もう少しだけこの話の続きを書く予定です。
「くくく・・・あたしってなーーんんて、天才なのかしら?今はまだ無理だけーど
ー、いずれは必ず帝具をも超えて、さいきききよよよおおの、兵器を創り出してみせるわああ!!」
スタイリッシュは帝都の教育機関研究所で1人叫んでいる。
そこにはホルマリン漬けされている危険種や解体されてるもの等が散乱している。
「・・・?」
振り返るとそこに白のロングコートを羽織り、その中にベルトで締めた黒パンツ、青の上着を覗かせた茶髪の男が立っていた。
「あら、あなた・・・ううん、誰だ?私の研究所に何か用か?」
「やっぱりあの頃よりも若いな・・・周囲には男色家なのはまだ隠しているのか?スタイリッシュ・・・」
「何者なのあなた・・・?取り繕う必要は無さそう、けど・・・告白ならもっとスマートでエレガントに来てほしいわね?最もいきなり来るっていうのも案外・・・」
その時一気に研究資料が破裂し、四散する。
「な?なななな・・・何したのあなた!?臣具?帝具?あたしすらも知らないのを使ったの!!」
「・・・こんな下らない研究よりも更にエレガントな研究でもしないか?なぁスタイリッシュさんよぉ、もし断ったら・・・命の保証は出来ないけどな?」
彼は不敵に笑い、スタイリッシュの額に汗が滲む。
ここ南方諸島のある砂浜で徒党を組んだ若者たちが酒盛りをしている。
それぞれが盗品や酒を片手に呑み明かしてる。
「エンシン、初の大仕事上手く行ったな?うぃ~ああうめぇ」
「ああ、間抜けな警備兵や、あんな善人共何ぞ俺らの敵じゃねぇ」
「おいエンシンよぉ、次からは、見せしめに殺した方が良いじゃねぇのか?その方がそいつらもびびるだろ、な?」
「そうだな・・・ちっ・・・そういや、若い女が居無かったな・・・次はそう言う奴が居る所襲うぞ、いいな!」
「だけどよぉ・・・俺達ガキの頃はもっと故郷を金持ちにして村の皆で幸せになろうと考えたもんだったよな・・・」
と言った仲間をエンシンはぶん殴った・・・
「てめぇ、何湿気た事ぬかしてやがるんだ、飯不味くなる事言うな?ああ!俺達みたいな奴らはどんな事したって金持ちの連中が作ったルールに敵わねぇ、貧しい奴らはどんなに足掻いたって貧しいまんま・・・んなルールを作った金持ち連中、そいつらから奪って何が悪いんだ?下らねぇ事言ってんじゃねぇ!・・・一つだけ金持ちでもしけねぇルールはな・・・死んだらそれで終わりって事だ、だから俺達は好きなようにやりてぇようにやる、そう決めたばかりだろうが、俺何か間違っているか!?」
一同賛同する中、他にももう一人同意する白のロングコートを着た男が居た。
「ああ・・・確かにお前らの場合死んだら無に還るからな・・・生きてるうちにやりたい事をやっておくのは賢明だな・・・天罰なんて言葉あるがな、あんなのこの世界じゃ迷信だ。だからあんたらがどんなに悪事働いたって死ねばチャラだ。良かったなぁ~ある意味で慈悲深い世で・・・」
そう言って隣の者の肩を叩き、
「他の世界じゃな、あの世が有る所もあってな。死んだ後、例えば自分が喰った分、殺した数だけその報復が待ってるんだ。火炙り串刺し、何百回する事になるんだろうな~生きてる奴ら全員死んだ後、まずはその苦しみを味わうんだ・・・おお!この野菜苦旨いな・・・何処にあったんだこれ?」
全員が警戒し身構える中、エンシンが
「だ・・・だだだ誰だてめぇ!?自警団の一味か!?」
「俺もあんたの意見に賛成だ・・・だから、俺もやりたい事やっても文句は無いよ
な・・・」
数秒内でそこにいる全員、その男に叩きのめされた。
エンシンは倒れたまま
「くっ・・・どうしてだ・・・俺は、運がねぇのか・・・俺達よりももっと悪い奴らはいるだろうが・・・そいつらを・・・」
「何故か?あのバカの命令なんでな・・・運が無いと思って諦めな、世の中は不公平だよな・・・ふふふ、ははは!」
ここは帝国より離れた某地方、その屋敷で
「くそーくそー、俺だけあんな犬にやるような飯だなんて・・・今日こそあいつらを殺してやるぜ・・・見てろ・・・」
物置きの一室で顔に殴られた痕が残るその若者はナイフを見つめ独りごちる。
「親含めた兄姉達も殺すつもりか?許せねェ奴らを殺すのは確かに復讐し甲斐があるよな」
振り返ると白のコートを着た男が立っている。
「だ、だれだてめぇ!・・・まさか、お前はあいつらに雇われた・・・!?ち、ちきしょう、汚ねぇ、卑怯な奴らだ、大人はどいつも皆殺しだ、畜生!!」
「お前の親共が外道なのはその通りだが、お前も人の事言えるか?」
その若者の攻撃をいとも容易くいなし、数発殴り倒す。
「げほ、ごほっ・・・ちきしょうーーー!!!殺すなら殺しやがれー!!!」
倒れて睨みつける若者に、男もしゃがんで同じ目線で
「おい、お前チャンプで間違いないな?」
「・・・・・・」
「そうか、じゃあ面白いもの見せてやるから一緒に来な?」
チャンプは男に連れられ、公園の広場で遊んでいる子供達の近く・・・茂みまでやってくる。
「・・・・・・」
「あの子らはお前が普段、親しくしている奴らだな?」
「やっぱり子供達は良いな・・・汚い大人達とは大違いだ、だがなんで俺があの子達と仲を良いのを知ってるんだ?・・・てめぇまさか、あの子達に危害を!?許さねぇぞ!そんな事してみろ、お前と刺し違えてでも・・・」
チャンプは凄んでみせるが、男は軽く受け流す。
「お前がか・・・?寝言は寝て言いな?」
「ああ?」
「良いもの見せてやる・・・」
彼が指を鳴らすと、何かの帝具でも使ったのか子供達はふと別の話題をし始めた。
「そういやさ、あのピエロのにいちゃんきょうは来ないなー」
「ああ・・・いっつもおかしくれるけど、どうしたんだろうなー」
「ううっ・・・やっぱり俺の事を・・・おい、お前いつまでここに居りゃいいんだ?」
「でもあのにいちゃん、ちょっときもちわるいよね」
「まぁな?でもおれたちにおかねもくれるからいいじゃん?」
「でもさー、しかたなくあそんであげてるあたしたちのみにもなってほしいよねー」
「いえてるー!」
「あのにいちゃんだって、きっとともだちいなくて、かわいそうなんだって!おれたちがおとなのつもりになってあそんでもらってるふりしてりゃいいんだって!」
「あはは、うける~」
再び指を鳴らすと、子供達は別の話題に移行し、そして遊びに興じ始めた。
「く・・・うっ・・・嘘だ・・・今のは・・・お前が何かやったんだろ!!」
「いいや・・・俺はあの子らがどう思っているかを話させただけだ・・・」
「嘘だ嘘だ・・・子供たちが・・・そんな・・・俺は・・・常にあの子達の事を思って・・・」
「金や物で繋ぎとめた関係だろう?大体、その金何処から持ってきた?子供達も初めはお前の道芸に喜んだろうが、そのうち飽きたんだろう。」
「て、てめぇ・・・今まで俺を監視してやがったのか!?」
「そこまで見ずとも大体察しはつく・・・で、どうする?子供もお前が考えてる程甘くねェぞ?親に怒られたく無くて、嘘もつく。お前だってそうだったんじゃないのか?」
「・・・くっ・・・俺は・・・」
「言っとくがこの世にはお前が考えるような癒しも救いもないぞ?お前がこのまま進めばそこにあるのは地獄だ・・・そして、お前が他人に地獄を創り出す事となる・・・」
「・・・な、何が言いたいんだお前・・・」
「お前がこのままあの腐った家庭に戻りたいんだったら敢えて止めはしないが、俺はお前がその後どういう生き方をしていくか大体は判っている・・・そん時は文字通りお前に地獄への片道切符を売ってやる」
「へっ・・・なんだよ?そりゃ俺に選択の余地はねぇって事かよ?・・・それで、俺があんたに着いてって何か得でもあんのか?」
「癒しや救いなんか必要のねぇ生き方を教えてやる、来な!」