ズドガシャン!!!
その時、爆音が鳴り響く、
ブド「何事だ!」
ブドー直属の部下達が急を知らせに来る。
「将軍!何者かが外で暴れております!」
ブド「うろたえるな!精鋭部隊で鎮圧に当たれ!刑はそのまま私が責任を持って続行にあたる、行け!者共!」
「「はっ!!」」
そこでは、セリューとコロが暴れていた。彼女は覆面をして応戦している。
セリ「コロ、大勢来たよ!じゃあ奥の手!」
コロ「きゅい!!」
コロは巨大化した状態で、周囲に三半規管を狂わせるような、咆哮を浴びせる。
「ぐっ・・・なんだこれは・・!」
「ちっ・・・進め!賊は一人と生物型帝具だけだ!」
セリ「よし、この辺で良いっか!コロ、行くよ!」
コロ「きゅい!」
飛行型危険種に乗り、彼女達は空へと逃げる。
「くっ・・・逃がすな!」
「今、飛行型を連れてくる!」
「絶対逃がすな!」
それを遠くから望遠鏡で眺めるラン
「おやおや、・・・セリュー・・・、成程・・・無事逃げ切れると良いですね」
見物人達もざわつき始めている・・・
ナジェ「なんだ一体・・・?」
ラバ「まさかエスデスを助けに来た連中ですかね?」
ブド「・・・陛下に万が一の事があっては事だ・・・、良いか直ぐに戻って来る、お前は持ち場を離れるな、良いな!」
そう言って、場を離れる。
エス「・・・おい、そこの拷問官、何をぼーっとしている・・・さっさと始めんか?この私が怖いのか」
「・・・・・・」
その者はエスデスの鳩尾へ強烈な一撃を加える
エス「がはっ・・・・ぐふ・・・が・・・、はぁはぁ・・・くっ・・・『これは骨が折れたか・・・』・・・ははは、どうしたそんなものか・・・素手で私を殺すつもりか・・・甘く見られたものだな・・・くくく・・・うぐ・・・」
「減らず口はそこまでだ・・・別世界のお前を素手でも殺したんだがな・・・」
エス「・・・・・・・・・・・・・、その声は・・・タ・・・ッ・・・・・ミ・・・、嘘だ・・・これは夢か・・・?」
「なんなら、もう一発いくか?」
エス「・・・いや、もう良い・・・、本当に死んでしまいそうだ・・・だけど、タツミ・・・うううう・・・くああああ・・・・」
「お前でも泣く事有るんだな・・・見直したぞ」
エス「タツミ、いつから紛れ込んでいたんだ?匂いも判らなかったぞ」
「その匂いをごまかすのは苦労した・・・お喋りはここまでだ、逃げるぞ!」
エスデスの拘束を解き、自由になったが胸を苦しそうに抑える。
「・・・お前が何処まで拷問に耐えられるか試して見たかったんだが・・・残念だな」
エス「・・・タツミに攻められたら直ぐに根を上げてしまうぞ、私は」
「ドSは打たれ弱いもんだな・・・」
セリ「いやっほーいぃ!!」
コロ「きゅーーい!」
飛行する危険種を操りセリューとコロが近くまで来る。
エス「・・・セリューか・・・」
セリ「隊長・・・いえ、エスデスさん、お久しぶりです!」
「セリュー流石だな、予定通りだ!・・・さぁエスデス、早く乗れ!」
セリ「えへへ///・・・さぁ早く乗って下さい!」
エス「タツミ!お前はどうするんだ!」
「俺は後から行く・・・セリュー、エスデスを頼む!」
セリ「了解・・・!タツミ君も気を付けて・・・あ!?」
ブド「・・・・・・・・・・・・」
「行け!!」
セリューは頷き、エスデスを連れて、空へ飛び立ち離れていく。
ナジェ「・・・どういう事だ?エスデスが逃げたぞ・・・」
ラバ「・・・まさか、あいつ・・・」
ブド「先程は名を聞きそびれていたな・・・名乗れ・・・」
タツミは拷問官の面を被ったまま応える。
「あいつらを追撃しないのか?」
ブド「ふっ・・・お前を倒してからでないと、無駄撃ちになりそうなんでな・・・」
タツミは指を鳴らす。すると・・・、公開処刑場の地面の至る所で・・・マグマが噴出し、見物人から悲鳴が上がり、大勢が逃げだしていく。
ブド「・・・ほぉ・・・大した帝具だ・・・聞こう、何故お前達は帝国に逆らう・・・」
「俺もあんたのように・・・国や所属する組織に疑いも無く、仕えれるのが羨ましい・・・」
ブド「私の家系は代々この国に皇帝陛下に仕えて来た・・・行き違いで誤解もあろう・・だが時には非情な手段を持って統治にあたるのも已むを得ん・・・それが武官というもの」
「・・・真の忠臣とは・・・ただ主の命令をこなしその主の地位や命を後生大事に守る事では無い・・・。主君が間違った方に進めば己の命を捨ててでも諌めるのが真の忠臣というもの・・・」
ブド「この私が・・・代々皇帝に仕えて来た家のこの私が、真の忠臣では無いというのか・・・!」
「武官だから政治に口を出さない・・・その理屈も最もだが・・・だからこそ、オネストのような逆臣に皇帝カライは良い様に利用されている・・・」
ブド「陛下を愚弄するとは・・・ただでは済まんぞ!」
「政治の世界を甘く見るな・・・駆け引きに置いてはあのオネストの方があんたよりも一枚も二枚も上手だ。真の忠臣になり皇帝を支えたくば、その方面も学んで見る事です・・・ではまた相まみえよう・・・御免!」
ブド「・・・・・・・・・」
ブドーはタツミが去って行くのを追撃せずに無言のまま見送った。
一方、
「どうした、・・・畜生!こいつら寝てやがる・・・」
「こっちもだ、どういう事だ!」
「早く叩き起こせ!」
飛行型の危険種達は眠らされていた。その物陰で
ラン『・・・エスデスを救う気は更々ありませんが・・・さて、セリューはどう変わりましたかねぇ・・・、久しぶりに彼女に会って見るのも楽しみだ・・・』
飛行する危険種の背中の上で
セリ「・・・あれれ?追手が来ない・・・タツミ君が上手くやってくれたのかな?」
コロの頭を撫でるエスデス
コロ「きゅいきゅい!///」
エス「・・・セリュー、お前達は田舎で暮らしていたのでは無かったのか?」
セリ「ええと、実は・・・」
(回想)『郊外の森に一軒の粗末な家屋の外でのんびり過ごす一人の一匹。
セリ「・・・今頃、皆どうしてるかなー」
コロ「きゅいきゅいきゅきゅい!」
セリ「そうだね、きっと元気だよね」
ザッザッ・・・
セリ「!?」
ザッ・・・
タツ「久しぶりだな・・・セリューさん」
セリ「タツミ・・・、どうしてここに?・・・何しに来たの?まさか!」
コロ「・・・・・・」
タツ「そう身構えるな・・・良い話と悪い話を持って来た」
セリ「良い話って」
タツ「人助けだ・・・」
セリ「・・・?悪い話って言うのは・・・?」
タツ「・・・エスデスが明後日処刑される・・・」
セリ「ええ!!??・・・隊長が?・・・はぁぁ!!嘘でしょ・・・そんなの!!」
タツ「・・・・・・」
セリ「嘘・・・どうして・・・?」
タツ「判らないのか・・・?」
セリ「・・・・・・・・・・『考えろあたし、思考を停止させちゃ駄目!』」
タツ「判らないなら・・・お前を誘う気は無い・・・、俺の期待外れだったな・・・すまない、忘れてくれ・・・俺一人でなんとかする」
セリ「・・・待って・・・あたしにも判るように教えて、お願い!」
タツ「・・・あんたなりの正義は見つかったのか?」
セリ「・・・、正義?・・・正義ってなんだっけ・・・あたしもう忘れちゃった・・・ふふ」
自嘲気味な笑みを浮かべる。それを受け一瞬驚くタツミ。
タツ「・・・・・・、判った。事の経緯を伝えよう」
』
セリ「・・・という事がありまして・・・、まぁあたしだってエスデスさんの立場に居て、帝国に反逆してたら処刑されてたでしょうね、ふふふ」
エス「・・・そうか・・・、だがお前、ヤケに楽しそうだな?」
セリ「え?・・・えー、そうですね・・・やっと自分らしく・・・っていうのも変ですけど・・・すっきりしてきました」
追手が来ないと安心したのか、覆面を取るセリュー、その横顔は清々しさに帯びていた。
エス「・・・・・・、成程、良かったな・・・」
二人と一匹は、タツミとの合流地点へと向かった。