ナイトレイドアジト
ナジェ「今回の案件は安寧道という広く民衆に信仰されている宗教だ」
チェ「善行の積み重ねが幸せや長寿に繋がるってアレね」
タツ「・・・信者と書いて繋げて読むと“儲かる”って言うの知っているか?それとラバックと書いて“チャック全開男”って言うの知っているか?」
ラバ「タツミィィィ!!てめえ張っ倒すぞ!」
スサ「大丈夫だ、今日は開いていない!」
ナジェ「ああ・・・そこ静かにするように・・・全く・・とにかく安寧道はこの10年で信者を増やし帝都の東側で大きな勢力になっている。近々この安寧道が武装蜂起・・・つまり宗教反乱を起こす・・・私達はこれを利用する考えだ」
ラバ「タツミ、てめぇのせいで俺のクールキャラが崩壊してるじゃねえか!」(小声)
タツ「安心しろ!誰も思ってない!」(小声)「んでどんな風に利用するんで?」
ナジェ「革命軍は安寧道の武装蜂起が始まった瞬間、私達と同盟関係にある西の異民族に攻め入って貰う。これで帝国は内外に敵を抱えてしまった状態になる。だがそれでも持ちこたえるだろう。そこで止めとして革命軍が南側で蜂起開始、帝都へ向けて進軍し打倒する」
タツ「おお凄いな」
ナジェ「帝国は革命軍を舐めているのさ。反乱分子という膿を一点に集めているから有難いとすら思っている。拠点は帝国の辺境、ここから帝都に辿り着くにはいくつもの関や城を突破しなくてはならない。だが私達は既に何人もの城の太守と内応を取りつけてある。中央で真面目にやってた連中が左遷されたケースが多いからな。驚くぞ無血開城で驚異的速度で進軍するのだからな」
タツ「流石、(カンコーヒーの)ボス!下手すりゃ太守達と内応取り付けるのも危なかったでしょう。やっぱ対交渉事に置いてボスの右に出る奴はいないな、出来る女は違う!エスデスみたいに闘う事しか頭に無い奴とは違うなあ」
マイ「・・・・・・」ムスッとしている
ラバ「ぐぎぎぎ」タツミを睨む
(現在)エス「・・・・・・」イラッ
ナジェ「ふっ・・・褒めても何も出んぞ『しかし初めに何か変なフレーズが聞こえたような』とにかく、それでも帝国の切り札であるブドーと近衛隊が迎撃してくるだろう。しかし宮殿の警護力は激減する訳だ」
アカ「・・・その時こそ大臣暗殺の好機、私達は宮殿に突入し大臣を葬る!帝都を中から切り崩すんだ!」
ラバ「・・・だが奴も2重3重に手は考えているだろうから気引き締めねえとな」
レオ「どんなに罠を張っても突破して見せる!・・・元凶なんだ。きっちり死んでも貰うさ」
タツ「おおー格好良いなあ。俺は家で留守番してるわ」
ナジェ「いや、タツミも今回は来て貰うぞ!」
タツ「い!?」
チェ「・・・・・・」
ナジェ「今回は大仕事だ。先に少し話すとイェーガーズとぶつかるだろうからな・・・、奴らを直接見ているのはタツミだ。その時にアシストして貰いたい」
タツ「・・・・・」
ナジェ「余談だが西の異民族には協力の見返りとして領土返還で話が付いている」
タツ「ああ、あれか」
マイ「・・・そう、元々帝国の西にある一部の地域は異民族のモノだったのよ。領土奪還が彼らの悲願みたい・・・」
タツ「『マインはその異民族とのハーフだったな』・・・いつの時代でも領土争いは終わらないものだな。・・・どうせ帝国側からすりゃ元々俺達の土地だとか言うんだろうな。」
スサ「計画が出来ているなら後は実行する・・・だがそれが出来ない問題が今回の仕事に繋がる訳か」
タツ「なるほどな」
ナジェ「おお、スサノオ、流石私の帝具!その通りだ。全ての鍵を握る安寧道だが・・・内部は揺れているらしい・・・」
安寧道本拠地 虚六
多くの信者達が「教主様」と仰ぐ。
教主「この世界は今・・・大いなる悲しみに満ちています。皆も飢餓や貧困に苦しんでいる事でしょう・・・しかしこんな時だからこそ心を乱してはいけないのです。善行を積みなさい。それは自分に返ってきます。」
信者「で、でも教主様!必死に善行を積んでも・・死んだら、死んだら何にもならないのでは?」
教主「もし命を落としてもそれは只の肉体の終わりに過ぎません。魂は死にません。神の国でその者は幸せであるでしょう・・・昨日獣に追われた弟を庇った兄が神の国に旅立ちました。彼はヨアヒムと言います。私はその英雄の名を一生忘れません。彼も神の国で俺は弟を救った男だと胸を張って言えるでしょう」
信者「教主様・・・兄貴の名を・・・」
信者「教主様はあたしの死んだ旦那の事までよく覚えて下さって・・・勿体無い」
教主「ラクルは私の64568人目の同志・・・日焼け姿が逞しい気風の良い漁師でありましたな」
信者「はい教主様」
教主「名や記憶は残ります。それはある意味、神の国だけでなく現世でも生き続けていると言えるでしょう。死んだら終わりでは無いのです」
信者達「「教主様!」」
わぁぁぁ!!
ナジェ「・・・とまあ、密偵達の報告だ」
タツ「因果律の話か、良い話だな。だが俺はあの世はあると思って無いけどな。」
ナジェ「ほお、タツミはそう思っているのか?」
タツ「あの世が無いと悪さをする可能性があるから地獄を創ったとか言うが、う~む。逆にあの世があると困る思想もあるんだがな」
ナジェ「例えば?」
タツ「例えば今、苦しんでいるのは前世で惨い行いをしたから、とか。そういう言い方したら体不自由な人が前世で悪人だったから当然だとか、理不尽な差別も出来るだろう?」
ナジェ「そうだな、面白い事を考えるなタツミは」
タツ「だから“あの世がある”と考えるのも良し悪しだよなあ」
ナジェ「タツミは実際どう思っているんだ?」
タツ「・・・俺の国に伝わった宗教にシキソクゼクウ、クウソクゼシキという考えがある。意味は・・・俺なりの解釈だが思った事が現実化するというものだ・・・つまり死んで魂消滅を望む者はそうなり、そうでない者はあの世に行くとな・・・」
ナジェ「ほぉ・・・タツミ。お前教主になったらどうだ(笑)」
ラバ「ナジェンダさん。こいつはただ変な理屈が言えるだけですよ」
タツ「教主?俺はあの教主様みたく何人者、人の名前なんて覚えられない。ただでさえ昨日の夕飯何食べたか忘れているのに」
マイ「そうよ、そうよ。あんた私の食べかけのパフェ食べたでしょう?返しなさい!」
タツ「食べてねえよ!」
アカ「そうだ・・・私の食べかけの骨付き肉返して・・・」
タツ「お前昨日、数分でたえらげてただろ!」
レオ「そうそう、お姉さんの呑んでた酒返してよ」
タツ「俺下戸だって!」
ナジェ「そうだな、私の吸ってたワイルドセブン、ワンカートンで返すんだ!」(ニコッ)
タツ「しまいにゃ本気で怒るぞ!」
チェ「あたしが舐めてる飴ちゃん、タツミ貴方こっそり舐めて元あった状態に戻しているでしょう?このヘンタイ!」
タツ「俺の全存在に掛けて過去未来現在、どの時間軸に置いてもしとらんわぁぁああ!!!」
(現在・エス)「そうそう、私が保管していたダーリンのシャツ(3日着用)返してくれ」
(現在・タツ)「やかましいわ!!お前に至っては最早食べ物でもなんでも無いだろ!!」
笑っている女性陣。
タツ『つ・・・疲れた・・・』
ラバ「タツミこの野郎、お姉さん達にいじられてオイシイと思っているだろこの野郎!」
タツ「思ってねえよ!」
ナジェ「ははは、とりあえず話を戻すがその教主は絶大なカリスマを誇るが・・・其の補佐で信任の厚いボリック。こいつが大臣の送り込んだスパイだったんだ。奴の目的は安寧道を掌握し武装蜂起をさせない事。いつか教主を殺して本当の神にしてしまい自分が頂点に立つ気なんだ」
タツ「内部に情報を渡して粛清する事は出来ないのか?」
ナジェ「ボリック派と言われる連中が大きな権力を握っている。それに帝国が背後にいるからな」
チェ「ここら辺が大臣の嫌らしい所だよね。表立って弾圧せず内部を掌握しようってんだから」
タツ「古今東西、有る程度出来る権力者なら使ってきた手法だ。腐敗しているとはいえ、オネスト(大臣)は狡猾だな」
チェ「あら?大臣の肩持つの?」
タツ「その権謀術数の手腕だけはな」
ナジェ「それで今回の任務はその本部まで行き、ボリックを討つ!・・・奴は一部の信者には食物に少しずつ薬を混ぜて中毒にし忠実な人形にしている外道という事が密偵の報告で確認している。遠慮はいらんぞ」
ラバ「どうせ信者の女の子はべらせてるんだろうな・・・リア充・・・爆発して死ね!文字通り死ね!!」
スサ「食材に薬を盛るとは食材に対する侮辱でしかない・・・」
ラバ・スサ「「絶対に許さねえ・許せん!」」
レオ「・・・放っておいたら信者達はどんどん薬漬けか・・・そりゃあ止めないとね」
ナジェ「最後に先程少し触れたイェーガーズについて・・エスデスもどうやら帰還したようだ。あいつらは今全力で私達を狩ろうとしている。このままではいずれ捕まるだろう。だから今回は帝都の外までおびき出してそこで仕掛けようと思う」
マイ「いよいよ全面対決って訳ね。腕がなるわ!」
タツ「マイン格好良いのー。」
マイ「ふふ、もしあんたが結婚出来てたら奥さんの影に隠れてそうね」
タツ「影どころか穴掘って地下にいよう」
ナジェ「・・・イェーガーズの中でもクロメとボルスは機会があれば消してくれと本部から依頼が来ている」
アカ「・・・・・・・」
タツ「クロメは国の為・・・帝国に操られているとはいえ暗殺者だからなあ・・・ボルスは」
チェ「革命軍を支援してくれた村を一つ焼きつくしたからね・・ボルスの部隊は・・・本人の火力も脅威って事もあるけど」
ナジェ「イェーガーズはエスデスが率いている以上、大臣の私兵である事には変わらん・・見知った顔でも戦えるなタツミ?」
タツ「ああ・・・んん??俺は現場でアシストするだけじゃないのか?」
ナジェ「勿論そのつもりだが、いざとなったら・・・」
タツ「いやいや俺みんなの足引っ張るから、無理ですよボス」
ナジェ「・・・タツミ、お前とは結構な時間を過ごした。その間、ごまかしているが最低限私達を戦闘面でフォロー出来るだけの力は持っていると私は見たぞ。隠しても立居振舞いで判る」
タツ「・・・・・・」
マイ「ああああ、ボス駄目ですよ、タツミは。臆病者ですから」
アカ「戦闘が出来ても殺しには向き不向きがある・・・タツミには荷が重いと思う」
ラバ「ふっ、やっぱこの中で頼れる男は俺一人だな」
スサ「では次から家事もお前に任せた」
ラバ「なっ!!」
レオ「ま、もしもの時には加勢して貰うで良いじゃないの、ねえボス」
ナジェ「・・とまあ、そんな所だ。もしもの時はお前の潜在能力に期待しているぞ」
タツ「・・・ん、ああ、判った・・・みんな、どうも・・・」
チェ『・・・ふぅ、意気消沈に見せかけている、か・・・』
帝都、雑踏。
タツ「はぁ・・・面倒な事になったな・・・しゃーない。あれを使うか」
タツミは帝具の一つ、帝具探知する“千里眼”を使う。
タツ「確か空間転移のあれは、ああこっちか・・・」
帝都外れ
フードを被った長身痩躯の男が顔を歪めている。
シュラ「チッ・・・スタイリッシュの奴、何やっているんだ・・・全然玩具がいねえじゃねえか・・・まぁ良い・・・仲間は集めたんだ。親父に挨拶しに行くか・・・」
タツ「よぉ、兄さん。景気良い顔してんなあ」
シュ「ああ!?なんだおめえ?」
タツ「初めまして、俺はただの帝具遣いさ」
シュ「へぇ・・・、お前がね・・・で、俺に何の用だ?」
タツ「兄さん、悪いけどあんたが持っている帝具、俺に渡してくれないかな?」
シュ「あ!!??何昼間から寝言言ってんだ?・・・欲しけりゃ腕づくでとってみやがれ『なんでこいつ俺が帝具持ってんの知ってんだ・・・?』
タツ「はぁ・・・じゃあそうさせて貰うわ」
シュ「おい!俺があのオネスト大臣の息子だって知ってんだろうな!?」
タツ「・・・今知った・・・」