※この作品はR-18です。

懺悔室は噎せ返るほど性の香りで満ちている~小動物系修道女のハメ請い挑発フェラオナニー~   作:紺真淡希

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1.木漏れ日の教会、日向の少女

 

 村外(むらはず)れにひっそりと(たたず)む教会は、村長でさえも先代、先々代と記憶を(さかのぼ)らねば建築時期がわからないほどずっと昔からそこにある。傍目(はため)にも古ぼけて感じるほど年季の入った建物は今現代の建築様式(けんちくようしき)とは差異(さい)、があり、そもそもにして主流とは異なる信仰を持つ宗派のそれ。そのせいかここ数年は村人の訪れも減り、それも手伝って(さび)れた雰囲気を(かも)しだしている。

 

 そこは、修道女がひとりで管理していた。

 

「おはようございます、シスターゼニア」

 

 ゼニア、と呼ばれた修道女が花壇(かだん)の手入れを続けながら声に振り向く。

 

 背後からは濃紺一色としか映らぬ出で立ちも、正面からは(おもむき)が変わる。

 

 美しいというより、愛らしい。

 一言で語れば、色情(しきじょう)よりも愛玩(あいがん)を抱かせる少女だった。

 

 修道頭巾(ウィンプル)越しに覗く金色の髪と、色白の肌が衣服の助けもあってか一際(ひときわ)際立(きわだ)ち、その中心、穏やかさを感じさせる碧色の瞳はくりくりと輝いて見える。目元は優しくも、目尻の泣きほくろが成熟すれば男を惑わす美女に育つだろうと納得させるだけの妖艶(ようえん)な魅力を宿し、それだけが辛うじて、彼女もこうして職務に当たるべき年頃だということを思い出させてくれる。

 神に仕える者の正装たる修道服は余裕をもった作りとなっており、胸元のささやかと言わざるを得ない膨らみも特に目を惹かない程度、なだらかな曲線を描くに(とど)まっている。腰より下、際立つほどに実った臀部(でんぶ)がはっきりと広がりを見せていることもあり、どうしてもそちらと比べてしまうも、ゼニアの年齢を踏まえれば順当(じゅんとう)な成熟だと、こちらに関しても今ではなく、未来(さき)を期待したほうが真っ当だ。

 

 その修道服は、いつも洗いたての香りがした。

 日の光に(さら)した残り香と石鹸(せっけん)の混ざった、どこか落ち着く(ほの)かな香り。

 

「おはようございます、ゲイルさん。今日もお越しくださるとは……熱心ですね」

 

 ゲイルと呼ばれた男は、一週間ほど前から村に滞在している冒険者だ。

 

 悪く言えば平凡、良く言えば堅実。

 鍛え上げられた屈強な身体と経験だけを武器に、人より少し多く働き、人より少し多くを稼ぎ、されど彼でしか行えぬといった特筆すべき戦果はなく、極々ありふれた熟練であり、ギルドでも十分に上澄みだと称されるB(クラス)の冒険者として、それに恥じぬだけの働きを続けている。

 

 ゲイルとゼニア、ふたりが並ぶとまるで大人と子供だった。

 人一倍大柄なゲイルと、平均よりもやや小柄なゼニアでは、体格差は頭一つ分を優に超える。

 

「ええ、まあ……それで、その……」

 

 それほどの大男であるゲイルが、その無骨な顔つきを強張(こわば)らせ、木漏れ日の加減か少し赤らんで見えた頬を、よりはっきりと、あからさまな朱色に染めながら視線を(めぐ)らせ、次に吐くべき言葉を(さぐ)る。

 

 さしたる間でこそなかったものの、その僅かな時で、ゼニアのほうが彼の意図を汲み取った。

 

「……今日も、ですか?」

「あ……え、ええ、懺悔(ざんげ)を、させてもらえれば、と」

(うけたまわ)りました、では懺悔室(ざんげしつ)にてお待ちください」

 

 ゼニアは(ほが)らかに微笑むと、花壇の手入れに意識を戻す。

 

 ゲイルに背を向け、花壇に向かうことでより際立つ臀部の(ふく)らみ。

 それを凝視し、ゲイルが生唾を飲み込むも、ゼニアはなんの反応も返さない。

 

 教会の居心地は、決して悪いものではない。

 隅々(すみずみ)まで管理が行き届き、建物の古さを(おぎな)ってあまりあるほど。

 なにより、愛らしいシスターが出迎えてくれるこの場所に女性ならまだしも、子供や男が寄りつかないのはあまりにも異質だ。

 

 村そのものが排他的で、生来(せいらい)の住民のみで寄り固まった集落であること。

 シスターゼニアが、村の外から来た余所者であること。

 教会のそれが、今となっては主流から外れた宗派であること。

 

 それら全てが重なった結果、この幼い少女は村人から露骨に避けられ、悪評を垂れ流されていた。

 

「ふふ、この子たちも、もうじき咲きそうです。とても、よい色に咲くのですよ? ゲイルさんにもご覧いただければよいのですが」

 

 ――シスターゼニアは色情狂で、ひたすらに男を(むさぼ)っている。

 そうした(うわさ)が村中に拡がり、性別を問わず寄りつかなくなってしまっただけ。

 

 ゲイル自身、噂を聞いて下心から訪れたひとりだった。

 ただ、実際に出会ったゼニアは、あまりにも……。

 

「…………」

 

 ゲイルは込み上げる欲望を誤魔化すよう首を振ると、懺悔室へと向かう。

 

 この教会を管理しているのは、彼女ひとり。

 どう取り(つくろ)ったところで懺悔室の先に現れるのは、それを聞くのは彼女であると(あきら)かだ。

 

 それでも、決してそうだと悟られぬよう、徹底する。

 如何(いか)なる時もこうして日常を続け、相手が姿を消してから移動する。

 ゼニアは、他者に見られている限り花壇の管理を止めはしない。

 

 それをゲイルも理解していた。

 

 

◇◆◇

 

 

 懺悔室は教会の地下にある。

 (わず)かに(かび)臭く、湿った廊下の丁度真ん中、東西どちらの階段を用いても等距離となる位置に簡素(かんそ)な扉がふたつ。

 

 片側の扉には達筆(たっぴつ)な文字で懺悔室と(しる)され、もう片側は実質(じっしつ)飾りだ。

 懺悔を受ける側はここではなく、聖堂から直で入ることができる抜け道を主に使用する。

 

 ――『扉から人が出入りしている』と思わせる必要があるも、実際に出入りするところを見られてはならない。

 

 余程(よほど)幼子(おさなご)でない限り、懺悔を受けるのは教会の者だと理解している。

 その上でなお、実状を見られてはならない、個人を特定されてはならない。

 それ故に生み出された慣習(かんしゅう)だ。

 

 ゲイルは慣れた手つきで、懺悔室と書かれた扉に手をかけた。

 

 古ぼけた扉は、どうしても開く際に音を(こぼ)す。

 ギィ、と泣いたそれを背後にひとたび扉を(また)ぐと、雰囲気も臭いも一変する。

 

 それは、露骨なほどに人の(いとな)みが放つもの。

 

 古い建物の香りも、黴臭(かびくさ)いそれも、何もかもを上塗りする(めす)の臭い。

 体液が、その名残が、どれだけ掃除しても落ちきらぬほどこびり付いたそれが(かも)しだす、ともすれば悪臭とも言えるそれ。

 

 その発生源は、こちら側ではなくあちら側。

 

 薄暗く、狭い懺悔室の中心。

 後付で設置されたであろう、部屋を二分する木製の仕切り。

 その中心に位置する、あちらとこちらを繋ぐ唯一の箇所(かしょ)、丸い木枠と、その内側を黒網で埋めた格子窓。

 

 その手前、簡素な椅子に腰を下ろし、ゲイルは対面が現れるのをただ、待つ。

 (はや)る気持ちを抑えようと自ずと手を組み……その様は、期せずして祈りに近い姿勢となった。

 

 そうしてしばらく。

 

 仕切りの向こうに人の気配を感じ、直後に、居ずまいを正す衣擦(きぬず)れの音。

 (ほの)かに香る、太陽と石鹸の混ざるそれ。

 

 この教会には、シスターがひとりだけ。

 誰がいるか(さっ)することができないよう諸々(もろもろ)(ほどこ)されてこそいるも、改めて考えるまでもなく、当然、この仕切りの向こうには彼女がいる。

 

「神の前で、全てを告白するのです」

 

 ゲイルにとってはもはや聞き慣れた声が、彼に懺悔を(うなが)した。

 ゲイルは椅子に座り直し、祈るよう(かが)みながら……。

 

「……俺はまた、シスターを犯してしまいました」

 

 そう、告げた。

 




前振り回でした。
明日投稿予定の2話~4話まではいやらしく仕上がっているかと思われます。
ここすきとかここすきとか、あとここすきなどのご用意をしてお待ちいただけましたなら幸いです。
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