虚六路地裏
人のいない通りを一人歩くタツミ
タツ「・・・誰だ?」
チェ「・・・あはは、ばれちゃった?」
タツ「なんだお前か、どうした?」
チェ「ボスがあんたを見張れってさ」
タツ「やっぱりか・・・」
チェ「どうするの、大将?」
虚六郊外
他のメンバーは見張り等で離れている。
ナジェ「・・・・・・」
ラバ「・・・・、・・・・はぁ・・・、ああ、ナジェンダさん、あいつ一応は信用しても良いと思いますよ」
ナジェ「・・・!・・・胸の内を読まれるとは、ラバには叶わないな。・・・どうしてそう思う?」
ラバ「同じ男の勘ってやつですよ。ただ本当に何を考えているかは判りませんがね」
ナジェ「・・・タツミと初めて会った時の事をアカメはこう言っていた。現場を見られて口封じに殺そうとしたら、村雨突き付けられてあいつはアカメの目を見据えて不敵に微笑んでたとな・・・、それでレオーネがとりあえず何かに使えそうだと思って連れて来たという訳だ」
ラバ「あー・・・そういえばそんな事言ってましたね」
ナジェ「他にもアカメはこうも言っていた・・・殺す気が湧かなくなったというよりも、殺せなかった。何か得体の知れなさに恐怖を感じたと・・・ただその後の行動で気のせいだったかもしれないと首を傾げていたがな」
ラバ「・・・ひょっとして今回の仕事しくじったのもあいつが裏で糸を引いているとか?」
ナジェ「・・・確証はまだ無いがな」
ナジェンダはタバコの煙を溜息のように吐く
ラバ「・・・どうやら噂をすればなんとやらで」
チェ「たーだいま!」
ナジェ「チェルシー」
チェ「・・・・・ボス、話があります」
大聖堂外
一連の処理を終え、イェーガーズを召集する。
エス「皆よくやった。今回の任務は成功だ」
ウェ「やりましたね!ですがすみません、俺はナイトレイドを誰も倒せませんでした。・・・けど凄いですね隊長、一人で奴らを撃退したなんて」
エス「・・・ああ、私も捕獲出来ず残念だったがな・・・」
ラン「・・・、とりあえずボリック様は無事・・・、彼は今どちらに?」
エス「奴なら私達にも教えず身を隠した。もうその後の事まで面倒など見切れん」
ラン「・・・・・」
ウェ「ですがまたナイトレイドが襲ってくるかもしれませんよ・・・どうします?」
エス「後はもう、羅刹四鬼に任せておけ。帝都に戻り大臣とも其の事で相談するとしよう。援軍をよこすかどうか」
クロ「・・・、隊長私に残らせて下さい!ひょっとしたら再びナイトレイドが新たな人員で再度来るかも知れません!」
エス「クロメ、お前は帝具が使えないんだ・・・帝都に戻って新たな帝具を探してからでどうだ?」
クロ「・・・多分、八房以外に私に合う帝具はありません。この八房だって力を発動させられないだけであって、普通に刀としては使えますから、一番手に馴染んでますし・・・ひょっとしたら何かの方法で元の力が復活するかもしれません。」
エス「判った、ならクロメはこのまま残れ。教団には私から話を付けておく。」
ウェ「・・・隊長、俺も残らせて下さい!今は帝具が使えないクロメをこのままにしておけません」
クロ「ウェイブ!?」
エス「全く・・・判った良いだろう。だが期限を決めておく。それまでに帝都に帰って来い、良いな?」
ウェ「有難う御座います!」
ラン「ふふふ、良かったですねウェイブ、クロメさん」
クロ「べ、別に私は・・・///」
ウェ「あ、・・・ラン!俺はそんな浮かれた理由じゃねえよ!あくまでだな・・」
ラン「はいはい」
ウェ「あーもう、とにかく帝都に帰ったらタツミにちゃんとやってたか、お前?と伝えといてくれ」
ラン「・・・そうですね、彼ならちゃんとやってましたね・・・」
ウェ「・・・ん?」
エス「・・・むっ!お前達、ではこれで解散だ。私とランは明日帝都へ出発する、良いな、ではな!」
ウェ「・・・・・・?隊長何急いでいたんだ?」
ラン「きっと男の我々では判らない事でしょう、くくく」
ウェ「なんだそれ?クロメ、何か判るか?」
クロ「・・・ウェイブなんて知らない!」
聖堂内
スズ「・・・ボリック様、何処行ったんだろ?」
メズ「まー、そのうち戻って来るっしょ」
シュ「うむ、ボリック殿が戻って来るまで我々の手で教団を支えるのだ」
イバ「へっ、まぁしょうがねえな」
聖堂外れ空き地
大急ぎで走って来た為か珍しく息をきらしている
エス「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
タツ「・・・・・よく、ここが判ったな」
エス「・・・ああ・・・当然だ、タツミの匂いがしたからな」
タツ「最早帝具並みの性能だな、その鼻は」
エス「うふふ、タツミはやはり私のモノだな♪こうしてこっちに帰って来てくれたのだからな、あのメスブタな泥棒猫が悔しがる顔が目に浮かぶぞ」
タツ「『豚と猫どっちだよ?』いや・・・、もう少ししたら直ぐに戻らねばならない」
エス「!?何故だ!もうナイトレイドになんか戻らず、ずっと私の傍にいてくれ・・・あの後、事後処理もあったが悔しくて私は一睡もせず働いていたんだ」
タツ「・・・・・・」
エス「タツミ、私はこれでもお前に言われた通り動き、自分を少しでも・・・本来なら嫌だったが変えてきたんだぞ・・・だがこれも私の傲慢か」
タツ『・・・ほぉ・・・』
エス「もうあんなものを見るのも耐えられん。あれは中々きつい拷問だったぞ。だから、タツミお前をもう離したくない!」
タツ「・・・・・・俺には俺の目的がある・・・それを果たすまではな」
エス「なら!?それを果たせたら一緒にずっといてくれるんだな?」
タツ「・・・俺が今から言う事を守れたらな・・・」
エス「なんだ?」
タツ「俺の許可が出るまで人は絶対殺すな、だ・・・」
エス「!!・・・私はこれから帝都に戻り、場合によっては反乱軍とも闘わねばならん・・・そいつらも殺すなというのか?」
タツ「・・・ああ、お前の力なら殺さずに生け捕りも出来るだろ?」
エス「何故だタツミ・・・、何故タツミはそこまで私を苦しめる?」
タツ「・・・俺はお前を利用しているにしか過ぎない」
エス「・・・あれは、あの小娘が私とタツミの仲をかき乱す為に言った事だろ?」
タツ「いいや、本当だ」
エス「・・・くっ、タツミと私の何が違うというのだ?同じく人を殺しているだろ?」
タツ「お前の場合、ただ楽しそうに殺したり自分と殺される側の者は別だと考えている・・・だが俺は少なくとも相手も自分も元は同じ・・・だと考えていて、殺す際も表には特に出さんが慈悲の心を持って殺しているつもりだがな」
エス「まさかタツミも殺すことで相手を救うを思っているのか?」
タツ「別にそういう訳じゃない・・・、とにかくお前には殺しそのものを楽しみ、相手を慈しむ心が無い・・・だからだ。更に言えば・・・いや今のお前にはまだ早いな」
エス「殺す相手を慈しむ・・・判らん・・・私よりも弱い相手は死ぬ・・それだけの事ではないのか?」
タツ「そう思っているうちはお前は今まで多くの命を奪ってはいても、本当の意味で誰も殺せない。・・・だからお前には殺人の許可も出さない」
エス「・・・・っつ・・・、誰も殺せない?どういう意味だ、そんな禅のような話など・・・」
タツ「判らないのなら自分なりに考えろ・・・判りたくないと言うなら・・・そして出来ないというなら、もうお前に会いに来る事も無い・・・次会う時はそれこそ敵同士でだ」
エス「くっ・・・・・・判った、タツミ。乗り越えてやろうではないか、この試練を・・・そして乗り越えた暁にはもう二度と私から離れるなよ!」
タツ「俺とお前一緒になったとしても・・・後悔する事になると思うぞ」
エス「構わん!」
タツ「ではその時になったらこの事についてまた話そう・・・ではまたな」
エス「ああ・・・、む?まだだ待て、タツミ!・・・このまま・・・そうだ、このまま帰れると思うな///」
タツ「・・・・・それはどういう意味だ」
エス「も、文字通りの意味だ。・・・あの女があんな事したのだ、それ以上の事をしなければ帰したりはしないぞ///」
タツ「・・・!・・・な、何をすれば良い・・・?」
エス「まず抱き締めると良いぞ」
タツ『・・・こんな女でも流石に良い匂いがするな』
エス『はわわわわわわ///』
タツ「・・・・・・」
エス『あ、頭を撫でられている!!・・・こ、これは良い・・・///』
タツ『・・・///・・・そろそろ、戻るか・・・』
エス「?・・・タツミ、もう止めるのか」
タツ「もう帰ら・・・」
エスデスの唇がタツミのそれを覆い、彼女の舌が口内を泳ぐ。
タツ『・・・!・・・///』
エス『はぁ・・・んんん///・・・んん・・・///』
タツ「はぁ・・・///・・・はぁ・・・も、もう止せよ、エスデス・・・///」
エス「あん・・・もっとだ///」
タツ『・・・うっ・・・抗えない・・・性格さえ良ければ普通に美人だしな、こいつ』
エスデスは次にタツミの頬、首と少しずつ下へ吸い進め、タツミは膝が地に着く。
エス「んん、んちゅ・・・んん///」
タツ『はぁ・・・はぁ・・・駄目だ・・・これは強烈だ///・・・ええい、理性の力、フルパワーだ!』
タツミはエスデスを両肩を両腕で剥がす。
エス「あん・・・タツミ・・・」
タツ「はぁ・・・はぁ・・、エスデス、と、とりあえず俺は戻ら・・、なくては・・なくては・・・」
エス「次はいつ逢える?」
タツ「しばらくは無理だ・・・」
エス「なら・・なら今日は帰したくは無い・・・」
タツ「・・・・・・」
エス「・・・・・・、判った、我慢するとしよう・・・だが、私を一人にするなよ・・・必ずまた来るんだぞ」
そう言ってエスデスはタツミに口付ける。
タツ「!!///・・・わ、判った」
向かう道中
タツ「・・・危なかった・・・、まだあいつの感触が・・・、あれで中身が俺好みだったら間違いなく危なかった・・・ん?あ、あいつ思いっきり吸ってたからな・・・隠しておかないと死ぬ程恥ずかしい」
そして遅れてくる事
チェ『・・・タツミ、遅い・・・あ、来た!』
タツ「今戻りました・・・ボス、今の所こっちまでは追手は来ていません。それにボリックは当分の間、安寧道を離れて身を隠すという話を聞きました」
ナジェ「そうか!・・・、とりあえず私達も体勢を立て直す為に已むを得んが一旦帝都に戻るぞ。だがボリックはいずれ必ず討ち果たす。・・・タツミ、ご苦労だったな」
タツ「いえいえ」
ナジェ『・・・妙だな。あのボリックが私達を警戒して身を隠す?・・・あの強さでか、或いは用心を重ねてか?・・・』
チェ「・・・タツミ、どうしたの?・・・マフラーなんかして?」
タツ「・・・ああ、ちょっと風邪ひいたみたいでな」
チェ「ふ~~~~~~ん・・・・」
タツ『不味い・・・思いっきり疑われている』
スサ「おい、ナジェンダ!馬車の手配が出来たぞ。皆早く乗り込め!」