ここは反乱軍の・・・帝都に巣食う暗殺部隊、ナイトレイドの隠れ家。
その根城の屋敷内広場に、メンバーのブラート、シェーレ、レオーネ、マイン、そして、アカメが集まり、彼らを召集したボス、ナジェンダと、その横にはラバックが控えている。
そして、その彼女が口火を切る。
「今日・・・集まって貰ったのは他でも無い・・・本日を持ってナイトレイドを、解散する!」
「「解散!?」」
一同にどよめきが走り、
「ボス!こないだ喫煙仲間を増やそうとして全員に断られたもんだから、気が弱くなってるだけじゃない?」
レオーネがすかさずツッコミ、続けざまアカメが
「ブス!・・・じゃなかった、ボス!・・・私の食べ掛けの骨付き肉が昨日から無くなっている・・・そう、骨が付いているのが重要なんだ!その周辺はカルシウムが豊富で足腰増強にも良い・・・考えただけで・・・じゅるる・・・つまり!その落とし前はどうしてくれるんだ?」
ナジェンダは険しい顔で宙を睨む。
「アカメの言う通りよ!解散?ま、別にあたしはいーけど?革命だって終わってないんだから、後腐れの無いように綺麗にケジメをつけるのがボスの立場ってもんよ
ね!」
マインが言いたい放題言うに対し、ラバックも窘める。
「そのケジメはちゃんとつける!」
「つけるってどうつけるの?実は生ゴミに間違って捨てたってオチはなしよ!」
「私の肉・・・」
「え~と・・・確かあれは~、夜中に起きたアカメがお腹すいて眠れなくて、お肉を食べてた気がするんですよね~」
シェーレがのほほんと回想しブラートがフォローする。
「シェーレ、特に聞いてないな、こいつら」
「ま、いーわ、とにかくボス?あんたがナイトレイドを辞めるって言うなら誰が後を継いでも良いわよね?」
「ナイトレイドは私の代限りにしたい!」
「肉・・・」
「じゃあ、あたしがナイトレイドから名前変えて新しい組織立ち上げたって構わないわよね?」
「・・・マインが、ボスですか?不安ですね~」
「シェーレ、あんたに言われたくないのよ!!」
「はっはっは、参ったなこれは!」
「ブラートあんたまで、むきーーー!!」
「マインちゃん・・・ナジェンダさんはあんたが何を企んでいるか何もかもお見通しなんだ」
「集めた金で将来、アイドルになろうとか、そんな浮ついた考えを許すわけにはいかない・・・その事は良く判ってくれマイン・・・」
マインは顔を歪め、そして・・・
「で、ボス?前フリは良いから、早く本題入ってよ?」
「待て、マイン!私の肉は!」
「あんたは生ゴミでも漁ってなさい!!」
ナジェンダは深いため息をつきながら
「確かに解散は冗談だが・・・、下手すればそうせざるを得ないぞ・・・」
「もぉ~ボス~革命も成功してないのに、冗談はいつものオヤジギャグだけにして下さいよ~」
レオーネが軽口を叩くが、一睨みされる。
「良いかお前ら!!これだけの給金や屋敷を維持するのにどれだけ費用が掛かっていると思っているんだ!!ここ最近、シゴトが無いんだぞ!!」
一同はきょとんとし、
「そーですねーシゴトが無いのは困りましたが、私達のシゴトが必要とされていないのは寧ろ良い事ですよねー・・・ちょっとそれはそれで退屈で寂しいですが・・・」
シェーレが良心的な見解と純粋な暗殺者としての意見を吐露し、多かれ少なかれ似た意見を皆が述べる。
「今の帝都が良くなりつつあるから・・・と、言う訳じゃない!!お前達は聞いていないか?先日大臣の息の掛かった将軍が一人左遷されたのを」
「へぇ~珍しい~あの大臣と喧嘩でもしたか?」
「いやレオーネ、どうやら誰かの罠に掛かったようだ・・・他にも私達の標的になった者が姿を消したり・・・我々革命軍にも加わっていない同業者の可能性もある・・・アカメは何か心当たりは無いか?」
かつて帝都の暗殺部隊に居たアカメでも首を傾げ、ナジェンダはラバックに調査を頼み、改めてナイトレイドのエンゲル係数が高い・・・端的にお金が無いとを訴える。
「ふっ、大丈夫だぞボス!私がその辺りの危険種を狩って食料の足しにするぞ!」
「あんたが狩りまくるから、食料になる危険種逃げ出して少なくなってきてるじゃない?」
「ぐふっ・・・、レオーネ・・・後の事はたの・・・」
「アカメぇええ―――!!」
アカメは吐血し凶言に倒れたに対し、レオーネは号泣す・・・
「くっ・・・ああ、アカメ死んでしまうとはなんと情けない、復活の呪文を唱えよう!ザオリク!!」
そう言ってレオーネは薄切りポテトをアカメの口に中に突っ込む。
「旨い!!」
アカメは甦った。
「・・・まっ、あたしはアカメみたいに大食いじゃないし、ナイトレイドの経費には何の負担にもなってないわね!!」
マインは髪をたなびかせ、ふんぞり返っている。
「マイン・・・お前のコスメ代99%カットな?」
「がふっ・・・、・・・い、いつか報いを受ける日が来るのはわかってたのよ・・・」
マインも吐血し凶言に倒れる。
「・・・と言う訳でだ!お前達働きに出ろ!」
そうは言っても、と・・・ラバック以外は手配書が回り面が割れている。
「・・・ねぇ、あたし死んでいるんだけど?」
「そう言うと思ったから、今日はゲストとして彼女に来て貰った・・・入って来てくれ?」
だがドアからは何の反応も無い。
「ん?おかしいな・・・」
「・・・誰も助けてくれないの?良いわよ、もう!」
マインは一人で復活した。
「そんな事よりもバス!・・・でなくてボス、夕飯の相談なんだが」
「アカメあんた、食べること以外にもっと・・・って、ええええええ!!??」
マインは二人を指差し、
「あ、アカメが二人・・・!?」
一同が敵の変装かと身構えた、・・・が
アカメはもう一人のアカメをじーっと見、
パントマイムをやり始め、そのうちアルプス一万尺をしだす。
「「ランラランランランランランラン...ヘイ!」」
二人は息ぴったりに片手を合わせ、扇状に二人でポーズを決める!
おお~と皆が拍手する中、ナジェンダはこめかみを抑えながら、
「チェルシ―、遊ぶのはその辺にしてくれないか・・・自己紹介はもういいだろ?」
アカメの変装を解き、彼女本来の姿を現す。ニコニコ愛想よく笑いながら
「どうも~、今回は皆の表向きの仕事のサポートに来ました~、戦闘は余り向いてないからそっちでは期待しないでね~」
「・・・と、言ってるが暗殺の成功率と仕留めた人数はトップクラスの腕前だぞ」
「いやぁ~ボス、たまたまですよ~」
『確かに・・・皆で騒いでいたから気付きにくかったが、それでも・・・俺に悟られずにここまで侵入してくるなんざ、大した女だ・・・油断してたらやられるな・・・』
ブラートは彼女の真価を見抜き戦慄していた。
「ふぅ~~ん、暗殺率トップ?そりゃあ、田舎の警備の手薄な所じゃそうよね~だけど、帝都じゃそうはいかないわよ、仕方ないからあたしが先輩として指導してあげるわ?」
「へぇ~・・・腕はそれぞれ立つみたいだけど・・・世間知らずのお子様もいるんだね・・・皆大丈夫なの?」
「・・・あら~お年の方には、子供と見間違えられるの?若く見られるのも大変よね~」
早速マインとチェルシ―が非科学的な火花を起こす中、アカメは揚げた薄皮ポテトを猛烈に食べながら心配そうにそして、熱心に観戦した。