一方ドロテア研究室ラボでは
「おーおー、大軍でお出ましのようじゃなぁ・・・」
「へぇ~・・・反乱軍が・・・とうとう来たんだねぇ~・・・」
ドロテアとスズカがのんびり茶を飲んでいる。
「・・・スズカ、お主も共に反乱軍を迎え撃つんじゃろうな?」
「勿論・・・どうして?」
「いや・・・では妾はコスミナと共に行くとするか・・・」
「あ~・・・あの変わり果てたお友達?」
「ふっ・・・寧ろ光栄に思うべきじゃ・・・では、また後でのう・・・」
「ええ・・・また後で・・・あたしはあっちの方の守りが大丈夫か見てくるから・・・」
別れた後、互いにニヤリと笑みを浮かべた。
ドロテアは研究所から離れた場所にある巨大な牢に来た。
「くくく・・・女狐め・・・妾が見抜けぬと思うたか・・・さて、コスミナ、大暴れしようかの・・・妾と組んで天下を取るのじゃ!!」
「キシャアアアアアア!!!!」
かつての姿を想像出来ない有り様となったコスミナは獣な咆哮を上げた。
「くくく・・・はははははは・・・ここまで喰らったのじゃ、もう相手が誰であれ勝てる者はおらんぞ・・・くははははは!!!」
大きく見上げる程の巨大な蟷螂のような化物と成り果て6本の後脚と2本の前脚は刃物のように尖っている、コスミナは餌を求め、帝都の混戦場へ向かう。
宮殿内では・・・
近衛兵達が守りを固める為、巡回、指示、手の空いた者の中には外への応援の為出撃しようとする者もいた。
其の時、コッコッコッコッ・・・
ハイヒールの音が響き、白の軍服を身に纏った・・・兵なら誰もが見知った・・・逆行を背にしたシルエットが浮かぶ・・・
「エ、エスデス将軍・・・!?」
「馬鹿な・・・何故こんな所に・・・?」
驚く兵士達にエスデスと呼ばれた女は・・・長い碧髪をたなびかせ流し目を送った後に投げキスをして見下すように彼らを見た後、再び歩を進め姿を消す。
呆気に取られた兵士達は・・・「・・・エスデスだぁ・・・追ぇえええ!!!」
「・・・・・ううっ・・・」
数名うろたえ、戸惑っている「何をしている?幾らエスデスでももう帝具は使えない・・・今度こそ捕えて俺達の手柄にするぞぉ!!」
その言葉に奮いたった者達が次々に追いかける・・・「何処に行ったぁあ?」
「あっちだぁ・・・」「追ええええ」
だがそんな中、一人途中で追うのを止め、ほくそ笑む兵士がいた。
「・・・じゃあねぇ~~~、さーて、今度はあっちの兵達を、と・・・」
「始まったか・・・」
エスデスは帝都が見える小高い丘でその様子を見ていた・・・
彼女は眼を閉じ・・・数秒、意を決し再び走り出した・・・
『捕えられた部下達の事はタツミを信じよう・・・だが・・・これまでの事態に至ったその責任は私にもある・・・、せめてその決着だけは私の手で着ける・・・許してくれタツミ・・・』
エスデスは木々の間を縫うように疾走した。
一方、スズカはのほほんと宮殿内を歩いていると・・・ゴキブリと人間が合わさったような改造人間が数体現れ、彼女の前に立ちはだかる。
「どうも~こんちわ~・・・ねぇ、貴方達、外の敵、倒しに行かなくて良いのぉ?」
「グルルルルル・・・・」
その改造人間達はスズカを取り囲むようにじりじりと間合いを詰める。
「あら~・・・これってひょっとして、あたしのやっている事ばれてたって事?・・・やっぱお婆さん騙せなかったかぁ・・・あ、ははははは、やっぱあたしこういう駆け引きとか向いてないわぁ~・・・あたし、ピ~ンチ!!」と頭を掻きながら笑うスズカに彼らは襲いかかる。
「皆さん下がって・・・コロ、7番!・・・泰山砲!!」
セリューはコロの口に手を入れ、かつてスタイリッシュが造った武器の対戦車用の砲撃を行う。
エスデスの部下達で、彼女の助命嘆願した者達が囚われている強固な牢を粉砕する。
「さ、早く!!」
それぞれ脱走していく、その中には・・・
「セリュー!?」
「あ・・・、」かつて警備隊の同僚も交じっていた。
「セリューお前も生きてたのか・・・助かったぜ、俺達秘密裏に始末されるって話だったんだが・・・やっぱり本当だったのか?」
「ええ・・・、とにかく今は早く逃げて!!」
「おい、だけどよ・・・なんか宮殿付近が騒がしいが何があったんだ?」
「・・・今革命軍が攻めて来てる・・・」
「な!?・・・それ早く言えよ、じゃあ俺達も行って加勢しないと!」
それを聞き、まだ闘う気力の残っている者達は賛同する。
「闘うって、どっちの側?」
「俺達は・・・ああいやでも、エスデス将軍助けようとしただけで、反逆者として殺しに掛かったからな・・・やっぱり・・・」
「ふっ・・・」
ランはセリュー達の様子を空中で影ながら見守っていた。
「ん?」
「何あれ?」
アカメとクロメが振り返ると、そこに革命兵、帝国兵、民間人問わず食い荒らすコスミナが迫っていた・・・。
「はーははははは、やれコスミナ!!全ての愚民共を喰らい尽くせ!!・・・妾達の力を見せつける良い機会じゃ、誰が最強か教えてやろうぞ!!」
『・・・あれはワイルドハントのドロテアと・・・コスミナ?・・・妙だ、マインがコスミナは仕留めたと・・・』
アカメは心の中で思い、そしてクロメに問い質す
「クロメ、あれはワイルドハントのドロテア達だな?」
「うん・・・、どうしてあんな事を・・・」
「大臣達は・・・帝国政府の者達には、最後はああやって味方をも切り捨てていくんだ・・・お前の守る民間人も殺されていっているぞ!!」
クロメはガクガクと震えだした・・・「そんな・・・帝国は間違っていない・・・、裏切るのは駄目・・・うう、頭が・・・」頭を抑え蹲る。
もう眼前まで迫り・・・「む?なんじゃ、クロメか?・・・それにアカメ・・・?くくく・・・喰らって力を増させるのじゃ・・・コスミナの強さは天井知らずじゃ・・・やれ、コスミナ!」
コスミナがクロメを喰おうと迫る。
「違う違う違う・・・、帝国は帝国を裏切らない・・・違う違う・・・」
クロメがぶつぶつ呟き、周りへの注意が途切れている中
「クロメ!?」
アカメは叫び、コスミナは獲物を斬る刃が振り下ろされる・・・だが、それを村雨で傷を負わせる。
「キシャアアアアアア!!」
コスミナは退き、アカメを睨みつける。
「グギャアアアア!!!!」
斬り口から村雨の呪詛の梵字が流れていきコスミナは苦しみながら倒れる・・・やがて心臓まで達し息が途絶える・・・
其の時、村雨が刃と柄の部分も含め木端微塵に砕け散る・・・
『村雨・・・今まで有難う・・・』アカメは村雨へ黙祷を捧げた。
「ふっ・・・アカメか・・・妹を庇うとは麗しい姉妹愛じゃ・・・だがな・・・」
ドロテアが指を鳴らすとコスミナは立ち上がり、彼女・・・の心臓付近に嵌められた宝石が呪詛の梵字を受け砕け散る。
「キシャアアアアアアアア!!!」
コスミナは咆哮を上げる。
「!?・・・身代わり・・・」
「賢者の石・・・と言っても判らんじゃろうな、かなり万能なスーパーアイテムと思え。貴様らの帝具の材料にも使われておる・・・貴重ゆえ一個しか無かったが村雨を一度凌げば十分・・・それに、破壊も出来た・・・さぁアカメ、大人しく殺されるのじゃ!」
ドロテアが喋っている間にもコスミナはアカメに執拗に攻撃を加えていた。
「・・・成程、そう言う事に詳しい仲間が居る・・・或いは師匠と呼んでも良い存在かな?ふふ、後で聞いてみよう・・・」
アカメは村雨が無くなりながらも敢えて余裕を見せる。
「アカメの師匠・・・?面白いのう・・・、だが、ここから生きて帰れると思うておるのか?・・・コスミナ!」
標的をアカメからクロメに変え・・・クロメも自身の命を危険に晒されていると気付くが精神的ショックが大きく反応が遅れる・・・
「クロメェエ!!」
アカメは間に合わないと判っていてもクロメの元へ駆けつけようとした。