ここは通常の世界では認識されない、不可視な次元。
そこでは物質は存在せず精神体、或いはそれに類する存在のみなのだが、そこに住まう者達は任意でその姿を変化させられる・・・ある者は霧状のまま、ある者は然程多くは居ないが・・・
生前の姿のままの者も・・・。
その一空間を占める執務室、そこの主に呼ばれた白のロングコートを羽織った茶髪の男が入って来る。
「統括長お呼びですか?」
「・・・・・・」
そう呼ばれた彼女は後ろを向けたまま黙っている。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「エスデス統括長殿、お呼びでしょうか?」
「・・・・・・」
とうとう業を煮やした彼は、
「おい、こら!!アホデス!!人を呼び付けといて無視とはなんだ!!」
やっと振り返った彼女は
「全く二人きりの時は、他人行儀な真似はしないでくれと言ってるだろう・・・まったく~」
「それで、エスデスさん何の用だ?」
「うむ、来て貰ったのは他でも無い!・・・今朝私達が愛し合った時間がいつもより短」
「判った、話し相手が欲しけりゃ別の奴を連れてくる」
そう言って彼はさっさと去ろうとする。
「ま、待つんだダーリン!!・・・そんなに早くイ、っては駄目だぞ?仕方ない、副題に入ろう」
「本題の間違いだろが!!」
彼、タツミは彼女の一部変な言い方は敢えて無視した。
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ここは何も無いが、星々の光を照明代わりに会議を開く場とした空間となっている。
そこには7つの存在が居り、霧状の者や生前の姿の者と好きな姿形でその場で話を聞いている。
「今日、皆様方に集まって貰ったのは他でも無い・・・実は、私の担当区域で異変がありましてね・・・」
『はぁ~・・・このような会議等早く終わらせ、帰ってダーリンの胸を吸ったり、嗅ぎたい・・・』
「第一統括、それは一大事ですな・・・しかし一体何故?」
『全く・・・怒った顔も可愛かったぞ・・・ふふふ、次はどのような事で怒らせようか♪』
「私が思うに、あの禁忌の技を使った者が居たと思われます」
「あの技を・・・?しかしあれを使える者はもう居ないはずでは・・・?」
『やはりここは押してダメなら、押しまくるだな♪ではこの作戦で』
「それで調査した所、どうやら第七殿が統括されている区域で・・・第七殿?」
『怒る顔と照れる顔も同時にみたいな♪さて、プランBは先日失敗したからな・・う
~む』
「第七殿!!」
「む!?・・・ああ、これは失礼致しました・・・少々、厄介な案件を思索しておりました、ご無礼お許しを」
「・・・・・・、ともあれ、第七殿。私が調査した限りでは、禁忌の技を使った波長の出所は貴方の所属する者と出ておりましたが・・・」
ーーーーーーーーーー
「・・・という事があってだな、ダーリンがいつぞや使った技があったな、・・・全くあれがどういう技か知りたくて、どれだけ口付けたか、もっとしても良かったぞ♪」
「・・・・・・、く・・・ふぐぐぐぐ、ベッドん中で無理矢理聞きだしにきやがっ
て・・・で、あの法則転換でその第一統括の区域に被害が出たって事か・・・」
タツミは頭を痛め溜息をつく。
「そう言う事だな・・・だから、その責任を取ってくれという事だ!どうやらその星の歴史が捻じれ、壊滅してしまったようだ。しかもそこから連鎖的にその区域の宇宙も被害が出ているとの事だ。だから、壊滅する前に戻り、修正してくれとの事だぞ」
「・・・何で俺がまたそんな面倒臭い事を・・・大体、俺だって別の仕事で忙しいんだ!そもそも、エスデスお前が俺の言う事大人しく聞いてれば、そんな被害を出さずに済んだんだ!!」
「何を言う!タツミが大人しく私のものにならずに、ごねるからだぞ!」
「お前が昔の俺を顕現させるから、あの技使わざるを得なかったんだろーが、この大馬鹿野郎!!」
二人は10分ほど口喧嘩をし、エスデスが彼に口付けた事で止まった。
「くっ・・・わーかった、判った・・・行けば良いんだろ、行けば・・・ったく本当に・・・」
「うむ!本当は私だって、離れ離れになるのは身が引き裂くほどつらいんだぞ、でもな、私もこれでも統括だからな・・・くんくん」
エスデスはタツミの匂いをかなり嗅いでいる。
「・・・・・・考えようによっちゃ羽伸ばせるとも言えるか・・・」
「むっ!?・・・マイダーリンよ・・・もし、もし・・・万が一浮気なぞしたら・・・皆が・・・全員居る前で熱い口づけの刑だからな?例えダーリンが羞恥で逃げようと、絶対に逃がさず、し続けるからな!」
「・・・、わ、わかった・・・」
「それでだな、どうやらその星は私達が元々居たあの帝都と似た世界みたいだぞ・・・平行世界という事になるか?だが安心してくれ、タツミに当たる存在や私に類する存在も居ないからな・・・いくら私一筋のタツミでも、私と瓜二つなら・・・その、魔が差してしまう心配が1%だけあったからな、これで安心だな!!」
「どーでも良いや、んな事」
「そうだ、あと一つ些細な事を伝えるぞ♪・・・・・・あのナイトレイドの雌ブ・・・」
エスデスは口調を変えて・・・、
「うっほん、・・・あー、ナイトレイドの女性の方々もいます・・・くれぐれも近づいてはなりませんよ」
「なんでだよ?」
「・・・・・・・・・・・・・・、もし近づいて、親しくでもなられたら、私はとっても悲しいです・・・そうなったら、やもすれば、・・・“何か突如不幸や偶発的事象が起こり”心臓発作や脳溢血で倒れるかもしれません・・・」
「・・・・・・」
「・・・その方達が・・・」
「・・・・・・」
「私も無駄に命が散る所は見たくありません・・・なので、お分かり頂けましたね?」
「・・・・・、あ~・・・判ったよエスデスさん・・・」
深いため息をつくタツミの頬にエスデスはキスをした。