帝都宮殿会議の間
「ブドォ・・・大将軍殿・・・?全くこれは一体・・・どういう事ですかなぁあ?貴方程の方がついていながら、逆賊エスデスをまんまと取り逃すとは・・・こんな事、帝国建国以来の大不祥事ですぞ!」
オネストはこめかみに青筋を立ててまくしたてる。
他の幹部達は固唾を呑んで見守り誰も口を挟まない。
ブドーは目を瞑りオネストの罵声を甘んじて受けている
「・・・・・・・・・」
「全く・・・陛下がどれだけ心を痛めておられるか・・・その責任の重大さが貴方にはお判りか?・・・今も床に伏せっておられますぞ!」
「・・・それは妙だな、大臣?・・・私は先程、陛下とお言葉をかわしたのだが?」
「ぐっ・・・」
ブドーの回想『
「ブドーよ、余はもう何を信じて良いか判らなくなった・・・あのエスデスが、余を裏切る等・・・そんな事が・・・」
「陛下・・・どうかお気を確かに・・・『エスデス「この私が帝国に心の底から仕えていたと本気で思っていたのか?」』・・・エスデスにも何かあやつなりの深い事情があったのでしょう・・・」
「・・・エスデスが何者かに連れていかれたそうだな・・・、余は大臣の言う通りならばエスデスを憎む気持ちと今までの働きを思うと、処刑を執行出来ず内心良かったと思う心が二つある・・・ブドー、余は上に立つ身としてこのように、心が定まらないのはどうしたものか・・・」
「陛下の深いその御心、きっとあのエスデスにも届いておりましょう・・・」
「・・・ブドー、エスデスの処置はそなたらに任せる・・・余は少し考えたい・・・」
「陛下、恐れながら今はどうか休息を・・・陛下は尊き御方、時が経てばまた気持ちも固まりましょう」
』
「・・・とにかく、大将軍として・・・どう責任を取られるおつもりか!!」
「ふっ・・・エスデスを・・・ここに引きづり出してくれる・・・陛下はまだ奴に真意を問いたいようであるからな・・・」
「何を馬鹿な事を・・・陛下を惑わすような事は慎んで頂きたい!」
「この痴れ者(しれもの)!!」
びくっ!
一瞬、その場が凍りつく、オネストも冷や汗をかく
「大臣・・・貴様、満足な詮議もせずに、エスデスに奴の罪以上のものを着せていたようだな・・・重税の話やその他余罪の話もエスデスは軍人だ・・・あやつにそんな権限があったと思えんぞ」
「あー・・・いやぁですから、エスデスは自分の特権を悪用してですな・・・」
鋭い眼光でオネストを威嚇する
「その余罪が本物かどうか・・・奴をここに引っ立てて改めて吐かせるまでだ・・・」
「そ、そのような必要はありませんぞ!・・・私がしっかりと調べました故!」
「・・・大臣、話を誇張するくらいならばまだ良い・・・と私も見逃したが・・・やってもいない罪をなすりつけるのは許せんぞ・・・」
「大将軍?何を仰せか!・・・逆賊を庇うのですか?」
「庇う気は無い・・・ただ、奴に本当の事を吐かせ、その後一体誰が何をしたかをはっきりさせる・・・その上で改めて陛下に判断を仰ぎ、やはり処刑が妥当とならば今度は私が必ず刑を執行する」
「馬鹿な・・・ブドー将軍は一体何を・・・皆さんもそう思いませんか?」
他の一同は容易に賛成しかねる様子で、結論を出すような素振りは見せない・・・。
「くっ・・・もう良い判りました・・・ブドー大将軍、必ずやエスデスを連れて来て下さいよ・・・但し日にちを決める故、それまでに大将軍の威信に掛けて連れて来て下さいよ!」
そう言ってオネストは席を離れ、会議の場から出て行った。
オネ『全く・・・、あのブドーめ・・・今に見ていろ・・・エスデスも忌々しい・・・』
ドロテア研究室
「おお、大臣・・・何やら楽しそうな顔をしておるのじゃ・・・くくく・・・」
「ドロテアさん・・・、からかうのは止して下さい・・・ちょっと不味い事になりましてね・・・」
「ほぉ・・・あのドS姫を助け出した・・・白馬の王子様の正体は一体誰かの・・・中々妬けるのじゃ」
「・・・今、目下探索中ですよ・・・全く、おのれ・・・、必ずや捕まえありとあらゆる責め苦で苦しみ殺してやりますよ・・・この私をここまで虚仮にするとは・・・」
「ふっ・・・大臣殿もヤキが回ったのじゃ・・・くくく」
「・・・そういう貴女こそ、白馬の王子?・・・かなりのご高齢なのにいつまで夢見る乙女なのですか?」
「なっ!?・・・妾はただ、ふざけて言っただけで、そんなものに憧れてなどおらん!」
「ふっ、どうだか・・・・・・ああ、すみません・・・私とした事がつい頭に血が上り・・・」
「・・・うむ、お主らしくないのぉ」
「とにかく、腹いせにエスデスを助命嘆願していた兵士共をどうするか・・・皆殺しか、それとも温情で全員解雇と・・・見せかけますかねぇ・・・ぐふふ」
「あの女を慕っていた兵どもはそれなりに多いと聞くぞ・・・良いのか、そんな事して・・・」
「大丈夫ですよ・・・、貴女という強大な戦力・・・それに、奥の手がありますからね・・・」
「まぁ安心じゃな」
「ですので兵の数などモノの数ではありません・・・」
そこにドアのノック音が・・・
ドロ「誰じゃ!」
ドアを開けると・・・
「どうもー、羅刹四鬼のスズカどぅえす!」
ドロ「・・・なんじゃ、こやつは?」
オネ「ああ・・・、安寧道にボリック護衛に行かせていた者ですよ・・・スズカさん、何故貴女がここに?」
スズ「お手紙でも書きました通り、ボリック様が大臣の護衛を頼むとの事です・・・どうぞ、よしなにー♪」
オネ「・・・・・・はぁ・・・、まぁ良いでしょう・・・ですがボリックにもきつく言っといて下さい・・・ナイトレイドを返り討ちにしたのは良いですが、安寧道の反乱を抑えられなかったのは許しませんぞと・・・」
スズ「いやぁ・・・その件には関してはボリック様も深く反省しております・・・ですので、最近何かと物騒になっておりますので私がオネスト様の護衛にと」
オネ「・・・一丁前にご機嫌取りですか・・・まぁ良いでしょう、しっかり頼みますよ」
スズ「はーい、頑張りまぁーす♪」
ドロ『・・・なんじゃ、この頭にヤシの木が生えたような能天気さは?』