ラバックの糸型帝具がアジト周辺の土地へ侵入した間諜の女に絡みつく。近くの木々に絡ませての拘束の為、宙に浮かんだ形になっている。
「くっ・・・・」
糸が絡まり身動きが取れず、体や首を圧迫している
「お願い・・・なんでもするから・・・助けて・・・」
「なんでも・・・?へぇ・・・具体的に何をしてくれるんだい・・・?」
ラバックはそう言って近づいていく。
「ええ、勿論・・貴方が望むならなんだって・・・」
その女はニヤリと怪しい笑みを浮かべる。
ラバックは無言で糸を締め上げ、その女は虫の息となり痙攣を起こす。そしてその女を糸から解放する。
「がっ・・・なんで・・・・?」
「・・・・・・」
ラバックはニヤリと笑みを小さく浮かべそのまま立ち去ろうとする。
だがそれでも女は話しかける・・・「ねぇ・・・なんで・・・あたし殺されなきゃ・・・、ただていこく・・・やとわれた・・・だけ・・・いきるために・・・、・・・・」
遂に女は事切れた、目を見開いたまま。
そして、ラバックは彼女の目をつぶらせて、「・・・あんたみたいに死んでった女・・・今まで何人か見てきたんだ・・・」
ナイトレイドアジト館内広場
レオーネとアカメがタツミをナジェンダの前に連れてくる。
レオ「ボス、彼が前に話してた・・・えーっと、タツミですよ」
ナジェ「タツミ?・・・前に聞いていた名前と違うな、偽名か?・・・まぁ良い。どれくらい腕が立つんだ」
レオ「そりゃもう、アカメを前にしても一歩も引かずで・・・」
ナジェンダは有無を言わずにタツミを回し蹴りを入れる・・・タツミは成すがままそのままふっ飛ばされ倒れる。
レオ「・・・あちゃー・・・」
アカ「・・・・・・・・」
ナジェ「・・・本当に腕が立つのか?」
ようやく起き上がり
タツ「・・・いてて、いきなり何するんですか?」
アカ「タツミ・・・、何故かわなさかった?」
タツ「いや、かわせなかったからかわさなかったんだけど・・・」
レオ「・・・下手な芝居はやめなよ?」
ナジェ「・・・報告によればアカメ相手に対等に渡り合ったと聞いたが?」
タツ「・・・彼女と闘ってなんかいないですよ?あれはおっかなくて動けなかっただけで」
レオ「・・・えっ!?」
タツ「いや本当」
ナジェ「・・・・・・・、どうなんだアカメ?」
アカ「・・・、・・・一歩も引かなかったのは間違いない・・・私もタツミが嘘ついているように思える」
ナジェ「・・・だ、そうだが・・・『う~ん、確かにまるで覇気が感じられない・・・』・・あんた元々、何をしてたんだ?」
タツ「・・・天涯孤独で家も無いんで日々の生活を乞食や日雇い仕事で食いつないでいるただの浮浪者ですが・・・?」
ナジェ「はぁ~~~~・・・・・・・」
ナジェンダは煙草の煙を溜息と共に豪快に吐き出した。
ナジェ「・・・お前ら二人ちょっとこっちへ来い・・・」
そう言ってアカメとレオーネを隣の別室に連れて行き・・・
ガスン!!ゴツン!!
ナジェンダの義手が二人の頭に炸裂しタンコブが出来る。
ナジェ「お前ら!!只の一般人連れて来てどうすんだ!このド阿呆!!」
レオ「いてて・・・ボス!そっちの腕で殴らないてくださいよ!!」
アカ「・・・・・痛い・・・」
レオ「だけどアカメ、あいつ本当に中々大したものだったよな?」
アカ「ああ・・・」
ナジェ「何がどう大したものだったんだ!?」
レオ「だってこないだの標的の一人をボコボコ・・・『ああ、殺した事にしたんだった・・・』・・・見事に殺して見せたんですよ?なぁアカメ?」
アカ「ああ・・・」
ナジェ「確かアリアとかいう普通の女だったよな、そいつは?・・・ただの普通の一般の女殺すのは普通の男でもやろうと思えば出来るわぁ!!このボケぇ!!」
レオ「ボケだってさ、アカメ」
アカ「・・・レオーネの事だろう?」
ナジェ「お前ら、真面目に聞けぃ!!・・・全く私の悩みの種を増やす奴らだ・・・」
レオ「もぅお、ボスぅ!そんなに怒ってたら小皺が増えますよ?」
ナジェ「ああ・・・ここ最近な・・・って何!?」
ガスン、ゴスン、ガツン!!!
アカメは倒れたレオーネを突つき、
「・・・レオーネから返事が無い・・・、ただのしかばねのようだ・・・」
ナジェ「全く・・・お前らは罰として1週間トイレ掃除だ!」
再びタツミの居る部屋に戻るナジェンダ
ナジェ「はぁ・・・、タツミと言ったな・・・、君は何故ここに・・・あのレオーネに付いてきたんだ?」
タツ「え?・・・え~と、付いてこいと言われたからです・・・」
ナジェ「・・・それで付いてきたのか?」
タツ「はい・・・、去る者は追わず、来るものは拒まずなんで・・・」
ナジェ「はぁ~・・・・・、『なんて呑気な・・・よくこれでこの帝都で今まで生きてこれたものだ・・・』
タツ「あの~・・・俺はこれからどうすればいいんですか?」
ナジェ「・・・・・、不本意だが我々のアジトを見られてしまった・・・まぁ悪いようにはしない・・・その辺で乞食をするよりはマシな生活を保障しよう、その代わり革命が成功するまでここから出ていく事を禁じる・・・と言っても必要があって外に出る事もあるだろう、その時は監視の目を付ける」
タツ「・・・判りました。差し当たって何をすれば良いですか?」
ナジェ「そうだなぁ・・・雑用だな『・・・やけにあっさり受け入れるなぁ・・・』
そこにラバックが入って来る。
ラバ「ナジェンダさん、侵入者の掃討終わりました!『ふっ、決まったぜ・・・これでナジェンダさんの中の俺の株が・・・ぐふふ』
ナジェ「ああ・・・、御苦労だったな、ラバック・・・」
ラバ「いえいえ、ナジェンダさん俺に掛かればこれくらい・・・ん?誰ですかこいつ?」
ナジェ「ああ・・・アホーネとバカメが連れてきた一般人だ・・・全く」
ラバ「あ~・・・前に連れてきたあいつもこないだ死にましたからねぇ・・・」
タツ「・・・・・・・・」
ナジェ「まぁ、ここナイトレイドで男はラバックとブラートだけで、他は女だからな。まぁタツミは雑用として居て貰う・・・ラバック、仲良くしてやってくれ」
ラバ「判りましたナジェンダさん!・・・ところで新人君・・・ちょっとこっちに」
タツ「?」
ラバックはタツミを掴みナジェンダに聞こえないように・・・「おい!新入り!このナイトレイドには女性が複数いる・・・お前誰が好みだ・・・」
タツ「いや俺は別に・・・」
ラバ「いいか・・・、銀髪のショートカットの似合う女の人に少しでも近づいたらお前は翌日湖に浮かぶ事になるからな・・・」
ナジェ「・・・?・・・ラバックどうしたんだ?」
ラバ「いやぁなんでもないですよ・・・これから仲良くしていこうな、タツミ君!」
タツ「あ、ああ・・・」
そこにレオーネとアカメが入って来る。
レオ「あ~・・・いてて、もぉボス!ちょっとは手加減して下さいよ・・・あたた」
アカ「あれはレオーネも悪いと思う・・・女性に肌の事を言うのは失礼だ・・・」
レオ「そーだよなーアカメだって仕事で夜更かしばっかしてるから・・・」
アカ「!?」
ナジェ「レオーネか、丁度良い。他のメンバーにタツミの事紹介して来い」
レオ「ラジャー、アカメも行こう」
会議室
そこに眼鏡を掛けた女性が椅子に座り本を読んでいる。
タツ『・・・知的そうな女だな・・・』
レオ「よっ、シェーレ、こいつが新しく仲間・・・まぁ下働きで入ったタツミだ」
タツ「宜しくお願いします」
シェ「ああ・・・貴方が・・・くれぐれも長生きして下さいね・・・でも私達みたいに殺しに行かないなら大丈夫ですかね・・・」
そう言って再び本を読み始める
タツ『何を読んでいるんだ・・・?』
天然ボケを治す100の方法・・・象も判るゾウ、と表紙に書かれいてる
タツ『・・・なんだこの本?・・・まさかあの表紙でさり気無く笑いを取りに!?・・・ひょっとしたら心の友になれるかもしれない・・・』
アカ「こう見えて、シェーレは腕が立つ・・・」
レオ「色んな意味でもな、くくく」
タツ「?」
「ちょっとぉお!!シェーレあんた昨日よくもあたしも一緒に洗濯槽の中に!!何考えてんのよ!!」
ツインテールのキンキン声の女性がズカズカ入って来る。
アカ「マインだ・・・」
シェ「マイン!?ご、誤解です・・・ああ、あれはその・・・え~・・・ピンク色の服と間違えてうっかり・・・」
マイ「うっかりで、人間を洗濯ってどういう事よ!!・・・ってあんた誰よ!?」
タツ「ええ・・・いや、ああ・・・『なんだこの爆裂弾みたいな女は・・・』
アカ「・・・彼の名はタツミ・・・、私とレオーネが仲間に推薦したんだが・・・とりあえず下働きだ」
タツ「ど、どうもよろしく・・・」
マインはタツミの顔を凝視する。
タツ「?」
マイ「不合格ね!とてもプロフェッショナルなあたし達と仕事できる雰囲気ないわ・・・あんたなんて一生下働きがお似合いね・・・顔立ちからして!」
タツ『・・・プロフェッショナル・・・だと?・・・ふぐぐっくくく・・・』
タツミは笑いを堪えた。
マイ「あんた何がおかしいのよ!?笑ってんじゃないわよ!」
タツ「ああ、いやいや何でもないごめんごめん、言い回しが面白くてついつい・・・あんたの言う通り、一生下働きでもしてるのがお似合いだな俺は・・・」
マイ「・・・妙に素直ね・・・張り合いの無い奴・・・、まぁ精々頑張りなさい」
マインは嵐のように去って行った。
レオ「・・・あいつは誰にでもこうなんだよ・・・けどタツミ凄いな、大抵の奴は初対面であの毒舌に怒るのに」
タツ「・・・・・・」
訓練所
「どぉりやあああああ、でやでやでやあああああ!!!!」
レオ「ここは訓練所という名のストレス発散所だ・・・んで、あそこにいて見るからに汗臭そうなのがブラートだ」
ブラ「ぬおおおおおおおおお」
ブラートは高速で槍を捌いている。
タツ『・・・出来るな』
ブラ「ふぅー・・・おっ、何だレオーネとアカメ・・・と、そこの男は?・・・ああ、レオーネが惚れているとか言ってた男か?」
レオ「昼間から酔っぱらってんじゃ無いよ、ブラート!」
ブラ「ブラートだ、宜しくな!」
そう言って握手を求める
タツ「・・・どうも」
レオ「気をつけろ、こいつホモだぞ」
タツ「ホモ?なんですかそれ?」
アカ「・・・男が男を好きになるという事だ・・・、・・・しかし男が男を好きになって何するんだレオーネ?」
レオ「アカメェ!あんたよく判って無いなら話に入って来るんじゃないよ!!!」
ブラ「ははは、まぁとにかく歓迎するぜ・・・もし何か困った事があったら相談に乗るぞ・・・二人きりでな!」
タツ『・・・戯れか本気か判らねぇな・・・』
レオ「とにかく、これで全員紹介したな」
会議室
タツミ以外のナジェンダ、ラバック、ブラート、シェーレ、マイン、レオーネ、そ
してアカメのメンバーが集まっている。
ナジェ「・・・皆、新しく入ったタツミをどう思う?」
マイ「レオーネとアカメがあいつは腕が立ちそうで信用出来そうだってんで連れてきたんでしょ?・・・っで見たけど大した事無さそうじゃない?・・・まったく、あんたら責任取りなさいよねー」
レオ「はぁ~・・・っかしいな~・・・う~~む、う~~ん」
アカ「私だって勘違いしたんだ・・・レオーネも思い違いしたのはしょうがない」
ラバ「俺達を実は探りに来た帝国のスパイっていう線は無いのかい?」
アカ「・・・異民族の傭兵か・・・その線もあるが・・・」
レオ「いや流石にそれは無いだろう。元々乞食だったんだ・・・あたし達に探りいれる為にって言うなら話が出来すぎてる・・・こないだの仕事の現場に居たんだからな・・・」
マイ「え?・・・はぁ?何?じゃあ、あいつ一旦野放しにしてた訳ぇ!?」
レオ「だからそういう意味もあってあいつを連れてきたんじゃん?」
ナジェ「全く・・・私が居ない時に勝手なことを・・・」
レオ「いやだって・・・標的のアリアをつれ・・・いや殺したのもタツミだったし・・・なんか信用できるかなって・・・なぁアカメ?」
アカ「・・・・・・ああ」
マイ「女一人殺すくらいの腕はあるのねぇ・・・って!それくらいの事で連れて来たの?馬鹿なの!?・・・シェーレもなんか言いなさいよ!」
シェ「・・・そうですねぇ・・・ふぅ・・・、良いんじゃないですか?お仲間が増えて、それに彼も私達のしている事を理解してくれれば本当に仲間になってくれるかもしれませんし」
ナジェ「腕が立つといっていきなり私達のように前線に出て前のように死なれても困るからな・・・ブラートはどうだ?」
ブラ「俺かい?・・・そうだな・・・良い男が入って来て嬉しいぜ!」
親指立ててグッドポーズをする。
ナジェ「はぁ・・・真面目に答えてくれ」
ブラ「・・・アカメとレオーネが戦力になると勘違いして連れて来たらしいがどっちにしろ俺達の仕事見られたんだろ?・・・とりあえずはここに居させて、様子見で良いじゃないのか?」
ナジェ「ラバックは?」
ラバ「・・・俺は一刻も早くあんな得たいの知れないあいつを始末したいですね・・・」
アカ・レオ「!?」
ナジェ「ほぉ~・・・、何故?」
ラバ「・・・だってそうじゃないですか!?俺のだけのハーレムの園がぁああああ!!!」
ナジェ「・・・・・・・・」
ブラ「・・・お前・・・俺も対象に・・・お前にそういう趣味があったなんて・・・大丈夫だ、俺はそういうのにも理解がある方だからな、これからも仲間として今まで通りに接してやるぞ!」
ラバ「言葉のアヤだよ!あんたには言われたくないわ!!」
ナジェ「どーしてお前らは揃いに揃って緊張感が無いんだ・・・頭が痛い・・・」
ブラートとラバックの漫才(?)が終えたのを見計らってナジェンダはレオーネにタツミにここに来るように促した。
タツ「いやもう、こんなに洗濯物が溜まってて、どうしてこんなに溜めてんですか・・・ところで何かありました?『・・・ひぃふぅみぃ・・・全員で7人か・・・まぁなんとかなるか・・・、さて、たかが殺し屋風情が一体何を考えているのか楽しみだ。場合によっては・・・・・・
タツ「ああ、ちょっとアカメさん・・・洗い物の中でちょっと言っておきたい事が・・・」
アカ「なんだ?」
タツ「いや実は・・・」
そう言ってタツミはアカメに耳打ちした時にアカメの持つ刀の村雨を抜き、同時にアカメの鳩尾に肘鉄を食らわせ、アカメは苦しみながら後ろに下がる。
間髪いれずにインクルシオに身に纏う段階のブラートの首を致命傷になる所まで斬った後、返す刀でマインを逆袈裟で刎ね上げ、流れるようにシェーレを袈裟斬りを行う。タツミは他のメンバーの攻撃を意識しており、ラバックが帝具の糸を投げつけるがタツミは絶命寸前の二人を盾にして、ラバックに斬りかかる、瞬時に糸を槍状にしてうけ止めるがタツミはそのまま刀に体幹の重みを載せ、圧し斬る。後ろからレオーネが拳を繰り出すのを逆背負い投げで腕を折りながらレオーネを地面に叩きつけ、彼女の首を足で踏みつけ折りながら後ろ手に向かってきたアカメの心臓を刺し、そこに飛んできたナジェンダの義手をかわしながらその繋ぎのロープを掴んで引き、ナジェンダが体勢を崩した所で村雨を彼女の首目がけて投げて命中させた。
そして、タツミはナジェンダに刺さった村雨を抜こうとした瞬間、ブラートがインクルシオに身に纏い最後の力を振り絞って槍を振り上げ降ろす、タツミはそれをギリギリまで待ってかわしインクルシオの装甲ごとブラートを渾身の力で斬り捨てた・・・・・・』・・・・」
ナジェ「・・・改めて聞きたい。タツミは何処から来たんだ?」
タツ「ええ?・・・ああ~、この国じゃない別の所から来まして、親も兄弟も戦で死んで逃れ逃れてこの国に来て満足な仕事もありつけず、食うや食わずの生活してたらレオーネさんに拾われて・・・あんた方が殺し屋だろうがなんだろうがとりあえず満足に暮らせれたら俺は特に口外も何もしないですよ」
ブラ「・・・お前も苦労してるんだな」
タツ「ははは・・・」
ナジェ「殺し屋か・・・確かにそうなんだが、改めて私達が一体何をしているか説明しよう・・・帝都の遥か南に反抵抗勢力である革命軍のアジトがある」
タツ「・・・革命軍」
ナジェ「ああ・・・初めは小さかった革命軍も今や大規模な組織に成長してきた。すると必然的に情報の収集や暗殺など日の当らない部隊が作られた。それが我々ナイトレイドだ・・・今は帝都のダニを退治しているが軍が決起の際は混乱に乗じて腐敗の根源である大臣をー・・・この手で討つ!」
タツ「・・・腐敗の根源の大臣を?そいつを倒したらその後どうするんですか?」
ナジェ「ん?これでこの国も落ち着き、私達ナイトレイドも解散だ」
タツ「なるほど・・・『簡単に足を洗えると良いがな・・・それに・・・』仮に大臣を始末してもまた似たような悪党が出てやきませんかね?・・・」
ナジェ「あの大臣さえ倒せば良い国になるはずだ・・・いや、必ずよくして見せる」
タツ「成程・・・、ならまた大臣みたいな悪党が出たらまた始末するんですね?」
一同に微妙な空気が流れる。
ナジェ「あの大臣以外にそこまで根の腐った奴はいないさ・・・だからもう暗殺なんて後ろ暗い事をする事なんかない・・・、『恐らくな・・・』
とにかく、それが我々の目標だ、他にもあるが今は置いておく・・・決起の時期については詳しく言えんが・・・勝つ為の策は用意してある、その時が来れば確実にこの国は変わる・・・お前のようにその日暮らしで処刑の片棒を担がされたりするような事も無くして見せる・・・」
タツ「・・・そりゃ良い事で・・・」
ナジェ「タツミは別の国の人間かもしれないが、この国は他の国に戦争を仕掛け捕虜を奴隷としてこき使っている・・・表向きは労働者として取り扱っているがな、それで使えなくなった人間は通称、“地獄への近道”と呼ばれる拷問広場で人体実験や帝具の性能を試している」
タツ「・・・成程、無事革命が成功すれば良いですが、仮に成功してもこういう暗部の組織は後で消される事はありませんか?」
一同その発言に驚く。
マイ「は・・・ははは、馬鹿言ってんじゃないわよ?帝国側ならともかく革命軍がなんであたし達を始末する必要があるのよ!?」
タツ「・・・ん?ああ・・・、革命軍のリーダーが誰かは知らないが革命を成した後、自分達はやむを得ず武力を使いましたー・・・、汚い手は一切使っていないと・・・後で自分達の暗部がばらされたら民衆に不味いって事で、闇に葬られるっていう話な」
マイ「・・・・・・・ぐっ」
ナジェ「・・・マインの言う通りだ・・・私も革命軍のリーダーや幹部達と何度も話すがそんな人間なら初めから組まないさ・・・」
タツ「・・・今はともかく・・・後から変わらなきゃ良いですがね」
ブラ「タツミ・・・俺達がやっている仕事は帝都の悪人を始末する事だからな・・・俺達はそんな帝国政府に虐げられている人達の願いを聞いてそういう奴らを闇に葬っているんだ・・・そういった人々は判ってくれるさ」
タツ「・・・判ってくれるかもしれませんが、俺もナイトレイドの噂は耳にするんですよ、帝都市民を震え上がられせる悪人だって・・・、何も知らない民衆がそういう風聞に踊らされなきゃ良いですがね・・・だから後でトカゲのしっぽ切りみたいにナイトレイドが仲間の革命軍に始末されなきゃいいなと・・・」
ナジェ『・・・この男・・・!?』
レオ「へぇ~・・・そんな事考えた事無かったよ、どうだマインあたしが連れて来ただけはあるだろ?参ったか!!」
アカ「・・・参ったか!」
マイ「うっさいわよ、あんたら!!はん!・・・現場知らない外野はなんとでも言えるわよ!」
タツ「・・・ああ、ごめん・・・出過ぎた事を・・・」
マイ「ふん!!」
シェ「まぁまぁ、マイン・・・彼は私達の事を心配してくれているんですよ」
ナジェ「・・・はは、ああそうだな。忠告感謝しよう」
タツ「・・・ところでさっき民の為みたいな事を言ってましたが・・・つまりナイトレイドは正義の殺し屋って事ですか・・・?」
ナイトレイド「・・・・・・・・ぷっ、ぷあははははっはっはっは」
タツ「・・・な、何がおかしいんだよ?」
レオ「タツミ、どんなお題目を唱えようがやってる事は殺しなんだよ・・・」
シェ「そこに正義なんてある訳ないですよ・・・」
ブラ「ここにいる全員・・・いつ報いを受けて死んでもおかしくないんだぜ・・・」
ナジェ「闘う理由は人それぞれだが皆覚悟は出来ている・・・という感じだが我々事を理解してくれたか?」
タツ「ああ・・・、いや俺が浅はかでした・・・」
マイ「ふっ・・・所詮どうーせ辺境の国の田舎者よねぇ・・・、ちょーと驚いたけどやっぱその程度よ!」
レオ「マイン・・・」
アカ「・・・・・・」
シェ「流石に言い過ぎです・・・」
マイ「・・・あーもう、判ったわよ、ちょっと言い過ぎたわ!」
タツ「・・・いやいや、じゃあ俺はまだ仕事が残ってんでこれで・・・」
ナジェ「ああ、途中で呼び出してすまないが頼む」
タツミはその会議室から出た後、
『・・・最低限の自制心くらいは持っているか・・・あそこで我々は正義の殺し屋だ・・・この殺しは正義なんだ・・・などと言っていたら・・・』
タツミは不敵な笑みを浮かべて洗い場へ戻った。