バスに乗ること5分ほどで商店街に着く。
商店街の中央には、かつてデパートだった大きな建物がある。
そこが、ガンプラバトル大会の会場だ。
受付で参加手続きを済ませ、控室に移動する。
姉ちゃんは高校生なので、高校生の部の控室に…
僕は中学生なので、中学生の部の控室に行かなければならない。
「姉ちゃん、がんばってね!!」
「ゆうくんも☆」
と、姉ちゃんと別れ、僕は中学生の部の控室に向かった―。
◇
控室内には、男子7人、女子3人がいた。
みんな、離れた場所に座っていて、談笑している者はいなかった。
そりゃそうだ。
ここにいる者、みんな敵なんだから…。
3人の女子の内の1人が、僕と同じ中学に通っていて、なおかつ、ガンプラバトル部の部員の
だった。
じつは…
野崎さんを誘ったのは僕だ。
なぜ誘ったかって?
それは…
野崎さんのことが好き
だからだ…。
なお、他の部員達は、商店街の大会には興味が無かったため、中学のガンプラバトル部の部員で、この大会に参加しているのは、僕と野崎さんだけだった。
野崎さんは、控室の端で、興味無さそうに座っていた…。
じつは野崎さんも、この大会には興味が無かったらしい。
そんな彼女を無理矢理参加させてしまったことを謝ろうと思ったが…
控室内の雰囲気が、それを許さなかった…。
その後、男子3人、女子2人が入ってきて…
中学生の部の参加者全員が集合した。
参加者全員がそろった数分後…
「午前10時より、開会式が始まります。」
とスタッフに呼ばれ、僕達は控室を出て、開会式会場に向かう―。
◇
午前10時―。
開会式が始まった。
大会は
小学生の部
中学生の部
高校生の部
大学・一般の部
の4つの部に分かれて行われる。
各部の参加者は16人。
16人の参加者が4人づつ4つのグループに分かれてバトルロイヤルを行い、各グループを勝ち残った4人で決勝バトルロイヤルを行い、勝ち残った者が優勝というわけだ―。
午前10時30分―。
小学生の部が始まった。
僕は小学生の試合に興味が無かったので見るつもりは無かったが、野崎さんがBグループの試合を見ていたので、一緒に観戦した。
「知り合いでもいるの?」
と訊くと
「近所の子が出てるの。
あのZガンダム。」
と野崎さんが、全身が青く塗られたZガンダムを指差す。
野崎さんの知り合いの子が操作している青いZガンダムは、全身を銀色に塗ったベギルベウと戦っていた。
しかし、Zガンダムはベギルベウに押されていた。
シールドを弾き飛ばされ、防御手段が無くなったZガンダムは、ベギルベウが両手に持つベイオネットソードによる連続攻撃をくらっていた。
このまま、ベギルベウが勝利するかと思われたが、そこにガンダムバルバトスルプスが乱入してきた。
Zガンダムはハイパーメガランチャーで、ベギルベウとガンダムバルバトスルプスをまとめて撃ち抜いた。
敗北するかと思われた、野崎さんの知り合いの子の青いZガンダムは、まさかの大逆転勝利で決勝バトルロイヤルへの進出を決めたのだった―。
知り合いの勝利を喜ぶ野崎さんの笑顔が…
とても素敵だった―。
◇
午前11時15分―。
中学生の部の試合の開始時間となった。
「えっ?
野崎さん…!?」
と、驚く僕。
野崎さんが、僕と同じCグループだったのだ。
「よろしくね、澤村君。」
と言う野崎さん。
「う…うん…。」
と答えて、僕はコクピットルームに入っていった…。
◇
『GUN-PLA Battel, Stand up.』
システムが起動し始めた。
『Please set your GP base.』
GPベースを、スロットにセットする。
『Please set your GUN-PLA.』
ガンプラを、カタパルトデッキにセットする。
コクピットルーム内に、ホログラフィーで再現された球体操縦桿と正面と左右のカメラモニターや、残弾数や各部のダメージ表示を示すメモリなどが映るモニターが現れる。
球体操縦桿を握り、そして―
『Battel start!!』
バトルスタートの合図が鳴り響く―!!
「澤村 貴之ッ!!
ウイングガンダムゼロックス、行きますッ!!」
と叫んで、僕は愛機のウイングガンダムゼロックスを発進させた―。
◇
僕の
HGBFウイングガンダムゼロ炎のバックパックに、メテオホッパーのバインダーを装備した
性能よりも見た目を重視したため、ベースキットよりも性能が落ちてしまっている。
例えば、
また、ウイングシールド炎も形状の都合で肩に干渉するため、上半分を無くしている。
それにともない、シールド中央部に装備されていた炎クリスタルも無くなっている。
さらに、ウイングガンダムゼロ炎の特殊機能【ハイパー炎システム】も、使いこなせる自身が無いから無くしている。
ハイパー炎システムを無くしたため、必殺技である『天地雷鳴 真・炎王斬刃』も使えない。
使いにくいウイングガンダムゼロ炎を使いやすくした…と言えば聞こえはいいが、実際には
ウイングガンダムゼロ炎のアイデンティティを全否定
したような
それでも、自分が作ったガンプラを使いこなせないようなヘボガンプラファイターよりかはマシだ―。
僕の対戦相手だが
野崎さんのグエル専用ディランザ
イージスガンダムの改造機
ザクキャノンの改造機
だった。
イージスガンダムの改造機は、ザクキャノンの改造機と戦っている。
つまり、僕は野崎さんと戦うことになる…。
好きな娘と戦うのって、イヤだなぁ…。
だが、そんなことも言っていられない。
現に、野崎さんのディランザがビームライフルを撃ちながら、僕のウイングガンダムゼロックスに向かって来ているのだ―!!
「くそ…ッ!!」
と、ツインバスターライフルを撃つ、僕のウイングガンダムゼロックス。
しかし、野崎さんのディランザはなんなく回避し、ビームライフルで反撃してくる。
とりあえず、僕は野崎さんからの攻撃を回避しつつ、イージスガンダムの改造機とザクキャノンの改造機の動きも注視する。
ドサクサにまぎれて、ツインバスターライフルでイージスガンダムの改造機とザクキャノンの改造機を撃墜する腹づもりだった。
だけど、なかなか、イージスガンダムの改造機とザクキャノンの改造機が、ツインバスターライフルの射線に入らない。
やがて、ちょうど野崎さんのディランザとザクキャノンの改造機がツインバスターライフルの射線に入った。
「そこだッ!!」
と、ツインバスターライフルを撃つ、僕のウイングガンダムゼロックス。
野崎さんのディランザは、僕のウイングガンダムゼロックスの攻撃を回避したが…
狙い通り、ツインバスターライフルのビームはザクキャノンの改造機に直撃した!!
ザクキャノンの改造機は両膝をつき、うつ伏せに倒れて爆発し、動かなくなった。
正面モニターには赤文字で『敵撃墜』と表示された。
これで、僕の敵は野崎さんのディランザとイージスガンダムの改造機の2機となった―。