虚六郊外
ナイトレイドのメンバーは郊外に身を隠している。
ナジェ「すまん、私の作戦ミスだ」
レオ「くっ、あいつがあんなに腕が立ったなんて聞いてないよ」
スサ「・・・・・・・」
アカ「追手は巻いたようだな・・・」
マイ「はぁ・・・、早くこの服かわかしたいわ」
ラバ「よぉ!みんな無事だったか?」
アカ「ラバ!生きてたか?」
ラバ「俺の超必殺技は擬死形態だぜ」
マイ「格好付けて言ってるけど、それただの死んだふりだから、しかも全然殺して無いから必殺技じゃないし」
ラバ「帝具の糸、体内に入れて脈を縛ったり結構難しいんだぞ!しかも変に縛ったらそれこそ死」
マイ「はいはい、講釈はもう良いから」
ラバ「それで、仕事は無事済んだのかい?」
ナジェ「すまん、ボリックは仕留め損ねた・・・」
ラバ「!?・・・あー、エスデスが邪魔したんですか?」
ナジェ「いや・・・、ボリックは帝具遣いで私達3人でも歯が立たなかった・・・誤算だ」
ラバ「まぁ・・・済んだ事はしようが無いですよ。また作戦を練って次こそ仕留めましょうや」
ナジェ「・・・・・・アカメ、マイン、お前達が駆け付けた時ボリックはどうした?」
マイ「逃げて行ったわ、天候を操る帝具?追掛けられなかった」
アカ「ボス、其の事で妙な事があった・・・見間違いかもしれないがボリックとエスデスが仲間割れしていたような気がする・・・」
マイ「んー?あれ見間違いじゃない?私も見たけど・・・だってエスデス担いで逃げてったし・・・ん?でもよく考えたら誰がエスデスを倒したの?そうなるとやっぱり・・・」
アカ「ボス達ではないんだな?」
ナジェ「ああ、私達はボリックだけで精一杯だった。」
スサ「すまん、俺もエスデスには歯が立たなかった」
ナジェ『スサノオの奥の手を最大限に使えばエスデスにも・・・だが、使う暇すら無かった・・・ボリック、あいつ・・・』
ラバ「えーと、俺は現場を見て無いけど、つまり、エスデスはボリックに倒された可能性が高いって訳だな・・・なんでだ?」
ナジェ「・・・恐らくエスデスの事だ、ボリックと闘いたくなったんだろう」
マイ「それで返り討ちなんて笑えるわね」
アカ「マイン、楽観したい所だがあのエスデスよりも厄介な相手がいるという事が判ったんだ・・・」
マイ「・・・冗談よ」
「にゃーお・・・」
マイ「猫?」
「チェルシー・・変身!・・・ってね♪」
ナジェ「チェルシー・・・無事だったか?」
チェ「ええ、今の所は。アジトには帝国軍は来てないけど時間の問題だと思うわ」
ナジェ「タツミはどうした?」
チェ「みんなの荷物持ってもうすぐで来ると思うわ・・・それよりもマイン、いつも冴えないけど今はいつにも増して不細工な顔してるわね、うふふ」
マイ「むきぃー!前線に出て仕事してない癖によく言うわ!あんたロクな死に方しないわよ!」
チェ「その顔見てるとどうやら失敗したみたいね・・・」
ナジェ「・・・・・・ああ、面目ない」
チェ「・・・・・・」
荷車を引っ張って、ガラゴロガラゴロ・・・
タツ「ふぅ・・・やっと辿り着いた・・一応みんなの荷物持って来たぞーどうだ首尾の方は・・・って聞くまでもないか・・・」
アカ「タツミは私達の経緯を何故知っているんだ?」
タツ「チェルシーが化けて外で様子を探ってくれていたんだ・・・それでみんなアジトに来ないで(逃げるように)ここに向かったと聞いたからな」
ナジェ「是が非でもボリックを殺さなければ・・・我々に失敗は許されない・・・。教主をみすみす殺さす訳にもいかない」
タツ「・・・・・・それで、帝国軍が来るかもしれないというのは顔を見られたんですか?」
ナジェ「・・・ああ、流石にあれだけ多人数が相手でしかも殺すのも気が引けた」
タツ「俺の時はそうしなかったくせにぃ」
ナジェ「・・・ふっ、タツミに前に言われたのもあるんだぞ。確かに私達は殺し屋だが、革命軍でもあるんだってな」
タツ「甘いんですね・・・そういうの嫌いじゃないですけど、殺し屋としてならもっと静かに誰にも気付かれずに暗殺を遂行すべきだったんではないですか?」
チェ「・・・・・・」
タツ「そうすれば無駄に顔を見られる事も、そう・・・俺が姐さんやアカメと会った時ももう少し周りに人がいるかどうか気を配るべきでしたね・・・」
ナジェ「タツミ・・・『お前・・・?』
ラバ「あのな、お前そういう事は実際やってから言え!外野からならいくらでも言えんだよ!」
タツ「・・・そうだな・・・、外野な俺は、じゃあ偵察でもしてくるさ、・・・ボス、行って来て良いな?」
ナジェ「ああ・・・頼む」
タツミはその場から去っていく。
ナジェ「・・・、チェルシー、一つ頼みがあるんだが」
チェ「はい、なんです?」
大聖堂内外では
エスデスが陣頭指揮を取って兵達の負傷の治療の手配や、諸々の雑事を行っている。
ラン「隊長、目下逃げたナイトレイドは捜索中です」
ウェ「申し訳ありません!逃がしてしまって」
エス「言い訳は後だ。今は乱れた足並みを揃えるぞ・・・救護班をこちらに回せ!『・・・ふん、死人は居ないか・・・甘いナジェンダだ』
クロ『私の所には誰も敵は来なかった・・・?』
エス「クロメ、お前も手伝ってこい」
祈りの間
教主・クラミルが黙祷を捧げている
「・・・・・・」
教主「・・・どなたですか?」
「・・・そのまま、どうかこちらを見ずに話を聞いて下さい」
教主「その声は・・・、そうですか・・・この騒動の一端は貴方が・・・やはりそうでしたか・・・」
「・・・!・・・貴方は会った時から俺達の事を知っておいでで?」
教主「なんとなくではありましたがね・・・」
「我々の正体も?」
教主「はい・・・、ただ貴方の事だけは今一つでしたが・・・」
「クラミルさん・・・、貴方は我々が来なければ、ボリックに殺されていた・・・その未来も予知されていたのでは?」
教主「ふふふ、やはりボリックさんと入れ替わられていたのは貴方ですね・・・そうですね、ですがそこで殺されるのであればそれもまた神の御意志と思い従うまでです」
「・・・・・・・、そういうものですか。つかぬ事を聞きますが貴方は御自身の出生について御存知なのですか?」
教主「・・・余り人には言えないものですね」
「もし、信者達が知ったら迫害の種になるかもしれません」
教主「そうですね・・・実は幼い頃、それで石をぶつけられ酷い目に遭ったものでした・・・」
「やはり・・・そのような貴方が何故人助けなんかを?」
教主「幼い頃は世を憎みもしました・・・ですが私は全ては大いなる意志の元に動いていると考えています。ですので私の出生も今こうしているのも、これもその意志の元にただ私は従っているだけなのだと」
「・・・・・・・・」
教主「・・・我々安寧道もいずれは解体になるかもしれませんが今はまだ必要なのだと私は思っています。・・・何故ならこの地方もそれまで人と人との繋がりが希薄でしたが良くも悪くも恥ずかしながらこの安寧道で皆さんが交流を持つきっかけともなりました」
「・・・クラミルさん、貴方はボリックを初めとした悪行を黙って見過ごしていたのではないですか?」
教主「その点については申し訳ありません。薄々気付いておりましたが私にはどうにも出来ませんでした」
「・・・・・・・『力無き正義だな』
教主「逆に私からも尋ねさせて下さい。・・・貴方は何処のどなたですか?勿論仮の身分を聞いている訳ではありません」
「・・・、遠い昔、竜族という種族がおりまして、・・・かつて自主的に滅んだ者達です・・・」
教主「竜族の・・・?あの伝説の?話ではある日突然その場に居た一族は忽然と姿を消し、消息不明になったと言い伝えにはありましたが・・・?」
「・・・肉体を持つ事と文明の限界を感じ・・・いえこれ以上は止めましょう」
教主「なるほど・・・では貴方がここに来ている真の目的は・・・?」
「この世界は法則が妙な事になってますのでそれの調整に・・・、いや、喋りすぎました」
教主「・・・!もしや貴方様は神の使い、或いは神々の列席に名を連ねる方ですか?」
「・・・貴方がたの想像する神など・・・人間に都合の良い神などいるのかどうか私には判りません」
教主「・・・・・・」
「・・・もう、お会いする事も無いでしょうが、随分とお達者で・・・」
教主「お待ち下さい。是非貴方様に教団に居て頂き我々を導いて下さい!」
もう気配が無い
教主「私は・・・今までの私のままで良いのだろうか・・・」
(現在)
エス「ダーリン」
タツ「なんだ?」
エス「今の話の半分しか判らんぞ、私にも判るように説明してくれ」
タツ「仕方無いなぁ・・・つまりだ、今は昔、竹取りの翁と言う者ありけり、野山に混じりて竹を取りつつ、」
エス「?」
タツ「諸行無常の響きを得たり、只ひとえに風の前の塵に同じ・・・という事だ。」
エス「・・・???・・・んん?むむ?」
タツ「判らないか?判る訳無いよな?くくく」
エス「・・・いや、判ったぞ」
タツ「な!?判ったのか?」
エス「・・・つまり、ダーリンは私をまたからかっているという事をだ」
タツ「げっ!ばれたか!・・・逃ぃげろ―!」
エス「逃さんぞ!・・・タツミ!大人しく捕まるなら褒美に一日中口付けだ・・・このまま逃げるなら罰として一日掛けて口付けだ!」
タツ「どの道かわんねー!」
エス「さぁ、タツミ!大人しくチュかまれー!」