「タツミの事で良いニュースと悪いニュースがあるけど、どっちから聞きたい?」
そうおどけて語るレオーネはある廃屋に、政務で多忙なナジェンダを除くメンバー全員を集めた。
「もったいつけるんじゃないわよ!大体タツミ見つけたんでしょ?なんであいついないのよ?」
「なに?つまり、結局見つからず、探す資金尽きてお金貸して~~って、オチじゃ無いよね?ダメだよ、アカメちゃん、お金貸しちゃ?」
「・・・そういえば、半年前に貸したの、まだ戻ってきてない・・・」
「ぐふっ・・・、このまま忘れ去られると思ってたのに・・・、アカメ?あたし達親友だよな?」
マイン、チェルシー、アカメにやいのやいの言われる中、イタイ所を突かれたレオーネは吐血した。
「それで・・・姐さん?タツミの事で悪いニュースってのはなんだ?」
彼女達をほおっておくと話が脱線して長くなるので、ラバックが先を促した。
「いやぁ~タツミな、実はあいつ、とんでもない奴だったんだよ?」
「何よ?あいつが変わってんのは初めっから判ってるけど、とんでもないってどういう事よ?」
マインも少なからずイライラしていた。
「うん、アカメ・・・お前が初めてタツミと会った時有っただろう?」
「あの時か・・・、標的・・・確かアリアを始末しようとした時、タツミが間に入ったな・・・勿論、忘れてはいない・・・もし、あの時、斬ってたら・・・逆に私がどうなっていたか判らない・・・そんな恐れがあったな・・・」
「へぇ~・・・アカメちゃんにそこまで言わせるなんてね~、といってもタツミの事だから今更驚かないけど・・・その件って、あたしがここに来る前だよね~」
アカメの感想にチェルシーも驚き、マインも驚いたが・・・
「アカメ・・・、ま、確かにあいつ初めはあたし達騙して腕を隠してたみたいだけど~、でもこのあたしには初めっからお見通しよ、あたしもあいつの騙しに乗っかってやってたんだから!」
ドヤッと得意げに言うマインに対し、
「んも~、マインったら~、嘘つくのは胸だけにしといた方が良いよ?」
ニコニコ語るチェルシーに怒号が飛ぶ。
「あ~、とにかく、あの時アカメがタツミを斬らなくて正解だったんだよ。アカメの感覚は正しかった・・・もし、斬ってたら・・・斬ろうとしてたら、タツミが言うにはあたし達、全員皆殺しだったんだってさ・・・」
「「!!??」」
「はっ!?あいつ、大きく出やがったな」
ラバックが毒付くに対し、他メンバーも
「私達全員か・・・」
「・・・、なにあいつ・・・、そんな物騒な事考えてたの・・・?ま、まぁ、そういった事も見越してあたしは、あいつが使えると思ったから仲間入りを許可したんだけど?」
「・・・物騒ねぇ~、あたし達が言えた義理も無いとは思うけど・・・、でも全員・・・とはね~」
「あながち見栄っ張りとも言えないだろう?あいつの実力考えたら・・・」
皆もエスデス1人に全員でも手を焼くのに対し、それを彼単体でも彼女を制してしま
うのであれば、確かに・・・全くのウソでは無いと改めて自覚する。
「更におまけで悪い話をいうとな?タツミはあたし達だけじゃなく、腹いせ・・・じゃなくて、失望だったっけ?」
レオーネも記憶が曖昧なので、
「いや、あんたが聞いたんでしょ!思い出しなさいよ!」
「う、ああ、うん、そうそう、アカメに斬られてたら、あたし達全員始末するに飽きたらず、この国や他の国も皆殺しって言ってなぁ~。ああ~怖い、そんな事されたら、もう二日酔いにもなれないじゃん?ねぇ?」
二日酔い!?なんなくて良いのよ、そんなもの!!と普段ならツッこむマインも、
「・・・・・・・・」
聞いた一同は一瞬呆然となり、
「・・・ど、どういう意味かな、・・・それ・・・何か別の意味があるとか?」
「さぁね・・・、言葉通りの意味じゃん?初めあたしが聞いた時も、何を言ってんだタツミ?って思ったけどさ・・・あいつ、この国だって壊滅しかねなかったあの皇帝が使ったでっかい帝具も圧してたしさー、その気になれば・・・出来たんだろうな~・・・あいつなら・・・」
「何よそれ・・・、あいつ、じゃ、オネストやエスデスやあの狂って暴走したカライなんかよりもよっぽど酷いじゃない?」
「・・・私達はそんな事を考えてた・・・そんな事を考えてた、恐ろしい男とずっと一緒に居たのか・・・?あの時、もし私が恐怖を抑えてタツミを斬っていたら・・・、・・・しかし何故だ?何故タツミがそんな事を?」
「あいつ確かこんな感じで言ってたな・・・、お前達は虫を殺すのに、そんなに気にするかって・・・」
「あ?あたし達を虫と一緒にすんじゃないわよ!・・・、・・・」
マインは人を殺すのに慣れた自分に、そんな資格が有るか・・・非難するのを躊躇し初めた。ただ、
「けど・・・あたしはそんな無差別に殺そうなんて思わないわよ!」
それは他メンバーも同じであり・・・その中で今まで黙っていたスサノオが発言し
た。
「俺もタツミの考えが判る訳ではないが・・・、最近、帝具としての自分が終わり、人間・・・で良いのか?とりあえず帝具では無くなった俺が言うのもなんだが・・・お前達は中々争いが・・・闘う事が好きなのだな」
「ん?・・・どういう意味だ、スーさん?」
ラバックが怪訝そうに聞くに対し、
「俺が帝具だった時はとりあえずマスターの指示に従うのみで、必要以上に考える事をやめていた・・・いや、それすらも思いつかなかった。・・・その枷が無くなった今、俺もこの1000年・・・眠っていた時期もあるからな、正確な年数ではないが・・・今までを振り返り思い起こし感じた事は・・・歴史では葬りさられもしたが、帝都千年といえど内乱は何度か有った・・・俺もその時、当時のマスターに駆り出され暴動を鎮圧もした・・・だが、ひょっとしたらその時の相手は今のお前達のような人間だったかもしれない・・・」
彼らもスサノオの話に黙って耳を傾ける。チェルシーはそれに対し、
「う~ん・・・えっと、スーさんはあたし達に対して、人間そのものに対してタツミは呆れてたって事を言いたいの?」
「・・・確かタツミはあの時、アリアに拾われた・・・だがあいつは・・・そういえばボスが話してたな・・・また頭痛の種が出来た・・・何故標的が生きてるんだ!と・・・あとでボスに怒られそうになった・・・、ぶるぶる(震え)、革命成功でうやむやになって良かったが・・・タツミ、内緒にするって言っていたのに・・・恨むぞ!・・・すまん、つまり私が言いたかったのは、タツミはあのアリアだけでなく、私達人間にも失望していたが、私が斬れずに居た事で、気紛れでも起きた・・・?だから、アリアを更生出来るか試したり、私達にも試して・・・気が変わったと言う事か・・・?」
「ああ・・・じゃあなに?あたし達試すなんてエラそーだけど、タツミの奴、良い奴に変わったって事?まぁあたしが居るから人間見る目変わるのは当然よね~」
「うん、マインうるさいから黙っててね♪」
「おいおい、ちょっと待ってくれよ?あいつだって俺達と同じ人間だろう?それとも何か、あいつ本当は人型危険種か何かか?まさか・・・あいつ自身が帝具じゃないだろうな?」
「・・・う~ん、その辺りはあたしもさっぱりだが・・・でもタツミ全部の帝具壊すって言ってたのに、エスデスの帝具だけ残したのなんでだと思う?・・・あ!?そんな事よりもあたし1人で帝具も無しにエスデスの奴と渡りあったんだぞ!・・・危うく死ぬ所であぶなかったー・・・あたし凄いだろ!もっと褒めてくれてもいいんだぞ!・・・と言う訳で、さっきの借金帳消しな!」
「レオーネ・・・大変だったと思うが、それとこれとは話が別だ・・・」
「ぐはっ・・・、アカメ・・・最近あたしに冷たくない?」
「・・・1年前の絶対返すと言った金も返ってきてない・・・」
「・・・うう、アカメの言葉が村雨並みに痛い・・・そうだ、大体マインお前だっ
て、一緒に来てくれても良かっただろ!」
レオーネもヤケ気味に彼女の心を判った上で怒った。
「え?あたし・・・それはもしタツミが・・・そ、そうじゃなくてあたしだって色々忙しかったのよ!!そ、それよりもちょっと待ちなさいよ!!あいつ全部の帝具出せって言っといて、なんであんな奴の帝具だけ残すのよ!!ふざけんじゃないわよ!?最も危険な奴の帝具だけのこしてどーすんのよ!!」
「・・・ふ~ん・・・タツミ、全然怖くないあたしの帝具も壊したのに、それって、えこひいきだよね?もー、タツミったら、後でオシオキが必要だね♪」
「・・・怖いぞチェルシ―・・・」
アカメが震えだすが、
「あいつ・・・嘘ついたり、本当謎な事するよな?なんでエスデスのだけ・・・あ、判った・・・確かデモンズエキスがそいつと一緒になってるから、引き剥がせなかったからか?」
「ちょっとラバ?スーさんを人間に変えれたんだから、タツミの奴ならなんか方法でもあったんじゃない?」
「或いは・・・出来なかったんじゃ無く、したくなかったと考えられるか?」
「何アカメ?それもっと性質悪いじゃない?あいつに帝具持たしといて、良い事何てある訳ないじゃない?」
マインとアカメが、あーだこーだと思案する中、答えをレオーネが示す。
「そーいえば、あたしがタツミ探してて、その途中のある村でなんかでっかい氷溶かして、飲み水代わりにしたり、珍しい氷像があったなぁ・・・あの時はこんな乾燥した所で珍しいなー、って思ってたんだけどさー、・・・」
皆が一瞬黙って何も言わない中、気にせずスサノオが
「成程・・・、エスデスの帝具を使った可能性が高い訳だな・・・」
「っ・・・、あいつがそんな事を・・・?なにそれ?らしくないわね~んじゃなに?ひょっとしてタツミがエスデスに命令して、困った人に渡したり、仕事にしてやってる可能性があるって訳?」
「う~ん・・・、皆殺しにするとか言ったり、人助けみたいな事したり・・・?」
「さっきのスーさんの話だが、私達人間が・・・今までもこれからも争いが無くならない、無くす気が無い・・・と思ったからタツミは皆を殺そうと考えた・・・という訳か?・・・しかし、気紛れか?・・・私達は殺されなかった?それに私もタツミから手ほどきを受けている・・・殺そうと思う相手にそんな事をするか?」
「エスデスみたいに、手強くなる方が面白いから、敢えて教えたって考え方もあるぜ」
「タツミねぇ・・・言われてみれば何度かあたしも場合によっちゃ斬るとか、脅されたな~」
「・・・このような事をお前達に言うのもなんだが・・・人間達は懲りずに、また千年後、今回のような革命を起こすような・・・腐敗を招くかもしれんな・・・」
スサノオの正論にマインも溜息をつき、
「もぉ・・・いいわ、とりあえず、エスデスがまだ帝具を持ってる事は判ったわ、それでタツミは?あいつは帝具まだ隠し持ってたの?」
「そうだ、レオーネ?エスデスと出くわしたんだ・・・タツミは傍に居たのか?」
「そうそう、衝撃な発言でうっかりしてたけど、あのストーカー、タツミ追っかけてった可能性あるよね?・・・最近大人しいと思ったら・・・でもまぁきっと、「お前帰れ!!」ってタツミにボコボコにされて追い返されるよね♪」
「ん・・・ん~・・・そ、そう・・・」
「ん?なに、歯切れ悪いわね?まだ聞いて無かったけど、タツミの良いニュースって何よ?」
「え、えっとね~・・・タツミさぁ~し、死んじゃった!」
エスデスが1人家屋の破損を修繕している中、そこに1人の男が訪ねて来た。