天然ボケを治す100の方法、前書き
「“あなたは周りの人から天然だね~と言われた事がありませんか?その意味は天然素材や無着色、無添加食品の天然物・・・という意味ではありません!では天然とはどういう意味か!?その事を本書を読んでいけば段々と判って参ります”・・・という訳なんですがシェーレさん?」
「はい?」
タツミは今はシェーレの下で諸々の事を教わっている。
タツ「えーとですね、シェーレさんはこの本何処まで読んだんです?」
シェ「はい・・・えーとですねぇ・・・忘れてしまいました・・・」
ドボーン!!・・・タツミは鎧を着たまま川へ落ちる。
二人は川辺でタツミの稽古も兼ねて来ている。
川面へ浮き上がり、
タツ「いや忘れたって・・・」
シェ「え、えーとでも、大体の内容は頭に入ってますよ!」
タツ「・・・じゃあ天然の意味は?」
シェ「・・・そ、それは天然由来成分の・・・」
タツ「そっからして違いますから!もうちゃんと読んでないんかい!!」
シェ「す、すみません・・・忘れっぽくて・・・」
タツ「・・・じゃあ因みに何故俺が鎧なんか来ているんですかね、教官殿」
シェ「わ、私だってそこまで忘れっぽくありません!タツミは今回私が暗殺者養成カリキュラムに則って鍛えているんです!私はアジトでは役割がありませんので集中して鍛えられます」
タツ「・・・何故役割が無いんで?」
シェ「・・・料理は焦がしてアカメをクールに怒らせました・・・掃除は逆に散らかってブラートを困らせました・・・笑って済ませてくれましたが・・・買い出しは塩と砂糖を間違えてレオーネに笑われました・・・・洗濯はこないだうっかりマイン本人も・・・くすん・・・」
タツ『性格は良いよなここの連中・・・但し約1名は除く!』「ところで俺はボスから“タツミも最低限の自分の身を守る強さだけは身につけておいた方が良い”と言われたから鍛錬を受けてたんだが・・・、暗殺者養成カリキュラムたぁどういう事だ!?」
シェ「!?・・・あ、あわわわ、ボスからそれは秘密だと言われてましたのに・・・私は・・・、タ、タツミ!この事は内緒ですよ!」
タツ「ああ・・・判った・・・『呆れて苛める気も起きん!』
シェ「あ、ありがとうございます!・・・あっ」
シェーレは頭を下げた為、掛けてた眼鏡が落ちる。
タツ『・・・美人だな・・・』
シェ「眼鏡眼鏡・・・」
タツミはこっそり傍に落ちた眼鏡を隠してしまう「・・・ところでシェーレは何故この稼業に?」
シェ「・・・遡って説明しますと・・・、
私は帝都の下町で育ちました。いつもぼっーとしてましたから、幼い頃から何をやってもドジばかりで私には一つとして誇れるものがありませんでした。“アイツは何処か頭のネジが外れている”そんな風によくかわかわれていました・・・
ですがそんな私にも仲良くしてくれる友達がいたんです。
私がどんなにドジをしても彼女は決して私の事を馬鹿にしませんでした。彼女といる時間だけが私にとって唯一の幸福でした。
その日まではー
彼女の家で遊んでいると男が殴り込んできました。友達の元彼氏で振られた事を逆恨みして家で暴れ始めたんです。とうとう私の目の前で彼女の首を締め始めました。
男は麻薬でおかしくなっている・・・私は彼女を助けなきゃと思いました。驚く程冷静でした・・・台所から刃物を持って来て隙だらけの男の首筋・・・急所に刺し込みました。・・・男は呆気なく死に、彼女はその様に震えていましたが逆に私の頭はクリアでした。
結局その一件は正当防衛として片が付きましたが私が彼女と会う事は二度とありませんでした・・・」
タツ『・・・、その友人もシェーレの常人離れした感性には付いていけなかったか・・・無理もないかな・・・』
シェ「――そして、後日・・・道を歩いていると男達がいきなり襲いかかってきました。殺された仲間の復讐だと・・・どうやらあの男はギャングの下っ端だったようです。“お前の親はさっき殺しておいた・・・次はお前だ”と4人は猛りきっていました・・・そんな事を言われたのに私は驚く程平常心でした・・・男の単純な一撃をかわし護身用のナイフで急所を刺す。その男を盾に他の男達も次々と殺して行きましたー男達全員を殺した時ー私は確信したんです。ネジが外れているからこそ殺しの才能がある、
社会のゴミが掃除出来る役に立てる事が一つある・・・と、以後帝都で暗殺稼業をやっていた所を革命軍にスカウトされました」
タツ「・・・その4人の死を警察はどう扱ったんだい?」
シェ「これもギャング同士の抗争という事で処理してました・・・まさか私みたいな女が4人の男を殺したと思わなかったんですね・・・」
タツ「親が殺された事については・・・」
シェ「私も彼らを殺したので結果的に敵討ちは出来ました・・・ですが両親もこんな私を持て余した所がありましたからー・・・」
タツ『親が殺された事に対して悲しみはないか、なるほど』「今の帝都中心街ならともかく、その頃はその下町なら警察機構も上手く機能してたんじゃないのか?その社会のゴミを掃除するのに法と警察に任せようと思わなかったのか?」
シェ「あー・・・確かにそうですねー・・・」
タツ「・・・・・・・、社会正義に駆られるのは結構な話だが、あんた自分の居場所が・・・役立てる場所が欲しかったんだな・・・」
シェ「・・・・・・・・」
タツ「シェーレさん、あんた可哀想な人だ・・・」そう言ってタツミは彼女の頭を撫でる
シェ「・・・・!!・・・タツミ///・・・と、ところで私の眼鏡知りませんか?」
タツ「・・・何言っているんだ?シェーレの頭の上にあるだろ?」
シェ「え?・・・あれ?・・・どうして?え?え?」
タツ「じゃあまた後で」笑いながら去っていく。『・・・、同情はするが別の真っ当な道も選べたと思うが・・・仕方も無いか・・・暴力的な事に特技を見出す・・・嫌な話だな』
会議室
ナジェ「う~~~~む・・・」
レオ「どうしたんですか、ボス?便秘ですか?」
ナジェ「違う!!・・・こないだの件・・・何者かに私達の標的だった警備隊のオーガと首斬りザンクが既に殺された話だ・・・」
レオ「あ~・・・あたしがオーガ担当で、ザンクはアカメが対峙したんでしたね?」
ナジェ「一体誰が・・・?」
レオ「全くですよ、おかげであたしの報酬はパー!ザンクはアカメに敵わないと見て逃げた所、誰かに一突きで殺されてたって・・・それに帝具も持ち去られて立って・・・ボス、あたし達の他に同業がいるんですかね?」
ナジェ「・・・ラバック、私達以外にも同業がいるか、何か情報があったら教えてくれ」
ラバ「アイアイサー」
タツミの部屋
タツ「さて・・・この帝具どうすっかな・・・壊す前に遊んでみるか・・・」
再び会議室で全員が集まる
マイ「・・・あんたなんでバンダナしてる訳?・・・格好つけてるつもり?」
タツ「良いだろ別に」
ナジェ「皆に聞いてもらいたい事がある、今、北の方にエスデスが・・・」
タツ『さて、額に付けたこの帝具ばれてないな・・・よし発動させてみるか・・・』
タツミはその場に7体の骸骨が喋り話しているように映っている。
タツ「・・・くくく・・・ふぐぐくくくく・・・・」
マイ「?・・・あんた何笑ってんのよ・・・」
そう言ってタツミには骸骨顔がアップで話しかけているように見える。
タツ「な、なんでもない・・・『こ、怖面白い・・・!くくく・・・』
マイ「?」
ラバ「お前、今の話ん中に何処に笑う要素あんだよ?」
タツ『こ・・・この帝具は当分の間、このまま持っておこう・・・ぶはははは』
マイ『・・・変な奴・・・』
会議が終わり、
タツミは外に出て、呼吸を整えている。
タツ「あー、おかしかった・・・不味いなこの帝具は・・・しまっておこう・・・ん?」
シェ「・・・タツミ?」
タツ「あー・・・シェーレさんか、どうしました?」
シェ「・・・呼び捨てで良いですよ・・・ところでタツミ、貴方が来てからマインや他の皆も少し穏やかになってきました・・・ありがとうございますね・・」
タツ「・・・元からあーじゃないんですか?」
シェ「確かにそうなんですが・・・以前は無理に明るく振舞っていた所があるんですよね。けど今は・・・」
タツ「・・・・・・・・」
シェ「そうそう、タツミは色々言いながら私達の心配してくれているじゃないですか?」
タツ「・・・・・・・・」
シェ「ですから、余り隠し事して欲しくは無いですね、ふふふ」
タツミの目に一瞬闘志が宿る
タツ「隠し事・・・?何の事で?」
シェ「そうですねぇ・・・例えば、敢えて皆の神経逆撫でして、意見をまとめたり憎まれ役買ってストレス発散させたりとかですかね?」
タツミは一瞬驚くが、
「・・・あはははは、ばれたか・・・実はマインの洗濯物洗うの面倒臭かったんでそのまま戻したんだ、でもあいつ全然気づかなくて」『しかしここの女連中は大らかというか・・・男の俺に自分達の洗濯させれるなんて・・・殺し屋だから神経図太いのか?・・・いつか自分達の物ぐらい自分で洗えと言おう』
シェ「あらぁ?そうだったんですか、それは知りませんでした・・・この事はマインに言っておきますね♪」
タツ「ちょっと待ってくれぇ!!」
シェ「うふふ、ではお休みなさい」
シェーレが去っていく後ろ姿を見送るタツミの目は険しいものではなかった。
数日後
レオーネとタツミは次の標的の周辺調べに帝都に来ている
タツ「なぁ姐さん」
レオ「なんだタツミ?」
タツ「なんで俺まで下調べに来なきゃならないんだ?」
レオ「言って無かったっけ?今度タツミはあたしの仕事の補佐するって?」
タツ「聞いてねぇよ!」
レオ「大丈夫だって!タツミはただ外を見張って、逃げた奴を教えてくれるだけで良いんだから」
タツ「判ったよ・・・『さてはナジェンダの奴ら俺の様子探ってるな・・・誰がお前らに協力するか』
その間にレオーネは道行く人に声をたびたび掛けられている。
タツ「姐さん凄い人気だな」
レオ「この辺のスラムはあたしの育った場所だかんねー、ホームだホーム。タツミが居た所も似たようなもんじゃなかった?」
タツ「俺が居た所はここよりももっとひど・・・」
レオ「あ~・・・そうだったね・・・でもさぁとにかく、あたしはこれでもマッサージ屋として腕が良いと評判・・・」
タツ「なるほど、後ろから尾けて来てる熱いファンもいる訳だ」
レオ「へっ?」
「ちっ!見つかっちまった」
「構うもんか、行くぞ!」
「レオーネ!溜まったツケ払ってくれ!」
「博打で負けた金、清算しろ!」
「兄貴からちょろまかした金返せごらぁ!」
借金の取り立てがレオーネを追いかける。
そして、二人は逃げ出した
レオ「どーだ、面白い所だろ?・・・って、あれぇ!?タツミ居ない!!」
レオーネと分かれたタツミは・・・、
タツ「さてと・・・久しぶりに一人でブラブラするか。外に出るにも俺に誰か彼か監視が付いてたからなぁ・・・一人で自由行動の許可が出るくらいの信用は得ておくか・・・」
「ややっ!私の正義センサーに反応あり!そこな君!何かお困りですかな?」
小さいが直立歩行する謎の犬らしきペットと警備隊の制服に身を包み長髪を後ろに縛った、ぱっと見可愛い女性がタツミに声を掛ける。
タツ「ん?・・・『いや全く困って無いんだが・・・それよりも正義センサーってなんだ!?』・・・貴女は?」
セリ「帝都警備隊セリュー、正義の味方です」と言って敬礼を行う。
タツ『警備隊・・・ひょっとするとオーガの部下か・・・』
コロ「きゅううん・・・きゅうううんん」
タツ「あの・・・その動物は?」
セリ「帝具“ヘカトンケイル”ご心配なく悪以外には無害ですから」
タツ『・・・ヘカトンケイル・・・あの人食も行う帝具か・・・』
セリ「ところで何に困ってたんです?」
タツ『だから困ってねぇって!!』「・・・あ~・・・いや、道に迷ってしまって。え~と、ああ!元いた酒場の名前は判るんですが・・・」
頭をかきながら理由を思いついたタツミ。
セリ「それは大変!パトロールがてらにお送りしますよ!こっちです」
そう言ってセリューはタツミの手を握って引っ張っていく
タツ「・・・・・・・」
コロ「・・・・・・・きゅう、きゅううううう!!!」
タツ「帝都警備隊は全員この生き物を飼っているんですか?『なんか怒っているなこいつ』」
セリ「まさかこの帝具を持っているのは私だけですよ」
タツ『やっぱり量産出来る訳ないよな』
セリ「コロちゃん・・・あ・・・私がつけた名前なんですけど・・・この子は相性が良くない使い手だと動こうとしないらしいんです。上層部には使える人間がいなくて私達ヒラまで適正検査を受けまして、その時私の正義の心にこの子が応じてくれたんです。・・・だから、今では私の相棒なんですよ。ね、コロちゃん」
コロ「きゅうう!」
タツ「・・・噂じゃあ、生物型帝具は合わない相手は食い殺すっていう話を聞いた事あるが・・・そのコロは大丈夫だったのかい・・・?」
セリ「え・・・・?」
タツ「・・・・・・・・」
セリ「・・・い、言いがかりです・・・コロがそんな事・・・」
タツ「間違ってたら悪い・・・俺は帝具を調べるのが仕事の学者なんだ・・・その酒場で仲間と落ち合う予定だったんだ・・・」
セリ「コロちゃん・・・そんな事無いよね?」
コロ「・・・・・・・・」
タツ「あ~・・・あの店だ・・・どうも、ありがとうございました」
セリ「ええ・・・では・・・」
そう言ってタツミはセリューと別れる。
セリ「行こう、コロちゃんお腹すいたでしょ・・・死刑囚五人でどうですか?」
コロ「きゅう!!」
セリ『・・・、相性の合わなかった人は食い殺された・・・でもその人はきっと心の底に悪の心が有ったからだよね、きっと・・・そうだよね、コロ・・・?』
タツ「・・・正義馬鹿か・・・、しかしあの帝具の声どっかで聞いた事あるような・・・そうか、ナジェンダか!?・・・いや気のせいかな・・・?」
セリューは駆けながら思う・・・『人助けも重要ですが早くナイトレイドを見つけないと・・・オーガ隊長・・・』
かつてセリューはオーガに稽古を付けて貰い、
セリ「せいっやぁっ!」
オーガ「ハハハ、良い打撃だ!!セリューお前また強くなったんじゃねのか?」
セリ「折角帝具が選んでくれたんです。私自身もっと強くならないと・・・正義は悪に屈してはならない!殉職したパパが言ってました!」
オーガ「・・・くくく・・・そうか・・・そこまで強くなりたいなら切り札を授けるぜ?」
セリ「本当ですか?」
オーガ「知り合いの医師が実験をしたいって言っててな。ただ身につけるには死ぬほど痛えぞ?」
セリ「構いません!悪が倒せる可能性が上がるならなんだって!」・・・・
『私の恩師オーガ隊長を殺した悪・・・!ナイトレイド絶対に許さない!!』
待ち合わせの酒場
レオ「もうタツミ!?急にいなくなってあの後何処に行ってたのさ!?」
タツ「・・・観光」
レオーネはぶつくさ文句言いながらタツミを次の標的の居る場所まで連れていく。
色街の屋根
めかし込んだ娼婦達が往来や建物の中から見えかくれしている。
タツ「・・・・・・・・」
レオ「なぁタツミ、何考えてんの?」
タツ「・・・別に?」
レオ「どうせスケベな事考えてたんだろ?このむっつり!」
タツ「・・・んな事より早く行こうぜ!!」
レオ「そうそう、お仕事して借金返さないと・・・変身・ライオネル!」
レオーネは変身する上で獣化する為、着ている服は半ば溶けていく・・・
タツ「ぶはっ!!///」
そして獣化が完了し再び着ていた衣服は修復されていく・・・。
レオ「よしっこの格好になると昂ぶる、昂ぶる!・・・っと、タツミ?さっき何か反応してなかった?」
タツ「いいや、何も!!」
レオ「本当?」
タツ「ほんと」
レオ「・・・まぁいいや、さ、潜入するよタツミ」
タツミを抱えてレオーネは屋根を何度も飛び越え標的の居る屋敷の屋根裏へ向かう。
レオ「ふいーっ到着!」
タツ「・・・これ潜入って言うのか?・・・まぁ結果オーライか」
レオ「それよりもタツミ、下!」
その下への部屋では娼婦達が麻薬漬けになり自堕落と化している。
タツ「・・・・・・」
そこに標的の男達がやってくる。
「お前達、ちゃんと稼げばもっと薬を回してやるからな!」
「はぁーい!」
「ん?親分・・・こいつ見て下さいよ」
「あーだめだなこりゃ、魚臭いし壊れてるわ」
「ああ・・・もっと薬を・・・」
「廃棄処分、新しいのと取り替えろ」
子分の男はその女を無造作に殴り飛ばす
「またスラムのアホ女達に声かけましょうよ」
「おう、あそこのろくでなし共は金の為になんでもするからな」
タツ「・・・・・・・・・・」
レオ「今殴られた子・・・スラムの顔馴染みだ・・・最近見かけなかったと思ってたらこんな所で・・・」
「・・・・・・・」
タツミは同情を匂わせる目をレオーネに向ける
レオ「むかつく・・・さっさとあいつらを始末しよう!」
タツ「・・・判った・・・」
その男達は別室で部下達と酒飲みをしている。
「親分・・・そろそろ薬の販売ルートも拡充しましょうよ」
「そうだな、チブル様の所へ相談に行ってみるか」
その時、轟音と共に壁が破壊され、レオーネが現れる。
レオ「お前達が行く所は・・・地獄だろ!」
「し、侵入者だ。始末しろ!」
レオ「標的は密売組織一味・・・お前達も同罪だ、まとめて逝かせる!」
レオーネは部下達を次々に撲殺していく。
「ざ、ざけんな!俺は殺されるほど・・・」
部下の一人が銃を構えるがレオーネは倒した部下の一人を投げつける。そして、相手の体勢が崩れた所を首の骨を折り、最後の標的の首根っこを掴み持ち上げる。
「ぐっ、何が目的だ・・・金か・・・薬か?なんでもやるからその手を離せ!」
レオ「いらないな、欲しいのはお前の命だけだ・・・」
「な・・・なにもんだ・・・てめぇら・・・」
レオ「ろくでなしだよ」そう言って強力な一撃がその男の肋骨を折り、その骨が心臓へと突き刺さり、即死する。
レオ「だからこそ、世の中のどぶさらいに適しているのさ」
レオーネから逃れた部下達が部屋から逃走していく。あらかじめ細工している為逃走経路は一つしかない。
「ち、ちきしょ・・・う・・・?」
その一人の首に小刀が掛かり・・・頸動脈を斬られる。
「ど、どうした!?」
続けざま、片手に小刀を持ったまま瞬時に相手の顎と後頭部を抑え首を折る。そして、流れるように逃げた最後の一人の腹部を刺し抉る。
「だ・・・誰だ、てめぇらは・・・」
タツ「・・・誰が殺ったか地獄で閻魔に聞いてみろ・・・」そう言ってタツミは相手の血の気が引いたのを見計らって小刀を抜く。
そして、レオーネと合流する。
レオ「よぉ、タツミ・・・他に逃げた奴いなかった?」
タツ「いいや、誰も」
レオ「本当?」
タツ「ほんと」
レオ「・・・あれで全員だったかなぁ?・・・まぁいいや、じゃあ早いとこずらかろう!」
タツ「おお」
アジトへ向かう二人を月が照らす。
タツ「壊れた女達はこれから一体どうなるんだ?」
レオ「そこは私達の領分じゃないだろ?」
タツ「・・・そうだな」
レオ「・・・・・・、スラムの元医者にじいさんがいるんだが・・・これがまだまだ腕が良い。事情を話して診て貰うさ。若い女大好きだから喜ぶだろう」
タツ「姐さん・・・あんた」
レオ「助かる可能性があるに越した事はないからな・・・」
タツ「・・・ふっ」
レオ「わ、私の顔馴染みがいたからだよ」
タツ『・・・俺はあんた方の事、少し見直したぞ』
レオ「・・・ん?タツミなんか言った?」
タツ「いやなにも」
レオ「・・・さて、別動隊の皆も無事かな?」
マインとシェーレは疾走している。
マイ「チブルって標的用心深いにも程があったわ」
シェ「でも無事に片付いてなによりです」
マイ「・・・・?」
シェ「!?」
木の上に身を潜めていたセリューが二人の間に割って入る。
マイ「敵!?」
マインは後ろへ大きく下がる
『何こいつ気付かなかったわ・・・』
シェ「気配丸出しの警備隊員とは違うようですね」
セリ「・・・やはり、顔が手配書と一致・・・ナイトレイド、シェーレと断定!所持している帝具から連れの女もナイトレイドと断定!・・・ふふふ、夜ごと身を潜め待っていた甲斐があった・・・やっと・・・やっつっつっつっと巡り会えたなナイトレイド!・・・帝都警備隊ーセリュー・ユビキタス、絶対正義の名の下に悪をここで断罪する!!」
マインとシェーレは身構える。彼女達がいる広場の大時計は1時25分をさしていた。
マイ「・・・正体がばれた以上、来て貰うか死んで貰うしかないわけだけど・・・」
セリ「・・・、賊の生死は問わず・・・そうお触れが出ている・・・ならば正義(わたし)が処刑する!!・・・パパはお前達のような凶族と闘い殉職した。そしてお前たちは師である隊長を殺した・・・絶対に許さない!」
マイ「オーガの事?あたし達は知らないわよ、そんなの!」
セリ「お前達がやったに決まっている!!」
マイ「・・・話には聞いているわよ、あのオーガは罪をでっち上げて無罪の人を処刑したり、賄賂も貰っているって!!」
セリ「ほざくな!!・・・全く、悪はそうやってよく嘘を言う・・・命乞いのつもりならその手はにはのらないぞ!!」
シェ「マイン!」
マイ「ええ・・・、人の話聞く気0ね・・・仕方ない、なら!」
マインは帝具パンプキンで衝撃弾を連発してセリュー達に撃ち込む。
「・・・・・・・」
セリューは悠然と構え、その前に生物型帝具ヘカトンケイル・・・コロが立ちはだかり、大型化する。
弾が見事に当たり、煙が包む。
マイ「・・・・・やったか・・・?」
コロはその巨体でマインの衝撃弾を全て防いでいる。
シェ「!?・・・マインやはりあれは帝具です!!」
マイ「みたいね。しかも生物型ってやつか・・・」
セリ「・・・“旋棍銃化”(トンファガン)」
セリューはトンファ―型の銃で乱射する。
二人はそれを易々とかわし、マインは再びパンプキンを身構え、シェーレは鋏型の帝具、エクスタスを皮の鞘から取り出し、応戦の構えを取る。
セリ『この距離で銃撃しても効果は薄いか…』「コロ!捕食!」
コロは飛び上がり、凶悪な牙でシェーレを襲う。
ズシャアアアアアア・・・
シェーレは相手を冷静に見据え苦もなく、コロのその牙や首を切断する。
シェ「すみません・・・」
シェーレはそのままセリューに向かう・・・が、コロは既に修復し、彼女を睨みつける
シェ「!?」
ズドン!!
マインのパンプキンが火を噴き、コロを後退させる。
マイ「文献に書いてあったでしょシェーレ、生物型の帝具は体の何処かにある核を砕かない限り再生し続けるって、心臓無いんじゃアカメの村雨も効かないだろうし」
シェ「中々面倒な相手ですね」
セリ「・・・コロ、腕」
コロ「ぐるるるるるうる・・・・」
コロは腕のみ筋肉で強化する。
マイ「・・・なにあれ?こうなったらアレしかないわシェーレ」
シェ「分かりました」
セリ「粉砕!」
コロは乱打でマインを狙う。
マイ「何よこれ!!逃げ場ないじゃない!!」
シェ「マイン!私の後ろへ」
シェーレは何発もの乱打を帝具のエクスタスを盾にしているとはいえその細身で受け止める。
シェ「ぐっ、重い」
ピイイイイイイイイイ、セリューが呼子を鳴らす
マイ「!!」
セリューはニヤァと醜悪な笑みを浮かべる
マイ「嵐のような攻撃、援軍も呼ばれた・・・これはまさにピンチ!!」
マインはコロの頭上へと飛び上がり、パンプキンをぶっぱなす!!
マイ「だからこそ行けえええええ!!!」
コロのその火力に溶け始め、骨も見えてくる。
セリ「火力が上がった!!??でも・・・!」
マイ「くっ・・・もう修復をはじめてる。なんて生命力・・・」
セリ「ふふ・・・あはは、帝具の耐久性をなめるな・・・」
「帝具は道具、使い手さえ仕留めれば直ぐに止まります!」
シェーレが隙をついてセリューに肉迫する。
セリ『初めから私狙いか!』
シェ『奥の手で一気に』
シェーレの帝具が辺りにまばゆい閃光を放つ。
セリ「金属の発光!?こんな技が・・・!!」
シェ「終わりです」
セリ「・・・う・・・うわああああああ」
セリューはまだ目が完全に見える状態で無い中、シェーレの乱撃を旋
棍銃化で防ぎきる。
シェ『!?・・・彼女自身も強い・・・』
コロはセリューが応戦しているのに気付き、向かおうとするが・・・衝撃波が脇腹を掠めていく。
マイ「おっとアンタは私!行かせないわ!」『ピンチが薄くなった分、倒しきれないか・・・でも足止めには十分・・・核の場所も消去法で見当はついてきた』
シェーレとセリューは激しい攻防を繰り返し、シェーレは徐々にセリューを追い詰める。セリューは足を取られ、
「あ・・・」
武器を落としてしまう。
その隙を逃さずシェーレのエクスタスがセリューの両腕を切断する。
セリューは咄嗟に自身の両腕でガードした。
シェ『腕を捨てて致命傷を防いだ!?でも次の攻撃で・・・』
セリ「正義は必ずかぁあああつううう!!」
シェ『人体改造!?』
セリ「隊長から授かった切り札だ!くらええええ!!!」
セリューは剥き出しになった両腕から飛び出した銃でシェーレを撃つ。
ガアアアアアンンン・・・
シェーレはそれを帝具で捌ききっている。
セリ『防いだ!?』
そしてシェーレはセリューのその両腕の銃も刎ね飛ばす。
セリ「ぐっ・・・まだまだ!!」『使うとオーバーヒートで数カ月コロが動けなくなるけど仕方がない・・・』「コロ、奥の手(狂化)!!」
コロは筋肉強化し首輪が切れ、犬から狼型へと変貌し、猛る咆哮を放つ。
ギョアアアアアアアア!!!!
マイ「うああああ」
シェ「ぐっ・・・」
二人とも耳を押さえ、一時動けなくなる。
マイ『あっちにもあんな奥の手が・・・、「・・・しまっ」
マインのその隙を逃さずコロの剛腕がマインを捕える。
シェ「マイン!」
セリ「握りつぶせぇ!!」
バキバキミシシ、
マイ「う・・・う・・・うああああああ・・・」
マインの腕が折れてしまい・・・更に・・・
ドッ!!
マインを捕えたコロの腕が両断される。
マイ「・・・?・・・シェーレ!」
「間に合いました!」ほっとするシェーレ・・・
その時、シェーレの心臓付近を銃弾が貫く
マインは一瞬何が起こったか判らない。
その弾を撃った張本人はセリューであり、口の中にも銃を仕込んでいた。
セリ『くくく・・・正義執行!!』
シェ「体が・・・動か・・・」
コロがシェーレに向かって大口を開けて、上半身から上を噛み千切っていく・・・
シェーレの目は呆気に取られ、マインは彼女の名を呼び泣き叫んだ
「シェエレエエエエエエエエ・・・・」
マインは直ぐに気持ちを切り替え、怒りで己を奮い立たせる。
セリューは歪んだ笑みで満足そうに眺めている。
マイ「よくも、よくもシェーレを・・・、う、腕の一本くらい折られたぐらいでぇえ!!」
「あれだ!」「交戦してるぞ!」「応援をもっと呼べえ」
そこにセリューが先ほど呼んだ他の警備隊が駆け付ける。
マイ「くっ・・・・!!」
その時、広場一体を覆う閃光が放たれる。
セリ「何!?」
「なんだこの眩しさは!」「用心しろ、何が起こるか判らん!」
シェ「エクス・・・タス・・・」
この時、マインは全てを理解した・・・。
「シェーレ!!」
シェ「今のうちに逃げて下さい・・・マイン・・・」
セリ「あいつ・・・あの状態でまだ・・・」
マイ「でも・・・」
シェーレは一つの悔いは無いという、笑顔を向ける。
それを見たマインは全てを呑みこみ、その場から離脱した。
『最後に・・・お役に立てて良かったです・・・』
「コロ!早くそいつにとどめを!!」
セリューは恐れをなして顔面蒼白になりながらも叫んだ。
『ナイトレイド・・・、私の居場所・・・楽しかったなぁ・・・』
『すみません、タツミ・・・、貴方の事をもっと理解したかった・・・』
シェーレの思考はそこで途切れた・・・。
グシャ、バキゴキ、ゴリゴリ・・・
主の手からエクスタスが地面に落ちた。
「な・・・なんだったんだ今の光は・・・」「おいセリュー大丈夫だったんか?」
他の警備隊が声を掛ける。
セリ「あは、あはは・・・やったぁ・・・、悪らしく仲間を見捨てれば私と良い勝負だったのに・・・中途半端な奴・・・パパ・・・私、凶賊を一人倒したよ!正義の光が世界を照らしたよ!あは・・・あはははは・・・ははははは・・・・・、
・・・・・・・・・・・
ナイトレイドアジトの外広場
全員集結している、1名は除いて・・・。
マインから事の顛末を聞き、
「シェーレが・・・」
アカメは愕然となり肩を落とす。
ブラートはやるせなさで俯き、ラバックは涙を流し悔しがる。レオーネも呆然となり、ナジェンダからは表情が窺えない。タツミはそれぞれの思いを黙って見ていた、そして・・・
タツ「・・・いつかはこういう日が来る・・・あんた方もそれは覚悟してたんだろ?・・・話はこれで終わりか?じゃあ、俺は仕事に戻るわ、まだ洗い物が残っているからな」
「あんたぁ!!」
マインがタツミにつっかかろうとする前に、ブラートは有無も言わずタツミを殴りふっ飛ばす!
「タツミぃてめぇ!!シェーレの死よりもそんなに皿洗いが大事かよ!!」
タツミは起き上がり「・・・俺はあんたらのような殺し屋じゃないんだ、おたくらの敵討ちや抗争の巻き添えくうのはごめんだね・・・自分だって言ってただろ?“いつかは報いを受ける日が来るって”」
「それとこれとは話は別だ!シェーレはお前の事をな・・・」
ブラートは尚もタツミを殴ろうと首根っこを掴む。
「ブラート、止めてくれ」
アカメはブラートを止めに入る。
ブラ「あ、ああ・・・ちっ・・・」
ナジェ「二人とももう止めろ!!・・・タツミ、お前は持ち場に戻れ・・・」
タツ「・・・ああ、そうさせて貰う」
タツミはそのまま建物へと入っていく。
皆からはタツミの背中に対して多かれ少なかれ非難めいた視線を送る。
ラバ「けっ・・・あの野郎・・・」
マイ「くっ・・・、あたしもあいつひっぱ叩かないと気が済まない・・・」
マインはタツミの後を追った
厨房
ズドガン!!!
轟音が聞こえた。そして、厨房の壁に大穴が開いている・・・
マイ「なっ!?今の音何!?・・・そこにいるの、タツミ?」
タツ「・・・マインか・・・シェーレはどんな殺され方をした・・・?」
マイ「は・・・?・・・あんた・・・」
タツ「・・・良いから、言え!!」
マインは呆然となった後、我に返り彼の言葉に従った。