レオーネはタツミの死をさらっと軽くメンバーに語ったら・・・、
「な~んだタツミ死んだんだね~」
「全くドジよね~あいつ~」
「・・・タツミは私のように毎朝肉を食べなかったからな・・・仕方が無いな・・・」
「そうなんだよ~仕方ないよな~あははは」
「・・・・・・」
それぞれ女性陣は笑い飛ばし、ラバックとスサノオが呆れている中、
「んも~レオーネ、今のは最近聞いた中で一番面白かったギャグだったね?でも、冗談は顔と胸だけにしてね~~♪それでタツミは何処に居るの?」
「そうよ、あんた?話の前座はもう済んだんだから、タツミ早く出しなさいよ?」
「タツミはコアが無い帝具と言われているからな・・・」
「え?それ初耳なんだけど?なにつまり、不死身って言いたいの?」
「ダメねアカメ~捻り過ぎよ~」
レオーネは引き続き笑っているのに対し、
「いや~あたしの胸は純度100%でしかも、エスデスよりもあるんだけどね~ってラバが言ってました~」
「・・・変態」
「ラバ、もうあんたあたしを見るんじゃないわよ」
「・・・・・・」
二人は汚物を見るような目でラバックを見下し、アカメは心なしか胸を隠すように抑える。
「うぉい!姐さん、今はそんな話どーでもいいだろうー!!・・・ふ、二人ともそ、そんな目で見ないでくれよ・・・ちょ、ちょっと興奮するだろ?」
そしてさらに二人をドン引かせる。
「・・・人間とは難しく、業の深い生き物だな・・・」
スサノオは素直な感想を述べた。
「ま、と・に・か・く~タツミは死んだんだってば~ギャグじゃ無く~現実受け止めてくれよな~」
「成程ね~う~ん~そうなんだ・・・」
チェルシーがニコニコ笑いながら、、レオーネに近付き、
「成程ね~あいつ死んだの~じゃあしょうがないわよね~」
マインも近づいて・・・
「!?ふ、ふたりとも!!」
アカメが驚くのも束の間、
チェルシーはレオーネの首の頸動脈に仕掛け針を当て、片方からはマインが女性用の小銃を当てている。
「ねぇ・・・レオーネ?冗談でも言って良い事と悪い事が有るよ・・・」
「あいつが死んだ?あんたの与太話は酔ってる時にしてくれる?」
ラバックとスサノオが二人と止めようと、動こうとするのをレオーネは目でそれを制する。
「ラバック何故止まる!?」
「スーさん・・・とりあえず、姐さんに任せよう」
「さぁレオーネ?何でタツミが死んだの?まさか・・・タツミを死んだ事にしたと
か、言わないよね?大体何でそんな話を軽く言うの?」
「・・・だから、タツミは下手したらあたし達の敵に廻って帝国民も酷いことになってたかもしれないんだ!結果として協力関係で助かったけど、あたし達が全滅してた事もありえるの、そう考えれば危険な奴が居なくなって良かったじゃん?」
「・・・あんた、まさか本気で言ってるのそれ?」
マインの持つ銃の引き金に力が入る。
「そんな事はどうだって良い!!」
チェルシーがかつてないほど怒り激昂する。
「タツミが、あの人が、どう思ってたって関係無い!どっちにしたってあたしはあの人に助けられた、さぁ教えて!?彼は本当に死んだの!?その証拠は!?」
レオーネも突きつけられながら、
「何?あたしの言う事が信じられないの?お茶らけて言ったのは悪かったよ・・・、だけどさ、タツミは本当に死んだ・・・あたしはこの目で氷漬けでその中で眠っているタツミを見たんだ・・・」
マインは銃口を降ろし
「氷漬け?タツミが?あいつがそんなドジ踏む訳ないじゃない?なにそれ、エスデスにまさか殺されたのあいつ?」
その目には復讐の炎がありありと浮かび、
「仇討ち?良いよ、死んでもあいつを殺す・・・」
チェルシーもその針をレオーネから逸らすが、先端を指でなぞる。
「落ち着きなって・・・、あんたら二人で帝具持ったエスデスに敵うと思ってるのかよ?大体、タツミを殺したのはエスデスの線は薄い。どうやらあいつを仇って狙った奴が居たそうだ、それでタツミはエスデス庇って死んだ・・・そんな所だろ?」
それまで緊張しながら様子を見ていたアカメも、二人がレオーネへの怒りを抑えたので安堵したものの、今度は
「待ってくれレオーネ、じゃあタツミは・・・あのタツミが例え庇ったとはいえ、誰かの手によって殺されたのか・・・くっ・・・一体何者だそいつは・・・」
アカメもそんな馬鹿なと言う思いが渦巻き、にわかに信じられなかった。
それにラバックが補足した。
「・・・確かに言えるなそいつは・・・あいつ叩ッ殺したって死にそうにないからな・・・あいつを殺るなんざ相当な奴だぜ?そんな奴が居りゃ、それこそ俺達にとっても脅威になるんじゃねぇのか?」
「それは大丈夫だと思うぞ?さっきも言った通りだ。エスデスを狙った奴らしいからな、そんな悪い奴じゃないと思う。・・・それと、これはあたしの勘だが、・・・タツミはたぶん、・・・わざと死んだんだと・・・あたしは思う・・・」
「・・・いい加減にしなさいよ?・・・何言ってんのよ?タツミがわざと死ぬ理由なんて何処にあんのよ?」
マインが再び怒りのこもった目でレオーネを見るが、
「ラバの言う通り、タツミ殺せる奴なんてあたしが知りたいくらいさ・・・、けど、もしあたしがタツミだったら、皆に何も言わずに黙って死ぬ場所見つけて1人で死んでいくさ・・・」
アカメはそれを聞き、驚愕するが敢えて何も言わなかった。
「・・・タツミがあたし達に何も言わずに黙ってアジトからいなくなったのは死ぬつもりだったって事・・・?」
「馬鹿じゃないあいつ?せっかく革命終わってこれからって時になんであいつが死ななきゃならないのよ?」
マインは暴言とは裏腹に酷く悲しい顔をした。
「タツミは今までに、関係無い奴を殺した事もあったって言ってたからさ・・・それかねぇ」
「・・・皆殺しにしようと思ってた割には、あいつ・・・」
レオーネの返答にラバックも神妙に呟いた。
「タツミは自分がやろうと思ってやった事には悪事だって気にしなかったみたいだが、本人の意思に反してやった事は嫌だったみたいだな」
「じゃあ、タツミは・・・色々終わってその責任を取る為に・・・そして、エスデス庇うついでに死んだって事?」
「・・・・・・なんでエスデス何かの為に・・・」
チェルシーが片手で腕を抑え、吐き捨てるように言うに対し、レオーネは後ろに腕を組みながら宙を見つめ、
「あたしはその為にエスデスと一緒になったと思うけどね~」
「・・・どういう事?」
「あたしさ~さっきも言ったけど、死ぬ時は・・・そんな自分の死んだ顔何て恥ずいから見せたく無いんだよね~タツミも本当はそのつもりだったと思うよ?けどエスデスは知っての通り、ストーカーだからたぶん、タツミ追っかけてって・・・で、タツミも来るなって言ったと思うけど、それでも無理矢理着いていった・・・で、エスデスは大好きなタツミが自分のせいで死んだ・・・これは結構あいつにとって堪えたんじゃない?けっ・・・ざまあみな」
レオーネは口調は怒っていたが表情は諦観していた。
「あたし・・・今だからはっきり言うけど、タツミの事異性として好きだったんだ・・・もし、この中の誰かと、アカメちゃんか・・・例えマインでも・・・もしタ
ツミと一緒になっても・・・悔しいけど祝福しようとは思ってたんだ・・・だけどよりによってエスデスと・・・、もしあたしがタツミとあいつが一緒にイチャついてる現場見たら・・・タツミと刺し違えてでも彼を自分の物にしたかった・・・」
「あんた・・・」
チェルシーの告白にマインも少し唖然となった。
「でもレオーネの話で判ったよ?タツミってば本当は優しいから、きっと売れ残るエスデスに同情したんでしょ・・・でも、彼が死んで・・・あいつには自業自得な結果になったんだね・・・それが判っただけで十分・・・あいつは生きて苦しむ方がお似合いだね・・・あ~あ、タツミよりももっと良い人さ~がそ、・・・確かタツミ東の国から来たんだよね・・・あたしも一回連れられて行った事あるからさ、初めにそこに行こう?・・・じゃあ、もっと舟頑丈にして、あたしの部屋改装しようっと・・・、・・・もうこの話これで良いよね・・・じゃあお先に」
チェルシーは自分の顔を皆に見せずに、足早と去って行った。
「レオーネ・・・済まない・・・私もチェルシーの気持ちと大差は無い・・・。つらい役を押し付けて悪かった・・・貸した金はもう少し待っても良い・・・」
アカメはレオーネの肩を叩き、チェルシーの後を追う。
ラバックは首を鳴らし、
「あ~あ・・・死んだ奴は返って来ねぇんだからさ・・・ただ、なんだかブラートの兄貴やシェーレ姉さんが死んだ時より俺は悲しくねぇな、場合によっちゃ俺達の敵に回ってたような奴だ・・・そりゃそうだって・・・けどよ、あいつとバカやってた時
は・・・、・・・つまらなくもなかったぜ」
「まぁ?それはあたしも同じかな~」
レオーネと視線が合い互いにフッと笑った後、ラバックも廃屋から姿を消す。
「俺はタツミという奴が、例え敵でもそれなりに筋は通していただろうと思う・・・だから、俺はもしあいつと闘って敗れる事となっても悔いは無かっただろう・・・」
「スーさんらしい~」
「ラバック一人では肉体労働はきついからな、俺が居ないと奴はサボって困る、では行って来る」
「いってら~」
レオーネはスサノオを見送り、最後に残ったのは
「チェルシーあいつ・・・どんだけ尻軽なのよ?」
「いやいや、死んだんだし、死んだ男に操立てたって仕方ないじゃん?」
「・・・あたしはあいつよりももっとタツミの事・・・」
レオーネは黙っていようと思ったが敢えて意地悪をした。
「マインさーそんなにタツミの事好きならなんで、あたしと一緒に行かなかったん
だ?」
「あ、あたしだって必死に探したんだから!?」
「いやいや、西のあっちの方に・・・本当は怖かったんだろ?薄々判ってた・・・タツミが死んでいるかもしれないって事に・・・、いやそれよりももっと怖かったのが別の女と一緒に・・・」
「うるさいわよ!!」
肩で息をし、激昂するマインに
「マイン・・・あたしだって本当はな・・・」
「あっ・・・くっ・・・悪かったわ・・・あんたのタツミへの気持ちも考えないで・・・ええ、あんたの言う通り、怖かったのよ・・・もし・・・もし、タツミが別の女と・・・よりによって、エスデスと一緒に・・・一緒に仲良くしてる所なんて見たら・・・あたしも正気でいられる自信何か無い・・・」
二人ともしばらく黙りあった後、
「あたし・・・こうして無事生き残ったのに・・・なんでこんな悲しいのよ・・・こんな事ならいっそ・・・」
「・・・なぁマイン?あたし達さー下手したら全滅してたかもしれないよな?でもこうして生きてるんだから、タツミも結果としてあたし達を殺す事も無かった・・・でも時々言ってたな?“殺し屋のお前達には幸せな未来なんてない”って・・・、今こうして足洗っても、幸せな未来なんかなくたって・・・生きてればそれで良いだろ、な?」
「・・・いや、よくないわよ。タツミがそう言っても、あたしはぜーったい幸せな未来を勝ち取ってみせるんだから・・・そりゃ何人も殺したし、あたしだって・・・間違った相手を殺した事も・・・けど、これからはその分周りが良くなるよう精一杯努力して・・・何が何でも幸せになってやるんだから!!」
レオーネは心の中で肩を竦め、やれやれと安堵した。
「・・・全く・・・しょうがないわね~レオーネ、あんたは出立するまで適当に遊んでて良いわよ・・・けど、船出したらしっかり働きさない!良いわね!」
マインが出て行き・・・その廃屋もレオーネ一人やっと静かになった・・・。
「ご苦労だったなレオーネ」
そう言ってナジェンダがやって来た。
「ボス?いつからそこに~?」
「話の始めからだ」
「もう~・・・気配消すの上手くなりましたね~」
「ふふふ、皆が集合する前から隠れていたからな~・・・アカメ達に感づかれないか少々冷や冷やしたぞ・・・色々騒いでくれたおかげでお前達の気もそぞろだったからな」
「ありゃ~・・・油断大敵ですね、気をつけようっと」
「それよりもどうだレオーネ?ほとぼり冷めて戻って来たら・・・お前さえ良ければ私の右腕として改めて働かないか?その時はナイトレイドも噂だったと処理して、前時代のお前達の手配書も無くし、大手を振って帝都を歩けるようにして見せる」
「あたしですか?・・・うふふ、いやぁ難しい世界なんて無理です、ロクデナシなんですよ?あたしは下町でくだ巻いている方が性に合ってますよ」
「いや謙遜するな。お前のここ最近の働きはちゃんと見ているぞ・・・気が変わったら言ってくれ・・・それはそうと、しかしタツミがな・・・エスデスと・・・それよりも私が一番驚いたのはこれだ・・・」
レオーネはナジェンダから分厚い書類を渡される。
「ランも後で気が付いて私に寄越してきたのが・・・このタツミの書いた物だと渡されたのが・・・いやはや、私も半分位しかまだ理解できていない・・・」
「・・・あたしにはさっぱりです・・・ボス説明して下さい」
「そうだな・・・どうやらまとめると、タツミが人間を観察して思った事を書いているな、今後政務に役立てて欲しいのだろう・・・まず一つに人間の思考感情は脳の成分の働きによって起こる・・・初め読んだ時はさっぱりだった」
要約すると、脳の働きを変えるとその人間の意志人格も変える事が出来、それを操れる帝具もあった、その為、国家に従順な人間を作り出す事も可能な半面、反逆的な人間を多く増やす事も可能ではあるが、もうそれは無い。但し、意図的に多少であればそれらを作りだす環境を整えるのも可能ではある・・・だが、遺伝に起因する人格形成も大きく、その本質を良く踏まえた上で対処を行う事。お前達も暗殺部隊で薬物等、それらを行おうとしたが、それよりももっと強力な・・・いや、それは不要だ。とりあえず、
多様性もまた強みなのだから・・・、他には人間はチームを作って外敵と闘う性質を持つ為、外に敵が有るうちは良いが、無くなった場合新たな敵を設定して闘うようにプログラムされている為、その本能を自覚し、理性で持ってコントロールするか、平和的な代替案を提示する事とある。
その後、事細かに色んな示唆が書かれている。
「はぁ~・・・外敵が居なくなったら、ですか・・・?」
「まぁ・・・レオーネ、私達はこの先、敵にはならないようにな?これからもずっと戦友だ」
ナジェンダは政治の世界、レオーネは庶民の世界で二人とも一瞬、敵対する未来が頭をよぎったが、
「もちろんですよ、ボス!アジト壊す前にボスが無くなったと騒いで半泣きしてた50年物の酒もぜーんぶあたしが内緒で保護してますからね♪」
その後、レオーネは地面に自分の顔の型をつけるハメになった。
あと2話で最終予定です。