※この作品はR-18です。

クラスのダウナーJKと同人AV作り。お金のためと言いつつ子作り交尾を求める姿がエロすぎるんだが   作:どまだれ

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37.波乱の予兆

 

 

 

 

 夏休みが明け、我が校では体育祭の練習が盛んである。授業は言わずもがな、放課後まで時間を奪われるのが心底めんどい。

 そこそこ運動ができる俺は選抜された種目も多いのだ。当然拘束時間も長い。誰かこの地獄の祭典を希望者制にしてくれマジで。

 

 そんな感じで学校生活を送り、ついに迎えた体育祭当日。晴れ晴れとした青空の下、耳をつんざくような大歓声が各組のテントから響き渡っていた。

 

「うぉぉぉぉ~~~ッッ!!!」

「いいぞ~~ッッ!!」

「頑張って~~~っっ!!」

 

 現在は午前の部まっただ中。いつメン四人で固まり、一年男子の綱引きを応援中。俺らの陣営は黄組で、目下最下位街道を爆走中だ。

 

 俺はそこまで一位への執着は無いが、真横で声を張り上げる剛と皆川さんは全力で勝ちに来ている。この精神性が欲しかったとつくづく思う。

 惜しくも黄組が敗れると、剛が惜しみない拍手を送りながらクソデカボイスで言ってくる。

 

「いや~これやべぇな! 俺たちで巻き返すしかねぇぞ雄助ッ!」

「もうすぐリレーだよな。マジめんどくせぇ~……」

「おいもっとやる気出せって! 一緒に栄冠を手にすんぞッ!!」

「そうだよ田西くん! ほらりっちゃんももっと元気出してっ!」

「あーはいはい。頑張りやす」

「……うん」

 

 律は完全にこちら側の人間だな。もう全身からダルいですオーラが出てて笑う。

 

「んじゃ雄助! そろそろ俺らも行くかッ!」

「だな。ふたりとも行ってくるよ」

「がんばってね! りっちゃんと応援してるから!」

「頑張って」

 

 次の次が組対抗リレー。各組がそれぞれ二チームずつ編成し、計八チームで戦うというもの。

 バックレたいほどダルいが、律にいい所を見せたいという気持ちもある。母も応援に来ていることだ。まぁ選出された以上全力を尽くすとしよう。

 

 一年女子の棒引きが終わり、いよいよリレーが始まる。

 

「雄助、べつにビリで来てもいいぞ。俺が全員抜いてやっからよ」

「ふ、言ってろ。ぜってぇ一位でバトン渡してやる。つか剛こそコケんじゃねぇぞ? あれは確か小学生のころ……」

「それは言わないでくれ! あぁ~思い出したら恥ずかしくなってきた……」 

 

 味方を応援しつつ、緊張を誤魔化すように軽口を叩き合う。そうこうしているうちに順番がやってきた。

 俺は最後からひとつ手前。剛がアンカーだ。我がチームは現在真ん中あたり。悪くない順位である。このまま繋げば運動神経の鬼である剛がなんとかしてくれるはず。

 

 トラックに立ち待機していると、ふと真横の男子と目が合う。ニヤリと笑みを浮かべてきた。いい勝負にしよう的なアレか? 少年漫画かよコイツは。

 肌の焼け具合的におそらく運動部であろう。陸上部であれば正直分が悪い。しかし俺も短距離走なら得意なのだ。負ける気は一切ねぇ。その想いを込めて笑い返す。

 

 俺と横のそいつに対し、ほぼ同時にバトンが渡される。一斉に猛ダッシュをかけ、200m先にいる剛を目指す。

 

 グングン加速し、四位を抜いて三位に浮上。すでにトップスピードだが、少年漫画男はぴったり俺の真横につけてくる。徐々に徐々に追い抜かし、ついには体ひとつ分前に出やがった。いやマジ早ぇわコイツ。

 

 剛までの距離は残り1/4ほど。一位から四位まではほぼ団子状態。

 わずかだけ前に出た少年漫画男だが、俺と一定の距離を維持したまま先に行こうとしない。何かを窺うようにチラ見してくる始末。

 

 なんとなく違和感を覚えはじめた瞬間、ふいに少年漫画男が足をもつれさせたのだ。そのままバランスを崩し、ジャストタイミングで俺の体に激突してきた。肘が俺の脇腹にクリティカルヒットする。

 

「ぐぉっ……!」

 

 ふたり仲良く転倒する俺たち。聞こえてくるのは外野たちの悲鳴と放送部の実況。

 不幸中の幸いだが受け身を取ることに成功。被害は最小限に済んだ。受け身を教えてくれた千崎さんには大感謝だ。

 

 すぐに体勢を立て直し、馬鹿デケぇ声を張り上げる剛のほうに駆けだす。なんとか剛にバトンを繋ぎ、トラックの内側から剛を応援する。

 結果として、俺らのチームは三位であった。俺のせいで一時は最下位まで落ちたのだ。これも剛のおかげである。マジ頭が上がらねぇ。

 

 剛と共にテントへ戻り、出迎えてくれた面々に頭を下げる。

 

「ごめんみんな、やらかした」

「気にしないで! 田西くんは巻き込まれただけだししょうがないよ!」

 

 皆川さんを筆頭に多くのクラスメイトたちが励ましてくれる。涙腺を緩ませかけていると、律が静かに寄ってくる。

 

「律、恥ずかしいとこ見せちまったな」

「ううん、カッコよかったよ。それより怪我はない?」

「まぁなんとか」

「そっか。……にしてもぶつかってきたやつ許せない。絶対わざとでしょ」

「まぁまぁ。さすがにわざとってことはねぇと思うけど……」

 

 プンプンしている律を宥める俺だが、違和感が鎌首をもたげているのも事実。今にして思えば綿密に計算された動きだった気がしなくもない。

 

 とはいえ少年漫画男のチームは最下位であった。自チームの点数を下げてまで妨害する意味が分からない。きっと思い過ごしだろう。まぁ謝罪もなく姿を消しやがったのはクソの極みだが。

 

「俺は無事だったし考えるのはもうやめようぜ」

「……ん。じゃあそろそろ出番だし行ってくるね」

「おう、頑張って」

「うんっ」

 

 テンション全開の皆川さんに引きずられて待機場所に向かった律。律たち二年女子が次に行う競技は借り物競争である。

 去年はかなりの盛り上がりを見せたこのプログラム。大多数のお題は無難なものだが、ごく一部だけキワモノのお題が紛れているのだ。漫画などでよく見るアレである。

 

 タチが悪いのは、キワモノを引いた人は放送部にインタビューされるという点。

 通常のお題は白い紙だが、キワモノはピンク色であるため周りからも一目瞭然。律は白い紙来い……!と祈っていることだろう。

 

 プログラムは進み、お待ちかねの借り物競争が開始される。今回のキワモノは合計で三枚らしい。

 

 まずはくじを引き、合図と共にお題を確認。そこから目当てのモノ、ないしは人を探し回るという流れだ。白を引いた女子は見るからに安堵。さながらタイの徴兵制度である。

 十組くらいが終えたころ、ついに一人目の犠牲者が現れる。可哀想なくらい悲痛な面持ちだ。

 

 皆の注目を受けるなか、当の女子生徒は一人の男子生徒を捕まえてくる。お互い顔が真っ赤。青春すぎて目が焼けそう。

 気になるお題は『一番カッコいいと思う人』だそうだ。女子生徒はサッカー部のマネージャーらしく、部員の中から適当に選んだと言い訳しまくりであった。

 

 二人目の犠牲者は超絶ギャル女子。一人目とは正反対に満面の笑みだ。迷いなく一人の男子を捕まえ「アタシの彼氏で~す!」と声高らかに紹介。

 保護者席から「なに~ッ!!?」と聞こえてきたが、おそらくギャル女子の父親だろう。グラウンド全体が爆笑の渦に包まれていた。ちなみにお題は『将来いい旦那さんになりそうな人』だそう。

 

 その後しばらく犠牲者無しで進行し、ついに律の番が訪れた。残すピンクは一枚。息を吞んでくじ引きを見守る。

 箱から取り出したのはピンクの紙。いやどんな確率だよ!? 思わず「マジかよっ……!」と口走ってしまう。周囲の男子たちもクッソざわめいている。

 

 中身を確認した律は、心底気だるげにため息をついてから動きだす。膨大な数の視線を歯牙にもかけず、いつもどおりの歩調で俺らのテントに近づいてくる。

 

「うぉ、甘枝さんこっち来るぞっ……!」

「ぜったい俺だ!」

「もしかして僕っ……?」

「いや俺ッ!」

 

 にわかに色めき立つ黄組の男子たち。律はそれを無視しつつテント前で立ち止まり、中をキョロキョロ見回しはじめた。

 すぐにテント後方に立つ俺と目が合い、ジッと無言の圧力をかけてくる。頬は朱に染まり、若干上目遣い気味だ。横にいる剛が肩に手を載せてきた。

 

「おい雄助、こっち見てんぞ」

「……だな」

 

 見つめ合ったまま微動だにしない膠着状態。さすがに何を求められているかは分かる。俺の前方にいる男子たちは「俺!? マジで俺!?」と絶賛大興奮中である。

 行くしかないか……と、半ば諦観染みた心境になり覚悟を決める。そして一歩踏み出した瞬間、律が目を逸らしてどこかへ走り去ってしまった。呆然と立ち尽くす俺。

 

「え、甘枝さんどっか行ったが」

「……だな」

 

 ややあって律が再び姿を現す。横には妹である奏を伴っており、二人揃ってゴールを決めた。

 当然インタビューを受ける律だが、一切喋らず放送部をガン無視。代わりに奏がマイクを持って話しはじめる。

 

「どもっ、妹です! お姉ちゃんすっごい恥ずかしがりだから許してあげて!」

「ややっ!? これは妹さんでしたかァ! では妹さん、ズバリお題は!?」

「えーっとこれです!」

 

 ピンクの紙を提示する奏。お題は『一番大切な人』だったらしい。まぁ奏が相手なら負けるのもしょうがない。

 誇らしげに胸を張っている奏は遠目にも可愛い。付近の男子たちも美少女姉妹に大興奮である。

 

 大手を振る奏に引っ張られ退場していった律。間もなくして借り物競争は閉幕し、午前のプログラムすべてが終了。

 リレーでの出来事に若干の不穏さを覚えつつ昼休憩に向かった。

 

 

 

 

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