※この作品はR-18です。

タツミ無双   作:聖獅

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皆様明けましておめでとうございます。

これまでお付き合い頂き有難う御座います。
今年で完結させますので、どうか奇特な方は最後までお付き合い下さいw


悪党が斬る!(十三)

チャンプはタツミの身に一体何が起こったのか気が気でなかった。

苛立ち紛れの彼はそのまま自室に向かうと・・・

 

「・・・なんだこれは?」

 

「んあ?どうし・・・何だこりゃあ一体!!」

 

タツミの部屋に布が被さった人程サイズの物体が置かれており、それに付いてチャンプに尋ねると何も知らないと返されるが、彼はその布に良く知る相手の顔がデフォルトされた似顔絵が所狭しとあり、嫌な予感が初めから的中した。

 

「な・・・なんじゃこりゃあああああ!!!」

 

布を取り外すと同時に素っ頓狂な声を上げた彼を尻目にタツミはうんざりしていた、それに付着していた手紙を読むと“愛するマイダーリン、私が居なくて寂しい思うが、これを私の分身だと思って愛でてくれ・・・も、勿論そういう意味で使っても構わないぞ・・・と最後まで読み終える前に一瞬にして塵に返した。

うんざりしたその視線の先はポーズを決め、気持ちタツミに向けて投げキスしているような某女性を象った氷像があった。

 

「こ・・・こりゃ一体・・・兄ぃ何処かの奴らが挑発目的で・・・一体いつの間に?勝手に俺達のアジトに乗りこんでふざけた真似しやがってぇ・・・ただじゃおかねぇ、なぁ?」

 

タツミはその氷像の胸に手を当てると、強震動で一瞬で粉々に返した。

 

「おお!?おぉ・・・流石・・・」

 

「チャンプこの事はぜつつつつつつたああああいい、誰にも漏らすなよ!!!」

 

「いや、え、ああ・・・」

 

「判ったら早く行けえええええ!!!!!」

 

「りょりょりょ了解!!」

 

その凄味に思わず敬礼をしてしまい、去って行った・・・残ったタツミの部屋には再び違うポーズをしたその氷像が新たに顕現し、壁に文字が現れた。

“ふふふ、照れ屋な我が愛しのマイベイビータツミの事、きっと恥ずかしくて破壊すると思っていたぞ?だが安心してくれ?幾らでも替えは有るからな・・・その後彼女の近況や愛の言葉がうざいほど書きつられられ、

 

「いつから此処は怪奇現象物件になったんだ・・・・・?」

 

頭を抱えながら今後部屋には自分以外決して立ち入らせない事と、この妙な格好では行動に制限が掛かり、隠密裏に動くしかないと対策を練り始めた。

 

 

 

「とにかくだぁ!!あいつらが上等極めやがったのは間違いねえんだ!これは俺らへの宣戦布告だ!ぶっ殺してやるぜ!!」

 

「おい、てめぇ!まちがぇんじゃねぇよ!俺らじゃねぇ、お前らだろが!」

 

「兄貴の世話になって此処を好き勝手に使ってやがる癖に、何ぬかしやがる!」

 

「あ?タツミより先にてめぇを血祭りに挙げてやろうか?嗚呼!?」

 

「あ?上等だァ、大臣の息子だか何だか知らねぇが、親の尻にへばりついてるお前が俺に勝てると思ってんのか?」

 

「タツミの金魚のフンの癖にナマ言いやがって先にお前から処刑確定だ!」

 

タツミの部屋に誰にも知られずに謎の氷人形を置かれ、恐らく中に爆薬か毒煙などの危険物が有ったと推察したチャンプはそれをタツミが一瞬で破壊し事無きを得た、そして彼はこれ以上被害を拡大させない為に自分達を遠ざけ、何やらタツミ一人で解決するのでは?と解釈したチャンプは詳細は省き、内緒と言われたものの大まかな内容を広間で皆に告げた。

 

そこでシュラと言い争いになり・・・

 

「へいへいへいへい!待て待て!そりゃあお前らの殺し合いは見てぇぜ?けどよ、偉大な俺様の生誕祭にやってくれよ?今はんな事よりもそのバックレルって奴を締めりゃ良いんだろ?」

 

「バックだ!ボケぇ!!」

 

「こまけぇ事は良いんだよ!」

 

エンシンが止めに入り、シュラのツッコミが入る。

 

「おい、エンシンお前いつからんな日和になった、ああ?」

 

「おいおいおい、ブラザー?喧嘩売る相手間違ってやがるぜ?あん時気に入らねぇ帝国将軍潰すのにお前誰に助けて貰った?」

 

「ああ・・・あれはタツミの野郎が殺すななんざ日和った命令しなけりゃなぁ!!」

 

二人の話は放り投げておき、チャンプはイゾウに助言を求めた。

 

「ふむ・・・拙者も朝から此処に居たで御座るからな・・・確かに珍妙な出来事と察するが果たして気配も無くタツミ殿の部屋に・・・?余程腕の立つ者の仕業か・・・どちらにせよ確かに拙者もバックとやらの噂は聞こえは良くないで御座るな・・・うむ、異存は御座らぬ!」

 

「よぉし!こないだの落とし前もある!それにタツ兄の命を殺し屋使って狙わせた裏も取れてんだ・・・あいつらブッ潰して、そいつらのシマも奪っちまおうぜ!」

 

「・・・そういやチャンプ、タツミの野郎全身包帯巻きだってか?へっへっへ、何処のどいつだ?あいつにそこまで大怪我させてくれた奴は、歓迎してぇぜ!」

 

「馬鹿野郎!兄ぃの事だ、そんな奴きっちり返り討ちにしたに決まってんだろ!火傷負ったって流石だ、動きに乱れがねぇ・・・お前がまた喧嘩売ったって秒で終わりだぜ」

 

「けっ・・・まぁいい。全快したら今度こそ締めてやる。タツミはそれまで命拾いしたな」

 

「とにかくだ。今回の件では兄ぃにこれ以上手を煩わせる訳にゃいかねぇ!」

 

それでも不満げなシュラにイゾウは問い掛けた。

 

「シュラ殿は余程タツミ殿を始末したいので御座るな?・・・成程、では拙者が一つ更に強くなるきっかけを教示してしんぜよう」

 

「ああ?」

 

「昔、有る国にその御仁は居った。その者は罪人の処刑役を担い幾百の首を斬った・・・だが、検分する役人達に罪人の血が飛んで触れれば、不浄の至りとその処刑執行者も腹を斬って詫びねばならない・・・その恐怖を物ともせずに彼は斬り続け首の皮一枚を残して斬る事で血が飛ばない技量も持ち合わせておった・・・だが、有る時その者達の中には無罪の者が居るのも知った・・・上の者は取りあわず、その後も無罪の者が刑場に運ばれる事もままあった。それでも少しでも相手を楽に殺せるのは自分しかいないと悟り、その役を続け罪人の首を一度で落とせなかった時は腹を斬る覚悟で続けた・・・やがてその体制も瓦解し、そのような処刑方法も無くなり、彼も役を解かれ、自費で罪人の慰霊碑を建てた・・・で御座る」

 

「・・・あ?それとタツミと何の関係があんだ?今の何処に俺が強くなる要素があんだ?イゾウさんよ?」

 

イゾウは相手を凍らせるような眼光で見据え、一瞬シュラも体が固まった。

 

「今のを聞いて判らぬようであれば・・・更なる精進なされよ」

 

シュラはイゾウに尚喰い下がるが、それを止め、この後自分達がどう闘うか計画や彼らのアジトの場所等を確認している時、エア達三人の少女が話を聞いていたのか、やってくる。

 

「あの・・・チャンプさん・・・」

 

「ああ?お前達か・・・ええ、ああ~どうした、腹でも減ったのか?」

 

チャンプはバツが悪そうに話を逸らそうとするが、イゾウは彼女らの意思を汲み制する。

 

「やはり今の話聞いていたで御座るな?わっぱ達よ、お主らが敵う相手では無いから此処で寝てるが良い」

 

静かに一睨みされ、一瞬怖じ気づき掛かる三人だがファルとエアが開口する。

 

「あたし達ここにお世話になって恩返しがしたいんです!それに、もう故郷にも帰りたくない・・・」

 

「オジサン達が居なかったら今頃あたし達は・・・それにあの人達をそのままにしてたら、あたし達みたいに酷い目に遭う子が・・・だから出来る事はしたいんです!」

 

 

「ふむ・・・一宿一飯の恩義・・・それにお主ら親に捨てられたであったか・・・」

 

「おいイゾウさん!」

 

「失言で御座ったな・・・しかしどうしたものか・・・」

 

自分ですら感知できずに侵入した相手が居ると思っているイゾウはバック一味の実力は未知数で最悪自分達の身しか守れない事も考えていた。

そこに、ルナが入り込む。

 

「まったく・・・エアもファルも交渉がお下手なのです。オジサマ方良いですか?ここにご厄介になってた間、掃除洗濯炊事などなど私達でがんばったのですよ?年頃の私達が少々臭う大人の男性の衣類を洗濯するなんて・・・それはもう・・・」

 

「ルナちゃん、それは今言う事じゃあ・・・」

 

「良いんですよ、エア!この方たちは、面倒臭がってそういう事をおろそかにして・・・シュラさん、その服は何日着てますか?横で笑っているエンシンさんもですよ!」

 

チャンプとイゾウは顔を見合わせ笑いだし、

 

「クックック・・・これは結構、成程、取引で御座るな・・・」

 

「ひっひひひーーー、ああ、そういや、悪いと思って黙ってたんだが、シュラお前焦げた臭い、ありゃ汗かきまくった後のあれだな、その臭いが前からしてたが・・・この子達が来てから余り臭わなくなったぜ・・・ってくくくく」

 

「交渉成立ですね!私達も自分の身は自分で守ります!・・・が念の為お願いします!」

 

ルナが頭を下げ、エアとファルもそれに倣う。

 

男二人は苦笑いしながら同意したが、シュラは吠えた。

 

「おいおいおいおい、待ちやがれ俺は許可なんざ出してねぇぞ!?大体、チャンプお前仕切んじゃねぇ!良いか・・・着いてくんのは勝手だがな足手まといになったら、俺は躊躇なくお前らを見捨てるからな・・・それでも良いならかまわねぇぜ!」

 

三人の少女は顔を見合わせ固く頷き、エアが代表して話す。

 

「一度は無くしかけたのを拾った命です、あの人達に少しでもわかってもらえるなら・・・例え死んでもかまいません!」

 

 

シュラはそれを見せつけられ、忌々しげな顔でエンシンに同意を求めると、彼は肩を竦め“好きにさせりゃいいだろ?“と言う意味で返した。

 

「あ~~わかった、クソガキども!良いか、相手は俺様にかかりゃ雑魚ばっかだろうが、中には少しは使える奴もいるかもしれねぇ。そん時、奴らをブッ倒す為ならお前ら盾にするかもしれねぇぜ、良いんだな!?」

 

三人の少女の決意はそれでも揺るがないと見て取り、

 

「ちっ・・・いっぱしの面しやがって、誰だこんなになるように仕込んだ奴は?・・・まぁいい、気が変わったぜ。お前ら3人共死ぬんじゃねぇぞ?数年経ったら俺が味見してやるからな!」

三人に指差してシュラはアジトを出て行き、エンシンも笑いを噛み殺しながら後に続いていった。

チャンプは一瞬見直した顔をした後再び、軽蔑の視線を送った。

 

当の三人は味見の意味はあれではないか、これでは無いかと騒ぎ始め、イゾウはそれにニヤリとほくそ笑んだ後に

 

「では拙者も野暮用が有る故、これで失礼する・・・後の詳細はまたその日で御座るな・・・ではいざ参らん!」

 

「え・・おお・・・いってらっしゃ~」

 

 

 

その後チャンプは心残りの無いように3人の少女に変装させ、行きたい店や食べたい物等の買い物に出かけた。

 

商店街の通りにあるの某店の二階にメイド服を着た店員がガラス越しに働いているのを見かけ、エアが羨望の眼差しを向けていた。

 

「エア、ああいうのが良いのですか?・・・まぁ判らなくも無いですが」

 

「え?ああ?・・・あたしも本当はああいう格好してメイドさんしたかったなぁ~」

 

「いや、あそこはな・・・なんていうか、あ~もっと別の所に行こうぜ?な?」

 

チャンプが先を促すが、ふと立ち止ったファルは客席に見知った姿が見えた気がした。

「あ・・・・あれ?あの人・・・まさかね・・・」

 

思い違いだろうと考え直し皆の後を楽しそうに追った。

 

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