俺とマキナは道具を並べて仕事の準備を始める。
「あの爺ちゃん元気かしら?」
「ログ見たら時々テレポート使ってる形跡あるし、楽しい余生過ごしてると思う。装置が完成してから活き活きし始めてるのは間違いない」
「あと十年は生きそうですね。喜ぶべきなんでしょうか?」
「楽しそうで何より、で片付けておこう。ろくな使い方してないのは間違いないから」
当然だが、装置が完成して一番喜んでいたのは爺さんだった。長年の夢が叶ったのだから全身の水分を枯らす勢いで泣いて、何度も嗚咽していた。
そしてようやく涙が収まったと思ったら「これでもワシも夢のパラダイスタイムを……むほほっ」と、早速デバイスを操作してどこかへと消え去り、以来爺さんとは会っていない。
装置のログを遡ってみると爺さんの行き先は特定できて、お嬢様学校の更衣室だとか、刑務所の刑務官女子寮だとか、女性アイドル事務所のダンスレッスンルームだとか、どれもこれも一発アウトな場所ばかり記録されていた。昔の知り合いに会いに行ったとか、そんな理由だろう。多分。
件のレーザー兵器は腕に取り付けるキャノン砲の様な形をしていて、銃口に向かって細くなっていく見た目だった。最大出力で照射すれば建物を切断できるほどの威力を持つ。
そんな危険極まりない物体を三人がかかりで慎重に組み立てる。以前まで技術的なことは俺が主に行っていたが、最近はマキナやアルラも手伝ってくれるようになった。普段の俺の仕事を眺めすぎて覚えてしまったらしい。おかげで仕事の効率もうんと上がっている。
特にアルラは物作りにハマっているようで、暇なときは一人で食器や、アクセサリーを作ったりしていた。
作業中、俺の指に嵌る指輪が目に留まった。
「そういえば、アルラがこの指輪を作ったショップ、なんて名前だっけ。シュリも良いお店だったって言ってたし、ちょっと気になる」
「お店の名前は…………。確か、女性が店主を勤めているお店で……ポニーテールの……少し砕けた口調の方で……ええっと」
「アルラ?」
「……すみません。お店の名前がはっきりと思い出せないみたいです。『金』という文字が入っていたと思うのですが……」
不甲斐ないという顔で頭を下げるアルラに俺もマキナも心配になった。
「大丈夫か?」
「アンドロイドが物忘れなんて聞いたことないわ。ちょっと手かして」
マキナがアルラの手を取り記憶を探った。しかしマキナも、んん?と怪訝な顔で首を傾げる。
「なんか、それっぽい記憶はあるけどノイズが掛かっててはっきりと見れない」
「どういうことだ?」
「分からない。こんなの初めて」
「アルラが故障してるってことはないよな?」
「うん。状態はすこぶる良いからアルラがおかしいってことはないと思う。可能性があるとしたらそのお店と店主が特殊なのかもね」
これ以上は調べようがないとマキナは肩をすくめる。不思議極まりないが、マキナでも分からないならどうすることもできない。
結局、そのアクセサリーショップとやらの正体は謎のままだった。
◆
陽が落ちると俺たちはボタン邸に集まって、ゆっくりと夕食や風呂を満喫した。
最近はこんな生活が続いている。あまりに至れり尽くせりでどんどんダメ人間にされていく感覚がするが、心地よすぎて抜け出す気力もない。
それは俺だけでなく、ボタン以外、皆そうだろう。
アルラも俺の世話をしないと落ち着かないと言い、料理や掃除をメイドと協力して行っているものの、以前よりだいぶ落ち着いたライフスタイルになっている。
修理屋を続けながら、作業場も手放さず、豪邸でダラダラと女の子達と過ごす毎日。
文句の付けようもない理想的な生活だ。
理想的な生活なのだが。
恐ろしいことに人間の欲とは底知れないもので、何もかもが手に入っているからこそ、欲求はとどまるどころか増すばかりだった。
◆
淡い間接照明が灯る、ほの暗い寝室。部屋には大きなベッドがポツンと置かれ、あとはソファや小さなテーブルが隅にあるだけだった。
ここはボタン邸の部屋の中でも一番質素な作りで、だからこそ余計なことを考えずに集中できる場所だった。
ベッドの中心で裸になった俺は、同じく一糸纏わぬ姿の女性陣に囲まれていた。彼女達は滑らかな肌を俺の皮膚になじませるように、胸やら腕やらを押し付けてきて、期待に満ちた目で見上げてくる。
「マスター。明日は休日です。夜更かしは得意ですよね……ちゅ♡」
アルラが俺の頬に口づけを落とすと、そのまま俺を押し倒した。仰向けになった俺を他のメンバーも好き放題にまさぐりだす。
「へへっ……今日はボクが一番。あむっ♡」
「サティは昨日も一発目貰ってたでしょ。今日は私。……ちゅむっ、ん、ちゅうぅ♡」
シュリとサティが俺の腰にしがみつくようにして、息子を舐め始めた。
「ん……ぢゅう、んむぅ……♡ ちょっと妹ちゃん邪魔ぁ」「邪魔してるのはそっち……れろ♡ んっぷ……ちゅるるっ♡」なんて喧嘩しながら二人ともすでに膨れ上がった男根を口で取り合う。
不規則な刺激に悲鳴を上げそうになるが、今の俺には声を上げる余裕すらなかった。
「ご飯の時間ですよ♡ いっぱい飲んで大きくなりましょうね」
「お尻だなんだを堪能するより、おっぱいに顔をうずめている方が興奮しますよね。マスターは」
ボタンとアルラが豊満な胸を俺の口に押し付けた。ボタンのは蕾はやや色あせていて、アルラのは絵に描いたほど美しく桃色づいている。
唇に触れるだけで本能的に吸い付いてしまい、くすくすと二人に笑われた。
安心感に包まれ、心安らぐものの、下でぺろぺろ舐めている二人のせいで一切気が抜けない。一瞬で爆発してしまいそうになるのを堪えながら、ボタンとアルラの乳房を堪能していると、不服そうなマキナの声が聞こえた。
「皆、場所とるの早すぎ。私が混ざるとこないじゃない。しゃーなし、適当にナオの乳首でも舐めとこ」
仕方なく、みたいなノリでマキナが俺の胸板に頭を乗せてチロチロと舌を動かし始めた。
「れろれろれろれろ……むちゅぅぅ♡ んふっ。乳首舐められてビクビクするの、女の子みたい。んちゅ♡ ちゅぷっ、んっ、ちゅぅ……♡」
「マキナ上手すぎっ。力抜ける……っ」
「我慢せずイッちゃったらいいじゃない。みっともなくまき散らすの、好きでしょ?」
適当とは思えないほど、マキナは絶妙な責め方をしてくる。
全身が快楽で塗りつぶされる。身体の奥からせりあがってくるが、それでもまだこの気持ちよさを手放したくなくて耐えていた。
しかし、息子は早く解放してほしいようで何度も震えては透明な汁を垂れ流しにしていた。
「兄さんの……サティの唾液と混じって最悪の味♡ れちゅっ……♡」
「妹ちゃんめっちゃボクに舌絡ませてくるじゃん。そういう趣味?」
「カウパー舐めてるだけ。勘違いしないで。そっちこそさっきから私の唇舐めすぎ」
「こうするとナオが喜ぶもん。レズキスにおちんぽ割り込ませるの好きなんだよ、きっと。だから……ちゅー♡」
真っ赤な先端を舐めまわしながら、サティはシュリの舌に自分の舌を絡ませた。シュリは苦虫を噛み潰したような顔をしたが、俺の反応を見て渋々サティの舌を受け入れた。
熱いベーゼの間で、息子が震える。二人が俺の顔を見ながら舌先を鈴口に突っ込みうねうねとくすぐる。
最後の一押しと言わんばかりにマキナが腕を伸ばし、カリ首を人差し指でほじくった。
「ほらほら。クリクリ〜ってされると気持ちいいでしょ?」
「い、いくっ!」
「一発目…………びゅー♡」
マキナの声と共に、勢いよく発射してサティとシュリの顔を存分に濡らす。
二回、三回と脈打つたびにあふれ出て、幼さの残る二人の顔が白く濁った。
「うっひゃー。ナオの匂いで頭くらくらする。いっぱい出せて偉い偉い♡」
「兄さんのせーえき……ちゅぷっ♡ 全然足りない。足りないよ」
部屋にむせかえるような匂いが充満する。それは気化したアルコールのように彼女たちをもう一段酔わせてしまった。
◆
「あっ♡ ぅ……ん、んぅ……あ゙っ…………そこ、イイです♡」
腰を打ちつけるたび、ボタンの臀部がブルンと揺れる。彼女の壺の中はすでに洪水状態で一切の抵抗なく、俺の竿を受け入れていた。
中のヒダヒダがピッタリとくっ付いていて、吸い込まれるように奥まで挿さる。ワンストロークごとに粘液の絡む音が響き、さらに興奮度を増していく。
そこに拍車をかけるように、シュリが俺の背後に回った。そして躊躇う様子もなく俺の菊門に舌を捩じ込む。生温い感触に体が浮くような感覚が走った。
「いつ覚えたんだ、そんなのっ」
「ぢゅぷっ! ん、ちゅぅ……ぢゅるっ、ぢゅるるるっ…………♡ マキナに教えてもらった。兄さんの弱点だって。まさかこんなとこ舐める日が来るなんて、自分でも思わなかったけど…………れろぉ♡」
ディープキスの要領で容赦なく舌を動かす妹に、息子は硬さを増してボタンの中で跳ね回った。
「うっ、ぉ……う♡ んん゙っ、な、ナオさん……容赦ない……♡ あ゙っ、い゙、い……らめぇ…………♡」
ボタンの嬌声が一段と激しさを増す中、マキナが俺にしなだれかかってきた。
「盛り上がってるとこ悪いけど、まだ私にキスしてないわ」
「今忙しい――」
「口は空いてるじゃない。ちゅー♡ ……ふっ……んっ…………むちゅぅ♡」
余裕のない俺などお構いなしにマキナが舌を絡めてくる。彼女の甘い舌使いと、腕に押し付けられる胸の感触に脳を溶かされながら腰を振り続けた。
快楽を貪るのに夢中な俺達に、サティがスマホを構えた。
「写真撮っとこ。ほら、アルラも色んなアングルから撮らなきゃ」
「マスターの写真以外撮る気にならないのですが」
「そう言わずに。メイドに需要あるんだから。特にボタンがハメられてるのは高く売れる」
「……初耳です」
そんなやり取りが聞こえた気がしたが、頭が回っていないせいで内容を正しく理解できなかった。ただ、サティとアルラが俺達を撮っているのは認識できて、自分達の恥辱が記録されていると自覚すると、ギアは更に上がった。
「ボタン、そろそろっ」
「は、はい♡ 好きなだけだひてくださいっ♡ ナオさん専用便器に…………あ゙うっ……ん゙っ〜〜〜♡♡♡」
吐き出すというより垂れ流すような感覚。おそらくシュリの口撃に耐え切れなかったせいだ。
そんな情けない俺を見破ったシュリが耳元で囁いた。
「アナルよわよわなの、女の子みたい」
◆
そうして何時間も交わり続け、気づけばカーテンの隙間からは陽の光が見えた。学生組の三人はすでに体力が尽きて寝息を立てている。俺も指先一つ動かせないほどの倦怠感に襲われていた。
「疲れた……流石にもうダメだ」
バタンとベッドに伏す俺に、マキナとアルラが上からもたれかかり、「お疲れ」「頑張りましたね」と労いの言葉をかけてくれた。
「最後の方、イってるのに何も出てなかったわよ。本当に打ち止めって感じだった」
「仕方がないです。五人同時に相手をする時点でハードなのに、今日は皆リミッターが外れていましたから」
「こうなるとわかっていれば、ヒロイン三人ぐらいにしといたのに」
「おっと。ナオ史上最大クズ発言。これからもずっとこんな感じよ。大丈夫なの?」
「腹上死がすぐそこまで見える」
冗談ではなく、死神の鎌の間合いには確実に入っている。爺さんに枯れていると言われて反論したのはつい先日のことだが、枯らされる日は近いだろう。
「ある意味名誉ある死に様でしょう。ですが、実際に死なれては困りますね」
「ええ。私がまたひとりぼっちなっちゃうもの」
二人のセリフはどこか含蓄のある言い方で、俺の背中に冷や汗が走った。
「まさかとは思うけど、追加ラウンドはないよな?」
「今のうちに体力付けておかないといけないでしょ。女の子って三十代ぐらいにかけて性欲上がってくるって言うし」
「もう勘弁してください……」
「どのみち寝る前にお掃除はするつもりでした。だいぶ汚れているでしょうから。……私とマキナ様で綺麗にしますのでこっち向いてください」
「やだ」
「あまり聞き分け悪いとお尻にイタズラしますよ」
「わ、分かった。分かったから!」
これ以上好き勝手されては困る。俺はすぐに仰向けになった。
二人は俺の脚の上に乗っかって、丁寧に汚れを拭き取ろうと舌で舐め始めた。
「れちゅ……れろれろ……やはりかなり汚れてますね。匂いも酷いです」
アルラが竿の先端から玉の裏側まで舌を這わせる。敏感なところも刺激されるが、確かにアルラの動きは俺の身体を綺麗にするためのものだった。
しかし一方のマキナは。
「ちゅうううううぅ……♡ まだ奥に残ってる♡ もう少し刺激してみよ」
まだ味わい足りないようで、舌でくすぐり、俺を暴発させようとしていた。
「掃除だけでいいから。もう何されても出ない」
「そんなことないでしょ。うりゃっ!」
マキナは胸をまだ萎んでいる息子に勢いよく押し付け、乳首をカリ首に当てがった。フニフニとした感触とその絵面に熱が上がってしまうものの、それでも身体のだるさが勝った。
「今日はこれ以上勃たない」
「これでもダメ?」
マキナは自分の胸を絞ってミルクで息子を汚すと、そのまま谷間に挟み込んで圧迫した。
彼女のあざとい笑みも相まって、身体は徐々に元気を取り戻してしまった。
「あはは。やっぱり勃つじゃない」
「まんまと敗北しましたね。相変わらずおっぱいには弱いようで。……元気すぎる子には寝かしつけが必要なようです」
アルラも掃除をやめて俺から搾り取ることに意識を切り替えた。マキナと同じく自分の胸をぶつけるように挟み込んで、下から上へと動かす。
二人の谷間の間で俺の息子が腫れ上がり、鈴口がパクパクと開閉する。
「発射体制に入るのが早すぎます。早漏癖も矯正した方がいいかもしれません。練習ならいつでも付き合いますから」
「それアルラが搾取したいだけじゃ」
「嫌ですか? 私との特別特訓」
「い、嫌じゃないです。やりたいです」
「ふふっ。決まりです」
「ちょっと。なーに二人で勝手に決めてるのよ。私もやる!」
「マキナ様に見せられないようなこともするので、引っ込んでてください」
「余計興味あるわ! 授乳プレイやらアナル舐めやら散々やったのにこれ以上のことって何よ。絶対私も参加するから!」
二人がにらみ合ってやいのやいの言い合っている間に、俺は我慢の限界に達していた。
「二人とも、イくっ……!」
「どうぞ。おしっこでもなんでもそのまま出してください」
「ダブルおっぱいにびゅーっていつものマーキングして♡」
もう出ないと思っていたのに、身体のどこかにため込んでいた精液が二人を濡らした。噴水のように上がったそれに彼女たちは満足げに笑って俺の頭を撫でた。
「「よくできました」」
存分に甘やかされて身も心も温もりに包まれる。心地よすぎて走馬灯のようだった。
多分、俺は一生彼女たちから離れられない。この豪邸や作業場にも縛り付けられたままだろう。
桃源郷というにはいささか桃色成分が多すぎるが、愛や幸福、快楽に満ちた場所であることは間違いないのだ。この環境を表すなら、その表現が一番しっくりくる。
死ぬまでこんな生活がしたい。……いつか本当に刺されそうだけど、その時はその時だ。
頭を撫で返してあげると、アルラとマキナは声も上げずに眩しい笑顔を見せた。
……にしても。
「さて…………掃除しますか」
「ちゅうううううぅ……♡ もうちょい出ないかしら」
俺はいつになったら眠れるのやら。
本編はこれで終わりです。
まだ拾えていないヒロインがいるので、その子は番外編で掘り下げます。
ここまで読んでくださりありがとうございました。